アズールレーン THE ANIMATIONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
シェフィールドの潜入により、明らかとなった重楼のオロチ計画。
その核となる黒いキューブ、三人の人命をめぐり、霧の島に砲塔が並び立つ。
お互いの顔を見えぬ五里霧中に、錯綜する情念。
なぜ、我々は殺し合うのか。答えも見えぬまま、霧は銃火を孕んで熱く…
そんな感じのミスト島大決戦ッ! アズールレーン第五話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
ユニオン、ロイヤル、重楼、鉄血。各陣営の精鋭艦が大集結し、一つの玉を奪い合う。大艦隊戦、情念の近接戦、共に素晴らしい仕上がりのアクション回となった。
毎回フレッシュなアイデアを出して殺陣が良いのは、本当に素晴らしい。
今回は霧のシチュエーションを活かし、戦う理由の見えなさが話の真ん中に座っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
戦うのは嫌いなのに、戦わざるを得ない綾波。人と機械の狭間で悩むエンタープライズ。"灰色の亡霊"を追って迷う瑞鶴。
皆、答えが出ない迷路を走り抜けていく。迷わねぇラフィーちゃんがつええ…。
お話はメイド姉妹とポンコツ子猫が、肩寄せあって身を縮めているところから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
クラッカーと羊羹、お互いの糧食を出し合い、心細い状況を乗り越えんとする同盟。
こういう、コンパクトな情景描写が巧い
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前半は不鮮明な霧の中、お互いの陣営が迷える"人間"でしかないことにクローズアップしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
あるものは戦の誉れを求め、あるものは責務と友情に悩み、あるものは機械と人間の狭間で苦悩する。
廃墟に比較対象として住まう人はいないながら、艦船少女は抱え込んだ心を、千々に乱れさせる。
迷う自由は、本来機械には不要なもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
そう言い切るエンタープライズが戦闘兵器に近く、戦場でヒューマニティを証明する責務を語るベルファストが遠いのは、巧いレイアウトだ。
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ベルの語る"優雅"は英国の(それこそRoyalな)パブリック・イメージと、戦争の霧の中でも見失ってはいけない人間性を上手く融合させた、面白い概念だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
人でなしの兵器だからこそ、人であり続けなければいけない。戦争を約束された世界だからこそ、戦争以外の余録に拘る。
高水準の衣食住を提供することで、クオリティ・オブ・ライフの向上を職責とする"メイド"なキャラが言うと、なかなか含蓄がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
偵察機に追い詰められても、シェフィたちはクラッカーを分け合い、羊羹を飲み込んだ。オイルと殺意だけ詰め込めば、艦船少女は駆動するわけではない。
ならば、本物の人でなしにならないために、人と対話し、生活を潤す志を持ち続けなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
機械機械と己に言い聞かせるあなたこそ、世界最強のお人好し。誰かが傷つくのを良しとしないから、自分が鉄火場に飛び込むのではななくて?
ベルの強い瞳が、問いかけを投げる。
ここで『私は機械だ!』と強く反発するのではなくて、ベルの道理と温もりをちゃんと受け止めて、柔らかい対応をしてる所が、エンプラさん好感度高いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
感情を殺したスパルタン担当なんだが、人格が柔らかいのよね。そこが、自分を大事に出来ない不器用さとも上手く噛み合ってる。
人と人が向き合ってるのは霧の向こうでも同じで、綾波は殺し合いの宿命に悩みつつも、出会った友の温もりを捨てられずにいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
先週重桜に見たように、アズールレーンにも人の営みがあり、一人ひとりの命がある。自分の周りの命と、戦士と生まれた使命が大事だからって、それを無視はできない。
平時ならば大いに称揚されるだろう、綾波の公平な目線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
敵を"人でなし"と断じなければ、殺し合いが出来ない"人間"の、厄介な枷。
エロいだけかと思っていた愛宕は、姉のように母のようにその迷いを抱きしめる
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様々な場所に温もりと絆があり、霧の向こうにも人がいるのだという想像力が疼く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
それでも、一度抜かれた刃は簡単には抜けない。戦争という外交手段を選ぶだけの切迫が、重楼サイドにある以上、霧は敵と味方を切り離していく。
矛盾に満ちた戦場が、遂に発火する。
重楼サイドが『攫われた明石を助ける』って認識なのが、"人間"だなぁ、って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
実際『秘密見られたから即殺』って判断したのは、セイレーンだし、オロチ作戦を一般層に伝えるわけにいかないし、そういう認識になるよね。
ふーむ…重楼も綱渡りだなぁ。
霧の奥の玉をめぐり、まず艦隊砲撃戦から始まるアクション。数を揃えてバカスカ打つ戦闘は、前回の隠密近接戦とはまた違った味わいで、非常に面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
色んなバトルを毎回差し込んで、しっかりアクションの面白さを積み上げているのは本当に偉い。そのためには大胆なアイデアも盛り込むところも。
海上明細隠れ蓑で、救出班を中央潜航させるところとか、非常にみずみずしい表現だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
アズールレーン側は、あくまで"救命"という作戦目的を見失わず、少数による突破と機関を目指す。
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これに対しレッドアクシズは霧の島を美濃囲いにし、接近させまいと包囲を固くする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
同時に牽制艦隊に打撃を加え、お互いの目的を果たしやすくする感じか。
一発も弾が当たらないと緊張感が抜けるので、壊れても問題ないセイレーン艦がバカスカ沈んでいるのは面白い。
霧のシチュエーションはよく生きていて、お互いがライバルに出会う個別のマッチアップと、大艦隊戦を上手く同居させている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
戦士として、泥に塗れたままではいられない。瑞鶴の猛る心が、包囲網にほころびを生んでいく。飛車角が勝手に出過ぎると、勝てる盤面も勝てないね…。
主役であるエンプラさんの描写を霧の奥に隠して、『なぜアズールレーンが王手詰めを果たしたか』に説得力を乗せたのは巧かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
瑞鶴・翔鶴という大駒は、存在しないエンタープライズへの焦りを上手く突っつかれ、霧の中に踊った。この駒損が、竜王を敵陣に放り込む隙間を生む。
王手詰めの状況を即座に判断し、自陣が傷つく前に撤退判断できるプリンツ・オイゲンも、敵ながらあっぱれ。エロ衣装なのに賢いな…。
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戦争の霧に覆い隠されつつも、戦士たちの叡智が輝くエピソードとなった。
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もう一つ、戦場の片隅で相まみえた戦士たち。
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綾波はジャベリンたちと再開を果たし、憎悪に瞳を塗って刃を交えんとする。
答えが見つからない二人は刀槍を構え、真実にたどり着いてるラフィーちゃんは無手。
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責任感に欠けるフリーダムっ子だからこそ、戦わない自由に思い切って踏み出せる。
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ラフィーちゃんの人格的優越、戦争領域をぶっ千切った人間強度が目立つ闘い(?)である。
つーか戦争モノで一番"強い"ムーブじゃんラフィーちゃん…ねむねむロリっ子なのに。
私は綾波と戦わない。綾波も私を殺さない。
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ラフィーちゃんは強く対手と自分…"人間"を信じているから、確固たる答えを差し出せる。敵に手をのばし、霧を払って光を呼び込む。
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その姿は敵対する綾波だけでなく、背中を見守るジャベリンにも光明となる。
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戦わない決断と自由。戦う決意と勇気。その両方を携え、迷いの霧を振り払うことこそが、艦船少女の生き様と、今回ラフィーちゃんは力強く証明した。
ろ、ロリっ子の背中がデケェ…。
戦争状況自体は全然解決されていない…ていうか、アズールレーンに黒いキューブが渡ったことで加熱しそうなわけだが。
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たどり着くべき結末自体は、今回ラフィーちゃんが証明しちゃった感じもある。お互い"人間"なんだから、そら殺し合わないほうが良い。
"♪ファイターより乙女チックに"である。
しかし船を死にさそうセイレーンを身内に呼び込んだ重楼は、なかなか引き返せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
オロチ計画が何を目指すのか。なぜ、敵と手を結び戦端を開いたのか。
戦争の霧は、まだまだ晴れない。複雑にうねる心を取り込んだまま、闘いは続く。
『そこに、確かに光明はある』と示す回だった。
というわけで、霧の島大決戦はアズールレーンの勝ち。明石と黒いキューブを手に入れて、戦争の真実に一歩前進、と言ったところか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
人数多い合戦になったことで、逆に個別の迷いや思いがよく照らされ、群像が鮮明になった感じもあります。
霧が物理的にも象徴的にも、いい仕事をした。
連合の鬼札として、状況を決定的に動かすエンプラさんの主人公力。それを支えるベルさんの秘めたる情熱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
震える刃を突きつけ、責務を背負って戦場に赴く綾波と、刃を抜かないラフィーの対峙。その勇気に光を見る綾波。
主役勢のキャラクターもしっかり掘り下げられ、非常に面白かったです。
これで情勢は少々連合有利に傾くと思うが、何しろ謎が多い世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月31日
どうなったら戦争終結かの見取り図も分からんし、今後はそこらへんも描いてく感じかな?
アクション、人間ドラマ、お色気とキャラ萌え。
貪欲な過積載を見事なハンドルさばきで加速させ、物語は続く。来週も楽しみ。