BEMを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
人の都合で生まれ、見捨てられる動物のように。
闇に隠れて生きる妖怪人間は、人の温もりに怯え、求める。歩み寄りに返ってくるのは罵声と銃弾。知っていても、緑色の血と一緒に魂が溢れる。
ああ、それでも。
一人で生きるには、この街は寂しすぎる。
そんな感じのベロくん回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
スナック感覚で遺伝子イジるリブラシティに爆笑してたが、想定通りろくでもない流れになってため息である。
『身内を的にかけるには早くねーか?』とも思ったが、そこには配慮があった。タメた分、もっとひどい形で炸裂しそうでもあるが…。
今回はDrリサイクル謹製の変態人間が顔を見せず、あくまで人間でしかない闇ブローカーと、彼が生み出したキメラが”敵”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
魂の腐り加減と、肉体の改造度は関連性がない。解っていたことだが、こうして基本パターンを崩して描かれるとまた響きが違うな…。
アッパーサイドでは遺伝子弄りは消費されるトレンドに過ぎず、アウトサイドでガキが消えても対して気にはされない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
ロディが悪意なく、薄っぺらな義憤で消費するニュースが、憧れのベロと直結していると考えるのは余りに難しい。主役に近い存在でも、容赦なく分断に巻き込むねぇ…。
清潔なアッパーサイドに足場を置くことで、ベラが(まだ)遠ざけられている人間のカルマ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
ベロは一足先に、殺し殺されの泥沼に腰までハマってしまっている。助けられたと認識してるのに、迷わず銃弾ぶっこむダリルの堕ち加減が…。
ベロくんこういう事、沢山あったから”人間”を諦めたんだろうなぁ。
それでも諦めきれず、犬に餌はやるし、子供とは触れ合う。ニヒルな仮面に隠された、妖怪人間のナイーブな内面を掘る回でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
子供らも子供らで、アルコール依存症に家庭内暴力と、生々しいカルマに足を取られてる描写があってな…。
無邪気担当と思われていた子供らが、犠牲になった(なりうる)と描いたり、笑顔の奥に傷を隠してたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
ベロくんだけでなく、”人間”もまたどうしようもないカルマのなか溺れかけている描写が、今回濃かった。
おもちゃの銃から、本物の凶器へと相棒を変えたゲームチャンプも、そこは同じだろう。
監視カメラを精査して、ベロを探し出すダリルの描写は、抑圧のシステムだけはアウトサイドにも行き届いていることを示している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
誰かを救い、真実と正義を行き渡らせるシステムが機能不全なのは、ソニア周辺で描かれているとおりだ。
ほんとにクソいなリブラシティ…。
アウトサイドに悪徳を流し込んで、上澄みだけを吸い取る街の構造。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
キメラを巡る二正面の描き方が、そういうモノを浮き彫りにもしたと思う。
明暗に分断されているように見えて、上層(あるいは最下層)で密かに繋がっている。繁栄も抑圧も、誰かの計画と利益の内側にある。
そういう透明なシステムの中に、人間も妖怪人間も囚われている。悲惨な事件が起きても、あるいはニュースとして消費し、あるいは目の前の今を必死に生き続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
そうするしかないどん詰まりは、じっとり重たく世界を満たしている回でした。
微かな優しさが確かにあって、でもそれは特効薬じゃない。
そんなことは十分知ってて、だから”人間”を諦めたふりを続けていて、でも諦めきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月11日
『またかよ…』と吐き捨てて人を捨てようとするけど、その痛みを知る家族に止められて、人の形を保ち続ける。
ベロくんと彼を取り巻く人達の現状を、静かに掘り下げるエピソードでした。次回も楽しみ。