地縛少年花子くん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
鏡の向こうの境界に、連れ去られた寧々。
彼女を追う花子くんと光は、それぞれの因縁に邂逅する。書き換えられる七不思議。忘れ去られた記憶。つかさの無邪気な悪意が生み出した、新たな怪異。
衝突の果てに、見えるものはあるのか。
そんな感じの、カガミジゴク編完結…でいいのかな? なエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
これでミツバ関係は、一応の決着…ってことになるのか。心を通わせた友達が何度もオモチャにされて、光くんがマジで可哀想である。
一番かわいそうなのは、ミツバ本人なわけだが…つかさのヘイトアーツスゲェな…。
お話は鏡の向こうとこちら、境界を行き来しながら進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
巫女たる寧々を領域に奪われた花子くんは、まるで人間のように土籠を頼り、頭を下げる。
寧々が絡むときだけ、花子くんは七不思議筆頭、秩序の装置から、情を宿した亡霊に戻れる感じ
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そういう人間性の回復が、ニンゲンモドキの自分じゃ出来ないから、寧々に依代を預けた感じはあるね、土籠先生。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
基本寧々の一人称で花子くんを見るので、彼がスケベで意地悪で格好良くて…分かりやすく”人間”っぽい表情を投げ捨ててるシーンって、ダイレクトには観測できないのよね。時折漏れるけど。
怪異であり部下でもある土籠先生にとっては、冷たい顔のほうが多分見慣れてて、子供のように頼られたりするのは意外…であり、昔が戻ってきたみたいで嬉しくもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
土籠の喪失と未練は、コクがあるので見てて面白い。もう一回くらい、メインの話こねーかなー。
土籠先生の紹介で、ヤコの領域を介してカガミジゴクに近づく2人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
領域をジャンプするたびに”水”の描写があるのが、人魚の眷属たる寧々との関連を思わせて、面白い描写だ。水域と大地の中間存在だから、領域との親和性が高い、とも言えるか
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溢れる水域は水鏡。カガミジゴクに続く門であり、己を反射する内省の象徴でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
後に再会するミツバと同じように、存在を弄くられ、自分の中のエゴを引っ張り出されたヤコの助言は、光くんに大事なものを思い出させる。
何かが変わったとしても、ミツバはミツバ。思い出も意志も消えない。
これはミツバを処断しようとする花子くんの論理と、真逆に衝突する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
変わり果て、生死の境界を超えようとする存在は厳しく切り捨てる。それで一回殺されたミツバは、鏡合わせの双子によって再生され、”七不思議”というシステムをハックする。
因縁は、複雑に絡み合う。
ヤコが思い出させてくれたものが、ミツバに届くのか。アニとは違う光くんの共存主義は、なんらか実り在る結末にたどり着くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
それを見届けたいところだが、アニメだと尺的に難しそうではある。寧々と共通しつつ角度が違うクエストなんで、見てて面白いんだよなぁ、光の物語。
鏡を抜け、想いを繋いでたどり着いた鏡の地獄。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
そこでは亡霊が怪異の心臓を食わされて、同じく怪異に成り果てていた。
つかさは暴力のスイッチが凄く簡単に入る…というか、スイッチ自体がない。一人だけ”ドロヘドロ”の住人なんだよなぁ…
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古流柔術の達人みたいに、スナック感覚で頭を地面に叩きつける…かと思いきや、『女の子には優しくしなきゃいけない』と思い出して、お姫様抱っこしたりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
でもそれは、花子くんがしてくれたロマンスの仕草ではない。気まぐれな怪物が、無邪気を演じている気持ち悪さが先に立つ。こえー…。
心臓に宿ったカガミジゴクの力も、消えたくないという遺志も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
つかさはミツバの本心には一切寄り添わず、強引に与えて引っ張り出す。しかし形上は、『相手が望んだ』という看板を貼る。
自分の望む結末を引き寄せる自由と責任から、巧妙に距離を取る。
ともすると直接的な暴力よりも、その狡猾さが邪悪に感じるのかもしれない。おまけに子供の無意識で、ズルい立ち回り押し通してるからな…クソガキッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
『だって、お前が悪いじゃん』と、相手の罪悪感を引っ張り出して弄り倒すのが死ぬほど巧いんだよね。そういう部分にしか、他者への共感が働かない。
『作者、ソシオパスの観察巧いな…』と感じるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
無邪気な悪意の犠牲になったミツバは、ズタボロのまま記憶を失っている。己がどんな存在なのか考える余裕も、教えてくれる他人もいない。
彼の前で”鏡”が割れているのは、非常に示唆的
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寧々が花子くんと向き合う中で、自分の浅はかさや望みをしっかり考えるようになっている成長。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
その陰画として、身勝手な亡霊のまま永遠に成長できないつかさや、その犠牲たるミツバの存在がある。
他者を蕩尽する悪霊のサークルに、朗らかに取り込まれてしまったミツバが、己を解放する時は来るのか?
花子くんが鏡合わせの双子に汗を流すのに対し、つかさは一切動じない。いつものように、無邪気でクレイジーだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
作りたかったから、盗み取ったミツバの理性を継ぎ接ぎし、人造幽霊として蘇らせた。
その傲慢に、光くんの封印も解ける。
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ここで光くんは『ミツバはお前のオモチャじゃねー!』と正しく怒っているのだが、つかさはそれを『じゃあ作らないほうが良かった?』と(意識してか、無意識にか)捻じ曲げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
幽世にも現世にも居場所がなく、自分が何者であるかの記憶もないミツバの不安を、光が増幅する形に。
光はミツバを救いたいと、居場所を与えたいと強く願っているのに、つかさの操作一つで、彼がミツバの消滅を願っているかのように届いてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
『言葉を操る』というのは、何も七不思議を書き換える放送だけの特権ではない。こういう小さく、致命的に効果的な言霊の使い方もあるのだ。タチ悪ぃな…。
ミツバは鏡越しに見た、生者の輝きを羨む。途中で断ち切られた生を全うしたいと、ひたすらに願う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
それはつかさが介入しなければ、光くんとの日常で果たされていた祈りなんだけども、ミツバはもうそれを憶えていない。
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その空白を利用して、つかさは加害者から助力者へとすり替わる。暴力とか意図的な情報遮断とか、様々な方法で認識を書き換える手腕が、ナチュラルに巧いよねこの子…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
亡霊の言質を取って、七不思議の三、書き換え完了、と。花子くんの領域を一個切り崩して、ご満悦の笑顔だ。
つかさは『人が剥き出しに、欲望に向き合う姿が好き』と言うけども。それは”つかさの欲望”であって、彼が堕とす者たちの意志とは少し違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
方向づけ、引っ張り出し、歪められたものが”自然”と言えるのか。見たいのは地獄それ自体であって、どうやって形にするかは問題じゃないのか。
どっちにしても、ズルくて薄汚い存在であるのは間違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
生前もそんな感じで、普をいびり倒していたのだろう。
赤い運命を書き換えるほどのカルマが、どう溜まって二人の亡霊を生み出したか。
これも知りたいけど、アニメじゃ絶対間に合わねー!行くかぁ”原作”!!
カガミジゴクの権能を奪っても、ミツバはミツバで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
あんま暴力が似合わない彼を、つかさは殴って戦闘に引っ張り出す。
ここ、ポップな演出ではあるけども邪悪な強要で、しっかりつかさの黒い影がミツバに伸びてんのよね…。
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そうして怪物に落ちつつも、交通安全ピアスをDisってくる口の悪さは健在で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
現世に残り、死者の記憶を抱え続ける光くんは、その言葉に目を開く。
ミツバ当人はすっかり忘れてるってのが、なんとも切ねぇ…。取り残された側は、それを抱えて生き続けるしか無いのだ。
光くんは欄干に身を乗り出し、危険な境界線の上で記憶を問う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
何も憶えていないとしても、怪物に成り果てるとしても、ミツバはミツバ。
かつて離してしまった手を繋ぎ直して、己が誰であるかの名残を手渡す。これだけが、ミツバの”鏡”だ。
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ここで過剰に拘泥せず、白紙の記憶とミツバの変化を結構受け入れてる光くんが、頼もしくも切なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
二回目の”死”を涙と一緒に受け入れた時に、結構”大人”になっちゃったんだろうなぁ、光くん…。
寧々が進むべき道を、一足先にズカズカ(半強制的に)進んでいる感じもある。
『かつて人であった記憶すら捨てて、怪異に成り果てた』と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
花子くんは冷たく言い切るのだが、彼は寧々を体を張って守る。
『さよなら』ではなく『またね』と告げて、鏡の向こうに切り離す時、やっぱり”水”のイメージが顔を出す。
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その出会いと別れが、亡霊と巫女にどんな未来を齎すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
それは未だ先の話として、クソガキ亡霊が新しいおもちゃを手に入れて今回の話は終了である。
結構”悪の笑いが木霊する”スッキリしない展開だな、ミツバ絡みは…。
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”放送室”は彼らなりに楽しそうで人間味もあるのだが、その中心に在るつかさがとにかくナチュラルに邪悪で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
彼の歪んだ欲望…を、上手く糊塗する生来の凶悪さに乗っかってる以上、”放送室”が人として真っ当で、嘘のない結末にたどり着ける感じはしない。
いつか来る破綻を前に、繰り返されるコメディ。
明るくポップに怪異を書きつつ、捻じれや歪みや暗さは見落とさない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
つかさの性根がよく見える描写に、『”放送室”の未来も、相当暗いな…』と思わされるエピソードでした。
あいつ本当に邪悪で、それが変化する契機が一切ないんだよなぁ…死人で悪霊だし。
ダチ公はオモチャにされるし、七不思議はハックされるし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月21日
花子くん一行にはなかなか苦い結末となりましたが、さてどう転がるやら。アニメの話数も残り少ないですが、どこまで描くのかも含め、次回以降が楽しみです。