神田川JETGIRLSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
照りつく太陽に、近づく距離。風邪を引いたり一緒に寝たり、女達の青春は熱く燃え盛る。
時にライバル、時に友達。その暖かで賑やかな距離で、埋めきれない寂しさ。打ち明けられない陰りを抱えたまま、夏が加速していく。
突き抜けたその先に、どんな光が待つだろうか。
そんな感じの、NOジェットレースなエピソード。焦らない筆致で情感を切り取る…合間に肌色とおっぱいが乱舞するトンチキなバランスを、たっぷり食べれる話数となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
いつもピカピカ元気印な凛の、笑顔に隠した寂しさ。それを受け取れる間合いまで、ミサちゃんが近づいてきたのが凄く良い。
この接近は第1話からジリジリ積み上げてきたもので、色々な爆エモイベントを経て成立するものである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
先週、夕日の中で号泣抱擁したからこそ、『イチャイチャ禁止!』と釘を刺されるほどのゼロ距離戦闘も可能になる。
ベッドサイドは、感情の定点観測地だな…。
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根拠のない”大丈夫”から赤点引いて、遅れを取り戻そうと焦ってぶっ倒れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
これまでミサちゃんのぶっきらぼうを主に捉えてきたカメラは、凛の浅はかさと、笑顔に隠した薄暗さに舵を切り替えつつある。これは先週、ミサが一歩踏み込んだ部分でもある。
結構暗い物を抱え込んで、それを隠すべく暴走する
母の不在、胸を焼く寂しさを埋め合わせるべく、神田川までやってきた少女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
凛のオリジンを思えば、今回は『意外な一面が見えた』というよりか、『必然的に描かなければいけないものに踏み込んだ』エピソードと言える。
ここら辺の人格の多層構造、計画的な描画が、やっぱつえーな金子ひらく、と思う。
補習に振り回されつつ、凛はミサの過去に出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
そこに刻まれた複雑な陰影、挫折と痛みの気配に、凛は目を向けない。
過去を封じ込めた携帯を、キリコが見つめる複雑な表情。それを掴める視野角を持たないことが、ミサの危うさであり、無鉄砲な強さでもあろう。
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”姉の名声”云々という文字が見えるので、ミサの挫折には家族が絡んでいそうだ。それは今回、悪夢をミサに預けた凛と同じ、渇望の根っこでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
お互い何かが欠ければこそ、必死に追い求め、屈折した反応を見せる。
笑顔で覆い隠したり、ぶっきらぼうな態度をとってみたり。
素直じゃないのは、実はミサだけの特権ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
強すぎる反応を投げつける関係ではなくなったけど、過去を尋ねる凛の肩を、ミサは抱き寄せられない。
自分の根源にあまりに強く癒着しているので、踏み込めば痛みを伴う過去。そこに向き合うことが、後半の課題なのかなぁ…。
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黒髪クール女も、色んなエモ爆撃で障壁が崩れてきてて。五島からやってきた運命の女に、自分がズブズブなことを受け入れつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
見よ、無事追試を乗り越えたパートナーに向ける表情。お前がいい点数取ったわけじゃないからな…サポートは立派だったけど。
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追試への対応も、風邪への看病も、ミサちゃんが存外情の深い、他人をしっかりケアできる心根の持ち主だということを示す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
伏せ札となってる、挫折の過去。そこでねじ曲がってしまってはいるけど、本来的には優しい子なのだろう。ツンツン態度に、自分らしさを隠しちゃってるわけだな。
それを解凍し、自分と出会い直させてくれるのが波黄凛…であり、それは凛にとっても同じだったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
笑顔の仮面、陽気さの鎧を取っ払って方言丸出し。母を失った寂しさ、心の深い場所にある暗さを預けられる”お母さんみたいな人”が、彼女にとってのミサちゃんである。
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お互いの欠落を相補う、相互ズブズブ関係がジワジワ見えてきた。典型的な黒髪クール×天然元気の構図から、更に踏み込んで奥行きを見せる描画はとても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
二段ベットの”下”を凛が占拠しているので、彼女の寝床に初めて入るミサ。”匂い”によって色んな想いが活発化する描写に、身体性があっていい。
凛ちゃんはだんだん余裕が出てきた…というか、持ち前の優しさと視野の広さを、他人に向け活かす能力を再活性化してる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
ライナスの毛布のように、寂しさを埋め続けたイルカ。友達の証として、携帯電話に共有するフェティッシュの意味を、相棒の弱さへ想いが向かったから、それを届けてあげる。
物語開始時は凄く狭い視野しかなかった彼女が、凛ちゃんに出会ってどれだけ優しくなれたか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
そこをゆっくり、表情と指先で語る演出がとても良かった。
肌色シーンは超即物的なのに、少女が一歩一歩寄り添い、ちょっとずつ他人と自分に出会っていくシーンは思弁的なんだよな…。
静かな夜を駆け抜け、ミサは粥を作り、凛は相棒の背中を押す。ただベッタリと仲良くするのではなく、相手を思いつつ靭やかに立つ距離感を、二人は掴みつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
『私のためにも強くなって…』という視線を受けて、ソッコーランニング終えて帰るミサちゃんが、凛好きすぎで良い。
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まぁエロJKには、エロいことしてると勘違いされんだけどね…。そこまで直結脳だと、『エロが伝染る』扱いもしょうがない気がするよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
湯浴みも任せる距離感を、ミサちゃんが照れずにやってる所が凄く良かった。自分にとって大事な人なのだと、腹に落として相棒やってる感じ。太くなった…愛と魂が。
そこまで距離が近くなっても、なかなか打ち明けられないのが過去の挫折、という話かもしれんが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
凛ちゃんが自分のオリジンをズバッと預けたので、今度はミサちゃんが根っこを見せるタイミングではあるけど、なかなか難しかろう。
焦らず、ジェットレースも含めた触れ合いの結果、共有できると良いね。
そんな青春の舞台で、共に競う仲間。気持ちのいい女達が、狭いお部屋に大集合である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
ライバルたちが全体的に爽やかで、優しさと強さとバカさを備えた善女なのは、このアニメの好きなところだ。
明るく賑やかな世界に、凛ちゃんも思わずニッコリ。
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ってところから、真っ白な寂しさにいきなり投げ込む落差が、今回良く効いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
笑顔はきっと嘘ではない。のだが、同時に胸の奥に秘めた孤独と恐怖から自分を守るための、防波堤であるのも間違いなかろう。
アーパー元気娘の奥には、このような喪失が血を流しているのだ。
『それを拭ってやれるのは、運命に導かれ同じマシンに乗る私しかいないッッッ!!!』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
という自覚が、あるのかないのか。どっちにしてもミサちゃんは、少女の涙と告白をしっかり受け止め、おずおずと差し出された手を握りしめる。
令和最新鋭の”仁”がここにあるッ!!!
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お母さんがいなくて寂しいこと、孤独であることを認め、他人に開示するのは、凛にとって怖いことなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
だから陽気で元気な自分を作り(それは彼女の本性でもあるんだけど)、孤独に踏み込まなくても良いよう、ペルソナを鎧ってきた。
しかし弱った心と体は、容赦なく脆い中身を引きずり出す
そういう矛盾や嘘を預けきらないと、ジェットレースは多分勝てない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
どれだけ自分のほんとうを、震えながら差し出せるか。差し出された柔らかなものを、受け止めて一緒に前に進めるか。
ジェットガールズにとって、レースはそういう場所になりつつある。
母のように、しかし母とは違う体温で、自分の手を握ってくれた人。ミサちゃんの新しい表情に、凛は微笑んで手を握り返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
また一つ、女と女の体温が交換された。この歩み寄りの果てに、青い疾走と勝利があるのだ。あとおっぱいね。
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というわけで、主人公コンビのジリジリとした青春ゼロ距離戦闘を、どっしり追いかけるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
ミサちゃんが優しさを思い出し、大好きな凛ちゃんに優しく出来ている様子。笑顔の仮面の奥にある、白い孤独をおずおずと差し出せた凛。
二人の変化が、静かに強く胸に迫る。やっぱ詩が巧ぇ!
母を失い、それを求めて今の自分を作った凛にとって『お母さんみたい』は最上級の褒め言葉である。彼女の過去を知らない段階では、『何だよそれ…』だった思いが、今回の交流を経てミサちゃんの中でどう変わったか。それは次回以降見えてくるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
次のジェットレースが楽しみ…なのだが。
次回は今回冒頭、B級をかっ飛ばしZ級までぶっ飛んだアイドル探検隊ネタを拾い直すところからスタートのようである。マージでにゅうにゅう様のデザイン最悪…オチもある程度読めるが、さてはて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月27日
明暗浮沈、笑い声に涙。色んな色彩で輝くジェットな青春は、まだまだ続く。来週も楽しみ。