星合の空を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
過干渉、無関心、決めつけに嫌悪。それぞれの傷を刻みながら、時は往き過ぎる。
小さな応援団でひと悶着あったり、手首と一緒に心が折れたり。
荒れ狂う風の中、子どもたちは皆、青春を活きる。
それが輝いた季節だなんて、誰にも言わせない。
そんな感じの思春期群像劇、星合の空題9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
最初に言っておく。
苦しい…あまりにも生っぽく、体温と痛みを込めて”それぞれの事情”が襲いかかってきて、見ているのは非常に苦しい。
そういうジワリとした痛みに、共感できるよう作っている凄みを、重々感じつつも辛い。
この辛さを逃がすために犯人探しをしたくもなるが、子供は子供で必死に身勝手であり、大人は大人で身の丈足らずの無神経を抱え込んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
それぞれけして完璧ではなく、過ちを積み重ねながら状況は転がっていって、事件も起きれば、情のありがたみを感じもする。
その多彩が、なんとも染みる。
やっぱ話の方向付けとして、眞己と子供らに足場を置いて見るようになってはいるんだが、間違えまくる大人のどうしようもない人生どん詰まり感とか、どうしようもなさを前にした瞬間の軋みとかを、鋭く切り取っても来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
醜く、過ちばかりが積み重なるカルマの中を、どう走っていくか。
その個別の顔を見る時、やっぱこー、あからさまに間違っていてなお、大上段に振りかぶった”正しさ”で殴りつけたくもないなぁ、とは感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
まぁ殴るのと盗むのは擁護できねぇけども。優しさのない大人にツバを吐きたくもなるけども。
優しくない世界の中で、どうしたら優しくなれるか。
そういうことを、”部”という社会の成員それぞれが、それぞれの環境の中で探していく話なのかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
なので、夏の大会で勝とうが負けようが、抱えた課題が終わらない子も出てくるかもなぁ、という予感はある。
終わりがないことも、終わった後続いてしまうことも含め、人生という劇の諸相を描く
そんなお話は、前回猛烈に引いた飛鳥くんの家庭内性自認闘争を一旦置き去りにして、未だカメラが入らざる”家”に切り込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
青春の汗にまみれた普吾に、妹は抱きつき母は”汚い”と切り捨てた。明るいムードメーカーの”家”にも、軋みは当然ある。
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親父さんと奥さん、普吾と杏ちゃんの年齢差を思うと、再婚相手の連れ子って感じなのかなー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
親父さんは新しい家庭をどっしり受け入れつつも、”お母さん”にはしこりが残って、無邪気な妹は兄ちゃん大好き、と。複雑だ…憶測だけども。
余裕がありそうなデカい家と、土まみれのシューズが目に刺さる。
一方激烈ヤバ力を既に匂わせていた直央くんは、『貴方のためなのよ?』の圧力に世界を歪める母親の前で、瞳からハイライトを消していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
ストレスをぶつけるように、グジグジと解体されるピーマンの肉詰め。幸福な食事…とはいかんわな。
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軋みを抱えつつも、親父さんの包容力で明るい家庭を維持できている竹ノ内家に対し、冷たいモノトーンの月ノ瀬家の重たい食卓が、ずっしり刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
親父さんだけ和食なの、不和の具現って感じで重いな…クソが介入しないと、桂木家は暖色。
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食卓に向かうスタンスにも、親が子を見る姿勢ってのは現れてて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
どれだけ食べれているか、しっかり見る親もいるし、食べた後もお互いの苦労を思いやる家もある。
何食ったか、食えていないか気にもせず、会話もなく食事を切り上げる人達もいる。
色んな傷を抱えた人たちが、一箇所に集う”部活”からは、なかなか見えない家庭内事情。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
それを横断気味にスケッチする、食卓の情景出会ったと思う。
とにかく月ノ瀬の寒色がキツい。息子がウソを付くことでしか心理的窒息から逃げれてない現状が、全く認識されてねぇ…。
直央くんの嘘つきキャラが、こんな重たさで殴りつけてくるとは思っていなかったので、なかなかダメージが大きい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
やっぱ食事というのは万人が体験し、継続する営みなので、視聴者を画面の中に引っ張り込む力が(上手く演出すると)強いわな。
さて、部員は自分たちの王国(ロッカールーム)に小さな応援団を迎い入れ、女子部との練習試合に余念がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
みんな楽しく、平和な時間。笑顔に満ちた幸福。
そこに軋む不穏な影を、やっぱり眞己はしっかり”見て”いる。
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この視線が意味を成すのは、事が起こった後になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
杏ちゃん失踪事件以外にも、後の故障を暗示するかのように『怪我すんなよー』ってエコーがスゲェ響いてんだよな、ここら辺…。
やはりただ幸福に、青春を謳歌するだけでは許してくれない作品である。まぁ、そういうもんだよね人生…。
杏ちゃんの消失に、いの一兄貴が反応するのは納得として。御杖さんがむっちゃ前のめりに全力ダッシュしだしたのは、意外であり納得もした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
前回櫻井先生に、絵にまつわる本音を預けたのが効いたのか。見て文句いうだけだった彼女は、率先して荷物を背負う
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正式な部員でなくとも、テニスていうなんの役にも立たねぇモノに全力を賭けているバカの仲間として、御杖さんは”何か”する気になったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
悪態と強がりで覆っていたけど、『カタカナ読めるようになった』子供を心配するほうが”本当”なのかもしれん。それを預ける場所を、ようやく見つけたか。
そこら辺は理解らねぇけども、眞己に引っ張られる形で男子テニス部と一緒にいて、櫻井先生に自分の脆い部分を魅せて、”何か”が変わった(あるいは思い出せた)御杖さんを、僕は良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
スれてかさぶたになっていた純真を、取り戻せる場所ならば。やっぱり一緒にいたほうが良いのだ。
そこに安らぎを求めつつ、壊れてしまう不安に己を騙す少年も、又一人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
直央を糾弾する場面なのかもしれないが、兎にも角にも悲しかった。
余裕を母に奪われて、弱いものがより弱いものを我欲に閉じ込め、暗い場所に踏み込んでしまう歩みが。
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杏ちゃんが探検して寝ちゃうのが(ある程度)『仕方がない』ように、過干渉に窒息しかかって、嘘と卑劣に逃げるしか無い直央も(ある程度)『仕方がない』、とは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
ここまで少年を思いつめさせてしまうものを、どうにか軽くしてやりたいものだが、”家庭”という聖域はあまりにデカく、重い。
どういう落着を、作品が用意しているのか(あるいは、していないのか)は、扱うテーマと描写の重さに比例して、なかなか難しいところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
そんな直央の震えを、眞己と太陽くんは見ている。ペアはやっぱり、お互いを支え見つめるものなのだ。
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嘘を付く…という自覚もなく、行動と現実を捻じ曲げてしまう時に、直央が自分を失った瞳をするのが非常に辛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
友達として、ペアとして、太陽くんは踏み込もうとするけど、強さと資質が少し足らない。
嘘を暴き鍵を奪うのは、今回は眞己の仕事である。
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眞己が杏ちゃんに話しかける言葉が、優しく大人びていることに泣いてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
自分が奪われた安らかさがそこにあればこそ、壊さないように静かに歩み寄って、優しく手を伸ばせる。
そういう強さが、父に殴りつけられた痛みから出ていることが、なんとも苦く靭やかである。
眞己は自分にのしかかる暴力と圧力に、それでも人として恥じぬ生き方を貫こうと背筋を伸ばせているけど、そうじゃない子供も当然いて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
強さも弱さも、過ちも正しさも沢山の顔を持ち、個別の表情がある。その名状しがたさをまとめて”見る”ことが求められるようで、このアニメを見るときは体力がいる
場をかき乱したお詫びに、兄貴は頭を下げ、部員と顧問も続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
思わずこぼれた笑い声が、事件を洒落で済ませて、一件落着の輪の中に、直央は入れない。自分の無茶苦茶な現状を、笑えないまま泣きじゃくる。太陽くん…隣りにいてやってくれ…。
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自分が自分でなくなってしまう嵐の中で、嘘を見抜いて止めてやったのは…洒落にならない失踪をシャレで落とせたのは、果たして”正解”なのか。”幸福”なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
人生の難問が連なる青春大路を、四人は連れ立って歩く。
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『父親は、家のことになんて興味はない』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
眼鏡を光らせ、冷たい実感を込めて呟く柊真の視線には、履歴に残った過干渉の鎖が見えているのだろう。
樹の聖痕、飛鳥くんの性自認。様々にナイーブな秘密を抱え合い、支え合いながら、子供らは必死に生き延びている。
く、苦しい…どうにかしてやってくれ…
眞己が身をうずくまらせる、虐待と無力感の記憶。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
それを柊真が殺意で弾き飛ばしたように、あまりに重たすぎるものを小さい者たちが、どうにか跳ね除ける方法を見つけれたら良いのだが。
より善い未来の木漏れ日は見えているけども、そこにたどり着く道のりの険しさも、容赦なく刻まれている。
ただ、一緒にいることで傷は見える。風の気配も感じ取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
背中を向けた柊真が抱える、ままならない重たさ。自分の虐待を”見た”相手の傷を、眞己が見たことで風は吹いた。
それを捕まえて、子どもたちは自由にまで飛び立てるのか。
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鳥ならざる人々の、不自由で重たい歩みは続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
サッカーとテニス、別れた道を冗談に出来るいい関係が、兄弟にはある。
それが”父”の出現とともに、一瞬で冷える。夢破れた名残を子供に押し付ける、焦げ付いた支配。
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月ノ瀬とはまた別種の窒息感が、曽我家には満ちていている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
直央は破裂できないまま嘘で塗りつぶし、認識を書き換えて生き延びていたけども。
翅は激しいもみ合いと、意図せぬ暴力に強く傷つけられ、最悪の結果を導く。
痛い…いや手首もいてぇけども、その後がね。
翅は傷んだ手首と心を、極力見せないように立ち回る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
親父に期待されなくても、自分の顔を見てくれなくても、腕が折れても俺は傷ついていない。
惨めさから自分を守るための、オラ付いた態度だったのかもしれない。その強がりが、”家”から彼を遠ざける。
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自分がしでかした最悪を受け止めきれずに、呆然と階段の途中立ち尽くしている親父さんの背中が、愚かで哀れで、なんとも言えなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
(眞己の親父と違って)そこまでするつもりがなくとも、手首は折れて翅は深く傷ついた。意図がないからこそ、すぐに向き合えないのかもしれない。
開き直って、サディストの笑みを浮かべながらガキを殴れ、って話では当然無いけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
身の丈が伸びて、子供こさえたからといって全自動でどうにか収まるわけじゃないどうしようもなさに、去来を定められない情けなさが、なんとも生っぽく”人間”で、なんとも言えなかった。キツい。
相棒が寒空の下、何処にも居場所がない寂しさと折れた心の痛みに涙する中。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
普吾は穏やかで当たり前な幸福を前に、ラケットにテープを巻いていた。
残酷な対比に見えて、”家”にいる子供だって息苦しさを覚える。膝枕は妹専用、俺のもんじゃない。
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それぞれの凹凸に満ちた青春道を、どうにか踏破していくための杖。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
それが男子テニス部の面々にとって、ラケットなのかもしれない。それを投げ捨てられ、傷つけられた相棒を追いかけて、普吾は走る。明るさに背中を向け、闇の中へ。
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逃げるように素振りに行く普吾に、親父さんが顔を向けてくれていることが有り難い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
そうして向き合ってくれる相手がいることで、普吾はザラツイた”家”の空気に窒息せず、なんとか朗らかに過ごせているのかもしれない。
向き合う余裕は、強さと優しさは何処からやってくるのか。
非常に難しい問いかけを、色んな青年の立場を借りて立体視しようというのが、このアニメなのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
傷を隠そうとする仲間に肩を貸し、頼れる”大人”に身を預ける。普吾が助けを求めるのは、あくまで『父さん』なんだなぁ…。
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『捨てる親父いれば、拾う親父あり』って感じでなんとも複雑であるが、色々キツい今回、普吾の親父さんが”大人”やってくれることが、ギリギリの救いなのは違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
完全に『大人は判ってくれない』と、紋切り型で切って捨てない所が、なんとも誠実で厳しい視点であると思う。”大人”にも色々あるのだ
病院で対応した医師が、キッチリ虐待を危惧しているところとかも、”大人”の多様な描写の一つだと思う。ま、マトモだ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
あからさまに強がってる翅の表情を、彼は良く”見て”いるわけだ。その発見が、今後何かに繋がっていくのか。なかなか難しい。
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どんなに苦悩に塗りつぶされていても、明るい日差しは勝手に昇り、日々は続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
この循環を一回切り取った上で、時間を巻き戻してもう一度絶望の闇で終わる所が、なかなか怖いアニメである。
判ったような紋切り型で、落ち着いてんじゃねぇぞコラ!
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幸せに見える家庭の中にも断絶はあり、軋みがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
博愛に満ちた”立派なオトナ”になりきれない母と、子供の事情にしっかり目をやる父。親父さんは、杏ちゃんと一緒に妻の未熟も抱え込んでいるのかもしれない。
友達だから、側にいる。
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そのシンプルな答えをしっかり飲み込んで、見守り鑑賞しすぎないバランスを保つのが、どれだけ難しいか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
今回描かれた様々な”親”の表情は、思春期をくぐり抜けた後も続く人格闘争の厳しさを、グッと突きつけてくる。
フツーでマトモでいることは、本当に難しい。いや、本当にさぁ…。
”家”を飛び出した翅が、竹ノ内家の温もりに救いを求めたように。光に集まる虫のように、闇の中”ペア”は肩を寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
非才の惨めさ、父の失望。シビアでハードな事情を預けるのは、やはり特別な相手。
これを眞己が背負わないのが、なんか良いな、と思う。
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”見る”という能力。偏見なく寄り添う強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
それは主役だけの特権ではなく、しかし眞己が介入したからこそ、二人は”ペア”になった。
気持ちよさをインスタントに満たすだけの『親分子分』ではなく、恥ずかしく痛ましい傷をさらけ出せる、数少ない関係性を掴み取れた。
才能に溢れた主人公の無双物語という側面を持ちつつ、その天才が周囲に影響していく様子を、”部”にカメラ据えて描くのが、このアニメの視座だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
だから、手首もこころも傷ついた翅に唯一人、普吾が寄り添って『試合出てぇよ…』という言葉を受け止められたのは、大きな変化だ。
眞己に出会って、眞己が働きかけたからこそ、ダチのシリアスな傷に迷わず駆け出す強さが宿ったのだと、僕は思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
それは主役の特権なわけだが、同時に普吾が掴み取った彼だけの決断、彼だけの優しさでもあって。
そうやって響き合えるのなら、やっぱり一緒にいる意味は大きいのだろう。
豊永さんの熱演がまーよく刺さって、毎度のことながら泣いてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
”父”が伸ばす長い影と、支配の重たい質感。それをどうにも出来ない惨めさ、それでも”家族”である情。
色んなもので雁字搦めにされてたから、医師相手に翅は真実を告げなかったのだろう。
親にも言えない、兄弟にも言えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
そういう重荷を、隠していた涙を預けられる”ペア”がいてくれたことは、あまりにも厳しい翅の青春に、一筋の救い足り得ているのか。
簡単な断言はできない。『試合に出てぇ…』は、あまりにストレートで本物の、魂の呻きだ。
そら出たい。頑張ってたもんな…。
直央の情緒的窒息にしても、翅の涙と折れた手首にしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
飛鳥くんの性自認と家庭内不寛容にしても、凛太郎のオリジンにしても。
柊真のギクシャクした家庭環境と直情にしても、眞己の虐待にしても。
現在進行系で答えが出ない…推測を口に出すのも難しい問題が、デンと横たわっている。
多分”テニス”は、万能の処方箋にはならない。それ一個で何もかも吹き飛ぶほど、描かれたものは軽くはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
でも”テニス”が繋いだ部活の仲間、”ペア”との繋がりは、とても重たく苦しいものをそれでも乗り越えていく普遍の助けに、なってくれる気がする。
『なって欲しい、なってくれまいか』という勝手な願いに拳を握りつつ、重たく暗く、楽しく爽やかにお話を見終わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
全てを閉ざす重い闇の先に、一体何が待つのか。絶望しようが負傷しようが、人生という物語は続く。
続いていってしまう。
そこに残酷と希望があることを信じつつ、次回を待ちたいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月6日
リアルな話、これで一試合不戦敗だろうしね…スポ根アニメとしても大ピンチだが、何より翅の心が持たねー!!
波あり風あり涙あり。暴力と支配が渦を巻く青春を、テニスバッタはどう飛び越えるか。次回も楽しみッ! 楽しみだっつーの!