鬼滅の刃を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
累との死闘をくぐり抜けた炭治郎が目覚めたのは、藤の白洲。取り巻くは九つの”柱”、いずれ劣らぬ曲者ばかり。
鬼を殺す隊士が、鬼を引き連れ堂々歩く。主人公が背負う矛盾を、問いただす裁判が始まる。
その争鳴に誘われて、鬼殺隊を率いる”お館様”も顔を出す。
そんな感じの、トンチキ人間全員集合ッ! 名前正直憶えきれないッ!! 柱裁判開幕の第22話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
デザインが全体的にキレてるので、名前覚えれなくてもなんとなーく把握は出来るところが、漫画として強いなぁ、と思う。座相だけでキャラ立ってるわ
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前半は百家争鳴、収集付きそうもない個性の混乱で進み、お館様が顔見せてからは彼が進行と審判を兼ねて進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
トップのカリスマを共闘する意味でも、それぞれのアクを濃く煮出す意味でも、前半のワーワーは賑やかで面白い。
声優陣がとにかく強くてなぁ…ナリとも噛み合った声質だし、凄く良かったです
陪審の状況は『とにかくぶっ殺そうぜ!』な男性陣が三人、同情的な女性陣が二人、無関心な少年が一人で始まって、後に風と蛇がぶっ殺し、義勇さんは腹切り覚悟の擁護、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
当然ながら、炭治郎に旗色が悪い。この状況は、鬼殺隊のスタンダードでもあるんだろうなぁ…。
恋柱さんがとにかくなんにでも惚れ込んで、ポジティブな評価を下す人なのが面白い。裁判がギスギスしすぎない潤滑油にもなってくれてた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
しのぶさんは心を閉じ込めるようにカッチリ着込んでるのに、恋柱さんは肌も顕で…大丈夫? 誰かに騙されてない?
炭治郎と”柱”の距離感は、固定カメラで切り取られていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
ツンデレ(つうか、極端な口下手)で無関心を装う義勇さんと、斜な態度で上から見下ろす蛇以外は、一応炭治郎の顔を見て、刃も収めている。
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戦場だとハイライトの消えた人鬼にも思えたしのぶさんだが、やっぱ根っこは”医者”なんだなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
傷を負った”人間”は、嫌疑をかけられていても見過ごせない。水を与え、痛みを遠ざけたい。
問題はその”人間”の定義が、人喰わぬ鬼に適応されるか、というところだ。
しのぶさんは有罪ムードの柱相手に、炭治郎の言い分を引き出す弁護士の仕事もしていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
一番味方になってくれそうな義勇さんが、ずーっとそっぽ向いてるから仕方なく、って所なのかなぁ…。
単純に”いい人”とは言えないけど、”善人”ではあるんだよな、間違いなく。多分それは、柱全員同じだ。
妹を守りたいという情。今まで喰わなかった、という実績。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
少し場が落ち着いた所で、『それは何の保証にもなりゃしねぇじゃねぇか!』と、荒々しく理屈を叩きつけてくるのが”風柱”不死川実弥である。
蛮人に見えて、ぶん回す理屈は通ってるのよね…極端だけども。
禰豆子ちゃんを刺し貫く最上級ヘイトアーツでもって、炭治郎の激高を誘った実弥。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
『両手を塞がれても硬い頭がある!』とばかり、柱に一発入れた所で混乱は極限化、お館様の御成を以て秩序回復となる。
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炭治郎の頭突きで最大級に乱れた白洲が、お館様の登場でスーッと横一列、綺麗な配置に整うのが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
尋常ではない魂の強さを持った曲者を、一つにまとめあげるカリスマを持っているから、この絵になる。
そのカリスマを示すために、この絵に持ってくる、ということでもある。
この直線を乱すほどに、”風”の抱えた鬼憎しの気持ちは強い。謹んで不敬仕ると、白洲を血で汚し、主の領分に踏み込むこととなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
『知性も理性もないと思ってた!』と、なかなか酷いこというほどの蛮行。それを収めて礼を尽くす相手に、あえて無礼を投げ込むほどの。
凄く極端な形でロジックとエモーションが同居している人で、”風柱”は面白いなぁ、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
いや、禰豆子ちゃん刺したのはマジ許せねぇけど、流す血は自分のものだし、炭治郎の”情”とはまた別の道理が、言説にあんのよね…。
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『妹が人食ったら、お前が殺して腹切れ!』と吠えた、かつての師匠。彼と兄弟子が同じ運命を背負うと言ってくれたから、独断専行も許されていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
いやー、マジで詰め腹の覚悟とは…”水”は血よりも濃いんだなぁ…。つーか義勇さん、そんだけの思いなら言っておけよホント。https://t.co/Af24PYTtEZ
不器用人間たちの、理屈を超えた覚悟の証明。それは炭治郎の”鼻”と同じで、直感に根ざした共有しにくい感覚だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
実弥さんが代表する強権な絶滅思考のほうが、『殺す鬼』と『殺さない鬼』のあやふやな境界を信じる(直感できる)道より、進むのは楽だろう。
しかし、それは鬼も人も救わない。
濃口のトンチキ人間として顔だした”柱”も、それぞれ重たい過去を背負って鬼殺になったのだと思う。この話、そういう話だから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
害をなす前に、殺して救いを与える。それは次善の策であって、全てを救済できる希望があるなら、それを信じてみても良いのではないか。
鬼でありながら人間性を残し、人に戻れる希望も背負った禰豆子は、炭治郎だけの希望ではなく、鬼滅の刃全体の希望なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
彼女が人に戻れた時、人を守るために鬼になった優しい人達もまた、業から開放される。そういう構図なんじゃないかなぁ…結末にたどり着くまで、何クールか解かんねぇけど
ただまぁ、鬼と人間の境界なんて曖昧なものを気にしていたら、刃たり得ないのも人の真理で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
実弥さんはそういう、強くなければ生きられない人間の業を凝集して、禰豆子ちゃんを刺したのだと思う。それを問わなければ、『鬼を連れて進む人』っていう矛盾は、作品を真っすぐ歩けない。
だからここで”裁判”であり、お館様はどちらに与することもなく、情と理、両方がぶつかる白洲を見守っているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
同時にここまで禰豆子を泳がせたのは、彼女が背負う救済の可能性に、親方様自身も”何か”を感じているからか。
はたまた竈門兄妹の特別性が、宿敵を捕らえる切り札となりうるからか。
実弥さんは自分の血を誘い水に、鬼の本性を引きずり出そうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
『相手が腹賭けるなら、俺ぁ血を流すぜ!』
ロジカルな蛮人だ…結構好きだなこの人。
禰豆子は涎を垂らし、誘惑に抗う。頑張れ…その口枷を作ってくれたツンデレを裏切るな!
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この吸血我慢は、後に帰って糾弾する”柱”事態を救うことにもなると思う。初期好感度を下げに下げて、後々重たい過去でガン上げするのは得意技だからな…俺は騙されないぞ!(知恵者気取りの狂人顔)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月31日
禰豆子は鬼の宿命に耐え、希望を示せるのか。裁判の行方はいかに。次回も楽しみ。