ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
人でなしの協力を得て、伸びたリミットは12時間。
オークション開始までの時間を使い、名探偵は列車を駆ける。
傷ついた少女の心に向き合い、リスクジャンキーを味方に付け、真実のかけらを拾い集めて。
遂に、真相開陳ッ!
そんな感じの名探偵奮戦記、クライマックス前の第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
事件解決のレイヤーと、人間交流のレイヤーが同時並走して、なかなか賑やかな話となった。ミステリ方面は最初からトンデモなので、あんまカッチリ詰める気になれないけども、心のぶつかり合いが熱かったなぁ…。
今回は”人たらし”ウェイバー・ベルベットがドンドコヒロインを攻略するエピソードで、オルガマリーの歪み顔に向き合ったり、メルヴィンの外道を味方にしたり、人間力の太さが見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
征服王に焦がれる手弱女であると同時に、誰かを強く導く教師でもある。二世のもう一つの顔が目立つお話。
話は可愛いかわいいオルガマリーちゃん攻略から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
父に見捨てられ、惨めさに向き合えない少女に二世は、しっかり目線を合わせて向き合う。
それは攻撃の届く距離に顔を置くということで、激情は殴打となって二世を打つ。ナイスビンタ!
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オルガマリー私室において、立ち位置はすなわち心理的なポジションも表している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
子供っぽい反発と苛立ちに支配されている間、オルガマリーは体を伸ばさない。子供の領域に踏み込み、自分の過ちを素直に見せる時、二世はその身を縮めている。
自分が子供だった時代を、無防備に見せること。
それがオルガマリーのコンプレックスを乗り越えて、殴った手の痛さ、殴られた頬の赤さに目を向けさせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
オルガマリーちゃんは素直ないい子なのに、性格ネジ曲がらないと良い魔術師になれないクソルールに縛られて、(あと作者陣の歪んだ愛情を一身に受けて)ツンツン生きるしかない。可哀想…。
”人間らしい”心の傷なんぞ横において、根源到達に邁進するのが、魔術師のあるべき姿。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
そういう”当たり前”からはみ出した連中が、なぜ二世の元に集まるのか。
その答えの一つを、上手く見せるやり取りだったと思う。傷ついた子供だった自分を、二世は否定しないからだ。
魔術師だろうが人には心があって、それは間違えたり傷ついたりする。その過ち自体は、否定されるべき傷でもなんでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
そこから始まって、人はより善い場所を目指すことが出来る。スックと立ち上がった勇姿は、間違えた生徒のそれではなく、教師の顔をしている
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自分を対等…本音をぶつける勇気の分、卓越した存在として見る”大人”が、背中を丸めた子供(自分の鏡)から背を伸ばした教師になるのを見て、オルガマリーも真っ直ぐその顔を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
傷ついても、折れ曲がらず立てる。弱くても、強くなれる。
その確信が、彼女の背筋を伸ばす。”大人”にする。
それはつまり、”家”の束縛、父たるマリスビリーの影響から逃れていく、ということでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
愛されたかった。失敗作として見捨てられた。その傷に支配されるのではなく、それを見据えた上で歩き直す道を、オルガマリーは選び取った。二世はそこへ導いた。
師弟共にマジ偉い。
温かい紅茶を間に挟んで、『大っ嫌い!』と吠えた相手と、オルガマリーは向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
流れていく景色、反射していく過去は残影のように虚しい。破綻した親子関係に馳せる思いは、征服王への思い、英雄の影としてのサーヴァントにも伸びる。
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自分の預かり知らねぇところで『聖杯戦争ダメだわ! それ用にチューンしてたお前もダメだわ!』となった、事件簿世界のオルガマリー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
この世界にカルデアあるかは知らんが、まぁ一生ボーボー燃やされることはなさそうで、こっちのほうが幸せ…なのかなぁ? 友達はこっちのほうが多いよね、確実に。
窓越しに『もう一つの聖杯戦争』を走る、もう一人の自分を見たか、見ないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
クロスオーバー的郷愁は横において、褒められなれていないのでついついツンツン反応してしまうオルガマリーちゃんは可愛い(し、可哀想)。
こういう11才を、素質のまま可愛く育てられない! 魔術業界はクソッ!!!
新しい生徒と心を通わせた二世は、外部からも情報を集めまくる。この護符、”アブラメリンの書”でいいのか…?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ディテールに凝ってると永遠に論が進まないので本質を言うと、ルヴィアの背中が『エロい!』というより『デカい!』描写で、とても良かった。ナイスバルク!
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デレたオルガマリーから、アニムスフィア秘蔵のレイライン・マップを借り受けたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
リスクジャンキーと真っ向向き合って、軍資金を調達してもらったり。
最終弁論に至るための下準備が、じわじわ積み重なるエピソードだ。
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メルヴィンの壁ドンにはビックリだが、外道なりの矜持はなかなかカッコよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
彼と目を合わせることで、自分の中の残影…アーサー王の似姿に向き合う決意を種まきするグレイは、オルガマリーと二世の鏡像としてなかなか良い。
色んな人と交わることで、少女たちの世界は広がっていくのだ。
メルヴィンのクレームが、証拠集めの時間稼ぎだけでなく、実際資金調達のためにも使われているのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
虚の中に実があり、実を掴むための虚を動かすためにも、真実の思いが必要になる。
メルヴィンの資金を動かすために、二世は真っ直ぐ悪友の眼を見る。嘘まみれの関係だが、瞳の奥には真実がある
それを実感できるからこそ、メルヴィンは二世の強火ヲタやってるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
愉悦者最後の矜持を確認した彼から、二世の従者に熱が受け渡される描写は、変則的な『人生教室』の様相だった。
グレイたん師匠好きすぎで世界狭い感じあるから、色んな人と話して欲しいね…。
さて水入りを経て刻限は迫り、オークションは加速していく。ハンマープライスを告げる木槌が、法廷めいた雰囲気を出してる。推理合戦の最後には、似合いの舞台である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
提出される証拠品、覆されるロジック、顕にされる真相。クライマックス開始である。
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凶器(カラボー)と実行犯(化野)と黒幕は、どう繋がっているのか。最重要視される”ワイダニット”は、7年前の連続殺人と列車の凶行をどう繋ぐか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
列車の外の密室に乗り込んだ、二世の愛弟子二人はどういう活躍を見せるのか。
色々、種は蒔いてある。まぁ犯人お前だよな、そりゃ…。
『ヤブユムが邪視避けとして機能のする?』とか、『素直にファリックストーンで良かったんじゃね?』とか、『でもダイレクトにドちんぽ、TVに写せないよね』とか、オカルト方面で何個か疑問(と勝手な納得)はあるが、まぁそれは些末であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ここら辺の疑問、大概自分の勉強不足が理由だからなぁ…
状況は大きく動けど、ピースはまだまだ破片のまま。真相を暴き、真実をつなぎ合わせる名探偵の施術は来週に持ち越された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
あとスーパー英霊アクションもな! 殴り合いがないと、ヘファイスティオンさんお話にいる意味ないからな!!
グレイたんの見せ場という意味でも、バトルは必要よね。
推理と肉弾戦、二つのバトルが始まるとしっとりした関係性描写は難しくなるだろうから、ここでオルガマリーをしっかり拾いに行ったのは良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
家名を背負って強がりつつも、ただの子供でしかない彼女にしっかり二世が向き合うことで、”教師”としての頼もしさも見えたし。
どれだけ過去を後悔しようと、征服王の影に縛り付けられようとも、冬木の決別から顔を上げ、背筋を伸ばして歩いてきた道のりは無駄じゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
”教師”そして”探偵”というスタイルを選び取ったウェイバー・ベルベットが、何を掴みうるか。何を生み出したのか。
次回、”魔眼蒐集列車”決着。楽しみですね。
あ、結合仏に顔赤らめつつ、目をそらせないグレイたんのムッツリスケベっぷりは非常に良かったです。ンフフ…”興味”があるのね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
魔術ミステリと熱血教師物語、そしてラブコメと、複数ジャンルを貪欲に頑張ってるところは、事件簿の良いところ(の一つ)だよなぁ。ヒロインみんな可愛いよね。