からかい上手の高木さん2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
終業式はいつもと変わりなく進み、いつものように終わった。接近、挑発、かくれんぼ。シャイに後ろに下がっても、思い切り前に進んでくれても、いつでも私の勝ち。
時々飛び出すクリティカルを待ちながら、今日も日が流れていく。少し子供で、少し大人な夏。
そんな感じのザ・スタンダード高木さんッ! というお話。いつもどおりの速度と強度で、作品のストライクゾーンに真っ直ぐ投げ込むエピソードであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
ベースがとにかく太いんで、素直にやると欲しい物が見れるというのはとにかく強い。それがマンネリにならんよう、色々工夫してくれるところ含めて
開幕目薬、ラストがイヤホンと、”眼”あるいは”耳”を相手に預ける距離感から始まっているのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
からかいごっこの一環で”生身”を預けられる信頼関係が、高木さんと西片の間には既にある、ということだ。楽しくゲームをプレイする上で、信頼はすごく大事だからね…。
恋を自覚してる高木さんはさておき、そこに踏み込んでいない西片も、眼球や鼓膜を預けて怯えはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
元々彼が善人だってのもあるけど、なんだかんだからかい勝負は楽しく、負けっぱなしだけど公平だ。
『どう転がっても、楽しくなる。ひどいことは起きない』という確信が、西片にあるのだろう。
西片はその距離感に甘えているともいえるし、これ以上の接近をシャイボーイに望むのは酷、ともいえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
つーか高木さんが捨身すぎんだよなぁ…攻めきれようが、反撃されようが、どっちにしろ”勝ち”ってのがデカいんだろうけど。確実に相手見て”詰め”てるからなぁ…。
高木さんは挑発を繰り返す。性のタブーをほのめかし、その対象として自分を選ぶよう圧をかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
それに押し出されて、西片がのしかかってきたらからかいゲームは終わる。しかしそれは愛という別のゲームが始まるだけで、高木さん総取り態勢には変化がない。
いつ終わるかわからない、危うい綱引き。それが『いつか終わる』ことを、元高木さんで既に証明している所が、作品としての特性といえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
結論はみんな知ってる。高木さんは負けて勝ち、西片は勝って負けるのだ。しかし、それでもゲームは甘酸っぱく面白い。
永遠に続かなければいけない戯れと、終わりを知って安心したい気持ち。ラブコメのジレンマをスピンオフで解決して、なお原作の魅力が死なないのは流石である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
ヒロインレースを作品の真ん中に据えず、別軸で楽しさを生むラブコメ増えてるなぁ…”かぐや様”とか。
いつか終わるとしても、本編は永遠のモラトリアムの中にあり、西片は赤面しても踏みこまず、高木さんは勝ち続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
それと並走して、北条さんと浜口くんの甘酸っぱい恋がちょっとずつ前進しているのが、面白いトルクの出し方。メインカップルは先に進めないからなぁ…。
二人きりの”かくれんぼ”がとっとと終わって、新米カップルの前に出るか、出ないかのジレンマに変化する第3エピソードとか、いい揺らし方であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
第2エピソードで北条さんの純情を、しっかり見せていたことが後々効く。上手い作りだと思う。
恋愛をちょっと外して、学生日常コメディとしてこのお話を見ると、キャラクターの発達段階にムラがあることが魅力になっているのが判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
第2エピソードでの、ユカリちゃんと北条さんの差(と、同じようにドキドキしてるオマセな高揚感)。
あるいは、三人娘内部の差。
大人っぽかったり、子供っぽかったり。色んなグラデーションの連中が一つの箱にまとめられてて、なおかつ個人という箱の中でも、成熟のスペクトラムがいろんな色合いを持つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
そういう場所、そういう時間を鮮烈に捉えていることが、このお話の大きな魅力だと思う。
神の視点から見れば高木さんも北条さんも子供で、しかし大人っぽく振る舞おうと背伸びしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
それが子供に甘んじている同級生からは優越に見えて、その背伸びが実際、少女たちを大人にしてもいく。
発達、あるいは成熟の多彩を愛おしく、精密に見つめて、スルッと描く筆の巧みさ。
青春群像劇としての確かさが、やっぱこの作品の土台になってるなぁ、と思う。そこが精妙だから、ノスタルジーに血が通って、ただの懐古で終わらん”今”感が出とるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
それは演出を頑張ってるから、生まれるものでもある。ED入りの冴えに冴えた運びは、本当に良かった。
されてもいい勘違いを巡って転がった話が、一期OPのセルフカバーで、詩情豊かに広がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
それはなかなか自分の想いを言葉にはしない、高木さんの心を代弁もしている。
”近づく空の香りを 隣で感じていたい”
そして、夏が来る。二人はたっぷりからかい合うだろう。
終業式の一日を追いかけて、二人の危うく愛おしいバランス、それを見つめる外部の視線を描くお話となりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
変化していく北条さんを、もう一つの定点としておくことで、作品世界に奥行きが出ていたのがとても良かったです。チャーミングなキャラを躍動させるのが、やっぱ上手いねぇ…。
永遠に続いていくじゃれ合いも、一つの幕が下りる時が来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月10日
そろそろ第2作最終話の背中も見えてきたけど、どういう終わり方をさせるのか。第7話のような一本繋ぎのスペシャルか、いつもどおりの連作か。
形式の美学をどう〆るかも気になりますね。次回も楽しみ。