戦姫絶唱シンフォギアXVを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
”核”を超える抑止力としての”神”を宿し、超越へ身を躍らせた小日向未来。
その手を掴めぬまま落ちた響と、その手を奪って訃堂に付いた翼。
SONGを分断する政と暴の決着は、刃の担い手に託された。真の防人、その在り方を問う父との対峙が、今始まろうとしていた…。
つーわけで翼さん周辺一話で駆け抜けるッ! 訃堂が強すぎて何が悪いッ!! なXV第9話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
血縁上の父であり、子供たちをエゴで踏みつける訃堂。
戸籍上の父であり、悪しき父の支配に反逆した八紘。
何も出来ないからこそ、響の呪いを祝福に変えた洸。
様々な”父”の肖像が相照らす、因縁の巷である。
ここにカストディアンと現生人類という、作品全体を貫通する父子関係を未来=シェムハに重ねる事も出来るが、こっちはこの後のメインディッシュ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
今回はとにかく超スピードで、風鳴翼を縛る鎖、支える手を描いて塗って重ねていく話である。最終章じゃなければ、あの洗脳で三話引っ張ったな…。
『OTONAのOYAJIが弱いわけねぇだろ!』とばかりに、超絶アクションで暴れまわる訃堂。翼さんは心をずたずたにされ、ベコベコに実父と殴り合い、泣いてばっかりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
対して洸は派手なことな~んも出来ない。娘が身を置く超常世界は、鍋ラーメンが主食のオッサンには遠い世界の話だ。
しかし今回翼は泣き、響は笑う。強さがすなわち、正しさを連れてこないことを対照的な親子関係がよく見せるエピソードと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
ここまで彫り込むために、翼とマリア以外の奏者を現場に出さず、重点を絞った話にしとるわけね。
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洸の『日常からの救い』は小日向未来の属性でもあり、しかし彼女は神の依代となって、ノーブルレッドをあっさり寸断した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
歌で世界は救えない。人はわかりあえない。訃堂が呪いのように投げかける陰りに、未来さんは囚われつつある。
そこに向き合うために、”父”とラーメン食う必要があったわけだ。
今回の話、半分くらいマリアが主役だった感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
訃堂の妄執に囚われた風鳴の子供たちは、親殺し・子殺しも宿命と受け入れて死地に挑むけども、マリアは『家族が家族を殺すのはおかしい!』と堂々吠える。
そこには、翼の家族である自分も感情に入っていたと思う。私は相方殺さんぞ、っつー決意。
組織と国家の未来を決する土壇場に、未成年を連れてこない風鳴兄弟の甘さを、訃堂のように否定するのではなく、むしろ貫けと吠える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
翼さんがヘニャヘニャになった今、全てのOTONA力がマリアに託される展開である。Gの泣き虫から、よくぞここまで…散々泣いたからこそ、か。
翼さんの迷妄を切る仕事も、基本マリアが全部やってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
追い込みすぎて『バカみたいに防人防人と繰り返してきた!』と、作品とキャラの根っこを否定するみたいなセリフも出てきたけど。いやー、最終章だなぁこれ言えるの。
でもね、俺らはバカみたいなSAKIMORIが好きだったのよ…。
今回奏のことを一回も思わないのも、XVだなぁ、と思う。乗り越えたものはそのまま、蒸し返しはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
マリアは泣き虫な自分を乗り越えたから、成人奏者代表として法務執行の現場に立ち、相棒を殺さずに正気に戻す。
揺るがず翼さんを信じると、真っ先に吠えたクリスちゃんも同様だ。
風鳴という”家”と”血”の呪いは、翼さんの根幹にありつつ彫り込めなかった問題だから、今回徹底的に抉る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
強烈なエゴと実力を持つ訃堂の存在感が、そこを掘り下げる良いテコになってくれた。
いやジジイ、オメェ目立ち過ぎだから…ってくらい暴れないと、泣き虫翼のメソメソが治んねぇんだよなぁ…。
八紘の兄貴の犠牲は悲しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
”家”としては父、”血”としては兄。凄まじく捻れた運命を訃堂に押し付けられ、なかなか素直に”父”でいられなかった、政治の世界の今防人。
身勝手に子を食らう”父”から翼を守るべく、その身を捧げる。その犠牲が、国家の未来を支えると信じて。
VS訃堂最後の決め手になったのが、アマルガム解禁という政治の一撃だったのが、八紘が訃堂に勝った形で良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
人は死んで娘に祝福を残すことも出来るし、護国鬼の呪いを継承させることも出来る。生きて体を張り、姪っ子が鬼に墜ちるのを防ぐことも出来る。
訃堂ドライバーでKOされて下がった株を、最後に爆上げして終わる弦十郎も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
そこで”殺さず”を選べるのも、あの時マリアが正論吠えたからこそだなぁ、とも思う。
家族は家族を殺さない。”家”を成立させる最低限のルールすら、訃堂は切捨てて鬼に堕ちた。
ならその呪いを乗り越えて、新しい絆で繋がっていこう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
風鳴の生き方を問う今回は、同時に”歌”の意味を問う話でもあった。
シンフォギアシステムにより、歌と力が直結する作品世界でも、というかだからこそ、人を繋げる歌が人を傷つける力になる危うさと無力を、作品は描く。
訃堂が倒れた今、カストディアンとバラルの呪詛が話の真ん中になると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
人はわかりあえない。歌に力はない。
訃堂が翼さんに叩きつけた問いを、今度は未来さんが響に投げかけることになる。今回の”家”の構造は,人類史規模、地球規模に拡大して問われ直すのだろう。
その時、なんの力もねぇヘボ親父のラーメンと言葉は、神殺しを支えうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
今回洸と響が、なーんの構えもなく”親子”するのを見れたのは良かったなぁ、と思う。GXん時は、何しろ状況が派手で、落ち着いた距離感を味わう余裕一切なかったからね。あと洸が最悪中の最悪だったし。
理解りあえないと諦めたものとも、ラーメンすすって話ができる。ビームも刀も出てこない、当たり前の日常の当たり前の交流。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
それが、超常の領域にぶっ飛んでった”ひだまり”を掴み直す切り札になりそうな希望が、じわじわ描かれる回だったとも思う。とても良かった。
まぁ親子関係にビームとか刀とか出てくると、ヒドイことになるのをジジイが証明したからね…何だあの早九字と不動明王…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
そして未来さんはシェムハソードで、ノーブルレッド寸断ッ! と。これ以上彼女に、咎なき罪を背負わせないで欲しいなぁ…良い処分タイミングではあるけども。
核を凌駕する抑止力なんだから、核以上に慎重に扱うべきだったのに軽率な…というのは、ノーブルレッドの追い込まれ加減を無視した意見ではあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
人を捨てられ人を切り捨て、神を奪おうとして神に殺される。XVを駆動させてくれた名悪役が、最後に何を残すかは楽しみである。
これで訃堂とノーブルレッド、AXZから仕込まれてきた五期のエンジンが2つ、話のメインからパージされた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
残るはシャムハと小日向未来、先史文明から続く人間の宿命。鍋ラーメン大好き少女が背負うには、デカすぎるネタだなぁ…。
そのサイズ差が、正しくシンフォギアだな、という感じもする。
重すぎる運命の中心には、いつでも大事な人がいる。過大な呪いを優しい祝福に変えて、響はもう一度歌えるのか。ひだまりを取り戻せるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
XV、そして長い物語の最終章が遂に幕を開けます。何が見えるのか、僕は非常に楽しみです。
確実に宇宙域まで、スケールは肥大するな…”終盤”、かかってこいッ!