BEMを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
サーカス。怪物(フリークス)でも人を楽しませられる、外れものたちの楽園(アジール)。
そこに身を寄せた異能の親子。重力男とハラジーに、ベラの優しさが引き寄せられる。リブラシティの、無情なる欲望も。
飛ぶことなど出来なくても、ただ重力を振りちぎる日を夢見て。
そんな感じの、メロウなエピソードである。今まで散々Z級変態でかき回してきたお話が、可憐なガールと寡黙なタフガイという鉄板組み合わせで、人情を殴りにかかってくるとは…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ベタ足ながら丁寧な運び、もう一人の”妖怪人間家族”をビターに主役に重ねる展開に、ずっしり重たい読後感であった。
考えてみれば、人間の埒を超えた妖怪人間だってみんながみんな変態というわけではなく。ベラたちと同じように心を持ち、平穏を願って生きるものだっているだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
そして街は、ベラたちと同じようにそれを的にかける。情け容赦なく追込み、銃弾で殺す。ボッ立ち射撃戦止めろ面白いからッ!!!
今までのトンチキを逆手に取った、重力男の魅せ方が良かった。最初に仮面でシュコーシュコー言ってる時は『お、新手の変態だな!』とワクワクしてたのに、外れものなり一生懸命、ちいさな幸せと手を繋いで生きている様子に、どんどん親しみが湧いてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ハラジーも奇をてらわない真っ直ぐな幼女ヒロインで、守りたくなるいいキャラだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ここら辺の好感度、最後に全部反転して苦味になるんだけどな…マジでリブラシティはクソ!!(公式で言われてること)
クソ変態をぶっ殺していればスッキリ出来てた時代が、ちょっと懐かしい…。
世間は”重力男”と呼ぶ青年を、ハラジーは”ヴァル”と呼び続ける。自分を守ってくれる、優しい”人間”なのだと、名前を告げることで静かに宣言する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ヴァルもまた、仮面の宿命に素顔を隠しつつ、クラウンとして人を傷つけずに生きようとしている。サーカスは優しく、それに応える。
ヴァルとハラジーの異能が、ジャグリングとして人を楽しませているシーンが嬉しく、この後の悲劇を予感させて悲しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
適切な場所でうまく使えば、妖怪人間だって優しく生きられる。でもその夢は、ガラス細工よりも脆い。街に垂れ流された悪意で、簡単に破綻してしまう。
また団長がトンチキながらいい人で、だからこそただの”人間”である彼の善意が二人を守りきれないのが、なんともやるせなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
街とその走狗は、ちっぽけな願いを簡単に踏みにじる。仮面の軍勢は権力を握りしめて、謀略と圧政を安全圏から振りまわす。リブラシティはマジでクソ!!!(二度目)
三人でも特に人間幻想が強いベラは、ハラジーに目線を合わせて交流する。他人の人生を写し取った自分には、手に入らない素直な幼さ、成長の可能性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ベラとハラジー、デザイン重なってる所エグくて良いんだよな…もう一つの可能性、って感じする。末路含めて。
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街角、フリークスたちが描く一瞬の影絵。幸福な夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
それを追いかけて怪物たちがすがり、大規模な仕掛けが動き出す。
フェルト特査(の背後にいる”影の委員会”)の悪辣が、強く強調されるエピソードだ。その陰りを照らすライトとして、怪物たちの人間性を上手く使った、とも言える。
うれし恥ずかし初デートのはずなのに、あっさり地面に潜り込んでるロディとか、BEM粒子漂うシーンなども見せつつ、お話は進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ロディの噂好きは、世論操作にあっさり操られ、無自覚な監視装置に変化してしまう”街”の軽薄さとシンクロしてて、結構好き。リブラシティはクソ!!(三度目)
人間と怪物、幸福と迫害。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
天秤の揺れ加減はそれを握る権力次第で、親子はあっという間に追い込まれていく。手を差し伸べたベラもまた無力で、怪物を急き立てる銃弾が、重力男の命を削っていく。
土壇場で”顔”と”血”…人間の証明を見せるヴァルが哀しい。
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ヴァルがマスクを付けなければ生きていけない、地球の空気にすら拒絶された妖怪人間だったのが、そしてそれでもサーカスの中ではちゃんと生きて行けていたのが、とても哀しいエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
異能を略奪せんと迫る欲望さえなければ、団長と楽しくジャグリング出来てたのに…。
重力男はフェイクで、”魔女”こそ本命って流れは上手いスクリューで、同時にヴァルがただの”人間”でしかなかった(そして命を賭して、ハラジーを守ろうとした)事実を際立たせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
世界から拒絶された男の、最後の小さな小さな願い。妖怪人間はそれを守れず、ただ逃げ去ることしか出来ない。
巨大な権力を見ているしかないのはソニアも同じで、自分が所属する権力装置の腐りっぷりをめの前にしつつ、何も出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
善や人間性を体現する側が、軒並みやり込められるエピソードであり、ストレスが強い。そういう世界なので、大事な話でもあるが。リブラシティはクソ!!(四度目)
月下に揺れる天秤の上、妖怪人間は哀しく街を見下ろす。人間ではない自分たち、崩壊してしまった家族、余りに無力な怪物たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
はらり、風にポスターが揺れて。街は”重力男とハラジー”を忘れていく。
に、苦い…サーカスの華やかさと結末の対比が…。
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つーわけで『俺たち別に、Z級のド変態描かなきゃ死ぬってわけじゃあないぜ?』とスタッフが言ってくるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ヴァルの気概、ハラジーの可憐、ベラの優しさ。怪物たちが人間性を見せるほどに、それが街に飲み込まれる無力が哀しい。作品の陰影をよく見せる、大事なエピソードでした。
ヴァル&ハラジーという”親子”を描くことで、主役がどういう状況に置かれているのか、街がどれほど酷悪なのか、上手く見せれたと思います。リブラシティはクソ!!(六度目)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ベタなネタを、丁寧なモチーフ配置、テーマ性のリンクで奥行き出して見せる。BEMらしさが最大限出たエピソードだったなぁ。
街のクソっぷりと同時に、団長の飾らない善良さが妙に救いでもあって。ベラの優しさと同じく、結果には繋がらなかったけども、ああいう人がまだ街にいてくれていることが希望っていうか、希望があるからこそクソっぷりが際立つというか…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
ほんとなー、一生ジャグリングして静かに暮らせていれば…
そういう苦味を残すことで、街を動かすシステムの非情、その走狗に(意識的に、あるいは無意識的に)堕してしまう”人間”の弱さも際立ったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
それはありふれた堕落だからこそ、あまりにも強い。人が生み出した強靭な悪徳、凶暴な秩序を相手に、妖怪人間はどう己を叫ぶか。来週も楽しみ。
…俺はお人好しだから思いもよらなかったけど、団長が警察と繋がってて、二人を誘導したってスジもあるのか…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月4日
そこまで人情の腐りきったソドムだとは思いたくないけど、”差別意識を具体化した街”リブラシティならあり得るよなぁ…ハラジー再登場(あるとして)で、見える部分なのかなぁ…。