ガルパ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
・Runっ♪in the hallway
羽女の核弾頭・氷川日菜生徒会長。アイデアと行動力を人の形に固めた彼女を、なんとか制御する苦労人。羽沢つぐみとの二人三脚を追う。
そんな感じの羽女生徒会エピ。他者を蕩尽する怪物だった日菜が、今どういう場所にいるのか。つぐみがそこにどう寄与するか
良く見えるエピソードとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
日菜が本質を直感できる鋭い知性と、それを現実に引き寄せる行動力を併せ持っていることは、これまで幾度も描写されてきた。
”るんっ!”って来たら止まらず、パッション赴くままに突き進む彼女はしかし、無敵の王様ではないことも。
たとえばパスパレの番組企画では、頭が冴えすぎて局側の仕掛けを完全に読み切り、結果素材として使いづらくなっている姿が幾度も見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
パスパレメンバー、そして姉との交流を経て、物事を俯瞰で見た上でそのルールに適度に従い、自分を世界に合わせる方法も学んできた。
日菜にとって世界はとても遠く、それは異質だからこそ面白い消費の対象だったが、今は他者性に敬意を払い、自分とは違う相手のルールを(ある程度)読み、合わせることも可能になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
ここらへんは、『自分』と『見られる自分』を制御して仕事しきった”地底人☆お届け大作戦!”に詳しい。
その上で、他人が見えない(見て見ぬ振りができる)世界の真実を見つける目と、望んだ世界を引き寄せられる才気は止まらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
凡人が『こんなものだ』と諦めてしまう世界のフレームを、自分に合わせて変化させる特別さを、天才・氷川日菜は持っている。
これを個人領域から学校という社会、パスパレを通じてファンや仕事相手に拡大しつつあるのが最近の日菜であり、生徒会長は大人気である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
それは彼女が見ているヴィジョン、それと世界や他者のズレを一人で面白がるだけでなく、行動によって共有し、変化させているからだろう。
氷川日菜と一緒にいると、世界を変えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
そういう期待感、信頼感を背負える存在に、物語が動き出してからの日菜は変わりつつある、ということだ。
持ち前の才気、違和を純粋に楽しむことが可能な世界認識を、他人を傷つける凶器(その被害者が紗夜)ではなく、世界を広げていく道具として使う。
リーダー、あるいはイノベーターに必要な資質を開花させた生徒会長は、他人の意見を取り込み、それを現実化していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
この時丸呑みにするのではなく、彼女なりの判断基準でチェックしている様子も、今回見えた。個人的な欲望を満たすためだけの怠惰は、あまり”るんっ”とは来ないようだ。
記憶力、発想力、判断力。脳髄のベーススペックが根源的に高い日菜だが、それだけではアイデアを実現し、世界のフレームを自分好みに変えていくことは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
凡人で満ちた世界を、それでも安定させ同時に変化させていくために積まれた沢山の手続きは、天才といえども踏襲しなければいけない。
日菜のパワフルで無茶苦茶な行動力を、世界とすり合わせるためのアダプター。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
ここにつぐみの存在意義が強くある。ただ天才と世界を接続するだけでなく、日菜のコールを受けて、つぐみもレスポンスを積極的に返している様子が、貪欲でいい。
初動がやや鈍いだけで、結構アイデアガールなのだ。
書類を整え、ブレーキをかけ、常識的な振る舞いを(時々怒ってでも)教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
それは日菜にとって、パスパレからも姉からも掴めなかった関係のように思う。
つぐは他者の輝きだけを受け取れる稀有な資質を持っている。自分に足りない輝きにまず目が行って、他人をすぐにリスペクトできる。
日菜のトビ加減を肯定し、刺激を自分に取り込める素直さと、全肯定はしない芯の強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
それは姉である杓子定規ですらある細やかさを受け止め、ポジティブに開花させた”ちぐはぐ!? おかしなお菓子教室”でも見える。
ともすれば世界から排除される異才を、人間として認め、隣にしっかり立つ資質。
自分の平凡さを嘆く彼女は、その実作品世界でも図抜けた人間力を持っていて、既に開花させてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
つぐみというアダプターがいなければ、書類は整わず、アイデアはアイデアで終わっていただろう。天才がその機能を発揮するためには、的確に社会や他者と繋ぐ存在が必要になるのだ。
この”アダプターとしての才能”は、たとえば弦巻こころと奥沢美咲、戸山香澄と市ヶ谷有咲でも描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
天才は他人と違う世界を見ているが故に、ときに孤立する。しかし上手くその言葉を翻訳し、溢れるイマージュを実現可能な形に調整できれば、世界は新しい喜びを知ることができるのだ。
その時、イマージュを生み出す天才は当然偉い。しかしそれを支え、あるいは凡人にも通じる形に調整するアダプターもまた、同じくらい偉いのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
人と人はわかりあえない。だからこそ、わかろうとする歩みは正しく、尊い。
ガルパはずっとそういうモノを追ってきて、この構図もその一環なのだろう。
RASだとバンドと曲のイマージュを膨らませるチュチュ自身が、世間との折衝をやるプロデューサーでもあるのは面白い。自分が見た世界を、自力で引き寄せる諸手続きを、チュチュは中学生ながら積極的にこなす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
同時に性格が強い彼女は、アニメ二期で見たとおり個人領域だと色んな人と衝突する。
爆発する彼女の感情を一番間近で受け止め、致命的な炸裂にならないよう調整しつつ、他人と繋がる時のアダプターになるパレオも、数多いる『必要不可欠な凡人』の一人と言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
それぞれ相手の人格、才能に合わせて、同じ調整役でもやってる仕事が多彩なのは面白いところだ。
日菜は自分(だけ)が見ている楽しい世界を、現実に引き寄せる努力を厭わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
それはパスパレに入って、アイドルとして主体的に動いたら色々面白いものが掴み取れた成功体験が、彼女を前に進めた結果だろう。”姉”を再獲得する奇跡も起きたしな…。
そんな日菜の爆走を、つぐみは隣で苦労しつつも楽しみ、実現可能な形に調整していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
アイデアを否定せず、どう整形したら社会と適合できるのか。その手段を思いつくのは、つまり凡人として”常識”に習熟し、世の中が動くプロセスをしっかり把握しているからこそだ。
自力でズカズカ進むだけでの才気があった日菜は、つぐみ(と、天才ではないほぼ全ての人)が適応した”常識”を学ぶ必要がなかった。”常識”のエミュレーションすら、才能でやれてしまっていたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
しかし真実、溢れるイマージュを形にして”るんっ!”と来る世界を掴み取るためには、”常識”が大事になる
色んな人がそれぞれ別の価値観を抱え込みつつ、破綻せずなんとかやっていくため生成されたプロトコル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
弱者の武器ともいえる”常識”は、強者である日菜には必要ない。だがしかし、それに従って自分以外の世界が動いている事実を、日菜は尊重する。
歩み寄れなくても、調整する必要は強く感じている。
自分の天才言語を積極的に聞いて、”常識”で翻訳し実務作業もやってくれるつぐみは、だから渡りに船だったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
正反対のようでよく似ている双子を、両方許容しかけがえない存在になれているつぐみ。彼女の間違えなさ、人間の強さが良く見えるエピソードと言える。
同時に彼女も、あくまで"常識"のフレームから出れない自分をもどかしく思ってもいて。(これは天性の”華”を持つ美竹蘭と、長い時間至近距離に居たことがデカいと思う)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
ここを突破するべく、近年は大和麻弥との接触がクローズアップされている。自分というフレームを、どう拡大・変化していくか。
”ジブン、アイデアル”で掴んだ変化を、麻弥はすぐさまパフォーマンスに活用できる。アイドルとしてアイドルしてる新しい自分を、ファンに見せることが彼女の仕事である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
あのイベストで見つけたものが、即座に現実にフィードバックされ、成功の実感が掴める場所に彼女はいる。
つぐはフツーの女子高生なので、そこらへんのフィードバック・ループが起動するまで長い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
『こうしたら良いのかな?』という発見を実行に移して、実感を手に入れるまで結構掛かるのだろう。
”時”ではない、ということもある。彼女が既定され、変更したいと願うフレームは、Afterglowという”枠”だ。
今回麻弥に学び、日菜の天才に刺激を受けて揺るがそうと思った、世界と自分のフレーム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
『いつもどおり』が生物的に揺れ動いている事実を、二章で実感したAfterglowは、青葉モカという爆弾を抱え続けている。
それが炸裂した時、『いつもどおり』のフレームで『いつもどおり』が維持できなくなった時
つぐみが今回見つけた変化の兆し、小さな勇気が本格始動するときなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
日菜の現状の到達点を見せる”ゴール”の話であると同時に、アダプターの仕事を頑張る中、開花しつつあるつぐの”スタート”も書いているのは貪欲だなぁ、と思う。
こういう蓄積が、”本番”で効くんだろうなぁ…。
日菜のアイデアが学校社会の成員…学生の喜びを広げる方向に転がっているのは、彼女の変化を見れて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
自分の楽しみのために他者を蕩尽する傾向があった彼女が、今は他人が楽しくなれる方法を考え、動いている。
それは他人が面白い存在で、その喜びが自分の”るんっ!”を拡大するからだ。
ここら辺、丸山彩が成し遂げた無自覚の偉業って感じではあるが、みんなが楽しくなるために”瀬田薫”というコンテンツを使い倒しているのは印象的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
そも、日菜は薫くん超面白がってるからね。自分が第一のファンだから、ラジオでゴリ押しすると”みんな”が楽しいと、心から信じられるのだろう。
実際今の羽女モブ、超個性的活動派の生徒会長と、スーパー王子様の二大タレントが毎回暴れまわってて、死ぬほど面白いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
乗っかって巻き込まれてるだけで、なんか面白いことがもりもり落っこちてくる。羽女はもはやテーマパークである。”薫の女”は超高利回りだしな…。
ノートを取らない日菜と、台本を徹底的に仕上げてくる薫(報酬星2左エピ)の対比も面白かった。同じ”華”であっても、咲き方には当然個性があるのだなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
『人前に出る時は、一切の怠慢を己に禁ずる』
薫くん、マジストイック…『努力を怠らないナルシスト』って、いいキャラ立てだよね。今更ながら
瀬田薫が”瀬田薫”の仮面を外して、『かおちゃん』になれる道はある意味、もう閉ざされてしまっている感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
そのルートを共有できる千聖とは、対等の役者として向かい合う道を選んでしまったし。
しかし”役者”である彼女が、あらゆる瞬間仮面をかぶるプライドを高く保っているのは、高潔で適正だ
そんな生き方の中でも、比較的負荷が少なく、また”役者”とは別種の喜びをくれる仮面劇が、瀬田薫にとっての”ハロハピ”なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
自分が知らなかった自分に、戸惑いよりも喜びを感じる。新奇への柔軟性と勇気は、ガルパで幾度も描かれる幸福へのチケットだなぁ…。
というわけで、生徒会長となった日菜がどんな生き方をしていて、そこにどれだけつぐみが欠かせないのかを描く、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月12日
日菜が暴走するだけでなく、忙しない日々からつぐみもかけがえないものを手に入れている平等な関係が、とても良かったです。