推しが武道館いってくれたら死ぬ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
人気投票の残響が少し残るCham Jamの周囲も、気づけば冬景色。
突然のハプニングも、微かな不和も、ウルトラオレンジに染め上げて、皆楽しい思い出。
真っ赤なお鼻のえりぴよトナカイは、舞菜サンタのトップオタ。お前ら、TOが”トップ”な理由魅せてやるよ…
そんな感じの、Cham Jamクリスマスライブ回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
原作ではサラッと流れたところを、演出を太らしたりオリジナルシーンを足したり、見どころの多い仕上がりに整えていた。
結構味が変わってるんだが、コアをしっかり捉えているので『原作通り』に思える。ここの巧さはさすが。
お話は、オタクが過剰な物語に自己中毒する悲喜劇から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
空音の彼氏疑惑は、ドルの写真に(無意味に)男の影を探す過剰反応を生み出す。
偶像に過剰な物語を見出し、その読解で楽しみ、苦しむ。ドルオタと昭和のプオタの共通点だなぁ…。
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おんなじ問題で苦しんでるはずなのに、他人の推しはどーでも良いし、『ペアルック』という自分だけの物語はありきたりすぎて、逆に群衆に埋没してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
アイドルに自分の物語を仮託する人が多いから、ドル商売は成り立っている。しかしその基盤はいつでもあやふやで、とても不安定だ。
ガチ恋という物語。一途に支えるオタクという物語。彼氏面説教勢という物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
アイドルに対しどういう自分を構えるか、どういう物語を見るかで、面白くもない日常の中不安定に揺らぐ自分を固定したい。
そういう自己反射の欲望が、現場には陽炎のよう渦を巻いている。
しかしそれは他人相手の不確かさと、人間相手の難しさを混ぜ合わせた曖昧な物語だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ドルとヲタに分割されている以上、個人的な繋がりは生まれ得ない。生まれた瞬間、関係が変節し、生まれる物語も変化してしまう。
身勝手な妄想は生身の人間の行動に裏切られ、あるいは考えすぎな妄想自体が殺す。
人間の宿痾たる、不確かな想像の魔物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それに向き合うオタクの悲喜こもごも…だけでなく、アイドルも結構揺らいでいる状況を、優しさと笑いで包んで届けるのが、この物語だ。
それは人間に一生ついてまわる怪物で、奴がいるからこそ、遠い存在を身近に感じたりもする。
勝手に動き出した『世評』という怪物は、空音に全裸自撮りを決意させ、あーやとの間に溝を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ここを卒なく、アイドルの仮面を作り直して一気に『物語』を補強できる所が、空音の強さだ。プライベートでは凹んでも、仕事に必要な立ち回りは揺るがない。
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文は『頑張ってるけど報われない自分』で視力が止まって、空音はその先にある『ファンがあやふやに見つめている自分…と文、Cham Jam全体』が見えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
この視界の差が、元前列と後列常連の差かなぁ、と思ったりもする。アイドルとしてのプロ意識、と言ってもいいか。
アイドルは実像ではなく、皆が見たいと思える虚像を売る商売。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それを肌感覚で掴めるのが、例えばド天然でもウケが取れる優佳であり、ガチ恋釣る対応できる空音なのだろう。
ここら辺のセンサーの差、”華”の差が、人気に直結してる残酷、逃げずに描くよね。
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あーやは空音のプロ意識に触れて、行き場のないモヤモヤを少しずつ緩めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
真摯に働きかければ、心の扉は開く。
空音はそう思ってグイグイ来てるわけだが、これはやっぱり”五十嵐れお”が自分にしてくれたことから学んで、自分のスタイルにしてる印象だなぁ…(スキあればれお空発見伝)
一方オタクは、祝祭に向けロマンティック浮かれモードである。表町商店街のプテラノドンも、サンタ帽でクリスマス対応だよ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
夢のアイドルタイムに向けて、えりぴよの足取りは軽く弾む。『月面かよ』とツッコみたくなるハイジャンプは、心の飛躍だ。
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ここでえりぴよが一年前の塩対応を語っておくことで、人気投票を、えりぴよとのすれ違い絵巻を通じて舞菜が『前に出る』姿勢を手に入れたことが、後半鮮明になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
えりぴよはどんな舞菜でもずっと好きなのだろうけど、舞菜はえりぴよと触れ合い”アイドル”するなかで、ちょっとずつ変わるのだ。
そんなアイドルtoオタクの幸福な交流もあれば、アイドルtoアイドルのバチバチぶつかり合いもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
自然体がそのまま人を引きつける、優佳の”華”。三位を取ったことで開花した感じもある資質へ、後列組は寂しい視線を向ける。
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扉の向こうで、自分から遠い場所で輝き続ける”華”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それを羨み、憧れてもいた。だけど自分にはないスタイルは、自分にはない危うさを秘めていて、裏切りではないと頭では判っても、心がついていかない。
横田さん…自分大好きに見えて、他人が好きな女…。
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空音がれおの震えを『ずっと一緒にいるから理解っちゃった』ように、文も空音の華やかさ、それが反転した辛さを、仲間だからこそちゃんと見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
でも、だからこそどうしたら良いか分からない。素直になれない。
そんなツンデレあーやに、天性の釣り師がガチ恋一閃ッ!!
ここで握手対応という、”アイドル”としての武器でわだかまりを解くのが、空音の強さでありユーモアだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
自分はアイドルに真剣だから、ここ迄本気で瞳を見れる。それを理解らせることで、本来あるべき文を取り戻して、自分の好きなCham Jamを掴む
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文も心の置き場がわかんないだけで、元々空音のことは好きだ。だからこのお茶目な歩み寄りで手打ちになって、いつもの調子も戻ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
何かが歪んできたのなら、自分の腕で捻じ曲げる。欲しいものは掴み取る。
この積極的是正主義も、Cham Jamのタフなリーダーから学んだスタイルか。
空音と文には不和の種と、それを乗り越えた後の爽やかな風をもたらした人気投票。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
舞菜はクソTOのエールを受け取り、恥ずかしいサンタ服も頑張って着ようと思えた。それは、人気投票がなければ見えなかった景色…かもしれない。
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シャイな舞菜がアイドルとして、ファンの望む夢を背負おうと思えるようになったのは、れおが幾度も『ファンを信じて』と伝えてきたからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それはくまささんという最高のオタクが、いつでも真心を伝え続けたからこそ、信じられる綺麗事でもある。
思いはリレーされていくのだ。
ホント五十嵐さんは端っこメンバーの面倒もよく見るリーダーであり、末っ子妹を可愛がるお姉さんのようでもあり、”人間”が太いな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
舞菜だけ、空音だけ特別ってわけじゃなく、Chamメン全員に優しい所が人徳よね。彼女という柱が太いので、なんだかんだCham Jamは安定してる。
かくしてOKAYAMAの聖夜は更け、未来には暗雲が立て込める。浅はかなイメトレを全てぶっ飛ばす、生身の舞菜の輝き。思わずTOも絶叫号泣。うるせぇなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
何も考えずMCしてもウケ取れる優佳と、考え抜いて微妙に噛み合わない空音のMC、そのギャップな…。
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待ちに待った楽しい瞬間を、ぶち壊しにする落雷と停電。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
パニック寸前のヤバい空気でも、スキあらば”まきゆめ”なのは横に置いて。
えりぴよの空気読まない肝の太さが、ハプニングを最高の演出に変えていく。TOはやっぱ違うなぁ…。
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えりぴよのトナカイ帽子は、強まったオタクの”こわばり”の象徴であり、笑いを生むアイテム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
…のはずなんだけども、機転と度胸でイイハナシの中心になって、オレンジ色の夢みたいな景色へ皆を導いていく。
コメディから感動へ、物語の顔を変える流れがかなりスマートで良かった。
笑いと感動は別のもの、と普通は考えるわけで、これをうまく繋げて力強く回すと、想定以上のエモーションが生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
思わぬところから一発貰う気持ちよさを、このアニメは随所に仕込むし、的確に活用してくる。
このアニオリ演出は、そういう強さがよく見えた。
怯えていたアイドルちゃんにとっても、現場で一緒にUO振ったオタクにとっても、このクリスマスはスゲーいい思い出になると思うのね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
何年か経った後『あん時のえりぴよ、凄かったなぁ…』って思い返せる、自分だけの物語。
それが狙わず生まれるところに、ライブの”凄み”がある。
舞菜は赤鼻のえりぴよを導きに、夢色の未来へと踏み出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
相変わらずえりぴよは輝きの向こう側にいる生身の舞菜を見ないし、それは”オタク”としては正しい立ち回りだ。
『舞菜、アタシのこと好きかも…』とか考える自意識肥大オタク、険しいっしょ
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舞菜も(れおに背中を支えられつつ)、人気投票で見つけた『前に出る自分』『ファンに期待される自分』へと踏み出せる未来を、”みんな”に伝えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
その正しいアイドル像の奥には、いつでも特定の個人がいる。でもそれを顕にすれば、アイドルは終わりだ
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だから、胸の中だけに閉じ込めて、綺麗な物語を演じ続ける。上手く出来なくても、いつか上手く出来るように頑張っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
そんな健気な輝きが、えりぴよを限界ヤバヲタ一心不乱状態に繋ぎ止めるのだろう。
すれ違いつつ、誰よりも強く繋がる。難しい関係だなぁ…。
えりぴよが見たい舞菜、投影するべき物語って、あんまないのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
生きてることがファンサービス、どんなキミでもいつでも最高。これが基本路線の全肯定主義。
そのぶっとい視線に、舞菜はようやく自信を(少し)貰ったのだ。それで、”みんなのアイドル”になろうと奮い立った。
まぁそうやって目立って、舞菜が発見されたらされたで病むのがオタクのめんどくせー所なんだが…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
他人に仮託する、あやふやな物語。そこから受け取る、自分だけの物語。
万華鏡のような乱反射の中を、アイドルとオタクは踊っていく。その歩みは、時々夢のように綺麗だ。
大概泥まみれだけど。
他人には大外れの写真でも、私には一生の宝物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
赤い光の奥で自分が、どんな感情に心を浸していたかは、私とあの子だけが知っているから。
それでいいし、それがいい。
非常にえりぴよらしい、残念で最高のクリスマスプレゼントである。
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あまりにも美しい風景の中を、女と女が歩いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
あえての遠景で情緒を高めつつも、クリスマススノーにエモ高まったまきゆめがお手々繋いじゃう瞬間とか、雪にはしゃぐあーやと優佳とか、絶妙の解像度で”今”を切り取ってくるカメラ、素晴らしい。
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ここでアイドル百点満点、余計な物語が生まれ得ない雪空自撮りで話を締める所が、写真に踊らされるアバンと呼応して綺麗なところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
アイドル合格でも百点、失格でも百点。舞菜なら何でも良いけど、色んなキミが素敵だね。
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舞菜がアイドルとして”みんな”に投げかけた美しい空が、携帯電話越しにえりぴよにも届いて、愛おしさを加速させてる所が凄く良いんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
人と人の間にある壁も、一緒にいられない切なさも。
何もかも飛び越えて、思いが届く瞬間がある。
そう信じられるから、キミを好きでいられる。
そういうロマンスのど真ん中を、このお話はコメディ交えつつしっかり駆け抜けていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
笑いをちゃんと生み出しつつ、そういう美麗さを情景に込め、仕草に込め、台詞と芝居に焼き付けている原作。
そのテイストを拾い上げ、”アニメ”という表現に120%適応させ、変化させる制作陣。
それらの幸せなダンスがたっぷり詰まった、良いクリスマス回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
面白くて、真剣で、やっぱり面白くて、いいアニメだった。
素直にそう思えるエピソードがシッカリ仕上がっているの、非常に強いと思います。直球が早いから、変化球でもカウント取れるのよね…。
舞菜の决意が、新しい年に漕ぎ出すCham Jamをどう変えていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ドタバタすれ違いつつ、元気いっぱいのエールをアイドルに送るオタクたちの感動コメディは、まだまだ続いていきます。
ここから残り話数、何を魅せてくれるか。次回も非常に楽しみです。