ガルパ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
・それぞれの道、結ぶ茜空
Afterglowの蒼い爆弾、青葉モカ。追いつけない背中にそれでも手をのばし、焦り気持ちを笑顔で隠す。
そんな彼女の道化の仮面が、静かに剥がれる時が来た。
華道家・美竹蘭の展覧会に、モカは、Afterglowはどう向き合っていくのか…。
そんな感じの、Afterglow最終回である。いい最終回だった…三章なにするんだろう…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
五人全員(+αであることを、報酬星三巴の左エピがよく教えてくれるけど)がお互いに心を砕き、少しの変化と、その上にある”いつもどおり”を追いかけていく。
Afterglowらしい、Afterglowにしか出来ないお話である
モカちゃんが露骨な爆弾だってのは、二章ラストで予告され、様々なイベント(例えば”貫く闇、青薔薇の誇り”)で強調もされてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
感情を表に出さず、のらりくらりとマイペース。そんなモカちゃんが内に秘めているものに、どう気づき、どう受け止め、どう進んでいくか。
これがなかなか難儀そうだから、青葉モカは巨大な不発弾として、デカい存在感を発揮し続けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
バンストと違い、話数が限定されるイベスト。そこで一気に勝ちきるべく、これまでの物語蓄積全てを動員し、アフロ全員で青春勝負に打って出るのが、今回のお話である。
攻略対象であるモカ含めて、アフロの全員がいないと今回の物語は成立していないし、ここまでのお話全てが生かされないと、今回の解決にはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
今までの物語を有機的に繋ぎ合わせ、全員の良さ、変化と成長を活かしきって、”いつもどおりの青葉モカ”という強敵を倒した、記念碑的なエピソードだ。
お話は冒頭から、もりもり青葉モノローグを投げつけられて始まる。モカちゃんは普段が戯けてるから、モノローグのシリアスでナイーブな感じが、ズブズブ刺さるのよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
(奇人たるモカですら内言を開放されてるのに、こころは徹底的に封じているのはやはり、なかなかの特殊性だ)
遠い美竹蘭の背中に、どうにか追いつこうともがき続けているモカの軋み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
これに一番最初に気づくのがひまりなのが、彼女がリーダーである理由な気がする。
微細な変化に敏感で、おせっかいを恐れず他人に踏み込む。あらゆる瞬間、友情に全力。上原お前…。
ひーちゃんは友情に全力な自分を、巴に気づかせてもらった。自分のカッコ良さは案外、自分では見えない陰りだ。他人という鏡を通じることで始めて、自分の強みが判る時がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
だからひーちゃんは、モカの良さを取り戻そうと、ズケズケ踏み込んでいく。
そこで道化の仮面を突破できないところも、上原ひまりだなぁ、と思う。そういうど真ん中勝負を制する熱量みたいなものは、どうしてもひーちゃんには無いのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
それは彼女の資質であって、巴が補える部分だ。逆に巴は、モカの微細な変化に気付けなかった。
バンドなんだから、個性を活かし補い合えば…
最終的にモカがたどり着く答えを、仲間たちが一足先に見つけていて、展開するストーリー自体がそれぞれの強さと弱さを噛み合わせて決着する作りが”バンド”という感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
ひーちゃんが見つけた兆しを受け取って、巴はモカと、つぐみは蘭を、それぞれ突破していく。
『目を見て、同じことが言えるか』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
侠気人間・宇田川巴ここに在りという感じの強い踏み込みで、モカちゃんは道化の仮面を外す。
ここで一歩も引かず、青臭いど真ん中の答えを力強く叩きつけられるのは、巴の強さだな、と思う。
しかし、それは不動で無敵の才能、というわけではない。
宇田川巴が結構もろく後ろ向きな少女だということは、主にあことの物語の中で積み重なってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
そんな『アタシらしくないアタシ』を見据えた上で、それこそひまりが見つけてくれた『カッコいい宇田川巴』にしがみつくことで、巴はモカちゃんの心を突破していく。
カッコいい…宇宙一の太鼓女だよ…
自分の外側にあるイメージや関係が、強がりやしがらみこそが、正しい結末を連れてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
巴のカッコ良さは借り物であるし、モカちゃんは自分ひとりだったら発表会にいかなかっただろう。
『みんなに心配をかけるのがイヤ』だからこそ…Afterglowという外部があればこそ、モカちゃんは踏み込めた。
『いつでも自分が大事』というメッセージを出しつつ、同時にそこから離れた場所にこそ”自分”が結像する瞬間を、ガルパは見逃さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
他人のことなんて考えられないという自己卑下を、踏破し優しさを教える巴の言葉と存在。
だから、人は一人でいることが出来ないのだ。
報酬巴の左エピで、沙綾とはぐみが何も知らず、踏み込む勇気を与えている所が好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
今回の話はこれ以上無いほどにAfterglowの話なんだが、その外側にいる者たちもまた、物語が良い方向に進む助けとなってくれる。
特別さの濃淡を確かに見据えつつも、複合的なつながりを無視しないのは偉い。
はぐみちゃんは沙綾と違って、巴の嘘に気づかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
顔も名前も知らない『友達のお姉さん』のためにコロッケを手渡し、自身の経験から学んだ知恵を言葉で伝える。
僕ははぐみちゃんが好きなので、彼女の頑是ない優しさが今回思わぬところで見れて、嬉しかった。
”別け隔て”というものが無い…。
巴の強さとは対象的に、つぐみは静かに靭やかに、蘭の気恥ずかしさを突破していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
人生の問題集に絶対失敗しない所が、羽沢つぐみのありふれた強さだと僕は思うわけだが、今回もその純朴で真摯な正しさは、届くべき人にしっかり届く。
まー一番”無敵”なわけよ、羽沢つぐみがさ…。
蘭がつぐみの助言を素直に受け取れたのは、無論つぐみの人格の良さもあるのだが、蘭自身が経験に学び、自分を変えてきたからだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
何もかも『悪くない』でスカしてきた彼女は、バンドをやり、父と華道に向き合い、社会を広げる中で少し素直になった。ポジティブな感情を隠さなくなった。
心を隠し強がった結果、派手にすっ転んで青春の膝小僧擦りむいた痛みが、そこにはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
蘭が優れているのは、そこから学び取って、二度は転ばないよう慎重に、真摯に生きているところだ。
『お話なんだから、おんなじ所でおんなじ間違いされてもイライラするだけ』てのは、確かにある。
しかし『学びてこれを改む』てのは、とても難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
自分を顧みてなかなか出来ないからこそ、蘭(やAfterglow、ガルパの少女たち)が物語の蓄積(彼女らにとっては人生)を疎かにせず、自分を保ったまま少しずつ変化している姿には、感銘を覚えるわけだ。
Afterglowは”いつもどおり”をバンド・モットーとする。それを守るためには、変わらなければいけないことを学んでもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
蘭ちゃんはつぐみの後押しを受けて、『悪くない』で終わらせるスタイルを外す。巴のようにど真ん中に、ひまりのように力強く、思いを伝える道を選ぶ。
それが結実するのが展覧会であり、帰り道二人きりの対話なわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
蘭が想い出の中に秘めていた山茶花の赤を、Afterglowが誰も覚えていないのが、とてもいいな、と思った。
ベタに感動させようと思ったら、そのフェティッシュは強力だ。みんな覚えていて、大きな感動を共有できる。
でも山茶花は、当たり前の人生のように忘れ去られる。損な小さな思い出を特別だと思える奇跡は、そうそう起こらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
でも、奇跡だけで人生が構成されているわけではない。そこに込められた思いを伝えてくれれば、忘れていたことですら、強い輝きを放ってくるのだ。
ここら辺のハズしの巧さは、報酬星2つぐみの左エピでも感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
つぐみは蘭の展示を”読んで”、花言葉に特別な意味を感じたくなる。しかし華道家たる蘭は、あんまそこに重点を置いていない。
古臭く、スタンダードな美しさを形にすること。山茶花を想い出のまま活けること。
それが蘭の”真意”なのだが、つぐみの的外れを華道家は微笑んで受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
それも、面白いね。
受け止める側の豊かさと呼応することで、自分の指で作り出した”美”が広がっていく可能性に、美竹蘭は開かれている。
これは表現者として強いなぁ、と思う。柔軟で、靭やかだ。
さて、『素直じゃない、言わない』キャラだった美竹くんは侠気ど真ん中、当たり前に”いる”のではなく”いてくれる”掛け替えなさを言葉にして、モカちゃんに届けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
あの”赤メッシュの狂犬”が、こんなに真っ直ぐに強い言葉を使える瞬間が来るとは…二章以降だと、結構納得の勝負手であるな。
そこでモカちゃんは、あくまでのらりくらり、道化の仮面をかぶったまま、正面から受け止め切り返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
シリアスになることだけが、価値のあることじゃない。マイペースな変人でいることで、見えるものもある。
それをモカちゃんが自分のカッコ良さと定めたのなら、それでいい。蘭ちゃんも納得する。
世にスタンダードと思われている”正しさ”から、どうしてもはみ出してしまう様々な資質。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
モカちゃん以外だと、氷川日菜と弦巻こころが一番鮮明だと思うけども、彼女らもまた変人な異物のまま、自分と世界をドンドン変えていく。より善く、よりしっかり対話できる方向へ進んでいく。
そこでスタンダード(とされているもの)に自分を”矯正”しなくても、異物性の活かし方を考えることで世界とは向き合える。自分を好きになれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
ガルパはずっと、そういう話をやっている気がする。皆どっかで、正しさとはズレていて、だからこそ正しくあれる、という話なのだろう。
だからモカちゃんが相変わらずのらりくらり掴み所がないまま、二度とシリアスな話をしなくてもわかり会える関係性に辿り着けたのは良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
それは全てがナチュラルに、モカちゃんから出てくるものではない。強がりの仮面、身を守る鎧の一つだ。
でもだからといって、嘘ではない。
モカちゃんは美竹蘭の才覚と”華”を、同じラインで追いかけていく生き方をやめた。変人としてズレた位置から、蘭と(自分を含む)Afterglowを見つけることを選んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
それはシリアスでナイーブな”本当の自分”をさらけ出して、道化師モカちゃんを嘘にするのと同じくらい、真実な決断だと思う。
みんなの中で掴み取った、私の在り方。私の中から確かに溢れ出した、みんなの中の私。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
人が社会で生きていく上で、否応なく投影する虚像。そこに込められた愛おしさを、モカちゃんは本気で抱きしめることにしたのだ。
それは”自分”をさらけ出すのと同じく、彼女の真実なのだ。
さてモカちゃんは、”いつもどおり”からはみ出した行動で話を締めくくる。”Sasanqua”の作詞をすることにしたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
蘭の楽才ワントップで走る”Afterglow”が崩れた形だが、それを新しいスタンダードとして、バンドは寿ぐ。
ここらへんは今井リサと”約束”、Roseliaと湊友希那の変化に、少し似ているか。
少女たちの人格的な変化、関係性の多様化を、楽曲制作にからめて刻んでいくのがバンドの話だなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
音楽には人が出て、人は音楽で変わっていく。そんなコール&レスポンスもまた、各バンドの物語で大事にされているのだろう。”バンドの話”を描く上で、非常に大事なことだ。
(そういう意味では、ハロハピはやっぱり非常に特殊で、弦巻こころという稀代のヴィジョナリーを軸にする基本形が、なかなか崩れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
この基本構造を崩していくのが、今後のハロハピの話になるんかなー、と思う。相当強い衝撃が走りそうで、今から腹筋固めておかないとな…)
地頭の良さ、国語への親和性から能力はありつつも、心を言葉にしてしまう怖さにも気づけてしまったモカちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
そんな彼女が、自分のカッコ良さ、蘭との関係性を刻む”言葉”として作詞を選んだことが、今回起こった変化と不変を、力強く語っているように思う。んーむ、”バンドの話”だなぁ…。
というわけで、Afterglow全員全力! フル動員の青春大決戦でありました。いやー…良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月23日
これでAfterglowの地雷が撤去されて、マジなにすンの?って感じであるが…”武道館”なのかなぁ?
何を描くにしても、良いものが見れると思います。今回刻まれたものは、そんぐらい強かった。次回も楽しみ。