スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
虹の宝石は、心を写す鏡。怒りの赤、哀しみの青、そして
喜びの黄色。変化する色彩のように、再びブルーキャットに変じ、想い出の縁を盗み出そうとするユニ。
マフィアの根城に忍び込んだ新米警部相手に、正義と悪を巡る活劇が始まる!
という感じの、劇場版にブリッジを架けるエピソード。脚本はそっちも担当している田中仁で、ゲストキャラクターのアン警部補も大活躍だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
お話はユニのもう一つの顔、怪盗ブルーキャットを復活させて、善のための悪を問いかけるエピソード。非常に難しい問題で、すべての答えはこの回では出ない。
ただ、死んで新しい形に変わったり、悪の心を追い出して仲間になったりという、追加プリキュアの定形をあえて外したユニだからこそのお話になっていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
惑星絶滅の極悪に、窃盗と偽証という悪を持って対峙していたブルーキャット=バケニャーン。ユニ=キュアコスモとの連続性は途切れていない
別人になったわけでも、過去の精算をしたわけでもない。だからこそ問えるものを、時にコミカルに、時にシリアスに探っていくエピソードとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
仲間の復活という奇跡のためなら、己を悪にも染めるユニの覚悟が、ひかる達との出会い、プリキュアとしての活動で少しずつ変わっているのが、よく見えた
今回色々良いところがあるのだが、まずガジェットの使い方が上手い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
マフィアのオクトー親分が盗み出した石は、猫の目のように色を変える。最初は烈火の怒り、素顔を晒し説得する時は哀しみの青、そして手に入れた一つの答えを告げる時は、喜びの黄色。
不思議な色彩が、ユニの心を雄弁に語る。
ユニ自身は瞳を隠し、本心を殺して悪事を成し遂げる覚悟がある。自分の複雑な気持ちは、奇跡を掴み取ったあとに晒せばいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
だから怪盗ブルーキャットは、サングラスで心を覆っている。柔らかな優しさを抱えたままでは、悪によって善をなす矛盾とは向き合えないのだ。
しかしユニは、そのグラスを外してひかる達と出会い、キュアコスモになった。窮地を見捨てられない優しさ、誰かを守る強い意志は、隠しきれずに幾度も顔を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
ユニの人間味が顔を出す時、必ずサングラスの奥の瞳が描かれているのは、エピソード全体にメッセージを生んでいた。
誰かに頼り、誰かを守る生き方。それが実りの多いものだと、ユニはもう知ってしまっている。何しろ愛と友情の戦士、プリキュアなのだから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
だからアン警部補を放って逃げることは出来ず、一緒に捕らえられてしまう。優しさは時に窮地を呼ぶし、無条件に強いものではないのだ。
サングラスの奥に瞳を隠し、変身能力で嘘を付き続ければ、昔のような強さを取り戻せるかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
しかしそれは、他者へのイマジネーションを殺した強さだ。
テンジョウさんはそういう強さしか理解できない。だから、『過去のバケニャーンは強かった』と煽る。ヘイトアーツ巧いな相変わらず…。
ユニ自身も、善が善のまま力を持ちえない非情な世界をよく知っている。そういう意味では、学校に通う学生よりも少しだけ”大人”なわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
しかし魂の根っこには、七色に光る瑞々しい心…強いイマジネーションを持っている。誰かに優しいまま強くなって、奇跡を掴み取る夢を信じている。
ひかる達はプリキュアとして友として、そういうユニの善性を真正面から肯定する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
突然プリキュアがユニ可愛い可愛い神輿を担ぎ始めた時は、俺もねじりはちまき揃いの浴衣で一緒にワッショイしたくもなった。ほんと愛され慣れてない所が可愛く、幽かな哀しみもあるねユニたんは…。
イマジネーションには限界も弱さもある。世界は矛盾に満ちている。それでも諦めずに、正しいまま強く優しくなるためには、一体どうしたらいいだろう?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
ユニはその答えの全てを、今回掴まない。ただ、隣りにいて自分よりも自分を見てくれる仲間を支えに、善のための悪から距離を取る決断へと踏み込む。
その半歩に重さがあるのは、やっぱりユニ=ブルーキャットを一つの人格、一つの身体として描いているからだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
過去は消えないし、選択は常に責任を伴う。だからこそ、それを乗り越える一つの決断は尊く、重たすぎて簡単には答えにたどり着けない。そしてだからこそ、意味も価値もある。
ユニは親分から指輪(それは単なる物質ではなく、レインボー星の誇りであり、父母の思い出であり、自分のプライドでもあろう)を取り戻す時、サングラスを外し、変化を解く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
めったに見せない獣相を素直に晒し、青い哀しみを率直に告げる。宝石の輝きは、無言だからこそ雄弁だ。
オクトー親分が”悪”ながら、コスモと同じように仲間に慕われ、支えられてる描写が地味に効いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
悪党に思えた人も、それぞれの事情と生活と人格を抱えて、誰かに繋がっている。
”敵”だからこそ坦懐に心を差し出し、虚心にその目を見て対話することの重要性は、前回ひかるの日常で描かれたとおりだ
ユニにとっては、平和な地球の生活こそが非日常で、奪い騙されの悪徳こそが日常だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
でもひかる達と出会い、非日常の侵食を受けることで、悪に悪で抵抗するメソッドが変わってきた。それを弱さにしないためには、色々頑張らないといけない。善で居続けることは、かなり大変なのだ。
それでも、ユニはひかると出会う前の自分ではなく、出会ったあとの”今”に、サングラスを捨てて向き合うことに決めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
そうやって少し変わるには、昔の姿に戻って活劇し、とっ捕まって”敵”と対話する必要もある。迷ったり、間違えたり、寄り道することを経ないと、正しさは身についてくれないのだ。
アン警部補もシンプルな正義感から、ブルーキャットの複雑な事情を見て、自分の意志で力を使った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
十年間の相棒生活は『あんたソレ、気軽にパなしていいカードじゃねぇぞ…』って感じだったが、相当ユニが気に入ったのだろう。
しかしコスモはプリキュア、取るべき手はあんたじゃないんだよなぁ…。
ひかるも子供で、否定した悪の代わりに何を差し出せるかも、善のための悪という矛盾への答えも持ち合わせていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
ただ、友達に差し出せる手だけは持っている。複雑な事情に臆せず、自分が使える唯一の武器…幼い赤心をど真ん中にぶっこんできたのは、”星奈ひかる”って感じだった。
ユニが作品に持ち込んだ矛盾は、ノットレイダーという”悪”に向き合う時に、より大きな答えにたどり着けるのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
それは最終盤で出すべき答えであり、事前にしっかり地固めをしないと作品の底が抜ける、非常に重い矛盾なのだと思う。だから、今回ユニの答えが出きらないのは、とても良い。
それよりいいのは、ちゃんと答えが出ていることだ。ユニはもう、ブルーキャットにはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
七色の自分を見つけてくれた、胸に光る宝石を信じてくれる仲間と、そこに反射する自己イメージをしっかり抱えて、悪に悪ではなく、対話で向き合っていく。それを成立させるために、力を善く、正しく使う。
今回ユニは、心にまだ残っていたサングラスを外して、自分自身を裸眼で見た、ともいえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
それは自分ひとりではけして為し得ず、イマジネーションを反射し変化させてくれる他者がいればこそ、生まれる内省だ。全然違っていて、でもどこかが似ている”私達”だからこそ、見つかるものがある。
同じく獣相のアン警部補と、劇場版でどういう対話を果たすのか。タダでさえ燃え盛ってる期待感が、更に強くなるエピソードでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
ユニの複雑さを消すことなく、複雑な矛盾を抱え込んだまま一歩一歩、変化を積んでいく展開はやっぱり凄く好きだなぁ…”プリキュア”にとっても、大事な挑戦と変化だ
そんな堅牢な生真面目さを描いたあとは、ハローウィンで大騒ぎである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月13日
予告の段階で、相当な浮かれポンチムードだぜ…ユニさんあんたの耳、仮装じゃなくて天然じゃないっすか…。
定番の季節ネタをどう料理してくるか、なかなか楽しみです。
その前に劇場版か…”死”が待ってるな、心が動きすぎる…。