ヒーリングっど♥プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
文武両道、知徳兼備な優等生、沢泉ちゆ。
『空を泳ぎたい』とハイジャンプに勤しむ彼女は、ひょんなことからイップスに陥る。
人間のお友達も、ヒーリングアニマルも、再び飛ぶ日を信じて。少女の小さな戦いが、幕を開ける。
そんな感じの、ちゆちゃんど根性物語である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
脚本・金月龍之介、コンテ・西田正義と、プリキュアではあんま見ないベテランが仕上げたお話は、すこやか市の穏やかな日々と、少女たちの健気な青春が積み重なる、手応えのある仕上がりだった。
日常ネタなんだが詩情があって、ところどころ凄く綺麗。
力みのない関係性の描写、ヒーリングアニマルの健気な可愛さと、凄くヒープリ”らしい”仕上がりと感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
現状、ローカルでハンディな手触りがあること、明瞭な見通しで青春を描くこと、そこに爽やかさと温もりが同居しているのが、自分の感じる”らしさ”っぽいな…SSに近い匂い。
今回はちゆの奮戦記なのだが、周辺の人達にも上手くカメラが寄っていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
ビョーゲンズすら、仲が良いのか悪いのか、妙な人間味でキャフフしてて可愛かった。
こういう描写があると、”敵”を憎みきれなくなって困るんだよなぁ…。
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”生”を呼吸することで生きてる現存生命と、”非生”を前提とするビョーゲンズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
根本的に相容れない部分と、反転して共通する部分を丁寧に重ねながら、”敵”を描いている印象はある。
ここら辺はロングスパンで貯蓄して、デカいエピソードで活かすものだと思うから、チマチマ積むの大事よね。
人間サイドも非常にのんびりした、中学二年生の生活が積み重なっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
自分の体をどう動かすか、不慣れなら慣れていくしかない。むしろ、慣れていないからこそ面白い。相棒のやる気に、元気に応えるラビリンが可愛い。
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今回はアニマルズがすっごく可愛くて、ホント幸せな気持ちになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
ライバルの存在を意識し、上手く飛べなくなったちゆ。祖の頑張りを間近に見て、憬れ褒め称えるペギタンの純粋さ。お手伝い出来て偉いねェ~。(親戚のキモいオジサン顔)
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今回ちゆは、八文字眉の困り顔が多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
何かと目立つ生き方してるから、エールや善意を受け取ることも多いんだろうが、それが重荷になったりもする。
肩に食い込むプレッシャーを、投げ捨てることも弱音を吐くこともなく、真正面から受け止める生真面目さ。
それでも軋む心が、眉間に出てる感じ。
そういう重さを反動に変えて、高く飛べちゃう子でもあるのだが、毎回上手くいくわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
優等生の弱さを肌で感じた仲間たちは、さり気なさを装って隣に並び、一緒に走ろうとする。
ど真ん中に良い奴らで、年取るとホントこういうのに弱い。
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八文字眉を強調してたからこそ、フッとほころぶ笑顔も刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
プリキュアが繋いだ、奇妙な縁。普通なら一緒に見ることもなかっただろう海で、ちゆは自分の起源を語りだす。
ここの青春海辺が、エモさのど真ん中をドンピシャ射抜いていたのは最高でした。情景を生かした、まっすぐ勝負が強い。
輪郭線をちょっと飛ばした、青い青い回想。空と海の境界が混ざり合う、あまりにも美しい景色。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
そこにたどり着くために、ただただ飛んでいる。世間体を気にするように見えて、根本には不定形の情熱が燃えている人なのだ。
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自分の始原を預けられるような、時を忘れて語り合えるような、心を繋げた友達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
砂浜に伸びていく3つの足跡は、”プリキュア”になってちゆが何を手に入れたか、雄弁に語ってくれる。
優等生のちゆが”遅刻”をしたというらしくなさ含めて、ここら辺の青春風味は最高の喉越し。
流石青キュア、爽やかだ!
そして空と海が繋がる景色の開放感を描いたからこそ、イップスの重たさものしかかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
幾度飛んでも引っかかるバーが、異常に高く見える心理がしっかり演出されてて、なかなか良い。今回は情景にメリハリを付けて、象徴的に使う腕前が冴えてたと思う。
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んでペギ公が色々心配して、自室で必死に調べている様子もグッド。書斎派の内気ボーイだからこそ、『調べる』ことが特質なんだね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
ニャトランも一緒に応援幕を仕上げてる仕草とか、アニマルズが彼らなり、相棒の力になろうとする様子が今回、しっかり切り取られてた。
アニマルズは滅んだ故郷の遺志を継ぎ、地球を護るために来訪した少年兵。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
悲愴なシリアスさを背負いつつも、年相応に温かいものに包まれ、笑ったり泣いたり情緒豊かに暮らして欲しいと、俺はマジで思ってる。
今回の穏やかな進め方は、そういう思いに応えてくれて嬉しかった。皆良い奴らや…可愛いし。
どうするのが正解なのか、答えなんて解らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
でも自分なりのやり方で、必死に答えを探してもがく友達を、信じて支えるのは間違っていない。
高い壁の向こうにあるはずの、青い空。そこに一緒に羽ばたくために、信じて寄り添おう。
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非常にのどからしい、ヒープリらしい対応だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
今回バディ同士の描写も多いんだけど、そこから広がったプリキュアのサークルの中で、色んな繋がり方をしてる横幅もいっぱい見れてよかったな。
手を抜いてると思いつめたペギタンが、真実知ってのどかに駆け寄る所とか、重さと軽さのいいバランス
そして迎えた本番。見据える壁はやはり高く、遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
張り詰めたちゆの表情は、観客席から届くエールにフッと緩み…超常の暴力によって邪魔される。
ちゆの心を反映した、バーの書き方。クローズアップを的確に使って、その緊張と和らぎを見せる手腕。地道だが、非常に良い
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ビョーゲンズとの戦いで踏みにじられた、晴れの舞台。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
そこでたった二人の観客に、渾身のハイジャンプを見せるアクションの組み立ても、詩情に満ちている。
派手なケレンは少ないけども、少女の物語の勘所をしっかり抑えた魅せ方が良い。
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プリキュアになる、超常の戦いに身を投げるということは、当たり前の日常を壊される、ということでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
一陸上選手として、飛べない恐怖に震えながら挑むはずだった大会は、あっけなく壊れる。
しかしそれでも、飛ぼうともがいた日々はちゆを飛ばす。その翼は、”変身”して手に入れたわけじゃない。
スーパーヒロインの跳躍力で、確かに見た景色。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
優しい笑顔と壁の突破が、スーパーパワーの見せた嘘じゃないと確認するように。
ちゆは記録に残らない跳躍へ、身を躍らせる。
もう、バーは高く見えない。確かに、壁は超えたのだ。
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青く美しい、空と海の繋がる場所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
自分の原点にたどり着き、越えていく歩みをこれからも、ちゆは進んでいく。その傍らに、人も妖精もある。
ビョーゲンズが日常を蹴散らしたからこそ、堂々姿を晒して仲間をセレブレーション出来るのが、妙に優しくてよかった。
絵的にもシナリオ的にも、ちゆの表情と青春にしっかりクローズアップする、とても良い話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
優等生の抱える震えを見落とさなかった所、風通しの良い青春が情景に踊ってた所、アニマルズの健気な助力が鮮明だった所。
非常に色んなものを、鮮やかに切り取ってくれました。
こういう後味が良く、解像度が高いお話が来ると、キャラクターとお話の顔がよく見えて、より好きになれていいと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
傷がないように見えるちゆの仮面に、ちゃんと弱さも強さもあって。その両方が、空と海の繋がる青い場所から湧き上がっている。青キュア要素も回収し、非常に綺麗な運びでした。
こういう肩の力が抜けた話だと、アニマルズの悲壮感も抜けて、異邦で出来た友達と泣いたり笑ったり、一児童としての幸福に浸れるのが良いよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
俺は必死にやってるアイツラに、幸せでいて欲しいんだよ!
そして次回は、ひなたのKawaii大作戦。”神輿”の準備をしなきゃな…楽しみだ。
ヒープリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月25日
タピオカ飲んでる妄想のところとか、ニャトランの『俺かよ!? 俺かッ!』とか、最後の『しらすおろし!』『渋ッ!』とか、画面の真ん中に据えない台詞に金月先生の”センス”ありましたね…。
こういう端っこに気が利いてるの、すっごい好き。