ランウェイで笑って 第6話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
芸華祭一次予選に、育人が出した奇策。経済と夢の間から絞り出した”パジャマ”は、勝ちと負けの間にある”三位”に落ち着いた。
不安定なその位置に、手を伸ばす綾野遠。
そんな波紋の裏側では、勇ましいちびのモデルが奮闘を続け、別の運命と出会っていた。
そんな感じの、デザイナーとモデル、男と女がそれぞれのライバルと邂逅するエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
綾野さんと都村家の焼き肉エピ好きだったので、飛ばされてしまったのはシンプルに寂しい。まー相当無茶なスピードランになるってのは判っているので、飛ばした理由も納得はできるが…。
そこより今回は演出が苦しそうで、止めたカメラでガッツリ持つシーンが多くて、勢いが死ぬ場面が多かったと思う。ケレンが足らず、平板な印象を受けるのはもったいなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
第三話以来のアラン・スミシー登板で、色々心配になるねぇ…。
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パッチワークのパジャマ、その裏にある事情と苦しさを綾野さんが突っつくエピソードがこの仕上がり、この繋がりなのは、なかなか険しいシンクロニシティだな、などと思ったりもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
『やっぱアニメ作るの、本当に大変なんだなぁ…』などと、当たり前のことを再確認したりもする。頑張ってほしい。
さておき、今回はAパート育人、Bパート千雪で進んでいく感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
家族と自分、夢と現実。何も捨てず、全てを抱えて走り抜こうとする育人を、千雪は敬意を込めて見つめている。
夢を掴むための決死の努力。それを無駄にしないためにも、勝つ必要がある
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そうエールを送る千雪の視線は、『客には造り手側の事情は、一切関係ない』と割り切る綾野さんのプロフェッショナリズムとは真逆だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
多分両方が本当で、どちらも否定しきれない。綾野さん自身も、相当複雑怪奇なコンプレックスを”服”と”家”に持っとるからね…でも、そのプライベートは表に出さない。
千雪だって、自分のハンディに泣き言を言わず、己の名を背負った”ミルネージュ”からパリに行く夢を掴むべく、とにかく努力を重ねている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
それ自体が評価されることはない、厳しい場所。そこでしか達成できないものを掴むために、青年達は思いを形に、誰かに届けていく。
そこには足の引っ張り合いやら、権威主義やらのヤダ味がみっしり満ちてるもんで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
”綾野遠”が言うなら、口から出たクソも引っ込めるクソアマの俗物っぷりが生々しく、なかなかいい感じだ。
ネガるのが当然の空気を読まず、育人は素直に褒め倒す。
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相手のことを考えてしまえる優しさは、セイラという人間をしっかり見て、その生活に寄り添った服へとたどり着く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
発想力、技術、コンセプト。デザイナーとしての腕を、努力で上げてる育人のことを、綾野さんもしっかり見てる。
…んだが、千雪みたいに優しくはしてくれない。ズケズケブッこむ。
ここの差はステージに立つこと、夢の入口に進んでいる千雪達と、既にプロのデザイナーとして”仕事”をしている(そしてその現状に満足していない)綾野さんの違いかな、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
厳しいダメ出しで、徹底的に質を追求しないと、客には届かない。こっちの事情は、カスタマーは汲んでくれない。
努力賞が存在しない場所で、それでも”綾野遠”を世に問いたい彼が、情を横に置いて育人を殴りつけているのは、ある意味対等に見ているからかなぁ、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
嫉妬に阿諛、濁った感情に押し流される連中ともまた違う、ソリッドでストイックな自己意識。
それが彼が、”服”と向き合う時の武器だ。
答えのない”カッコよさ”を揺るがされ、育人は結局外には出ない。自分がやったことは間違いないと、確信を込めて勝負に出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
その評価は”三位”。一番でも失格でもない、半端なポジション。学園長は、着る人に寄り添う郁人の資質を買ってるけどね…
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千雪が冒頭で敬意を払っていた、何も捨てない覚悟。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
それはハンパさとなり、”客”の厳しい目線が当然の世界では服に開いた穴に変わってしまう。
世知に長けた遠野さんのムチとアメが、高校生の心をグラグラ揺らす。
花江くんの声で『長男だから!』言われると、”水の呼吸”使いそうだな育人…。
野望のためなら、他人の家の経済事情も交渉材料。心に忍び寄り、グイグイ踏み荒らす綾野さんのスタイルは、郁人のシャドウそのものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
そんな彼だからこそ手に入れた、冷たい審美眼。それを実現する腕前と、客観で自分も他人も判断できる正しさ。
もし育人が、何も手放さないまま勝ち続けたいのなら。
綾野さんのソリッドな生き様に膝を屈するか、あるいは実力で殴りつけて上回る必要があろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
そのためには甘さを強さに繋げて、客観的に評価される個性として”服”に焼き付ける必要があるのだが…それを掴み、隙なく形にするのはとても難しい。
長い道のりは、マガジン本誌でもまだまだ継続中であるね。
どっしり両肩に乗っかるマネーの重たさに、育人がふらりと誘惑される裏で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
千雪は溜め込んだマネーを夢のため、パリのために使っていく。
服に化粧、ポートフォリオの撮影代。チャラついてるように見えて、闘い続けるための投資だからなコレ…。
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勇ましいちびの日常は、上がったり下がったり忙しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
育人が自分を思って仕上げてくれた服に、柔らかな表情を引き出されたり。
それが一切効力を発揮せず、頭を抱えたり。
赤いステージで鮮烈に、人生を変えるほどの衝撃を与えた過去が、出会いを繋げたり。
色んな方向に転がっていく。
そんな幸運とぬか喜びの繰り返しは、千雪にとっては日常だ。子供時代の栄光は遠くに離れ、しかし諦めることなど出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
コネでもなんでも動員して、なんとか舞台にかじりつく。この尖った戦闘意識が、彼女のカッコいいところだ。
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いつものように門前払い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
フィジカルに恵まれた超人たちが鎬を削る場所は、千雪に冷たい。そこで回り右をして、幾度も飛びつく戦いをずっと続けてきた。
改めてやる気を燃やしているのは、育人との出会いがガソリンになっているからだろう。
だとしたら、立ちふさがるのが心ちゃんなのは皮肉だ。
持って生まれた体躯だけが、決定的に夢への道を阻む少女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
恵まれた資質が、夢のカタチと決定的に噛み合わない少女。
二人の大局的なモデルを繋ぐのは、”都村育人”との縁…か?
というところで、次回に続く、である。
いやー…シルエットの段階で勝てねーなぁ、千雪…。
つー感じで、男と男、女と女、デザイナーとモデル…対極的なライバルがバチバチぶつかり合うエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
やっぱスピードランなアニメの再構築で、独特のテーマ対比、群像劇の奥行きが出ているのは面白いところだ。
それぞれの夢に、立ちふさがる壁。湧き上がる感情の奥に、見つける数多の真実。
ライバルとバチバチやり合うなかで、人格が成長していく過程もまた、このお話の見どころだと思う。青春群像劇の醍醐味やね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
そこをビシッ! と刺すためには、ある程度以上のケレンが必要だと思うだが…正直、少しダレが見えもする。色々苦しいんだろうなぁ…。
こっから褌を締め直し、芸華祭本番へとうねる運命を加速できるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月20日
展開される物語の奥にある、もう一つの闘いに目が行くのは良いことなのか、悪いことなのか。
なかなか判別がつかないところだが、さて、次回どうなっているか。楽しみです。