神田川JETGIRLSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
遂にたどり着いた、神田川杯決勝。水辺に競う少女たちは、互いの意地と絆を比べ合う。
すべてを脱ぎ捨てて、たどり着いた新たな地平。自分だけのレースの先に、勝利の栄冠と新たな道が待つ。
さぁ、空と水の境がなくなる領域の、その先へ。
そんな感じの、年またぎ女女感情水上競技アニメ最終回ッッッ!!! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
なんとなーく『トロフィー掴むのはゲームにまかせんのかな』みたいな進行速度だったが、結局ゴールラインをしっかり踏み越えて終わった。
ややガチャガチャしたとも、やるべきことやりきったとも言える。
二人の女が出会って、お互いを見つめ足踏みする。その細やかな情景描写に時間を使いすぎた結果、”勝負”を描くスペースが無くなった…とは言い過ぎか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
その丁寧な筆先が、脂っこい女体描写と同居してたのがこの作品の独自性であり、また魅力でもあるので、なかなか判断が難しい。
とはいえ、ミサと凛がお互いをさらけ出し、預け合い、本物の相棒になった先にある景色は、結構説得力を込めて描けたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
最強のライバルであるDRESSに尺を割り振って、彼女らの株を落とすこと無く決着を付けたのも、とても良かった。
黒丸くんがかぐや様好きすぎるんだよなぁ…素晴らしい。
最終回だが前回の調律で大体の下地は整っていて、あとは思いを重ねるだけ、って感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
冒頭、遂に堂々張られることとなったラブラブエンブレムが、二人がたどり着いた境地をよく見せる。このこっ恥ずかしい紋章を、そこに込められた愛を、ミサが受け止められるかどうか。
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思い返せば、12話ずっとそういう話をしていた気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
比翼の水鳥に思いを重ね、吐露されるコンプレックス。お互い同じ場所を見つめ合い、弱さも強さも向き合えるなら、行けない場所はない。
相変わらず象徴の使い方が綺麗で、肌色アニメとは思えん透明感だ。
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ジェットレースは二人でやるもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
勝負を預ける相棒をしっかり見て寄り添うことは、ジェットレースが好きな自分、誰かの背中を追いかけてきた自分を見つめ直すことでもある。
離れていた距離を縮め、臆せずお互いの体重を支え合うこと。同じ方向を見ること。
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この段階で、二人は”勝つ”ために必要なものを全て手に入れていた感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
なので、レースの最中にはあまりなにかに気付いたり、覚醒したり、という描写はない。
自分たちに今出来ることを、臆せず最大限発揮する。気持ちのいいライバルたちと、本気でぶつかり合う。
レースの方はそういうことに重点した描写となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
DRESSが早々にブーストを使ったり、掟破りの密集地ブーストが勝利の鍵になったり、上手く『最後だからこその裏切り』を入れていた。
第2話でプライドの高さ、王者の強さを印象づけた『ブーストを使わない』という描写を、裏切るならここしかない。
恵まれればこそ、自分の全てをぶつけて掴むだけの価値があるものを。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
最終話でかぐや様がどれだけレースに賭けているか、ちょっとデコボコながら補足したのは良かった。
あれで、早々のブースト切りに説得力が出た。そうさせるだけの”圧”が、ライバルから出ていたわけだ。
まさかの共闘、最後の奮戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
肌色乱舞にしっかりスポ根の王道を積んだこのお話らしく、ゴールライン際の攻防は非常に熱い。
DRESSが鬼気迫る表情なのに対し、走ることで…お互いに出会うことでコンプレックスを乗り越えた二人は笑っているのが、なかなか良いな、と思う。
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姉への思慕と劣等感。失われた母への束縛と開放。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
お互い”血”に縛られた二人は、二人であることでジェットレースの根本的な喜び、それを受け止める自分に出会えた。
自己を発見し、開放する。ひどくジュブナイルな結論が、ギリギリでゴールラインを分ける形になるのは、このアニメらしくていい。
すんげー脂っこいのに、爽やかで熱い。このアニメらしい最終決戦になったなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
『ありがとう。やっぱり良いね、ジェットレース』
黒髪ロングのムッツリ顔に閉じ込めていた、子供のような思いを開放したミサの言葉で、比翼の水鳥が舞う。
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それはミサの心が羽ばたいた瞬間であり、いつかそうなれると願って彼女とペアになった凛の願いが叶った瞬間でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
気づけば捻じくれ、覆い隠していた本当の気持ち。それに出会い直し、開放するというひどくスタンダードな結末で、このお話は幕となる。
おめでとう、神田川JETGIRLS。
ミサちゃんが自分の気持ちに素直になり、凛ちゃんの愛情を正面から抱きしめる足腰を獲得して終わったのが、やっぱ良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
凄くベタ足の青春曲り道を、二人で走り抜けていく。肌色方面もスポ根も頑張りつつ、やっぱり”そこ”の解像度が高かったことが、このお話を好きになるポイントだったから。
好きなものを好きと、素直に言って終わる最終回は良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
ミサちゃんが素直さを手に入れたことで、凛ちゃんの愛もようやく一方通行ではなく、相補い合うものになっていくだろう。
それを比翼の水鳥が、上手く象徴しているように思った。
ミサちゃんの人格が整うと、母恋しさを笑顔の奥に隠した凛ちゃんの寂しさを、パートナーとして受け止める余裕もできてくるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
お互いに失ったものを、手を繋いで取り戻していくだろう二人の未来は、常にジェットレースとともにある。
良い終わりやないかい…ラブラブだし。
というわけで、神田川JETGIRLSは終わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
いいアニメだった。
スタッフワークを聴いたときに期待した、細やかな情景の描写、プライドのある女の背骨が随所に見えて、脂っこい肌色サービスと面白い科学反応をしていた。
やっぱ金子監督、情景と暗喩が巧いわ…。
主役たるミサちゃんと凛ちゃんの内面と関係性描写がとにかく細やかだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
そこに時間を使いすぎてトータルバランスが少し乱れた部分もあるけど、やっぱりどっしり腰を下ろして、美しい風景の中で熱量のある視線、絡み合う感情を丁寧に追ってくれたことは、とてもありがたかった。
記号化された依存関係で終わらず、クールな黒髪が素直になれない壁の高さや、笑顔の仮面の奥に母の喪失を抱え込んだ凛の描写など、一個一個粒の立った想いが見えたのは、凄く良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
喪失があればこそ、誰かを求める。利己的で美しい愛の源泉が、潤んだ瞳に反射する。
凄くロマンティックなものを、無茶苦茶即物的な描写と同居させていく。奇っ怪なミスマッチがクレバーに踊り、非常に独特のテンポと力強さを生んでもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
今後も過剰なくらいの透明感と、お肉サービスをダップンダップン揺らす才気がぶつかり合う火花を、どっかで見たいものである。
競技としてのジェットレース描写はやや詰めきれない部分もあったが、負けと勝ちを繰り返しながら、皆で強くなっていく描写の積み重ねは太かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
ライバルたちが軒並み気持ちのいい連中で、みんな好きになれたのは非常に良い。
満腹黒丸くんは二億兆点。全てが素晴らしい。
スポ根のど真ん中を駆け抜けていく芯の太さが、青春の迷路を抜けて素直さにたどり着く物語と上手くシンクロして、気持ちよく踊りもした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
水と空の混ざり合う美しさ、神田川水景の描画が気持ちよかったのも、作品の爽やかさに良い助けになっていたと思う。
やっぱ語らず魅せるシーンの骨が太く、じんわりと心に染み込む良い描写が多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
勝負所の美術が鮮明で、心理最優先のドラマティックな演出も、バチッとキマる。
この強さが試合会場でも刺されば…とは少し思うが、トータルとても良かったと思います。
ジェットレースにも愛情にも、素直になりきれないミサちゃんの不器用さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
そんなパートナーにグイグイ迫り、優しく包容しつつも、脆さを宿した凛ちゃん。
二人ともとてもチャーミングな主役で、その距離感がジワジワと近づく様子を、たっぷり楽しませてもらいました。
脂っこいのに真っ直ぐで、妙に喉越しが良い。綺麗なものと卑近なものが同居して、分離することなく奥行きを生み出している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月8日
ジャンルの要求に正面から答えつつ、それ以外の場所に強みがある。金子監督の強さを堪能できる、とても面白いアニメでした。
ありがとう、楽しかったです!