ギヴンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
爆発寸前の感情をせき止めるように、じとじと嫌な雨が降る。清潔な雪にすら為れない、生者たちの行き場のない未練が、出口を求めてあえいでいる。
夢見るのは夏。全てが無邪気でいられた時代の残照。
でも、そんなものにたどり着けないまま、糸が切れる。
かくして、時間切れだ。
そんな感じのクソ湿度青春絵巻、ジリジリとしたタメ回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
BGMを抑えに抑え、環境音だけが生っぽく流れていく重苦しい時間が、どっしり出口を探し続ける。
美しい時間を思い出しても、何かが解決するわけではなく、ただ時間だけが出血していく。
非常にイライラする展開であるが、そのジトついた肌感覚が妙に気持ちよくもあり、なかなか不思議な感触だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
この湿気たタメを抜けて、カタルシスへたどり着けるのか。
ノイタミナなので後二話、何を描いて何処に行くか。
なんとなくだが、”これから”って所で終わる気はするな。
立夏は今までの熱血野郎っぷりをせき止められて、真冬とも正面からぶつかれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
赤とも青ともつかない、半端な信号機の前で永遠に足踏みを続ける。踏み込んで傷つくのも、真実に苛立つのも嫌。なんとも面倒くさい思春期である。
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外から横車を押しても、人間関係の出口には辿り着けない。そう踏んだから秋彦は、極限まで圧力が高まる道を選んだ。春樹も頷いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
しかしじとじと降り注ぐ雨は息苦しく、どっちつかずの不快感に満ちている。劇的な音楽を徹底的に排除し、現実の停滞をじっとり追う筆が、結構好き。
そういう湿気を好む生物ももちろんいて、雨月は口では文句を言っても、元カレ同居人とのただれた距離感を楽しんでいるようにも見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
タバコを取り上げての間接キス。食事を食べさせてもらう退廃。腐り落ちてなお残る恋の残滓が、二人を湿らせる。
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雨月の才能に屈折した感情を抱いて、行き着く所まで行ったどん詰まり。そこでもなお、ヴァイオリンに付き合い、ドラムを聴かせようとは思える清潔さが、湿気の中にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
一週間の猶予期間に、何もせず何も出来ない立夏と真冬とは、ちょっと違う繋がり方。非・現在進行系ゆえの、低体温と安全性か。
終わった恋と友情は、真冬の中ではまだまだくすぶっていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
窓ガラスを涙のように伝う雨の中に、真冬は出てくる。許しを求める柊くんと、奇妙な角度で向き合う。
いつの間にか捻れていた幼馴染。同性の愛からはじき出された疎外感。
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口づけを盗み見る視線を、横目で盗み見る親友の視線。ドア越しのクローゼットに、見て見ぬ振りをした臆病と後悔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
雨の中、グズグズとくすぶり続ける感情が湿度をまして、柊くんを縛り付けている。
生き残った者たちは、雪のない季節をどう生きていけば良いのか。どう歌えば良いのか。
わからない者同士、共有される過去を挟んで関係は煮詰まっていく。…煮込まれきって沸騰し、溢れてくれるならまだしも、生煮えの温度で出口もないまま、内圧だけが高まっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
降りしきる雨と、思い出の中の晴天。鳴り響いていたBGMが、今はない
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幼馴染で、お互いの隙間を埋めあって。幸福だった夏は気づけばだんだん暗くなり、背中合わせにすれ違っていく。解りやすかった子供の世界が、曇っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
由紀の死が長く伸びる現在に近づくほどに、夏の日差しが死んで終わっていくのが、なかなかいい演出だ
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つまらない喧嘩の果てに、由紀は死んでしまった。言うべき言葉を喉奥に封じ込められたまま、生存者たちはじっとり重苦しい時間を生き続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
そこを抜けて、何かを歌えるのか。答えはまだ出ない。
ただ、断罪の距離から、肩を並べる間合いには動ける
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回想と感情を挟み、過去と痛みを共有して、真冬は柊くんに謝罪する。ライブに誘う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
過去に決着を付けたいのか、言葉から逃げたいのか。自分でもよく解らないまま、それでも仲間を誘う。
同ポジを生かして、ジトついた世界の少しの変化が良く見える。https://t.co/APvGRiFHRG
あのときの自分と同じように、膝を抱えて”何か”を待っている柊を、真冬はじっと見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
青く透明な夏はもう帰ってこない。このまま涙雨の中に沈んでいくのか、もう一度別の夏に雪を溶かしていくのか。
クライマックスはまだ先だ。
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一週間が湿気た雨の中で終わり、リハーサルでも真冬は歌わない。重たい雲が立ち込める世界で、スポットライトは太陽となりうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
クライマックスはまだ先だ。
待って、待って、限界まで待って、遂に糸が切れる。
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それが重苦しい時間からの解放を意味するのか、それとも時間切れの破断を象徴しているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
兎にも角にも、張り詰めた出口のなさは真冬の感情破裂で(どういう結果にたどり着くにしろ)終わる。
妥協を嫌うなら、その熱量を吐き出してくれれば風も吹くものを。天使のような少年の身勝手さに、眉が顰む
けど、ここで吠えたことでようやく、真冬は死に引っ張られる天使じゃなくて、自分の思いと言葉を持った人間になれるのかもな、とも思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
口をつぐんで、湿り気の中に身を置き続けても、楽しいことはあんまりない。それを思い知らされる、じっとりとしたタメ回だったからこそ。
この雨を抜けた後の光を、糸が切れた後の解放を期待したくもなるエピソードでした。終始陰湿に出口なく、じとじとしたお話でなかなかストレスが強かった。嫌いじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月30日
Time Is Running Out。
かくして時間切れなのか、ギリギリで間に合ったのか。全てが歌が知ってる。
来週が楽しみだ。