スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
遂に揃った、トゥインクルイマジネーション。
全ての願いを叶える儀式を目前に、日陰者たちの牙が迫る。
蛇の力を与えられ、歪んだイマジネーションに視界を塞ぐ盲目の獣達。それは秩序の守護者たちの、傾いだ鏡なのか。
決戦、スターパレス!!
そんな感じの新年おめでとう! 最終ッ決戦だぁあ!! なスタプリである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
残り一ヶ月、クライマックスをどこまで加速させるか。一年間の総決算が問われるラストラップであるが、バキバキのバトルに傷だらけの敗北を添え、非常に良いヒキ方をした。
こっからの大逆転と最後の答え…凄いことになるぜ!
お話は早々にノットレイダーの総力襲撃となるけども、その前にプルンスくんのオリジン開陳となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
ここ迄異形なるプリキュアの父として、コミックリリーフとして、変身しない戦士として、色んな仕事をしてくれたプルンスくん。
一話彼主軸に回してやっても…と思わなくもないが、大事な描写だ。
仲間の無念とプリンセスの遺志を背負い、フワを守り続けたプルンスくん。まさに”義士”であるが、冒頭で彼の大荷物を書いておいたことで、フワが攫われる展開にも痛みが生まれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
プルンスくんはプリキュアではないので、問題の最終的な解決権限は持たない。主役ではないのだ。
しかし彼にもプライドと献身と尊厳があって、それは力が至らないから無視して良いものではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
その重たさを代理で背負い、適切な力の行使を貫けるか。
それが変身ヒーローであり主役でもある、プリキュアへの最後の問となろう。
そこに分厚さを生むには、力なき人の背負う重荷を書く必要がある。
オリジン開陳が最後にギリギリ間に合った…というよりは、プルンスくんが体を張ってプリキュアを助けるこれまでの描写が、最後の一筆を手に入れた、という感じであろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
ただの道化ではなく、プライドのある戦士としても書き続けてきたことが、ここで活きた感じはある。
天に穴が空き、ノットレイダーの襲撃となるわけだが、ダークネスト様の過剰な力にイマジネーションを明け渡した彼らは、なんとも痛ましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
想像力を殺す…というよりは、一方向に限定しそれ以外を切り捨てることで、人は多大な力を生む。切り捨てられたものこそが、そういう視線を手に入れてしまう。
見捨てられ、日陰に追いやられたからといって、優しくなれるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
不当に付けられた傷の痛みは、より視界を狭め、不寛容と暴力的解決に結びついていく。
寄る辺ない己達が自由に過ごせる楽土を求め、この世の地獄を広げていく矛盾、あるいは業。
ノットレイダーの描写に刻まれたいた重たさが、今回は非常に強く唸ったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
パワーで殴り倒せば、全部解決。
そういう結末をスタプリは最初から用意していないが、それを再確認するようなアクションだとも言える。
”それ”でどうにかなるのなら、第43話はああいう終わり方にはなっていないのだ。
ノットレイダーは蛇の鎧に憎悪を加速させ、赤い視界を狭めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
しかしその狭いビジョンは、”敵”限定というわけではない。世界秩序の代表として、責任感を武器に暴力に抗うトッパーさんも、修羅の瞳をして吠える。
敵味方、鏡合わせの獣達である。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/sXgL7dDJqO
ここで”味方”である星空連合もまた、歪んだイマジネーションに囚われかけた危うい存在として書くのは、スタプリらしい筆だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
イマジネーションは常に限界にさらされ、空想と想像の境界線は常に危うい。むしろ何かを愛おしく思う気持ちが、何かを排斥もする。
そういう裏腹な限界点に、曇りのない瞳を向けて体を張るのが、背中のデカいプリキュア、キュアスターこと星奈ひかるである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
激しくぶつかり合いながら、ノットレイダーとは通じ合うものがあった。相手にも個別の顔と思いがあると、信じて手を差し伸べてきた。
そんな歩みが力と力のぶつかり合い、容赦ない絶滅戦になってしまう未来を、ひかるのイマジネーションは制止する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
そのキーワードが『私達皆宇宙人でしょ!』なのは、彼女のフリーキーなキャラクター性を最大限活かした、とても良い決め台詞だと思う。
この一年で、UMAを夢み星を繋いでいた少女は、待ち望んでいた大冒険に飛び出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
宇宙に広がる沢山の可能性。違っていて、だからこそ面白い世界。放課後の大冒険に感じたワクワクが、少女の背中を戦場へと押していく。
傷つけ合い、否定されたことからも、イマジネーションは広がった。
そんな理屈と密接した、血の通った身勝手な感覚。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
自分の信じる世界が、壊れてほしくはない。守りたいと思える美しいものが、皆の心にあってほしい。
そういう熱量あるエゴイズムが、ロジック以上にひかるの背中を突き動かしている感じが色濃く出ているのも、今回良いところだ。
彼女は賢い子供なので、凄く良く世界を見て考えている。同時にパッションの強い人でもあるので、自分が感じたワクワクを止めずに、周囲を巻き込んで突き進める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
その両方があって、銀河ギリギリブッチギリバトルも一瞬止まったのかな、と思う。
その休符を、銀河スケールの”NOT”で殴りつけるわけだが
蛇の鎧と虚飾を脱ぎ捨て、本性を顕にしたダークネスト様。存在するはずのない13人目のプリンセス、へびつかい座の創世神。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
歪んだイマジネーションを束ね、日陰者から奪った力ですべてを滅ぼす。
いいぞぉ…このぐらいのデカさが”適量”って感じだ。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/jNKQYOKTdC
急に陰影の濃い劇画調が顔を出したり、瞳に星のプリンセスの証が強調されたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
”絵”でトーンの変化を補い、物語の圧縮率を上げていくスタプリ力は今回もいい感じにヴォンヴォン唸っている。
『神っ面してねぇで、元同僚だって言っておけよオメー!』って感じだけども。
へびつかい座のプリンセスはノットレイダーから歪んだイマジネーションを強制的に絞り上げ、不出来な世界をリセットするべく動き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
それは世界から弾き出され、だからこそ”自分がいる世界”を掴み直したかったノットレイダーの業とは、正反対の神の傲慢である。
人だからこそ、満ち足りた人生を夢見る。秩序に背を向け、日陰者同志集まってもお互いは思い合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
そんなノットレイダーの絆が、アイワーンの帰還とともに見え隠れする今回。彼らも(今まで描かれていたとおり)”人間”なのだが、世界をひっくり返すための力を欲して、意志を手放し鎧に包んでしまった
誰かが都合よく与えてくれるイマジネーションに身を委ねれば、視界は狭まる。殴りつけるべき”敵”を人間だと思わなければ、思い切り振り抜ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
しかしそうやって手に入れた力は、自分のものではない望みに勝手に使われ、暴走していく。暴力の誘惑、自失の快楽は常に危うい。
そうやってイマジネーションを狭め、凶暴化し、他人に委ねる方向に、へびつかい座のプリンセスがノットレイダーを誘導していた、ということなのだろうが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
鎧に身を預け意志なき獣になったノットレイダーは、特別な力と出会って”自分”になれたプリキュアの、あくまで歪んだ鏡である。
出会う人が違えば、あるいは触れ合った意志がもう少し優しければ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
そういう幸運が訪れない人が、宇宙には満ちている。
少し歯車がずれれば、今殴り合っている”敵”に自分もなっていたかもしれない。
そういうイマジネーションは、拳を緩ませる。弱くなる。
しかしひかる達が望むのは誰かを排斥する強さではなく、受け入れ守る力である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
それはイマジネーションを乱用するのではなく、その脆さや危うさを常に認識しつつも信じることから生まれていく。
思えば、ずっととそういう話をやってきた気がする。
ひかる達が解き放つ大きな力は、自分たちの真の望みを隔てる鎧からノットレイダーを開放していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
体格も素顔も、それぞれ全然異なる異物なる民。その一人ひとりに、重たい過去と歪んだ想いがあるのだろう。世界の片隅でいつの間にか擦り切れた、世界と己への想像力。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/yMUqVPLgtm
第38話で一足早く、ユニはアイワーンを許した。イマジネーションを恩讐の彼方に伸ばすことで、単眼に狭められていた世界を広げた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
そのことが、今回の横殴り(と、ノットレイダーの救出)に繋がっている気がする。あと小さな謝罪ね…そうやって少しずつ、変わっていけるという甘っちょろい希望が大事
逆にガルオウガさんは豊かな感受性を憎悪で覆って、ダークネスト様に想像力を譲り渡してしまった結果、故国喪失の仇が身近にいることに気づけなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
いかに鎧を外し、素直な瞳で世界を、他者を、自分を見るか。言うは易く行うは難い領域へ、”敵”も踏み出していくだろう。
その前に大敗北と、その後に続く大逆転である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
前述の通り、攫われヒロインとしてのフワくんのお値段は、プルンスの回想でグンと跳ねた。
ここにひかるの不屈の決意が乗っかり、呉越同舟の最終決戦へと繋がっていく。銀河の存亡をかけたスケールデカいバトルが、プリキュアの真価を問う!
マジいい流れじゃないの…という感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
へびつかい座のプリンセスを黒幕にすることで、”敵”であり歪んだ自己像でもあったノットレイダーと、鎧を外して対話する道も付けれたしね…。
想像力の強さ素晴らしさだけでなく、危うさ脆さも描いた上で、その先へ進んでいく。
スタプリがずっと追いかけていたものを最後に総活する上で、ノットレイダーの落ち着きどころはマジ大事だろうしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
ラスボス張ることになったへびつかい座のプリンセスも、世界を生み出すほどのイマジネーションが歪んだ結果、悪しき破壊神に堕ちた存在なのよね…どうまとめるかなぁ。
色々気になるポイントはありますが、それを炸裂させて物語を走りきるのに十分な足場は、今回作れたと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月5日
破滅の闇が広がる宇宙を、イマジネーションの光で突き抜ける。
銀河規模の戦いを越えた先で待つ”別れ”を書くためにも最終決戦、フルパワーで駆け抜けるでしょう。次回がとても楽しみです。