ヴィンランド・サガを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
血で血を洗う戦場に、奇妙な静寂が訪れる。
誇り高き決闘の小休止、後悔と疑問の思い出話。
トルケルの口から語られる、出生の秘密。トルフィンは仇と結託し、細い勝ち筋を掴むべく刃を捨てる。
その果てに、愛と哀しみを知った王子が立つ。
悪鬼よ。父殺しの旅路、伴仕れ
そんな感じの、戦に一つの決着がつくエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
超暴力の持ち主なんだが妙に爽やかで、豪快なんだが繊細で、豪腕なのに知性派。
トルケルの良いキャラクターをカメラに、トールズとトルフィン、アシェラッドとクヌート…戦士達の過去と現在、おぼろげな未来がよく見える話数となった。
トルケルとトールズの因縁が軸になる以上、真の戦士の生き様と、武器を収める強さが話の真ん中に来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
トルフィンの派手な腕折り(dis-arm)も、武装解除(disarm)の一貫と言えるか。
斧をへし折り、殺さず殺されない決意を叩き込んだ父とは大違いだ
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復讐のため”ヴァイキング”に堕ちたトルフィンに頼れるのは、仇であるアシェラッドだけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
彼は強敵に挑むトレーナーのように、息子の幼さをあやす父のように、傷を直し勝ち筋を教える。
俺の命は、お前の勝ちの上に乗っかっている。
呉越同舟、運命共同体。その絆が、牙を一旦収めさせる。
今回はリフレインの多い回で、トルケルとの汚されない決闘がアシェラッドのトールズ殺しと重なったり、『付いてきたいやつだけ付いてこい』で空中分解したアシェラッド戦士団と、同じセリフを言って本当に人がついてくる
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
クヌートの英明が残酷に対比される。
過去と現在は繰り返し、別の答えが出る
それが救いなのか、呪いなのか。そんなものは全てが終わり、必死に生きた人生が年表の染みに変わった後にしか判断できないことだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
そしてそんな大局的な視座では、血と涙を熱く流しながら、矛盾の中を駆け抜けていく”生”のことは、何もわからない。
染みにすらなれなかったものにも、物語がある
そこを掘っていくのが、この物語なんじゃないかなと思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
100人規模の戦士団ですら持て余す、ハンパな器量のアシェラッド。年表に名前が残らない彼を、ここまで魅力的に描けていることが、歴史の大河を見据えつつも人の営み、一つ一つに賭ける意気込みの現れ。そ
ういう感じだ。
そんな人間的な、余りに人間的な血潮を一番わかりやすく滾らせてくれるのが、雷神の化身、トルケル親方である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
強敵を前にたぎり、友の死に涙する。
『俺が殺したかったのに…』という無茶苦茶ぶりも含め、異常にキャラが立っている。”人間”である。
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トルフィンとの血縁奇縁が明らかになったことで、彼もまた貴種である事実が判明した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
誰よりも颯爽と、激烈にヴァイキングらしく生きる男の一撃を、ヴァイキングを辞める男はしっかり止める。
殺さず、殺されない。意思を貫き、害せず辱めない。
真実の戦士の拳は、強い。マージ北欧神権正式伝承者。
トールズ父さんは、武器ではなく妻の方と、生まれたばかりの息子をしっかり抱く。それで活きていくのだと、決意を込めて抱いた息子が、今じゃ復讐鬼になってんだから、なかなか浮かばれないが…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
そんな決断を、”ヴァイキング”は飲み込めない。
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静かに、深く問いかける瞳。揺るがない”何か”を手に入れた、不思議な輝き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
それが特別なものだと魅了されるほどには、トルケルは冴えている。しかし”ヴァイキング”であることを止めれるほどには、愛を知らない。
結果、斧で問い、拳ですがるしかない。同じやり方で息子の骨折ってる所が、因果だね。
トールズの答えは見事に”ヴァイキング”の斧をせき止め、へし折る。意識を奪って、殺さずに去っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
おんなじように息子も”勝つ”わけだが、そこで不殺どころか獣の顔で、眼球一個むしり取る所が未熟の極みである。
いやー、そらトルケルも『フツー…』いうてガッカリするわ。親父が偉大すぎだけども
武器を置く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
それが新しい武器を取るためか、戦いを捨て去るためなのかは、答えが出ない問だ。
トールズは斧を折り、剣を取らなかった。そんな答えを弓で汚して、アシェラッドは自分の夢を『なんちゃって』に落とし、トルフィンを復讐鬼に変えた。
置いてけぼりにされたトルケルは、ずっと問い続ける
思い出話を真剣に語るトルケルも、それを聞くトルフィンとアシェラッドも、一時武器を置いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
視線の先には白鳥。彼が信じる神話においては、その羽衣をまとい戦乙女(ヴァルキリー)が転じる鳥だ。
真の答えにたどり着いた戦士は、迷わず空を飛ぶ
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ここではないどこか。アヴァロン、エデン、あるいはヴィンランド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
トールズは道半ばに倒れたが、それは問題ではないと叔父は言う。生き様を貫き通せれば、そこには満足と自由がある。
そんな闊達の境地を、殺戮の只中で思い続ける。巨人は、結構哲学者なのだ。
後にトルケルが倒れる時、ヴァルハラへ導く英雄は髭面なんだろうな、と思う。マージでこの男、トールズ父さん好きすぎだった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
アシェラッドとの決闘の末路、その裏に蠢いた権力闘争を知ったら、マジギレでヨームボルグ壊滅させそうだ。やっちゃえバーサーカー!!
語りの時間は終わり、お前は親父から何も継承してないと、トルケルは再び斧を取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
今、ここを勝つために。必要な知恵を俺が貸してやる。
知恵者と小兵、父と子、仇と復讐者。色んな様相が入り交じる、複雑な局面である。
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やっぱここで、『地面に刺さった剣』を杖代わりにアシェラッドが見守り、奸智を使う構造が、彼が信奉するアーサー王(の背後にある、母の呪い)を感じさせて、なかなかエグい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
彼は剣を抜いて、自身が王になることを望まない。だって、母上はそう言わなかったから。呪いだよなぁコレ…。
ダヴィデとゴリアテ、牛若丸と弁慶を思わせる戦いの末、トルフィンとアシェラッドは勝つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
父は武器を奪い、敵を地面に倒した後、奪わず殺さず先に進んだ。息子は獣の表情で、素手のまま目をえぐり取る。マージで、何も学んでない。
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少しでも学んでるなら、形見の刃で肉を斬り、略奪の先触れに身を落として復讐なんぞやりゃしないわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
しかしこれに少年を導いたのも、父への愛、それを侮蔑する汚れた決闘である。
ヴィリバルド師は、正しく慧眼であった。愛が差別を生み、新しい血を求めるのだ。
親方の名誉を泥に汚したクソガキを、ぶっ殺そうと襲いかかるのも、また愛。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
自分が殺されても、団の結束を守ろうとする副長の腹も、愛で固まってる。つーかアンタマジ”器量”だね…いい親方には良い部下集まるね。アシェラッドくん見てる?
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あ、ビョルンは知恵も腹もあるいい戦士だと思っております。純愛だし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
ただ他のがなぁ…トルケル戦士団は、現世利益以外の部分で繋がってるのが強いよね。
間違えようが、親方は親方。決闘で殺されて死にてぇぜ。軒並み狂ってる所が強さの根っこ。
怒りに髪を逆立てた超ヴァイキング人3の、余りに巨大な手。それにひねられても微動だにしない、副長の覚悟。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
どうにもならない人間の複雑さを前に、暴力で暴れまわるのではなく、血の涙で飲み込んでどっしり座る事が出来るのも、トルケルの器量であろう。
やっぱ腹が太いわな、この蛮人。
振り上げた拳の落とし所を、どこに持っていくか。トルケルの背骨を支える戦の名誉を、どう贖うか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
難問を前に、愛の真実を悟った覇王が進み出る。
この戦い、俺に預けろ。犬死はもう十分だ。
神の花嫁と嘲られた過去は、遠い追憶の果てだ。
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旧い北欧信仰の化身たるトールズと、その後に来たキリスト信仰…をぶっ飛ばし、絶望の先にある覇道に目覚めたクヌートは、『無駄にならない戦と死』において、目標が一致する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
銭、女、虚栄に謀略。そんな薄汚れた泥ではなく、なにか輝くものを、ここではないどこかで。
その思いが同じだからこそ、巨人は赤い涙を流して、荒い鼻息と一緒に気を収めることにしたのかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
後の北海皇帝、英雄クヌート。
期待すればこそ怯え、満たされればこそ奪われてきた少年は、全てを失った荒野に、揺るぐことのない理想を見出した。
愛なき世界に、生きるに足りる夢を。
その前提は、『父は私を愛さない』という事実から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
難しいお話を前に、駄々っ子トルフィンはオヤジの袖をひっつかみ、ハゲは待ちに待った”王たるべきもの”の覚醒に夢中である。ほーんとこの因業親子は…。
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弱いぶどうを積むように、争いの火種となる自分を刈り取る。そのための”はさみ”として使われることが、ヴァルハラへの道か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
クヌートは静かに、胸を焼く痛みを殺しながら”ヴァイキング”に問う。
それよりマシな道への一歩を、俺と踏み出せ。
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ここで詰まれてるのが”ぶどう(vín)”なのが、”ヴィンランド・サガ”としては最高に皮肉だね、と思ったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
語源としては”草原(vin)”説もあるけども、両方大事にしてるっぽいからなぁイメージカットを見るだに。
弱いぶどうを刈ることでしか、人は楽園に行き着けないのか。業と夢が、荒野を駆け巡る。
そのためなら、命など惜しくはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
薄っぺらな言葉を試すように、迫る拳風と真っ直ぐな瞳。
ヴィリバルドと同じように、クヌートは道を見失った大人に、生き様を持って答えを与える。
戦の狂乱から抜け出し、より理知的な戦へ。大義のためなら、父すら殺す外道の道義へ。
それはトルケルが焦がれた、トールズの道とは違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
家族とアイスランドに逃れ、土に足をつけて生きていく。自分の手が届く範囲、私的領域だけを丁寧に守りながら、人として過たず生き抜く。
クヌートの答えははそういう幸福に背中を向けて、より広い場所、より大きな救済のために、刃を握り直すものだ
だが、そこにも『真の戦士』としての答えがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
トルケルが焦がれた髭面と美少年に共通するのは、『二人共剣を持たない』ということだ。
単純な暴力をぶん回すだけでは、けして掴めないものを掴む。それがむせ返るような獣性を制圧し、新しい道を示す
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より大きなものを動かすためには、刃を血に濡らさなければ始まらない。非殺の誓いなど、夢物語は追わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
その一歩目として、まず王を殺す。父を殺す。人の道、世界の掟に反したこの決断が、最も正しい未来を掴むという確信。
それに触れ、アシェラッドは狂笑し、刃を差し出す。
後の封建性に見られる騎士叙任にも似た構図だが、この刃は王権の剣コルブランドであり、浅はかな計画のケジメでもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
トールズ相手には『なんちゃって』で収めてしまった、王たるべきものへの忠誠。母に刻まれた呪い。
それを刃に預けて、真剣に未来を問う。
アシェラッドがここでこの決断に至ったのは、賭けが失敗に終わって兵団が壊滅し、社会的地位がぶっ壊れたからだとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
100人の荒くれを束ねる”ヴァイキング”という虚栄が、不和と暴力で剥ぎ取られたからこそ、真実の願いが見えた。それを預ける将器に出会えた。
そういう意味では、ラグナルをぶっ殺すことで”父”の背中からクヌートを出した自分の謀略と、同じ状況にアシェラッドも叩き込まれているわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
覆うものが一切ない極限こそが、『なんちゃって』で済まされない真実を研ぎ澄ます。
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だが、その生温い優しさこそが、夢の全てだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
ラグナル殺害の真実を聴いたときの、クヌートの憤怒。
理性…というよりも、愛を失ったからこそ掴み取った新たな理想への狂信で、人間なら当然の復讐心を抑え込み、仇をも抱え込む。
トルフィンが妄執に流され、獣の吠え声を上げ続けているのとは真逆
刃を取って、仇を刺すことも。全てを水に流し、刃を受け取ることも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
クヌートはせず、ただ背中を向ける。”父”を奪われ、父に愛されていない事実を飲み込んだ、為政者の鉄面皮。
それが破けてしまうほどの激情を、臣下(ってことに収めると、自分で決めた仇)に見られたくないのかも知れない。
そういう感情の処し方含め、クヌートは見事な王才を見せる。王たるべきものは、統治の機械。正しきを為し、夢のために愛を捨てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
広がるは覇道。父を殺し、王を殺し、腐敗を断ち切って新たな秩序を生む。
父王、謹んで大逆仕る。
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その苛烈な決意に、巨人率いる500人からの獣と、全てを失い全てを手に入れたアシェラッドと、なにも知らぬ復讐者が続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
クヌートの覇業は、今まさに端緒に付いた。哀しみも喜びも静かに押し込め、突き進む足取りの一つ一つが、年代記になるほどのカリスマである。
恐るべきは、決意一つ、言葉一つで今までの追跡行をひっくり返し、敵も味方もまるごと自分の理想の道具(であり同士)に変えてしまったことだ。
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クヌートは理想と現実を同列に、静かに熱く語る。その”本気”こそが、彼が握りとった真実の刃、王権の象徴たるエクスカリバーなのだろう。
それは非常に苛烈に、敵と定めた相手を刈り取るだろう。血縁にも、弱者にも揺るがない平等さがあればこそ、王権は正しさとして機能する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
その苛烈さを嫌ったから、トールズはヨムスボルグを抜け出し、一個人としての”家”を守り抜く拳を、己の剣と定めたのかも知れない。
こういう『真の戦士』の到達点に、たどり着けず焦がれながらも、高みを知ってついていこうと決めるのが、トルケルとアシェラッドである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
そしてトルフィンは、なにも見えないまま獣のように、状況に流される。その凡俗こそが、彼がこの物語の主役たる理由なのかも知れない。みな、”そこ”にいるのだ。
父王スヴェンを殺せば、美しきヴィンランドへたどり着けるのか。倒して殺さぬ強さも、世にあるとトルケルの回想、トールズへの慕情は語っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
そんなことは、ラグナルの胸に抱かれたクヌートも知っていよう。それが奪われたからこそ、父の愛なきこの世界に、生きる意味を己の剣で描くと決めたのだ
先に待ち構えるは、秩序と信念の大嵐。正しさは時として、暴虐よりも遥かに多く、血を啜る。”ヴァイキング”の無軌道な現世主義が、子供の遊びとしか思えない効率的殺戮が、おそらくはクヌートの覇道には待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
それこそが面白いと、修羅達が笑う。そこにこそ、俺達の生き場と死場がある、と。
そのカルマを背負って、クヌートは征くだろう。約束された北海帝国の栄光と、夢破れた後の破滅へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
そんな巨大なうねりから取り残された、愚かなるトルフィン。彼を主役とする物語は、一体どこへ転がっていくのか。
一つの決着が、一つの始まりを呼ぶ。来週も楽しみですね。
今回はいつにもまして顔面回で、覚悟、羨望、焦燥、憤怒…色んな感情が力強い描画に乗っかり、非常に良い顔が乱舞していた。とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
線のくっきりした、ちょっと古風なWITの筆。”北斗の拳”や”ドラゴンボール”のエッセンスをリファインしたようなWITの筆が、最大限生きてると思う。
あとトルフィンの至らない部分が、他の登場人物の覚悟と知恵が濃いからこそ目立つけども、主人公はそれでいいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
未熟で迷い道ばかりの白紙だからこそ、大きな物語が描ける。この話は間違えまくったトルフィンが、答えを見つける(あるいは思いだす)までの物語なのだろう。
まだまだ話は序盤で、描かなきゃいけないものは沢山ある。だからトルフィンは何も見えず、何もわからないまま、父が示してくれた答えを思いっきり忘れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月25日
それで良いんだ。胸に深く突き刺さった愛が、いつか思い出させてくれる。
それまでは血塗れの修羅行。業のツケもさんざん払うだろうよ。