イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 19/11/24 ブラッドパス『マーダーズ・ゲーム』

今日はライドくん主催、からすば先生デザインの新作”人鬼血盟RPGブラッドパス”発売記念コンベンションに行ってきました。正式発売日からカウントすると、ゼロアワーどころかマイナスでのコンベなのは秘密だ!

シナリオタイトル:マーダーズ・ゲーム システム:人鬼血盟PRGブラッドパス GM:ライドくん

けーりんさん:火渡鳴海:17歳女性:讐人/戦衛 戻るべき場所すべてを奪われ、復讐の鬼として血盟を果たした少女。己を一本の刃に鍛造せんと、温もりに怯え愛に震える。契約の代償として、相貌失認を患っている。ただ、契約した鬼の顔だけは判る。
せきあかいさん:一条一葉:17歳女性:半鬼/奏者 生まれた直後に見捨てられ、組織に拾われた闘争兵器。余りに幼い人格と、アンバランスな異能を有する危険物。恋に憧れ、契約者とままごとめいた恋人関係を結んでいる。腕に刻まれたナンバーは、兵装としての聖痕である。
紅緒さん:真白枢:38歳男性:義士/監者 切れるアタマとチャランポランな態度を兼ね備えた、インドア派の捜査官。輝ける青春も、いつか抱いた憧れも擦り切れつつ、いまだ人間であることにしがみつく蜘蛛の契約者。味覚を喪失している。
コバヤシ:”嘲フ蜘蛛”S:外見11歳:貴種/舞人 SIV創設に関わりつつ、今は独房”蜘蛛の巣”に根を張る車椅子の少年。遥か過去に刻まれた、愛の探求という呪いを空疎に求めつつ、怪物としての本性を微笑に隠す魔神。聖人の皮に詰め込まれた、赤い悪徳。

こんな感じのヤベェ奴らが、肩付き合わせて一つの事件に挑みました。

ブラッドパスはバディ関係をたっぷり味わうべく、運用もも世界観も最適化されたシステムです。ディープな掛け合いを楽しむべく、色んな仕掛けが様々な場所にしてあって、それがしっかり機能する。
そういうことを確かめられる初プレイとなりました。豊富に用意されたランダム表、バディとの相談を加速するルール処理、的確に軽量化されたウェイト。最新鋭のシステム設計と、『カルマ濃い物語をゴリゴリ生成したい!』というデザイナーの欲望が、見事な化学反応を果たし、独特のプレイフィールを生んでいます。
人間にしろ吸血鬼にしろ、何かを必ず喪失している設定がとても良くて。欠けているものは満たされることを求めるけど、何しろ失われているので帰ってはこない。それでも様々なものを求め、それでいて鬼になりきれないハンパ者たちの崖っぷちを、キャラメイクの段階でしっかり作り上げることが出来ます。
この欠落と充足願望が、世界唯一のパートナーにしっかり向いている所が独特、かつ的確で、濃厚なロールを相互に交換できるよう、様々なサポートが用意されていました。今回は他PLの方たちも非常に巧く、同卓したメンツへのリスペクトにしっかり溢れていたので、そういう仕掛けが力強く活きた感じ。

狭く鋭い関係性はときに、同卓している他のメンバーへの目配せを弱めてしまうものですが、そこらへんにもしっかりトス上げが出来るメンバーが揃っていて、お互いを尊重しながら、相方への強い感情を残したまま、非常にいいバランスでプレイできたと思います。
”銀剣のステラナイツ”もそうですが、他の人の熱量あるロールプレイを横で見る『観客の楽しさ』は今一番ナウい鉱脈なんだろうな、と思ったり。これを促進するべく、従来のゲームだとゲーム終了後に用意されていたロールプレイ評価タイミングが、ミドルフェイズに組み込まれているのは天才的な発明だと思います。
すぐさま褒めると忘れないし、楽しかったという思い出が実プレイの内部に組み込まれるし、ゲーム的な処理をスムーズ&スマートに行えるしで、非常に優れた設計だと思います。”褒め”という報酬がすぐに来るので、ゲームの熱量が醒めず、温度を維持したまま走りきれるのは素晴らしい。からすば先生マジ天才。

対面の17歳女子コンビが、歪みつつも人の可能性に向けて真っ直ぐに走っていく光の存在であったため、僕ら年経た人格ネトネトコンビはズブズブと闇に沈み、アモラルに遊んでおりました。
自分はあんまホモセクシュアリティの素養がないので、手持ちのクラシックな武器をなんとかやりくりして男男巨大感情祭りを頑張ってみましたが、なんとか満足いただけたようで楽しかったです。やっててよかったバタイユと三島。あと谷崎。
紅緒さんははじめましてだったんですが、こっちの欲しい球をキッチリ見切って、非常に良いところにいい球を投げ込んでくれる天性の速応派でして、『マージ若いヤツすげぇ……』って感じだった。”光速のインプルス”って感じ。
吸血鬼モノと聞くと悪いことをしたくなる”血”なので、ブレカナの魔神も真っ青の悪徳ヒューマンをやりましたが、『血盟のお陰でギリギリ人間サイドにとどまってます!』という一線を守ると、なんとかPCやれる良いシステムだと思います。『俺たちが浸りたかったインモラルが、今ココにある!』って感じ。
同時に基本ルールブックに、『吸血ってエロいネタに走りがちだけど、相手の顔色をちゃんと見て、お互い楽しめる範囲でやんなよ』とサジェストされてるところとか、目端が利いてて素晴らしいと思います。マジハラスメントになりかねない、微細な問題だからなー。
僕ら? アイコンタクトで『往くか…限界までッ!!』ってなったんで、EROSのリミットをかなりカットオフして、エロいエローいオーラを纏いながら気持ちよく走りました。ここら辺のキャッチボールが以心伝心、スルリするりとやれるのはとても気持ちよかったです。

終わった後の飲み会でも、久しぶりの方、はじめましての方、色んな方とお話できて大満足。”ブラッドパス”……相当に”やる”システムなので、僕もGMしたいしPLしたいし、お前らもやれッッッ!!!って感じです。
良いセッションでした。同卓していただいた方、ありがとうございました。