ヒーリングっど♥プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
遂に三人揃った伝説の戦士、ヒーリングっど♥プリキュア。
しかし人格も立ち位置も全く違う三人は、なかなかうまく噛み合わない。それぞれ小さな悩みを抱えつつ、やってきた水族館でも問題山積。
でも、皆でいるとなんか楽しい。それがとっても大事!
そんな感じの、キャラの顔見世が終わってのチームエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
優秀だが融通がきかないちゆ、活力にあふれているが足元がおろそかなひなた、その間を繋ごうと頑張るのどか。
主役たちのトライアングルが、水族館を舞台に小気味よく回転し、ほっこりと見応えがあった。
初メインでは人格の長所を強調されていたちゆとまひるだが、今回はお互いの影をしっかり見せる作りで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
『欠けているものを、お互い補う』ってのはヒープリの核だと思うので、”欠けている部分”を臆せずちゃんと描いたのは良いことだと思う。
お互い出会ったばかり、身を置く世界も得意も、ぜんぜん違う
でもだからこそ、混ざり合うと面白い。分かり合うと素敵。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
異質性との対話、多様性の肯定というデカいテーマを、『新しいお友達』という身近で大事な問題にギュッと凝縮し、体温を宿していく。
児童の日常を描く物語でもあるプリキュアで、とても大事なところを丁寧に描いてきた。
ひなたは何を喋って良いのか、何を喋ってはいけないのかの判別が、上手くつかない。戦士の秘密も、うっかりするとダダ漏れである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
その危うさに、優等生の眉間が曇る。やっぱりこの段階では、手と手ではなく前腕を掴むのが、二人の距離感よね…。
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『正しさ』を担当するちゆが過剰にヤな感じにならないよう、コミカルな表現も交えて棘を抜いているのは、細かい配慮で良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
『楽しさ』を背負うひなたが、間違ってるわけでは当然ない。ただそれを上手く使うためには、立ち止まって周囲を見る慎重さも必要…って話だ。
黙考と活発、正しさと楽しさ、優等生とパリピ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
正反対に見える青と黄色の、間を繋ぐピンク担当。
前回もひっそり描かれていたのどかの強みが、物語が動き出すこの段階、そして話が終わるタイミングでも顔を見せる。
このトライアングルが、ヒープリの基本形なんだろうな。手堅く面白い構造。
怒涛の一ヶ月で詰め込まれた設定を再確認する、プリキュア課外授業。TVの向こうのお友達も、一緒にお勉強だ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
作中名言はされてないけど、テアティーヌ様覚悟の相打ちでバッチリ死んでんなやっぱ…。
ラテ様、完全に”取り残された子供”じゃん。グリーフケアしようぜ…。
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ちゆは賢くメモを取り、ひなたは用語覚えきれなくて涙を流す。そしてのどかは、凹むひなたのフォローに回る、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
優等生-転校生-劣等生のトライアングルを中心に、中学二年生として彼女らがどんな存在下を切り取る視点は、今回エピソードの真ん中にある。日常の解像度が上がるのやっぱ良いね。
この三角形は授業中でも同じ形で、窓の外のニャトラン(昼寝)に夢中なひなたを、後ろから訝しげに見つめるちゆと、背中からフォローするひなたが描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
ここで答えを教えるのではなく、問題を伝える所がひなたの人となりだな、と思う。助けてやるから自分で考えろ!
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背中に突き刺さる”正しさ”の視線は、ひなたにとってはあまり慣れないものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
中学生ともなれば、自分に近しい価値観や雰囲気でまとまり、グループの外側とは交流が減っていく。
ひなたは輪の内側では明るく元気だが、その外側に出ると反応を伺い、自分をどう出していいか分かんなくなる子のようだ。
ちゆも”正しさ”が貨幣となりうる優等生レイヤーの外に、どう自分のスタイルを投げかけていいかは悩む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
ここまでの人生で培った、小さな”自分なり”が通用しない異境。知らない人と触れ合っていく時、そこをどう進むかは悩ましく、とても大事。
二オズオズとした怯え、上手くいかない感じが生っぽい。
人間関係のジャングルに迷う二人に、のどかはしっかり寄り添い言葉を聞く。自分を前に出すより、相手を見て声を聞くしなやかさが、元病弱少女の強みなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
実際目立ちにくい資質だけど、相手を受け止め傾聴する能力って、タフな人格がいるよね…。
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のどかハウスにも馴染んできて、フェアリーフラフープで遊ぶラビリンの無邪気さに思わず落涙などもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
イヤほんっと、獣相の少年兵たるヒーリングアニマルにおかれましては、まだ平和が残る人間界の日常を心より楽しみ、児童が本来置かれて然るべき明るい日々を堪能し、笑顔であって頂きたい。
今回価値観の衝突の話だから、重くやりすぎるとスゲーギスギスする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
コミカルな味をうまく使って、重さを抜きつつコアを維持するバランス感覚は、とても良かったと思う。笑いと面白さでくるむと、シリアスな問題も飲み込みやすくなる。
匙加減が難しいところだが、現状上手くやってる印象。
”聴く”力が強いのどかも、まだまだ思春期真っ盛り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
『経験者に聞こう!』ってんで、ママンのアドバイスを貰うことに。
『触れ合う時間を増やせばいいじゃねーの?』ってことで、水族館にゴーだ。
助けてもらって『お母さん大好き!』って言える素直さ、大事にしてね…。
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最初は探り探りだったひなたも、楽しい時間を共有し、学校では魅せない表情を受け取ることで、ちょっとずつちゆが判っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
逆にちゆは、自分の過剰な楽しさを笑いで崩して、ひなたを無意識に迎い入れていく感じ。アイスブレイクの描写が丁寧だ。
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友達が多く、人間関係の窓が空いているひなたが周囲にセンサーを張り巡らし、情報を集め続けている描写が面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
そこら辺に繊細な感覚があるから、色んな人と気楽に繋がれるんだろうなぁ。ここら辺、正しさの鎧で自分を閉じてる部分もあるちゆは、あんまないセンス。
迷子になったペギタンを探して、三人と二匹は必死に走り回る。ラビタンを人形と勘違いした少女に、柔らかく意思を伝えるのどかの成熟が光る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
ちゆもまた、地べたを這いずってでもペギタンを見つけようとするひなたの一心不乱を”見る”ことになる。
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ペギタンを探すか、敵を倒すか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
正しさと優しさのジレンマに、主人公は柔らかく分け入って『両方やる』という”正解”を差し出す。
ここは絵の構図的にも、キャラクターの役割的にも、主役のトライアングルが非常に鮮明になった場面だと思う。
のどかが間を繋ぐことで、正しさと優しさは共存できるのだ
逆にいうと、対立するように思えるものの妥協点を見つけ、そこに接近し媒介となることが、この物語の主役の役割だ、とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
後々話しが転がって、ビョーゲンズの事情を描く余裕が出てきた時『敵と味方』『あいつらと私たち』という分割を繋ぐ方向に進むか、別の方向から描くか。
”悪者”の描き方ってシリーズごとにかなり差異が出る部分で、色んな筆があっていいと思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
前作スタプリが対話路線の極北を走ったので、そこからやや対象年齢を下げた(ように思える)ヒープリが”敵”をどう扱うか、そこに『見る・繋ぐ』特質を持った主役がどう絡むかは、今後楽しみなところだ。
まぁ現状、テロリストとは対話せず、迷いなく人質を実力にて奪還するわけですがね! 正しさが通用しない時、適切な暴力の行使こそが答えだッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
まずひなたが駆け出し、ちゆがバックアップする対処は二人の間柄をよく見せて面白かった。
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運動に慣れていないのどかが、ペギタンをキャッチしそこなうところも含めて、三人には三人それぞれの強さと弱さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
でもお互いを補い合い、その強さをしっかり見て学んでいけば、”自分らしさ”は枷ではなく可変な強さになっていく。
三人の友情が、そういう道を邁進すると良いな、と思った。
前に進んで突破する力も、後ろに下がって考える強さも、両方大事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
そんな友情模様を、ヒーリングアニマルも見守ってる。
ペギタンの凹みっぷりに、気楽な感じで体温を伝えるニャトランの侠気が好き。妖精チームも、お互い思い合ってて良いよね…。
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両手を腰に当てたお説教スタイルに、交じる『これから』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
まだまだ知らない同士だけど、でも一緒にいて楽しい。手をつないで温かい。
そう思えるなら、ちょっとずつ知り合って、仲良くなっていける。
そんな予感に、少女たちは顔を上げ光を見つめる。
ど真ん中友情ストーリーだなぁオイ…素晴らしい。
というわけで、主役たちのアンサンブルがどう回転するかを描く、良い第五話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
三者三様の強味と弱味、価値観と人格がよく分かり、それが生み出すケミストリーの面白さも、ドタバタな展開からしっかり伝わってきました。
いやー…カッチリしとるけど、面白そうな座組じゃないの。
プリキュアバトルを世間がどう受け止めるかもそうなんですが、ヒープリは結構リアリティレベルが高めで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
偶然と運命で同志にはなったけど、日常では接点が薄い三人。その遠さと悩みを等身大に描き、ありふれた輝きの真ん中で溝が埋まっていく喜びを伝える。
体温と手触りがある、良い日常回でした。
これからも色んな衝突や問題が出てくるだろうけど、一個一個向き合う中で、少女の背中はデカくなり、繋いだ手はより強くなっていくことでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月1日
そんな小さな歩みを、しっかり見守りたいと思わされました。
次はラテ様大脱走。
母と死別した児童犬に、少女戦士は何を差し出せるのか。次回も楽しみ。