映像研には手を出すな! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
そして訪れる、二度目の”勝負”。
大芝浜祭りを舞台に、ロボ研が、映像研が、水崎ツバメが己の魂を燃やした新作アニメ。
見てもらうため、次に繋げるためならば、ルール破りも売名行為も、親との対峙も何のその!
熱い夏に、青春は燃えているッ!!
そんな感じの、文化祭編最・終・章ッ! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
先週メロウ&ディープに掘り下げた、”動き”のアニメーター・水崎ツバメの勢いを殺さず、両親との対峙、巣立ちの瞬間を鮮やかに見せるお話となった。
第4話との差異が、変化と成長を際立たせていい感じ。”みんな”で作ったのだ。
お話は”音”とアニメーションが出会うところから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
ギリッギリに圧迫されたスケジュールをなんとか切り抜け、色のついた映像に音を合わせていくところまで引っ張ってきた。
暗闇に光るモニタは、私達の夢。少女たちの瞳がきらめく。
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外部スタッフに成功のイメージを、適切に伝えるコミュニケーションだけが、”監督”の仕事ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
百目鬼くんというスーパー音響を手に入れ、浅草監督の頭にある『最高の世界』は、より精密さを上げていく。
”ヒト”じゃなく”モノ”が相手なら、ほぼ全ジャンルで才能発揮できるな、浅草氏…。
水崎氏や金森氏が(半分わざと)距離を置く所で、ススーっと近寄ってアツく前のめりになれるのが、多分浅草みどりの強みで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
同じ波長を持つ身内だと認識すると、壁を外して過剰に体重を預ける。そのスタンスが、より良い作品を連れてくるのだ。
言い換えるとバカってことだ。みんなバカだよ!
暗闇で息を潜めて、じっと作品の完成度を上げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
体育館での大暴れを前に、”静”で見せるシーンが今回は切れ味鋭く、メリハリがあった。
この後、上映前のカップラーメンずるずるのシーンも”静”の巧さがあり、しみじみ四人の関係に思いを馳せる事ができた。勝負回でも、ちゃんと緩急つけるのは偉い
今回は作品の仕上がりや、努力が形になるダイナミズムだけが上映の眼目ではない。そういうシンプルな面白さは、第4話でもうやっているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
作中のフィクションだけでなく、それを見せる全体のドラマも、少し変化したアングルを。一回やっているからこそ、見せれるもので魅せる。
その一つが、水崎家の家庭事情である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
先週は水崎氏の一人称視点で描かれた、デカくて冷たい家。しかし両親は、忙しいながらに娘を思い、気にかけてはいる。
『殺人未遂、やると思ってた』て…水崎氏の親だねぇ…。
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青く美しい朝に、不在の娘。その真意を確かめるためにも、父母は勝負のステージに上る必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
それはある種の埋め合わせ…仕事の犠牲、親の夢の代理を押し付けてきた過去を、取り戻すための儀式でもあるのだろう。
それで救われるのは、親だけではなく水崎氏も多分同じだ。
『結構おばあちゃん子』になるしかなかった自分を、水崎氏は恨んでいないし哀れんでもいない。そこは非常に、人格が成熟したところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
しかし親は自分を見てくれないと、しかし束縛だけはすると、思い定めたまま在り続けるのは、相当に苦しいと思う。
そこを突破するチャンスが、文化祭にはある。
しかしそれは未来の話で、今水崎氏の”ホーム”は映像研の、暖かなオレンジの光の中にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
リッチではないインスタント麺を、ズルズル啜る戦友意識。
やるだけのことはやった…?
まだ、始まってすりゃいない。
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金森氏の鋭い視線は、二回目の勝負をどう勝つか、そのために当日どういう宣伝するかに向いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
見て貰えさえすれば、絶対に評価されるものを作っている。
仲間と自分への信頼あっての、全力売名作戦。
”広報”というアニメの一部を、今回は追いかける話でもある。
火を付けて、煽る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
有名読者モデル”水崎ツバメ”の名声を、最大限活かして”次”につなげる戦略を語る時、金森氏の手はそのとおりに動いている。
”動き”は演技であり、演出であり、ストーリーラインを支える土台でもあるのだ。
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そういうジワッと沁みる演出を入れつつ、後の上映への伏線、端に宿った父母の記憶なども描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
今回バチッと勝負するキメの回なんだが、細かい所が行き届いてて、しみじみ感心する場面が多かった。
かと思えば、浅草氏の崩し顔&絶叫で一笑いも取ってきて、色んな面白さのあるエピソードだったなぁ…。
叫びを飲み込んで、芝浜の朝は美しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
水崎氏は客寄せマンタをやりきる覚悟、家庭事情を蹴っ飛ばす勇気を握りしめ、映像券もロボ研もそれに応える。
五話以降、映像研の世界は広がった。
スポンサー、音響、美術、広報。”アニメ”を構築する諸要素
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仲間が増えたから、出来ることもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
苦手な他人とのコミュニケーションを、”監督”として頑張った浅草氏の努力含めて、映像研三人だけでは終わらない、”みんな”のアニメが体育館で上映されるのだ。
それは”マチェット”を本気で作ったから、繋がった”次”だ。そしてこの疾走も、”次”に繋がっていく。
煽り、脅し、”アニメ”以外の要素をフル動員して”アニメ”を見てもらう。官憲の規制から逃げる歩みすらも、魅力的なハプニングに変えて人を呼ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
モノが仕上がった後の、最後の最後の勝負所。大広報戦が始まるのだ。
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木を隠すなら森の中、ロボ隠すならロボの中。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
隠蔽作戦をバイラルマーケティングに繋げる叡智で、ロボ研が囮となる友情で、水崎氏は迷宮のような文化祭を駆け抜けていく。
ダンボールかぶっても”動き”が可愛いの、”才能”だよなぁ…。
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ダンボールロボの大逃走を追うことで、芝浜の風景がドンドン目に入ってきて、僕らの心に馴染んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
これは放映時、『私達の学校』が舞台になっていることで生まれる視聴者の驚きと興奮を、僕らに近づけてもくれる。
知ってる場所が舞台になったほうが、気持ちはアガる。
ならそれを追体験してもらうために、逃げるダンボールロボを追いかけるカメラでもって、舞台に馴染んでもらおう、という仕掛け。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
小野っち絶叫の全力疾走のアツさに、こういう演出が乗ってるの凄いなぁ、と思う。
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涎まみれ汗まみれ、小野っちのズルズルの顔は、しかしありえないほどにカッコいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
俺が生み出したもの。俺たちが頑張ったもの。
それを少しでも良くしていくために、必死に走って汗流す。瞳から落ちる雫は、火傷するほどにアツい。
こういう人の魂で、アニメは出来ておる。バカだなー(褒め言葉)
かくして小野っちの物語は完全燃焼…じゃないわけよ。人集めたけど、スケジュールは圧迫されてて生アフレコなわけよ。この粗忽さが、小野っちの可愛いところ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
浅草氏が迷彩着込んで闘うことにした”敵”を前に、水崎氏は逃げず、ただ前を向く。
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家族の問題、自分の心との闘いは、仲間であっても手出しできない。浅草氏と水崎氏の過剰な”遠さ”は、一人闘うものの尊厳の距離だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
それを見据えて、浅草氏は瞳を輝かせる。
そう思える友達が隣りにいることは、凄く幸運で美しいことだと思う。身近な人の闘いを、ちゃんと尊重できる目の良さも。
浅草氏の”眼”の良さは人間としてだけでなく、”監督”としても機能する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
衆目を集めた水崎氏が、最高のタイミングでブチ上げる一瞬を見逃さず、スタートを切る決断。それは”監督”にしか出来ないし、許されていない特権。
ベストタイミング…アクション!
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ここで金森氏は『おい、まだッ!』なんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
どれだけ彼女が優秀なマネージャーでも、劇的空間を最良に稼働させる瞬間は、肌ではわからない。そういうセンスは、彼女にはないのだ。
でも、それが欠けているから仲間になれないわけじゃない。別々であることは、離れている理由にならない。
むしろお互い何かが欠けていて、鋭く尖っているからこそ出来ることがある。それが今、目の前で上映され、人々を喜ばせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
ロボ研のアフレコも、美しい美術も、百目鬼くんの音響も。”みんな”で作ったアニメだ。
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芝浜生は自分たちの学校が、ロボと怪獣争うワンダーランドに変化した魔法に目を見開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
そして両親は、娘が生み出した”動き”の中に宿った家族史を見る。
あれも、これも、見知ったものが全く新しい”動き”を伴い、命を吹き込まれていく。”Animation”である。
カメラは上映(現在進行系で製作)されるアニメ、客席の反応、娘の成長を見届ける父母の3つを、テンポよく切り取っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
次第に力点はプロジェクタの向こう側、”動き”から発せられる成長を喜ばしく、少し寂しく飲み込む親へと、軸足を移していく。
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あの動きに、あの子の名残がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
あの風景は、俺が描いたものだ。
人々はただ映像を楽しむだけでなく、それぞれの感傷と想いを、流れ行く映像に載せていく。
そういうモノを引き出すだけのパワーが、このアニメには籠もっているのだ。
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美術部を一瞬しか移さない、しかししっかり写すカメラの優しさ、尊厳への眼差しが僕は好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
色々グダグダ衝突もしたが、あの眼鏡がいなけりゃ”みんなのアニメ”は仕上がらなかった。
感慨を込めて、己の仕事を見る。それはあまり娘に触れ合えなかった、父の瞳にも宿る光だ。
上映は大成功、商業的にも”次”に繋がる大盛況から、仲間は水崎氏を押し出してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
ロボ研にも小さいながら、確かな支持が集まっている所が凄く…凄く良い…。
”みんなのアニメ”はスポンサーが望む広告効果を、しっかり果たす”仕事”でもあるのだ。
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妥協と諦め混じりながら、本気で”動き”を追求したアニメーションは、水崎氏の卒業証書だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
自分の足で立ち、目で見つめ、身体で動く。そうやって”動き”を諦めず、たどり着いた境地。
自分は、ずっとこういう事を続けていく。
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人間として、クリエーターとして立派な証を立てた娘を、両親は対等に、あくまで親として、しっかり見据える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
そういう視線を引き出せる”動き”を、水崎氏のアニメーションは宿していた。
彼女は”動き”を描くことで、自分を…自分と同じように、動きに込められたものを見つける人を救いたかった。
それが最も間近で、俳優として”動き”に意味を込めて生きてきた人だったこと…アニメーションに込めたものを両親が、しっかり判ってくれたことが、水崎氏を”次”に押し出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
瞳は潤む。感動はしている。でも号泣なんてしない。
仲間が待ってるから
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映像研三人が、腰を下ろす秘密のアジト。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
そこに両親が踏み込まないのが、娘の尊厳、仲間たちの絆を大事にしてて良いなぁ、と思う。
見守ることは良い。大事だ。でも、踏み込めない、踏み込んではいけない場所だってある。
水崎家の人たちは、そういうものがちゃんと見える人たちなのだ。
『仲間です…!』と答えた浅草氏は、銭湯の番台で金森氏がどう言葉を紡いだか、知らないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
だけど多分思いは一緒で、友達というにはあまりに本気でぶつかりあえる間柄を、みんな大事にしているのだ。
この三人で、まだまだ戦っていく。八割の心残りを、”次”につなげていく。
その時、水崎ツバメが果たした跳躍、彼女の”動き”が躍動したフィルムは、大きな翼になっていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
二回目の勝負を、見事に勝ちきった映像研。果たしてその先にはどんな風景が待っているのか。
それは先の話として、いい最終回だった…。つええ女だぜ、水崎ツバメ…。
四話分の感慨、色んな領域に広がっていった映像研の新しい挑戦と絆が、ギュッと濃縮された良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
人あっての作品、作品あっての人。アニメに関わる人たち全員の思いを、ここまでの描写からしっかり回収し、まとめ上げる仕上がりでした。素晴らしい。
先週心に突き刺さった、水崎ツバメのオリジン。そこから繋がる親離れの飛躍へ、しっかり繋げて感慨を作る構成も見事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月24日
まさに感無量ですが、まだまだ話数はあるわけですよ。スゲーなオイ…。
どんなアニメを作るのか。誰のドラマを掘るのか。次回もマジ楽しみ。