映像研には手を出すな! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
奇貨居くべし。浅草監督は全く合わないBGMを足場に、作品全体の再構築を決意する。
人生はアクシデントに塗れ、人は理解し得ない。それでも、一歩前へ。
そうしてたどり着いた、コメットA。
今芝浜に、想像力の塔が立つ!
そんな感じの、コメットA編最終回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
清々しいまでに”続く!”な終わりだが、映像研はこれから先もずっとアニメを作り、あるいはアニメを離れて己を実現する方法を見つけていくと思う。
”生きる”という物語の、かけがえのない一場面。青春と呼ばれるものの、躍動と輝き。
そういうモノを三回、作品に閉じ込めて世に問い、足場にしてさらに前に進んでいく物語だったから、”続く”は正しいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
何かを成し遂げても、足を止めずに前に、前に。
それは浅草監督がギリギリで書き換えた、『芝浜UFO大戦』にも籠もる理念であり、実感なのだろう。
お話は2週間前に見逃した地雷が、スケジュールをふっ飛ばすところから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
マジで水崎ツバメキレ過ぎで、動き見てるだけで面白い。金森氏は非常に冷静に、状況を回すために取れる手を探っているのとは好対照だ。多分、どっちの反応も正しい。
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作品をぶっ殺しかねないアクシデントを前に、”動き”をわざわざ作ったアニメーターはブチ切れ、”監督”は全体の構成をやり直すことを考える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
ここでBGMという”小”を全体に合わせるのではなく、作品に漂っていた違和感を、”小”を突破口に書き直す決断する所が”監督”だなぁ、と思う。
大ピンチでもスーパークールだった金森氏が、相方がトンチキぶっこくと即チョークスリーパーなあたりウフフッ! って感じだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
大変更をなんとか成り立たせるべく、イマジネーションとスケジュールの均衡点をまず探す所が、変化を感じさせる。
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金の支払いがあり、デッドラインが厳密に定まり、色んな人が関わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
”マチェット”のときより広がった世界は、大きな可能性と責任を一緒につれてきた。そんな制約の中で、より善いものを生み出すためにどうしたら良いのか。
自分の中のコダワリと、そんなん知ったこっちゃない他人との均衡点。
浅草氏が平和なダンスより、世知辛い世の中の嵐を描こうと思えたのは、”仕事”に関する金森氏の意見、現在進行系の体験が、結構大きい気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
先週見つけた他者性の尊重、異質ゆえの面白さは嘘じゃない。でもそれが擦れあって、お互いの意志と自由が衝突を生むのもまた、嘘じゃない。
想定しないアクシデントと、それをなんとか泳ぐ体験が、嘘っぱちの物語に血を通わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
厳しく商売のロジックで動きつつも、自分が感じるものを、本当に本当だと思えるものをアニメートさせていく。
”自己実現”という青春物語のど真ん中、強いなやっぱ
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”監督”の着想を信じ、創作者達は必死に走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
闇DVD業者のアジトを襲撃する金森氏が、マジでカッコいい。それと同じ手で、オールレーズン差し入れてくれるんだもんなぁ…。
作品を舞台に上げる、縁の下の力持ち。その奮戦も平等に書いてる所が、このアニメの強さだねやっぱり。
かくしてたどり着いたコメットAは、色んな奴らのイマジネーションが溢れかえっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
ここで一旦主役からカメラを剥がして、この物語に関わった色んな連中の”今”を切り取ってくれるのは、凄く風通しが良い。教頭…アンタなんだかんだ言いつつ…
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学校との対立は金森氏の奮闘で、直接対決を経ず乗り越えちゃった感じもあるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
自分の目でもって、生徒が己を貫こうとたどり着いた場所を確認する姿をスッと挟むことで、ただの悪役で終わらない奥行きが出て、凄く良かったと思う。
上から目線の無理解が、教頭のヤダ味だったからね。
一方”監督”には、自分の作品がマネーに変わる状況が現実とは思えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
ウダウダ呻く弱虫が、一旦机の下でバリア貼るのを許した上で、バイラル戦略に取り込み紙袋を被せる。金森氏の広報手腕は、ここでもバリバリに冴える。
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紙袋越しに喋って、口の所テロテロになっちゃってる描写が面白すぎるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
浅草氏は剥き出しの自分で、世界と向き合う図太さがやっぱりない。
そういう奴でも、檻の向こうになんとか踏み出せるフィルターを用意する。第1話からずっと、金森さやかはそういう人間だ。
無論それは金儲けのためであり、金銭で媒介される確かな価値をその手に掴むためであり、そのど真ん中にマブダチを置くためでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
世間一般では矛盾する価値が、彼女の中では背中合わせなのだろう。
銭儲けと善行を繋げる接着剤には、多分”信念”というラベルが付いてる。はー…SUKIだなやっぱ。
金森氏にバリアを用意されることで、浅草氏は言葉を手に入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
紙袋越しに結構頑張る売り子もそうだし、監督稼業へのハッパもそうだし、『映像研作っぞ! アニメやっぞ!』という、マネーへの誘いもそうだ。
閉じ込められた言葉を引き出すために、壁を用意する。優しいやつだ…。
かくして完売なったコメットA。三人組は”作品”としての成果を、皆で確認する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
今回は”マチェット”式の、実際の映像を視聴者も追体験する形。奴らがドスゲェモノ作るのはもう知ってるので、観客席のリアクションは無しだ!!
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七分ちょっとの”芝浜UFO大戦”を見通すのは、構想だけ明かされていた大変更を、僕らが確認する作業でも在る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
鐘を鳴らしても戦いは終わらず、ハッピーエンドは訪れない。
少し悲しい音楽とともに、河童は地上を、人間は水底を、”敵”に囲まれながら歩く
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水底と地上。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
それぞれ異質な環境に身を置き、それが当然だと考え生きてきた。
なにか新しい変化を巻き起こそうと、大きな動きと音(アニメーションの構成要素!)を問いかけても、世の中は簡単には変わらない。
そうして打ちのめされてなお、相手の土俵に足を置いて進む。
この変更は、先週浅草氏がたどり着いたエウレカの、更にその先へと進む決断だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
アニメを一つ形にしても、世界がどんどん広がっても、改善点は見える。味方が増えた分だけ、理解が難しい”敵”も増える。
でも、そこに身を置いて進んでいくのは楽しかったから。
アニメ三本作って、掴めたものは沢山あるから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
そういう一人間の生々しい実感が、河童とUFOのファンタジーに滲んでいることを、映像を見る沢山の人は多分知らない。
知らないが、変えた後のほうが多分、沢山の人に届く。他人の領域に、映像研の旗が閃く
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疲労困憊の夢うつつで、浅草監督は夢を見る。それはアニメーションと現実が入り混じった、彼女だけの…そして、作品を通じて様々な人に届いた”最強の世界”なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
それは立派な形をなし、心に突き刺さる。
でも、終わりじゃない。
弱くて生きづらい”河童”の浅草氏は、それでも地上を歩くのだ
完全にベイビーちゃんな寝顔を、愛すべき仲間に見守られ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
目覚めた世界はとても明るく眩しい。
人生という物語は続く。まだまだ、作りたいアニメがある。一緒に走ってくれる仲間もいる。
終わりじゃないが、幕は一旦降りるのだ。
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『ババーン!』と拡張していく、空想と現実の入り混じった世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
作中幾度もいい動きで楽しませてくれた、”役者”達のカーテンコールと、溢れる光。部室から芝浜、惑星全体まで広がっていく夢。
それはずっと続く。世界はアニメートし続ける。
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そういう堂々の、爽やかな”続く!”でもって、アニメ映像研幕引きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
いやー…面白かったですマジで!!
三人組の凸凹なキャラクター性、専門分野が噛み合うトルクを活かし、次々遅い来るピンチと取っ組み合うアクションの気持ちよさで引っ張る。
疾走する青春の心地よさで魅せる。
巨大建造物へのコダワリとか、アニメーション制作のマニアックな手順とか、細かい要素を大事にしつつも、それが乗っかる骨の太い人間ドラマを、ベタつかない筆致でしっかり作ってくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
とにかく、映像研が頑張る姿を見てるのが楽しく、元気をもらえた。好きになれる奴らだったなぁ…。
浅草氏を観察魔にしたことで、人間や世界そのものに強い興味を持ち、その熱量を形にするメディアとしてアニメを選んだ風通しの良さが、作品全体に漂ってました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
オタクはオタクなんだが、世界と繋がりたいタイプのオタクなんだな。自分を守る壁がないとブルっちまう弱さと合わせて、凄く良かった。
制作の過程自体も汗水たっぷり、努力と熱意が結果に結びつく手触り満載で良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
ヘタないがみ合いとか極力回避して、創作のダイナミズム自体を真ん中に据えたのは良かった。
本気でモノ作ってりゃ、アクシデントは勝手に映えるからね。人間関係で、わざわざ作る理由がない。
プロな仕事と、アマチュアな情熱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
その良いところをかっさらいつつ、積み重なる経験値。だんだん拡張し変化していく少女たちの心と世界を、これまた声高ではなく静かに、確かに感じさせてくれたのも良かったです。
『』付きの『成長』ではなくとも、皆変わったし、より善くなったと思う。
アニメ制作を真ん中に据えつつも、そこからはみ出したボンクラ共の青春を魅力的に描いたのも、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
ザリガニ食ったり風呂入ったり、みんなでサイクリングしたり。
アニメを作って売ることでなされる自己実現含めて、羨ましくなる青春のど真ん中を、パワフルに駆け抜けてくれました。
創作活動において見落とされがちな、広報やマネタイズ、制作管理。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
縁の下の力持ちが、同時に圧倒的に”主役”にもなれることを、金森さやかという稀代のキャラクターでしっかり証明したのは、マジ最強。
彼女がいることが、このお話のオリジナリティだし強さだよなぁ、やっぱ。
アニメーションSARUの圧倒的なアニメ力でもって、作中言ってる『目指すべきいいアニメ』がそのまま、目の前にお出しされるのも凄かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
動きで何かが伝わる。演出に工夫がある。1カット1カットに意図がある。
口で言うなら簡単だけど、筆で焼き付けるのは無茶苦茶大変。
でもこの『アニメのアニメ』は、溢れるイマジネーションと鮮烈な演出、手抜かりのないクオリティ追求でもって、作品が言ってることをアニメが徹底的に裏打ちしてました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
この説得力は、掴もうとして掴めるもんじゃない。関わった全てのクリエーターが、磨き上げた宝石だと思います。
芝浜の奇景、トンチキ人間たちのヘンテコなポーズ、溢れ出す金森氏のバチバチまつ毛への情熱と浅草氏のベイビーちゃんっぷり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
ビジュアルの圧力が心を動かして、作品世界へ没入する助けにもなってくれました。ヘンテコ風景いっぱい見れて、面白かったなぁ。
4×3話で映像研の拡張と飛躍を追いかける、手堅いシリーズ構成も素晴らしかったし、過去の経験が後々生きる継続性も、12話しっかり響いてました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月23日
色んな面白さがある、アニメ自体をもっと好きになれる良いアニメでした。
お疲れさまでした。とても面白かったです、ありがとう!