Dr.STONEを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
深まる絆、新たな仲間、順調に進むロードマップ。
そこに立ちふさがる、危険度MAXの難敵、硫酸採集。
科学文明途絶すらあり得る大勝負を前に、クロムが、銀狼が己の矜持を見せる。
上だの下だの、そういうんじゃねぇ。
俺達は全員で、残酷な世界に勝つッ!
つー感じの、本来地味ーな採集クエストである。泉の女神イメージを上手く使って、派手さを演出しているのは巧いところやね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
しかし命懸けなのは間違いなく、色んな人の魂の地金が試されるエピソードである。
ここまで弟分だったクロムが自分の足で立ち、言葉で思いを伝えるアツさが良い。
お話は事前調査から対策立案、実際の作業へと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
アニメで色がつくと、硫酸湖の妖しい美しさがより強くなって良いね。ワイルドなストーンワールドそれ自体が、作品の主役なんで、美術強いのは良いことだ。
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この湖が美しいのは、微生物も住めないほど毒性が強いから。死と隣り合わせの美しさを前に、科学使いは臆することなく、前に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
荒い縫い目に命をかけて、行くぞ勝負のガスマスク。
超絶エンジニア・カセキの加入で、作業精度が上がっている。それが千空が勝負に出た理由の一つかなぁ…。
死を考慮しなければいけない勝負を前に、千空は当然のリスクマネジメントに出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
科学使いの弟子に全てを伝えようとするシーンは、伝法灌頂の趣もあって雰囲気がある。
しかしクロムはアホみたいに真っ直ぐな気概で、賢いリスクケアを拒む。
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クロムは科学も知らねぇ現地民のガキで、千空の圧倒的な知識に”負けた”弟子筋として描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
上か下かでいえば”下”って実感は、作品にも視聴者にもあったと思う。
しかしここで、対等の存在としてみて欲しいプライド、ダチを殺したくない優しさを思い切り叩きつけて、自分の足で立つ。
相変わらず勝負どころの顔面が強くて、非常に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
千空は弟子に下から殴りつけられることで、仲間をナメてた自分を思い知らされたんだと思う。
そこで思いを真っ直ぐ受け止める…ために、背中合わせに向き合うところが千空くんらしい。
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クロムのイメージでしかなかった『頼れる相棒』に、千空が踏み込んで現実になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
それは自分の想像力を超える強さと熱さを、時代を超えた仲間がしっかり持っていると、ただの弟子じゃないと認めたからだ。
その真っ直ぐな心のやり取りが、非常に強くていい。
千空が一人で行こうとしたのも、合理的だなんだぁ言ってるけども、死のリスクを仲間には追わせたくない優しさ、誠実さの現れだ。分類としてはチート主人公なのに、ホントスジ通すねこの子…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
そしてクロムは、そういうカッコよさを独り占めすんじゃねぇ、と迫ってくる。
お前が俺達を守りたいように、俺だってお前には死んでほしくない。だって、俺達仲間だろ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
言葉にすれば照れくさい優しさを、闘争心に包んで叩きつける。
この不器用で優しいぶつかり合いに、プライドと対等さを感じて好きなシーンである。うまーく公平になるよう、適度に空気抜くよね。
こういう熱さを男の子の限定品にしないで、『コハクも姉のため、誰かの犠牲を前提にしたシステムを拒んだ』と見せるところも公平だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
すげー”オトコノコ”なシーンなんだけども、『それはジェンダーに従属してないでしょ?』っていう運びよね。
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額に汗して、温泉から何かを汲み上げる。フィジカルな仕草が、ルリを助けるために奔走する仲間たちを繋げているのも、地味だけど巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
生まれた時代。年齢、性別、個性。色々違う部分はあっても、魂の根っこで繋がっている。それを確認できることで、”仲間”になれる。
これは死を前にした千空の震えを、見つめて気合を入れ直すクロムも同じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
無敵の科学人間に思えても、当然怖いし死にたくない。それでもそれを噛み砕いて、鉄面皮で強がる。それこそが、人の強さだ。
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ここで千空の弱さと、それを秘める心意気両方を見取って、何も言わずに己の頬を叩くクロムが好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
クロムの突き上げが千空を驚かせたように、クロム自身も千空が”人”でしかない事実を確認して、己を改める。
仲間なら、弱さも強がりも大事にして、一緒に進む。
ジャンプ漫画のど真ん中や…。
今回後半は銀狼を主役に、そういう”弱さの強さ”を掘り下げていく話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
恐怖に飲み込まれるか、それを武器にみんなで生き残るか。
ちょっとジョジョ一部、吸血ゾンビと戦うジョナサンとツェペリさんを思い出す、銀狼とカセキのやり取りが良い。
スイカの小ささ、幼さもそうなんだけども、カセキの老いってのも欠点ではなく、個性としてこのお話では描かれていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
歳を重ねてきたからこそ判ることも、出来ることもある。
悩める若人にそっと寄り添い、それとなく背中を押す仕事ってのは、やっぱベテランの真骨頂だよなぁ…。
同時に弱点は克服できるもので、クロムは科学の仮面と仲間の後押しで、持ち前の臆病を乗り越え、仲間を救う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
危惧してたリスクが偶然の形で表面化して、想定外の助けで乗り越えられるのはちょっと面白い。
二人でも死んでた。三人だから助かった。
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涙まみれのべっしゃべっしゃ顔が、”人間”って感じで好きだ。みんなこええし泣きたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
否、泣いていいのだ。それを受け止めるくらいの余裕は、ちゃんとある。何しろ”仲間”なんだから。
硫酸の湖をキャンバスに、人間がどうしても超えられない弱さと、それを受け止め乗り越える強さが描かれていく。
千空とクロムは、自然の無慈悲に対する科学の優越、感情と知性という武器を語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
それは同時に、弱さを預けあえる集団、強い弱いを判別しない生き方の強さでもある。
司の傲慢な選別では、けして手に入れられないもの。社会的動物としての、人類の根っこ。
そういうモノを千空は大事にしてて、それに惹かれて”仲間”が集っていく。変わっていく。真ん中にいる千空自身も、クール顔で仲間の熱量を受け止め、学んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
科学帝国の靭やかな倫理と公平さが、良く見えるエピソードだったと思います。
やっぱ、クソ雑魚が勇気振り絞る話は良いなぁ…。
科学知識でストーンワールドを征服していく、チートの気持ちよさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
それを背負うために千空はクールでシニカルな表情をするんだけども、根っこは友情・努力・勝利の熱血人間。
その強さは、誰かを信頼し関係を作っていくところにある。人間性を信じることを諦めない不屈にある。
だから思いも寄らない提言にビックリもするし、死を前に震えもする。そういう弱い部分を皆で補うために、”仲間”で戦うのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
ただの採集話なんだが、お話とキャラの地金が良く見えるエピソードでした。こういうのあると、やっぱ良いね…。
最難素材を手に入れ、進んだロードマップ。次回も楽しみです。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
コハクや銀狼が、まず身内(ルリ、あるいは金狼)に引き寄せないと共感できない他人事を、スルッと自分の気持ちで感じることが出来るのが、クロムの特性かな、と思った。
大樹と杠の凄さを、あってもないのに認めて引き合いに出すところね。
普通、人は自分の手の届く範囲から共感を伸ばして、縁遠いと思われてた感情に実感を込めていくわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月21日
クロムはそのギャップを飛び石して、すぐ感動してすぐ本気になれる。その感情移入の強さが、科学適性より強力な彼の武器、個性なんじゃないかなぁと、今回思った。