ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
戦車と星の衝突を以て、魔眼蒐集列車の事件は終わった。訪れるのは平穏、様々な人々の感情を均すエピローグ。
聖夜に輝く街を静かに歩きながら、新たな道へと進む。聖杯戦争が終わっても、人生という物語は続くのだ。
そんな感じの長尺どっしりエピローグ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
ずーっとキャラがお喋りしている話なので、『スタジオARA謹製激エモ背景砲発射!!』と言わんばかりに、すっげー良い美術が唸り眼福。
異国イギリスの風景は、確実に作品に潤いと楽しみを与えてくれました。最後に堪能できて嬉しい。
派手なドンパチと魔術ミステリは前回でケリを付けて、今回はとにかく人間関係を対面で回していくお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
人間と人間が触れ合い、変わっていったり、変わらないものを確かめたりするのがこの作品の芯。なので、最後に対話篇で終わるのは凄く良いと思う。見たかったものが、ちゃんと最後に来た感じ。
お話はカウレスくんの未練から始まる。胡蝶夢のように踊る在り得たかも知れない可能性に、愛おしい眼差しを投げつつも、彼は”今、ここ”にしっかり腰を下ろす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
これは二世が最後の対話で見せる決断にも通じるところで、皆そんな幻を織り、諦めていく。
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人は時の流れから逃れられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
妖精、英霊、あるいは死人。
対岸にある美しいものに惹かれつつも、そちら側に行き着いてしまえばもう、人としては生きられない。
だから愛おしく、彼方で踊るものを見つめつつも無様に、”ここ”にしがみつく。今あるカードで、やりきるしかないのさ。
カウレスの物語はある程度以上決着が付いていて、その爽やかな決断、少しだけ名残る未練の苦さが心地良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
Drハートレスとの粘ついた因縁に、現在進行系の視線を投げる化野とは違った味わいだ。鏡面に反射する、怪奇な関係性。未解決の感情が画面に焼き付く
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騙し騙されの智謀を踏まえて、二世と化野は鏡越しに出会い、しかし”今、ここ”にいる実態として食事を伴にもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
般若のような視線で、遠い謀略の国に流れた兄を見つめる視線は、ネットリと重い。彼女のカルマが解消するのは、物語が終わるときかなぁ…。
化野は安易にヒロイン落ちもしない、絶対的な悪でもない、お互い利用しあいせめぎ合う面白いポジションを、面白いキャラクターでしっかり走ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
彼女の白々しい微笑みがあったから、作品の緊張感が維持されてた部分は大きいと思う。見事な助演であり、彼女が主演になる物語に期待したくもなる
それは未だ見えぬ物語として、もう一人の見事な助演者…オルガマリー・アニムスフィアはライネスが引き受けることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
黄金の光と、夕焼けに烟る闇が織りなす迷宮の中で、少女たちは陰りの中にいる。魔術の黒、過去の黒。在り得たかも知れないもう一つの可能性
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斜めのスタンスから、ぐるりと回り込んで直面へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
ヒネた態度を取りつつ、義兄のために列車外で奔走したライネスと、犠牲者としてもう一人の主役として、列車の中でヒロインしてたオルガマリー。
魔術と”家”に人生狂わされつつも、必死に自分を保っている二人が初めて顔を合わせる。
アニムスフィアにエルメロイ。家名は自分を支え、また縛りもする。傷つけもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
マリスビリーが聖杯戦争に勝ちうる物語は、ガラスの向う側にある泡沫だ。
事件簿の彼女は、一足早く光の中へと進んでいく。まるで同年代の友達のように、お互いの顔を見る
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その友情を影絵で描く所が、なんか魔術師っぽいな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
至高命題は根源到達。人間の情など切捨てて、ヒトデナシになるほどに高みに登る。
それが当たり前の世界でも、事件を通じて人は育ち、新しい友だって手に入る。
影絵にこそ、実態が宿る。そういう魔法も世にはある。
散々曇り顔ブチ込まれたオルガマリーが、光の中で笑えるようになって終わったのは良いなぁ、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
ホントFateコンテンツは、彼女を追い込むのが好きね…FGO時空では見れなかった”これから”の彼女が見れたのは、想定してなかった喜びであった。ライネスも相変わらず可愛い。素晴らしい。
若い世代が同じ光に身を置く中、一人の男を挟んで過去と現在、エルメロイとウェイバーが対峙する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
吐血ギャグ担当のメルヴィンが、凄くメロウなシーンを担当しきってよかった。
川向うの光、遠くに過ぎ去ったもの。それでも、”ベルベット”は僕が掴まえ続ける。
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美術の強さで魅せるTROYCA演出真骨頂という感じだが、折返しとして非常に印象的な、いいシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
教師と親友、大人と少年。人には様々な顔があり、だからこそ様々な人と繋がれる。
執着の強さを自覚しつつ、それでもウェイバー・ベルベットの多彩さを肯定できるメルヴィンは良い友だな…。
グレイはまだ、二世の多彩を肯定しきれていないと思う。イスカンダルに惹かれる顔、聖杯戦争を生き残ってしまった敗残兵の顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
それを知っているメルヴィンに幽かな嫉妬を残しつつ、敵に塩を送られる形で、色彩を知っていく。
それは人形であり残響であり、生徒であり少女でもある自分に反射する。
自分を定位する方法に悩むグレイに、わざわざヒントを出すメルヴィン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
根っこの部分はいい人、いい大人ってことなんだろうが、同時に『まぁ君が何をしようが、ベルベットとの過去は僕だけのものだがね!』というねっとり執着と余裕を感じて、すっごく良い。ホントカルマ人間に好かれるね二世…。
天才児が教師を追い抜いていく儀式を経て、グレイはそれでも揺らぐ。瞳の中の残影が、一瞬の夢のように去っていってしまうのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
教師・エルメロイ二世を確信しきれないところに、二人のあやふやさがある。二世が昔の男にご執心すぎて、ふにゃふにゃなのが悪い!
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『祝賀会をやりゃあ、合法的に二世を酩酊状態にブッ込めるぜー!!』とばかりに、全身の毛穴から受けオーラ吹き出し状態に突入した二世。
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猫のように”もう一杯”を求める手を、ヒョイヒョイと受け流すグレイの所帯じみた”気”な。はいはい終わり終わり、グレイヒロインで終了ー。
と行かないのが、この二人の面倒くさいところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
”もう一人”の背中を追って、教師という生き方を選び取った。それでも未練は胸に響いて、在り得たかも知れない可能性を囁いてくる。
敗残兵として、学舎を捨てて戦場に赴くか。未来より過去、私よりあの人を追うのか。
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不安を込めたグレイの視界を反映して、二世は徹底的に目をかかれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
それは彼がグレイに向き合っていない、ということではなく、グレイが二世と向き合えていないから見えないものだ。
答えはいつでもそこにあるけど、顔を上げて光に焼かれるのが怖い。フードで隠したまま、見えないままでいたい。
オルガマリーとライネスが、一足先に向き合った眩さへ、二世がそっとグレイを連れ出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
瞳に強い意志を込め、”今、ここ”を己の戦場と定めて前を向く。第5次聖杯戦争への参加を正式に辞退し、Drハートレスとの物語へと踏み出していく。
その隣には、君がいて欲しい。
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フードを活用した演出がとにかく巧くて、二世の言葉一つでグレイの顔は曇り、また輝く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
自分が誰かの写しでしかなかった過去に囚われつつも、自分が自分でしかない”今”へと飛び込む。前に進む。その手を引いてくれたのは、いつでもあなただった。
闇の中の微かな光を共有して、師弟は進んでいく。
シンプルな教師/生徒、あるいは大人/子供で関係性が収まらず、マスター/サーヴァントでもあるのが、この二人の面白いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
戦士としてはポンコツな二世は、英雄王の影たるグレイに頼ることでしか、自分の物語を走れない。二世がグレイを”使う”ことで、彼女は自分の中のアーサーを見れる。
第4次ではサーヴァントに守られ、教えられるばかりだった関係は、事件簿ではサーヴァントを導き、その可能性を開花させるものに変化している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
それはウェイバーくんがエルメロイ二世になったからこそ、手に入った変化だ。それに身を浸すことで、グレイも変わっていける。
そして二人は男/女でもあって、聖夜のプレゼント渡す/渡さねぇでまーたグレイたんが曇り、二世が晴らすわけですよ。はいはい終わり終わり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
色んな関係性を万華鏡のように見せておいて、甘酸っぱい思慕でしっかりまとめるのは、味わいがあって素晴らしい。
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『気負わずこういう事するから、ドンドンカルマ人間に好かれるんだぞ…』って感じであるが、経験を積み大人になってしまったウェイバーくんは、そういう人間として”今、ここ”にいるのだ。グレイが絆されるのもしょうがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
二人がこれから進む道は険しいが、明るく温かいものが待っている。
『そういうムードで終わると思った? ざーんねん、昔の男が夢枕に登場!!』とばかりに、征服王との夢での逢瀬で物語は終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
背中ばかりを追ってきた男に、ようやく顔向けできる自分になれた。不器用な歩みだったが、人を導く教師になった。
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その眼にかつての面影を見つけても、一歩ずつ進んできた複雑な自分はけして嘘ではなく、そこから伸びていく未来もまた、虚しいものにはならないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
過去から受け継いだものを虚しくしないためにも、胸を張って前に進む。イスカンダル第一の臣下を、堂々名乗れるよう
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『でも涙が出ちゃう…ウェイバー・ベルベットだもん…』って感じの泣き笑い。ヒロインオーラが法定数値を超えていますッッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
それでも顔をふせず、大人らしく背筋を伸ばして対面できるようになった。ZEROから続く事件簿は、まぁそういう話であったのだろう。
とても面白く、善い物語だった。
ギルガメッシュの問に応え、臣下としての生き方を自分に呪縛した所から始まって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
イスカンダルに答えて、ウェイバー・ベルベットとして、エルメロイ二世として走ってきた過去、これから進む道を『楽しかった』と肯定して終わる。
綺麗な構成だなぁ、と思います。過去を追い抜き、人生は続くのだ。
というわけで、事件簿アニメ終わりました!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
いやー、面白かった!! 大満足であります。
Fateヴァースの拡がりを貪欲に活かしつつも、あくまでウェイバーとグレイに軸を定めて、彼らの体温を大事にドラマを進めていました。
”子供”と”大人”を複雑に揺らぎながら、それでも己を見つけていく物語でした
色んな様相が貪欲に盛り込まれているのだけも、上手く整理して使っていたのも印象的で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
魔術はディープ&コアな考察をポップに使い倒して、雰囲気をしっかり出していたのが偉いと思います。同時にただの小道具ではなく、人間と物語を狂わせていく”魔”の魅惑もちゃんと描いていました。
マジカルミステリも魅力的なスパイスとして、お話を賑やかにかき回し、トンチキに弾まさせてくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
映像媒体だとフェアにやりきるのはなかなか難しいと思いますし、そもそも後だしアリアリの状況がアンフェアではあるんですが。その何でもアリ感を逆に生かしたかな、と思った。
ZEROやFGO、アポクリファといった外部に目配せしつつ、あくまで”二世の事件簿”をはみ出さず進んだのも良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
こんだけデカいコンテンツだと、横幅広げるのはファンサービスとして必須であり、しかしそれで終わると”今、ここ”でやる意味が薄くもなり…バランスはとても難しい。
過去と現在、実像と虚像に引き裂かれつつも自分を探すグレイと二世を真ん中に据えて、チャーミングに描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
主役の腰が重いことで、横の広さが制御されていました。
知ってれば面白いし、知らなくても主役を見ていれば物語からは振り落とされない。見ていたくなる魅力も、ちゃんとある。
そういう具合に進めれていたのは、とても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
教師と生徒という関係性、時計塔というセッティングが、かつて生徒であったウェイバーくんの変化と成長を描く上で、とても良いカンバスになっていました。
時間的、人格的多面性の肯定ってのが一つのテーマ、かなぁ…。
前半6話のオリジナルが上手く作品世界を紹介し、キャラクターのクエストを明瞭にしてくれていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
それをただの紹介編で終わらせず、”本編”にしっかり絡めて生かしていたのも、とても良かった。有機的な構成が、作品に立体感を与えていたと思います。
カルマ濃いトンチキ人間たちが、入れ代わり立ち代わり二世に熱視線を贈る賑やかも、熱量があって良かった。ホントあの人は変人に好かれすぎ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
過去と現在の間で複雑に屈折した、感情と憧れ。その交錯がお話に活気を与えていたのは、間違いないところだと思います。
あと美術が最高だった…魔術世界とイギリス、二つの”異国”を堪能する旅番組としてみても、非常にいい仕上がりでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
やっぱこー、お話の”空気”を胸いっぱい吸えるアニメが好きなんだよなぁ…ただ強いだけでなく、ドラマに合わせたチョイスがドンピシャだったのも含め最高。
二世が辿り着いた答えのように、人生は続いていく。岸の向こう側で美しい永遠が輝いていても、時は残酷に人を押し流していってしまいます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月28日
その流れに乗って、このアニメも終わる。しかしいつか、また出会えると信じています。マジ続き見たいッ!
それまでは、ありがとう、お疲れ様。面白かったッ!!