Dr.STONEを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
宴に酔いしれる暇もなく、迫る暴力の輩。司帝国の尖兵、貫流管槍・氷月の鋭い一撃が、石神村に迫る。
残り少ない火薬のハッタリで時間を稼ぎ、決戦に備える千空。埋伏の毒として、襲撃者を操るゲン。
情報を操る天才児達の戦争は、どこにたどり着くのか。
というわけで、トーナメント終わってすぐ戦争! 回想に浸る余裕もなしな第二章開幕である。ほんと休まないねこのお話…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
作画も話のテンポもちょっとヘロり気味で、『スケジュール大変なんかなぁ…』などと余計な心配をしてしまう。総作監の人数凄いことになってたな…。
しかしキメるところはしっかりキメて、アニメがグズグズにならないよう踏ん張ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
見てくれよ、このゲンちゃん渾身のゲス顔!!
いや、フツーじゃ見せ所じゃないんだろうけど、原作読者としてはココ大事でさぁ…気合い入れてくれて嬉しかった
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/dybFiYWdK1
さてお話は、ゲンちゃんの危惧通り司帝国先遣隊が村を襲うところから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
前回金狼が酒宴に混じらず、"門番"という責務をしっかり果たしたことで、敵はせき止められ、空鉄砲で時間を稼ぐ余裕も生まれる。
お調子者も堅物も、みんないるから社会が維持できるわけだ。
金狼は鍛えた戦士の勘で、絶対的数的不利を覆す状況を作ろうと、頭を使う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
包囲されない狭い橋、長さの有利が出る縦長の状況。戦場を自分主導で作るわけだが、その計算は貫流管槍の登場でひっくり返される。
暴力が図抜けてるやつは、マジでチート。ストーンワールドの不文律である。
氷月操る管槍も、管を使って刺突のスピードを上げ、変幻自在の攻撃を可能にした科学の武器と言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
司帝国だって科学の力を使ってはいるんだが、それを組織化し、現象以上の抽象概念に発展させることは出来ない。管槍はただぶっ刺して、敵を死地に追い込むことしか出来ないのだ。
多数のために橋を落とすか、落とさないか。銀狼の決断はとても難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
思い返せば、多のために小を犠牲にする道をこのお話、ずっと蹴ってきた。
司の選別に反対する千空であったり、ルリから巫女を継承するのを拒否したコハクであったり、硫酸集めの時のクロムだったりね。
情に流されみんなで死ぬか、一人殺してみんなで生きるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
そんな冷たい方程式はまっぴらごめんと、千空は銀狼の涙を背に受け、スゲェ考える。こういう表情を見せるので、僕はこの主人公が好き。
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/ZQC0udJWIP
こっからの千空-ゲンちゃんがホットライン過ぎて、以心伝心どころの騒ぎじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
ゲンちゃんは科学知識ないけど、人の心理を推測・操作するスペシャリストである。なので、誰かが『考えてること』を先読みし、相談の手間なく状況を進めるのは得意なんだろうね。
…相手が千空、ってのもあるけども。
筒と粘度と黒色火薬、マグマの怪力に当たらない石。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
これにゲンちゃんの口車が加わると、存在しないはずの鉄砲が生まれる。トンデモナイ空鉄砲だが、敵が"現代人"だからこそ、その威力を恐れて踏み込みは鈍る。時間が稼げる。
情報は確かめるためにコストが掛かり、存在するだけで動きを固める。
マグマの偽人質作戦で、コハクがトーナメントから脱落しなきゃならんかったのと同じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
情報を制したものが、状況を制する。この思想は作品全体に流れていて、第二章を貫くデカいテーマになったりもする。
フィジカルで圧倒する司帝国と、"知恵"という弱者の武器で立ち向かう科学王国の構図か。
ジャイアントキリングを成し遂げるために、3日で仕込めるものは全部仕込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
多数のマンパワーを動員できる、村長という地位。それを手に入れておいたのが、ここで効いてくる。
金狼を戦線復帰させた鎮痛剤もそうだけど、ストーリーの副産物がしっかり生きる作りになっとるよね。
黒色火薬というアドバンテージを、使おうとして風で使えない状況とか、それが敵を誘い込む罠になってたりとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
戦争開始のサイレントなシーンが、細やかで結構好き。
爆発って制御が出来ないから、使えたとして千空が投げつけたかどうかは疑問だが。あの人、ほんと死人出るの嫌いだからな…。
秘密兵器・日本刀で状況を優位に運ぶが、氷月の業前は圧倒的。石神村の最大戦力で当たっても、正面突破は難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
"個"の暴力がチート級なのは、主人公が目指す"公"の力を際だたせるための配置なのだろう。優れた才能一つで全部勝てるなら、人類復活なんぞさせんでも良いわけで。
異才やアウトサイダーまで全部ひっくるめて、一丸で当たらないと生きれないほどに世界は厳しく、人間は弱い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
千空が平等な共同体主義者なのは、そういうシビアな現実認識もあると思う。
『蘇らせる才能を選べるほど、自分は世界を知らない』という謙虚さもあるか。知らないからこそ、面白いのだ。
人類種が絞り出せる最強の能力は腕力でも暴力でもなく、知力智謀。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
そう言わんばかりの、以心伝心ペテン師コンビの策略が、ズバッとハマって管槍は壊れる。
この二人は『アイツなら、こうしてくれる』という信頼感が、相互に太すぎ。
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/FHz5XG2s4D
日本刀を作り出せたのは、村の協力あってこそ。パームナイフを届けれたのは、無用と切り捨てられていたスイカの小回りと植物知識のおかげ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
エゴむき出しの"個人×n"として襲ってくる司帝国に対し、科学王国はあくまで集団、デコボコな才能を最大限活かす群体として立ち向かっている。
それが必倒の一撃足りうるか、蟷螂の斧か。弱者を見捨てず活かすって生き方は、弱点を抱えて進むってことでもあるしねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月1日
かくして、"知"と"暴”の大戦争『STONE WARS』の幕は上がった。千空と仲間たちは、無軌道な力を向こうに回し、いかに立ち向かっていくのか。来週も楽しみ。