そんな感じの、クラフト物語に帰還したDr.STONEである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
トーナメントしたり戦争したり、色々派手に揺れたここ最近であったが、やっぱ知恵と努力と繋がりでモリモリ試行錯誤し、なんか作り上げる描写が安心する。
村長になって、社会的影響力が増した好影響も丁寧に積まれてたしね。
派手な動きが少ないクラフト展開を引き締めるべく、まずゴールから見せるのがこのお話の巧さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
”春”というリミットを定めるときに、司と千空の思考がシンクロしているのが面白い。
知能レベルも倫理性も、どっか似通って響き合う二人。だからこそ決定的なところで、反目するしか無いのだが。
司は科学の平等性に目を瞑って、それが権力の装置として独占される可能性を重視しすぎている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
一方千空は、科学を万民の福祉と捉えて、技術発展をどんどんスピンオフしていく。ロードマップを走る副産物が、衣食住生活レベルを充足させ、マンパワーの欠如を補っていく強さ。これが科学王国の利点だ。
科学による効率化で、『ただ生きる』のではなく『より善く生きる』未来を、貪欲に引き寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
村長・千空はそういうビジョンを、村全体に拡大していく。やっぱ根本的に、マテリアルな技術の先にある形而上的価値観を見据えてるよね、千空くん。
発想が科学哲学者、あるいは哲人政治家なのよね。
司は自分のトラウマで足を止めてしまっているので、ストーンワールドに文明を復活させる未来を本気で信じられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
その停滞が付け入る隙で、通信技術による情報アドバンテージ、先制攻撃による無血開城が可能にもなる。
『ダメ、無理、不可能』とは言わないのよ、千空くん。
これは自分の優秀な才能、人を信頼できる資質、そこから広がっていく世界…それら全てへの信頼が可能にするヴィジョンだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
千空は孤独ではない。大樹がいて、杠がいて、百夜がいた。一緒に楽しみ、夢を受け止めてくれる仲間がいた。
しかし、司にはいない。強いが孤独にあり続けた。
その差が春の決戦に、どう影響するか。まだまだ先の話であるが、アニメでもしっかり描ける…といいなぁ。ビミョーに尺が難しい塩梅なんだよね、大丈夫だろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
さて千空率いる科学王国は、千里の道も一歩からと、まず綿あめ製造機から始める。
ここら辺のハズしっぷりは好き。
無論合理的、合目的な意味合いはあるんだけども、村の仲間に甘いもんを食わせて、新しい喜びを教えてやりたかったんだと思うよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
科学チートのクールガイが、目的のために邁進している姿がこれ。ただの気のいいお祭りアンちゃんじゃねぇか!(好き)
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千空は結構”食”にこだわる為政者で、美味いものを食べると元気に、仲良くなれる人間の本能を、全く軽んじていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
サルファ剤制作がラーメンから始まったように、情報兵器は綿あめから。食べて喜ぶ存在としての人間を、大事に育む千空印である。
この視線は”敵”であるはずのホムラにも向いていて、監視だろうが敵対者だろうが、せっかく作った『美味しくて嬉しいもの』をおすそ分けしてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
ゲンにホムラのことを尋ねる横顔は、非常にシリアスでナイーブだ。ホントこの人、人間存在のことをよーく考えてチートするね…。
裏切りがどうの動揺がどうの、後々理屈をつけてはいるけど、ルリが言った通り千空はただただ優しくしたかったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
敵は殺す。目的のためなら、情を捨てる。
そういう類の冷たい合理主義は、千空のやり口ではないのだ。
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甘い想いが橋をかけ、同じ人である監視者に届くのか。敵味方の垣根は、細い綿あめでは乗り越えられないのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
その答えが出るのは、もう少し先である。
『よっしゃ! 戦争だ!!』ってムードになった途端、甘味を通じた”敵”との対話をまず持ってくるあたり、ピースな話よね。ジャンプっぽくない。
甘味はあくまで副産物であって、目指すは配線の安定生産。人力の限界をどう突破するか、動力にまつわる試行錯誤が続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
額に汗してみんなで頑張る。このお話らしい展開だ。ペドコハクがマジでかわいい。姫カット…。
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今回は弟子たるクロムとスーパーエンジニア・カセキのコンビ、村全体のマンパワーの描写が多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
御前試合に勝って、アウトサイダーから村社会の統率者に変化した利点を積む描写は、展開の必然性を補強してて非常に良い。
千空は天才だが、一人では出来ないことが多すぎる。
なので弟子が勝手に思いついて、ジジイと力を合わせて奮戦し、新しい突破口を見つけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
村の仲間もアタマを突き合わせ、手間の掛かる仕事をみんなでこなしていく。沢山であること、異質な集合体であることがヒトの強みだ。
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クロムの活躍にしても、金線よじりにしても、老人が仕事を果たしている描写がしっかり埋め込まれているのは、とてもいいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
司のパワー主義、新鮮主義だと絶対切り捨てられる”弱点”こそが、汗と絆を必要とする難事を成し遂げる鍵なんだよなぁ…”弱者”と切り捨てるその判断、傲慢でないかい。
腕力を必要としない手先仕事は、子供でも元気に果たせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
老若男女、村の成員を区別なく動員し、一つの目的に協力させる。千空の科学主義は、開かれた社会参画も可能にするわけだ。
…やっぱこのチート野郎、人間大事にし過ぎだな…。
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意見とマンパワーを出し合い、試して間違え出口を探す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
水車にたどり着くまでの描写は、村長・千空の平等なリーダーシップを切り取ってくる。勝ち気な言動に反して、驕ったところのない謙虚さが、千空くんが好かれる理由だと思うな…。
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同時に『出来ると思ったから作った』クロムの水車を、既存技術の人力発電と組み合わせ、自動で電力を確保できるところまで一気にまとめるのは、科学の申し子の天才故でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
仲間への敬意をしっかり立てつつ、主役の特別感もバリッと魅せる。バランスいいよねぇ。
今回は石神村の内側に入った科学王国が、”横幅”ってのを手に入れたと見せる回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
人数が増え、いろんなアイデアが出てくる。資源も労力も集約して、村外れで肩寄せあったときより、もっと色々やれるようになる。
”社会”の最もポジティブな側面を、しっかり刻み込むエピソードだ。
生きる資格を選別する司帝国は、その”横幅”を掴まえられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
弟子として後ろにいると思ってたクロムが、自分の思惑を超えて水車を完成させる驚きに出会えない。子供や老人と手を携えて、何かを作り出す喜びも遠い。
それが”敵”との違いだ。
その上で、千空は”敵”の監視者に綿あめを差し出す。非合理な甘さは、人の尊厳を見つめる優しさの味だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月17日
人が増え、様相を少し変えたけども、科学王国は希望の国であり、平等の国だ。そういう作品のコアをしっかり感じられる、久々のクラフト物語でした。
やっぱ面白いな…来週も楽しみ。