BEASTARSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
獣の本能が、血管を流れる愛が、灰色狼の背骨を突き動かす。
喰殺を職分とする危険集団、シシ組に囚われたハル。彼女を救うべく無貌な特攻をかけたレゴシの背中を、ゴウヒンが支える。
一方その頃、少女は震えながら新たな闘いに向かう。
かかってこいや、食肉獣(プレデター)!
そんな感じの、裏街アクション巨編、愛と青春のギガバイオレンス、BEASTARS第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
背中を曲げ、己の肉食獣としての本能と資質を隠し影を歩いてきたレゴシ。タメにタメた暴力性をどう方向づけ、同隣人と向き合うべきなのか。
待ったなしの超暴力を前に、青春の悩みが炸裂する。
そのままだったら大暴走しているところを、ゴウヒンさんが導き、支え、送り出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
世界の業を煮詰めた裏街で、人の道を外れた連中をそれでも、人に戻そうと苦闘してきた”大人”。
あまりにも無鉄砲で、あまりにも正しい突撃を前に、計算を投げ捨て道を切り開く。
行け、お前は間違ってない。
そう言ってくれる存在がいることが、どれだけレゴシとハルちゃんにとって救いであるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
暴れ狂う殺陣のなかで、大塚明夫ボイスがビシッと背筋を伸ばす。
明夫に言われちゃしょうがねぇ、もうヒーローになるしかねぇじゃん。
そういう感じのお話である。
それと同じくらい、最も弱きものの闘いと尊厳にクローズアップし、ハルちゃんが生きることを諦めなかった闘争もしっかり描いてくれたことは、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
牙のあるものも、ないものも。皆必死に己のあり方と闘い、不屈を突き立てていく。
本能と諦観に身を投げた”大人”に、それでもNOという青春。
激しく眩しいものが、裏街の赤黒い闇に明滅するエピソードだと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
第6話では目を背けて駆け抜けた裏街に、レゴシは愛を探して彷徨う。生々しいカルマに目を背け、グロテスクに端を閉じてる場合じゃない。
放っておけば、ハルちゃんは死ぬのだ。ルイ先輩が飲み込んだ因果を、レゴシは噛み砕けない
そんなレゴシが身を置く場所は、猥雑で本音まみれの活力に満ちた表通りから、薄暗い裏通りへとあっという間に流れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
話が出ただけで、皆が顔を背けるシシ組の悪名。何も知らないまま、それに立ち向かわなければいけない青年の無謀。
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それを黙ってみていられないのが、裏街の白いの黒いの睨みつけてきたパンダ、ゴウヒンさんである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
『パンダ!』と叫んだときの、子供めいたレゴシの表情が可愛いが、それは曇り空の中輝く一筋の光明なのだ。
夕暮れの曇り空から、夜の豪雨へ。世界が暗く塗りつぶされていく中で、一瞬の光明が挿す。
ゴウヒンさんは世間を何も知らねぇガキに、道筋を教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
何処に行くか教えるだけではない。
強者に弱者は喰われるだけ。無法と暴力を前に諦めるだけ。
先週市長がルイ先輩に手渡したような『大人のやり方』が、世界の全てじゃない。
そういうことを、身を持って証明しに来る。
『喰いたい』という本音を抑えきれず、隣人を噛み殺してしまった肉食獣。人でなしを人に戻すための医療の戦いを続けてきたパンダにとっても、レゴシの行き先は無謀な闇だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
諦めたほうが賢い。忘れたほうが大人だ。
しかしそんなもんが飲めるなら、レゴシはルイ先輩殴っていないのだ。
レゴシは暴力と無法の只中に接近しながら、凄まじい勢いで狼である自分を飲み込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
鋭い爪を拳に握り込み、決意を込めて闇の奥に進む。その時、あれほど怯えた己の中の獣は、悪に立ち向かう武器ともなり得る。
しかし、それは厳しく難しい道だ。
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暴力を内に抱えつつ、正しい使い方をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
そのバランスを取り得ないと、真夜中ハルちゃんに牙を剥いたあの夜思い知ったからこそ、レゴシは無害な存在でいたいと願った。舞台裏の影に、沈んで生きていたいと。
しかし加速した状況は、そんなあり方を許さない。
ルイ先輩が幾度も糾弾したように、生まれつき優れた身体(が内包する暴力)には、それを制御する責任がつきまとう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
学校という檻を飛び出し、性と暴力の最前線に突き進む時、レゴシは否応なく獣である自分を問われる。
その時、光となるのは誰か。ゴウヒンさんが背負う光条が、静かに未来を語る。
レゴシの決意と激情に答えるように、降り出した雨。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
その意味を知らぬまま、学友はハリボテの肉食獣をシェルターに雨を避ける。
己の無力を噛み締めながら、友が去った闇を覗き込むルイ先輩。
境界線をザグっと踏み越え、間合いを奪う雌狼。ビビる赤鹿。
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ジュノのラインの越え方が、生まれ持っての充実感、パワー、無遠慮な強引さを感じさせてなかなかいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
そういうナチュラルにマッチョな存在に、ルイ先輩は思わずビビって身を引いてしまう。
その後、背筋を正してしっかり向き合う。草食の本能と向き合った上で、強さを装う矜持と世渡り。
レゴシとハルちゃんが、一足先に飛び込んだ世界の闇。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
一度は大人と指切りして、見て見ぬ振りを貫くと決めたはずなのに、青臭い想いが後ろ髪を引く。
踏み込めば、命はない。足の裏の”四”が疼き、ルールを教える。それでも…。
逡巡が、ルイ先輩の中で震える。大人ぶった腕組みでも、魂は抑え込めない
ジュノは命がけの押し引き、譲れぬ理想と引けぬ現実が火花を散らす場所を、まだ知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
自分の中で渦を巻く恋情を、学校にきれいに収まる青春闘争を持て余したまま、四角関係の輪郭で足踏みを余儀なくされている。
正直、この段階だとジュノだけ舞台に上がってない感じなのよね…。
それは裏市に踏み込んでいない子供ら全員に共通である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
豪雨降りしきる悪の城の前で、一足先に暴力の巷に身を投げたレゴシ。橋一つ向こうは、むき出しの本音が渦を巻くヤクザの本拠。
銃で脅される形で、レゴシは善悪の彼岸へ押し流されていく。
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眼の聞かぬ闇の中、言葉よりも雄弁に物を言うのは、彼女の残り香。銃の脅しをモノともしない、原初の記憶を呼び覚ます嗅覚。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
第2話でレゴシの世界を赤く塗り替えた、灰色狼得意の感覚器が、忌避していた暴力の只中にレゴシを誘い込む呼び水になる。https://t.co/E5eLdWrGHT
あの時は(性本能と直結した)捕食本能を発火させたものが、今は防衛のための導火線になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
あの子を守る。そのためなら、獣を鎖から解き放っても良い。
銃を奪ってのスムーズな暴力が、レゴシの暗い資質を暴き立てる。
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あの子を守る。キレイな題目は、肉食としての狩猟本能、オスとしての独占欲に直結している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
硝煙漂う極限状況で暴かれた、牙むき出しの自分の本音。レゴシはそれに押し流されず、正気に返ってボッコボコに殴られる。自分に似た凶器/狂気を突きつけられる
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本能を荒くれさせるままに、銃を突きつけ暴力を振るう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
目の前の『薄汚い大人』が、自分の鏡でしか無いと気づいた瞬間の硬直。
これは市長に取引を持ちかけられたときの、ルイ先輩と全く同じだと思う。否定し、逃げ出したかった不都合な真実が、先回りし自分を待ち構えている恐怖。
ルイ先輩とレゴシが違うのは、ゴウヒンさんがいるかいないか、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
『猫狩りにはうってつけの日だ』
明夫が言うんじゃしょうがない。
無茶だ無謀だと、マトモな大人は諦めるとさんざん口にしておいて、若造の青い夢を見捨てておけない。
ううゴウヒンさん…アンタがいてくれて良かった…。
ゴウヒンさん自身も、ヒューマニズムをめぐる闘争を諦めきれないから裏市で踏ん張り、妻子と別れても医療行為を続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
物分りのいい大人になれないからこそ、大人が守るべきものと最前線で闘い続けている。
そういう人間も、この薄汚い世界にはいる。裏市の真実を見た後、万色に輝いた夜のように
『正しいことだからこそ、やってる側は苦しい!』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
ゴウヒンさんが闇の中の光を、一緒に掴むようにレゴシに手を差し出したのは、自分と世界にに言い聞かせる意味もあったと思う。
好きな子を守るために、ヤクザに特攻む。損得だけ考えたらバカの極みだ。
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それでも、自分の醜さと世界の残酷を噛み砕いて、計算度外視で正しいことをする意味は、必ずある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
そう信じたからこそ、ゴウヒンさんは裏市の心療内科医となり、レゴシのために橋を渡ったのだ。
同じ震える掌を握るにしても、市長とは大違いである。巧い対比だ。https://t.co/SEckeYStwN
青臭いまま、矛盾だらけの醜い自分を、今丸ごと飲み込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
そのために必要な肯定を、ゴウヒンさんから貰った瞬間の、レゴシの表情。
呆けた子供のような弛緩が、ギュッと引き締まり未来を見据える。背骨を焼く暴力衝動でも、独占欲でもなく。
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むき出しの本音を川向うに見据えながら、その最中に飛び込みながら、橋を渡ってまた帰ってくる決意。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
地獄の釜の中に飛び込み、帰還を果たす英雄への道を、レゴシはタフなパンダと一緒に進んでいく。
果たしてその歩みは、望むものを得られなかったオルフェウスか。スセリビメを奪ったオオクニヌシか
その審判、自分が獣か人間かを見定める激闘は、非常にハードなアクションで進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
ゴウヒンさんは殴って無力化を狙い、レゴシはとにかくシシ組をどかして前へ、ハルちゃんに近い方へガムシャラに突き進む対比がいい。
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牙を突き立て、殺す道は奪わない。でも暴力の使い方に慣れ親しんでいるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
そんな青年が、未来にたどり着くために体を張る。ゴウヒンさんの”大人”な立ち回りが輝くけども、レゴシもまた、その誠意をただ受け取るだけではない。
俺はこのまま、受け取るだけでいいのか。
少年の脳髄を焼いた疑問が、ガムシャラな前進を止めさせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
俺も壁になって、俺を助けてくれた人を守る。そういう綺麗事へ、レゴシは自分の身体を飛び込ませる。
前半のガムシャラ突進をちゃんと描いたからこそ、ここで戻ってくる意味もよく見える。
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そうやってカッコよくキメるのは、ワリに合わないからバカにされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
壁際でボッコボコに殴りつけられ、思うのは愛する白兎。残り香が魂を焼いて、愛の法悦と不屈の暴力へ青年を引っ張っていく。
凶暴な獣でもあり、間抜けな怪物でもある青年の表情変化が非常に良い。
スローモーションで飛び散る血潮と、幾重にも思い返される思い出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
自分が何のために、何者としてここにいるのか。それを思い返すたびに、表情は緊張と弛緩を繰り返す。
無茶苦茶だが、それがレゴシの今のリアルなのだ。ラブ&バイオレンス!!
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一方レゴシの想い人は、イマジナリー空間で遺書を描いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
今までレゴシに特徴的だった内省的な演出が、ここでハルちゃんに及ぶのは面白い。結局異質であるのと同じくらい、似たもの同志だから惹かれ合うのだ。
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当たり前に過ぎ去っていく、当たり前の家族の風景。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
当たり前に最弱者で、常に被保護者として下に見られる生活。
強者たちにはけして理解らない、弱者の苦悩。
死を当然と隣に置き続ける、真っ白なドワーフウサギの真っ黒な世界。
それが、回層とともに述懐されていく。
恋と性をまな板に載せたときだけは、真剣な表情で皆が私を見た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
十字架を背負って貫かれた時は、対等に肌を合わせることが出来た。
享楽する側にとっては一瞬の遊びと知っても、それだけが自分を世界に刻む唯一の方法だった。
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そう自分に言い聞かせても、顔は涙を堪えるような表情を作り、体は闇に染まっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
顔の見えない交接のなかで、ハルちゃんを照らすライトが減っていくのが、彼女が選んだ生き方の負担を物語って厳しい。
気楽にビッチとか言ってんじゃないよ!
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自分が使える唯一のツールで、己の輪郭を彫り込んでいく。可哀想な弱いウサギその1ではなく、”ハル”としてのアイデンティティを、性交を差し出すことで(あるいは奪うことで)確立していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
荒野を突き進むような生き方の結果、友達は減った。物言わぬ華だけが、彼女に寄り添う。
その孤独の果て、枝角の冠を落とした王子を思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
本当に好きな男の子に何も言えず、後悔だけが残る日々。
それを己に飲み込ます筆を、灰色の手が止める。
そんなことはもう、しなくて良いんだ。
レゴシお前…ちゃんとハルちゃんの中にいるじゃあないか。
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絶望と諦観に覚悟を決めて、蹂躙される現実をワイヤーフレームで描いていた時間は、レゴシを思い出すことで快復されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
一人後悔を書き連ねていくだけの日々に、割り込んで手を伸ばしてくれた少年。彼と話すときの私は、どんな表情だったのか。
その思い出が、兎の背骨を真っ直ぐ伸ばす。
屈服の姿勢で、ただ為されるがまま。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
そんな物分りの良い女じゃないと、最高のビッチが強がる。眉間を恐怖に引きつらせたまま、老獅子を”立たせる”杖(これが何の暗喩かは明瞭だろう)を蹴り飛ばす。
そうやって恐怖で支配しようとしても、私は負けない。
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その強がりが、胸元に引き寄せた一枚の布が、喰われるだけの兎の最後の矜持だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
そんなもんさと諦めて、暴力や無視と指切りする。賢い大人のやり方に頭まで飲まれかけたところで、ハルちゃんはレゴシを思い出した。
それが、彼女を諦めから引っ張り上げる。最後のプライドを堂々、世界に問う。
それはあくまで蟷螂の斧で、真摯ぶったニヤケズラと半沸えの葉巻を投げ捨てたライオンには、力ではかなわないのだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
それでも、ただ喰われてなるものかと、己の矮小さを飲み込んで背筋を伸ばした姿は、レゴシと同じように美しい。
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兎の輪郭の中で、何処か遠く内省される現実。レゴシの得意演出をハルちゃんが借り受けている形だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
瞳に反射する巨大な牙は、題1話で犠牲となったテムの再話か。
所詮、犠牲は誰にも顧みられることなく、喰うものだけが得をする。強いものは、強いから強い。https://t.co/Jv4m7F9bej
そういうトートロジーを、もう一度繰り広げるのは許さねぇぞと、青年が壁を突き破る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
組長を殴り飛ばすのに使っているのが、ハルちゃんが去勢した”杖”なのが印象的だ。
『私の前でおっ勃てていい男は、私が選ぶんだよッ!!』
ハルちゃんカッコいい…。
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レゴシがデカい背丈を曲げる気遣いを、この鉄火場で持っていること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
裸に剥かれた白兎が、諦めを踏破して自分を覆った布と同じものを、自分から引っ剥がして与えていること。
それがいまいち決まらないまま、むき出しの暴力と向き合っていること。
星のようにロマンティックに、砕けたガラスが踊る決戦は、今までの二人の軌跡が見事に焼き付いてたフィルムだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
どうにもキマリきらず、必死で辿々しくて、荒々しいのに微笑ましい。僕らの好きな二人の青春が、この狂ったステージで踊っている。
ああ…なんて良いアニメ化なんだ…。
『正しいことだからこそ、やってる側は苦しい』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
その言葉通り、ボロッボロに殴られ、ずたずたに踏みつけられた二人の心身。
それが何処に流れ着いて、どんな青春が踊っていくのか。
それは獅子のアギトから逃れた後、ゆっくり語る物語となる。次回、獅子組大乱戦始末ッ!! である。
というわけで、レゴシの中の獣が目覚め、ゴウヒンさんの乱入によって導かれ、ハルちゃんの中のレゴシが実体化するエピソードであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
物分かりよく諦めれば、気持ちよく死んでいける。
そういう理屈を飲み込めねぇバカが、お互いを支え合いながら闇の中、光を目指して駆け抜ける。
このアニメを象徴するようなアクションとライティング、荒れ狂う闘争と豊かに踊る抽象が、非常に印象的なエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
物理的メガバイオレンスで激しく踊った直後に、ハルちゃんの内省闘争でどっしり回す緩急、非常に良かったと思います。
生きるか死ぬか、餌食か生存か、理想か諦観か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
色んなものが問われるクライマックスですが、まだまだ話は続きます。
ここまでこのクオリティで走ってくれたなら…やっぱり先が見たい…オレンジのスケジュールがキリキリ限界であったとしても、二期…。
そんな欲を睨みつつ、次回も非常に楽しみです。