ドロヘドロを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
火花散る生死の際、空白の記憶。
魔法使いもその天敵も、流血色の世界を泳いでいる。
そんな毎日に必要な息抜きは、遠足! パーティー! 大掃除!!
もれなく暴力も付いてくるけど心配すんな、明るく楽しく殺していこう!!
それが…ドロヘドロ。
そんな感じの、各陣営のオフタイム回である。『それが…ドロヘドロ』はシメの言葉として便利すぎて、つい濫用したくなっちゃうな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
お話の方はあんまシリアスな雰囲気なく、各チームの日常を追いかける展開。この世界観なんで、血みどろぐちゃぐちゃ超暴力は必ず付きまとうけども、それはそれ。
出だしからして、ゴキゲンな箒でイカす上司とぶっ飛ばす、最高の仕上がりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
煙ボスは部下とツーリングしながら情報交換してくれる、サバケたいい上司だな…やっぱ独特の想像力が形になった”絵”の力、マッシヴにあるよねこのアニメ。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/pFRJwvrWPQ
空の情景が完全にヌケたスカイブルーってわけじゃなくて、地上から立ち上る魔法の煙を写して煤けていて、でも開放感とワクワクがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
こういう美術の強さが、世界の実在性を高め、トンチキで俗悪なセンス、気軽にぶん回される暴力を飲みやすくしてる気がする。ヘンテコだけど、美味い世界なのだ。
煙ボスはカイマンの不死性を問題視し、心一行はそれを追うことになる。道を示すのが、ターキーの美味しい料理で生まれる人形ってところが、ドロヘドロらしい狂気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
心先輩の純情リアクションはさておき(かわいい)、心ボス従姉妹大好きね…
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/adiy8AUyf3
血管ビキビキにして怒るほど、煙は”ファミリー”を大事にしている。彼らはホールの人間を使い潰す冷血漢であり、同時に家族同然にお互いを思いやる情を持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
ここら辺の矛盾(を、特に考えることもなく飲み込むスタンス)は正しくマフィアものの文脈で、なかなかいい味が出てる。
何しろ心先輩自身が『命を大切にしないやつは死ね!』っていう矛盾の塊なわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
フツーにバランスよく考える理性と知性ってのは、この狂った世界では余計な荷物なのかも知れない。
一歩立ち止まって考えたら、即首をぶっ飛ばされる危険な稼業。なら、考えすぎないのは強さだ。
かくして動き出した首を追って、心一行は遠足めいた仕事へと漕ぎ出す。みんな仲良し、魔法界は楽しい!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
ホント四人は一緒にいて楽しそうだし、魔法界の美術は多彩かつ魅力的で、思わず引き込まれてしまう魅力がある。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/WquCwkONY1
歩いているのは人間凶器二名とゾンビと常識人、目に映るのは猛獣だらけのジャングル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
本来ホッコリしちゃいけない絵面なんだが、ほんとにみんな楽しそうだ。危険と安心の同居は矛盾ではなく、『それはそれ、これはこれ』で、形を保ったまま独立共存しているのかも。恵比寿、ゾンビでも楽しそうね…。
無論ただの遠足で終わるわけではなく、謎の終着点では暴力が暴れ狂い、十字眼の男の正体は混沌のままだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
魔法界だろうがホールだろうが、このお話の舞台はとにかく狂っていて、フツーにほっこり終わることはない。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/uc9kaeBoik
同時に血みどろ修羅場を引きずることもなく、生首の押し付け合いで一笑い生みもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
何もかもが不鮮明な中、狂った世界を思い悩むのではなく、怒りの抜き手でぶっ飛ばす。
心先輩の前向きな行動主義は、妙にカラッと心地よくて、狂ってるけどスカッとする。
この湿り気のなさと、ジットリ狂った世界の同居(融合ではなく)がやっぱり、作品独自の味わいなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
今回は三様の”日常”を描くことで、作品世界の解像度、キャラクターが身を置く空気の味わいを、タップリ吸い込めるエピソードだ。
それは危険な毒だが、もう辞められないだろ。アンタもオレも
空振りに終わったようで、今後に続くようでもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
十字眼の男の追跡は、狂った死体パーティーへと続く。
伴侶を求める煙ボスは花嫁の略奪と花婿の殺害を命じ、掃除屋達は飯食う腕を止めて仕事着を着込む。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/r49dJ16YsL
それはシームレスに繋がる、暴力行為へのスイッチが不必要な生き様だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
美味しいご飯はそれとして、死体がぶら下がってても食い散らかす。舌鼓をうった後はノータイム、暴力行使の時間です。
切れ目のなさは迷いのなさ、状況に順応するタフさの現れだ。トンチキながら、プロっぽいんだねやっぱ。
第2エピソードは恵比寿の話でもあって、能井姉ちゃんになついてる様子とか、狂って解らなくなった過去とか、暴走すると凄いことになる能力とか、色々判った。いや、判んない…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
狂ってるなりに、恵比寿にも”信頼”があるのが良い。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/AaDs33h9Ay
意味ありげにチラ見せした恵比寿の過去と同じように、魔法界を犯す黒い粉の出どころとか、ボスの伴侶とかも混沌に沈む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
十字眼の男を復活させ、その正体を探る試みも失敗する。薬も魔法も伴侶探しも、全部フェイクで空振りだ。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/mK2zIROOYI
偽物が溢れる世界で、心先輩と能井のコンビネーションや、薬を蔑む煙ボスの心意気は本物だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
フェイクに踊らされ、揺れない芯を持ってないやつは食い物にされる。それも、この話のルールかも知れない。
とすれば、自分の機嫌が不鮮明なカイマンは、やはり弱さを抱え込んでいることに鳴る。
能井が治してくれるから、傷なんて気にもせず突っ込んで殴る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
心先輩は口で語る友情よりも太いものを、能井と共有してコンビをやっている。この無言のつながりが”暴力”で見えるのが、ドロヘドロだなぁ、と思う。
カイマンとニカイドウとは、ちょっと違った絆の書き方だ。
空振りに終わった探索と襲撃で、拾った思わぬ副産物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
キノコ好きな煙ボスらしく”キクラゲ”と名付けられた怪生物が、一体物語に何をもたらすのか。
本命を追ってもスカされ、思わぬ寄り道から答えが見つかる。迷路のようなルールが、世界を覆う
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/p6PsUX9Yec
キクラゲにぞっこんラブ、クソの始末も喜んでするボスは、そのまま人殺しの命令を下し、魔法界の秩序を守るだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
今回描かれた黒い薬と十字目の男は、作品を貫通する巨大な謎になる…はずだ。空振りだからこそ、その輪郭もデカく見える。一見矛盾し繋がりがないものが、繋がる不可思議。
それは人を迷わせる迷路で、カイマンとニカイドウはそれに取り込まれる。大つごもりでも死体を運ぶ、ホールの血なまぐさい日常。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
心一行と同じように、そんなヘドロの隣でも仲良く楽しく生きている二人だが、ニカイドウの表情は冴えない。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/hp1Fzr9i05
捨てた過去、魔法使いという秘密をなかなか親友に切り出せない足踏みが、第3エピソードでは幾度も切り取られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
魔法使いの無念を吸って迷路化した世界を、二人は彷徨う。しかし迷うだけではなく、美味しいお節をたっぷり食べて、タフに笑う。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/1lLFahYPbU
ニカイドウが迷う表情が多いだけに、カイマンのヌケた明るさ、友情を言葉にして確認する無垢さがありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
彼が何も考えないトカゲバカではないことは、先週の混迷をみていれば判る。
それはそれとして、雪は綺麗だしお節は美味い。友情は大事で、俺達は生きている。
そういうことを見失わず、ガツガツ喰って楽しいことして生きていくことの輝きが、ゴアゴアな血糊から見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
薄汚く間違いまくっているが、だからこそ人間が生きているって感じがする。ある種開き直ったタフさを肌で感じられるのは、このお話の強みだ。
カイマンとニカイドウが差しつ差されつするお酒はとても美味しそうで、MAPPAの作画力が正しく生きているところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
彼らは生きている。魔法迷宮にお互い迷いつつ、お互いがいるから楽しい。『人間の正しいあり方』なんざぁ欠片も判らんが、メシと友情に嘘はない。
そう開き直れると、暴力も強くなるルールで多分、このお話は動いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
ニカイドウが言いにくそうにしている秘密を明かした時、二人の関係と力は新しい段階に進んで、物語も別の顔を見せるのだろう。
それが新しい謎と迷いを生み、悩んで開き直って…と、迷路は続く。出口はない。
あんだけ悩まされた迷路の発生源は、掃除機でアッサリ吸い取れるものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
茶柱一つ立って幸運満点、童顔のマッドサイエティストはアッサリ、カイマンの過去と未来に続く扉を差し出す。
最悪のデザインだな…エド・ゲインの工作かよ。
©ドロヘドロ©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/OpALnctQof
人体で飾られた扉を通って、敵の本拠に乗り込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
オドロオドロシイ状況だが、扉の先が存外ノンキで楽しい夢の国(でもある)ってことを、前半2エピソードが教えてもくれる。
魔法使いも魔法使い殺しも、日常を生きている。当たり前の友情と、タップリの死と暴力に満ちた日々を。
それを細やかに描くエピソードだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
心一行とカイマン組。既に命を取り合った彼らそれぞれに日常があり、それは死と当たり前に同居している。
そういう世界をむせ返るほど摂取できて、非常に良かったです。作品全体を貫くセンスが良いんで、こういう散歩エピソードすっげぇ気持ちいいな…
フェイク相手に空振りしたようで、状況が転がる素地は丁寧に作る話でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月5日
カイマンが迷いの果てにたどり着いた扉は、一体何を見せるのか。新たな混沌と暴力と出会いが待つ世界で、それでも彼らは友と笑い、メシを食うだろう。
そのタフさが面白く、愛おしい。次回も楽しみ。