ヒーリングっど♥プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
ヒープリチームのおしゃれ番長、平光ひなた。友の笑顔を写真に残すべく、全力ではしゃぐ張り切る浮かれ倒す!
しかしその思いは時に噛み合いを忘れ、いつもの空回りが少女を傷つける。
ひなたの思いは、笑顔に届くのかッ!!
そんな感じの、ひなた個別回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
いやー…いい話だったッ!!
ひなたの特質である明るさ、ポップなオシャレさを全面に押し出しつつも、それが取りこぼすものと確かな反省にしっかり目を向け、軽いだけの話で終わらせない。
己の特質に悩みながら、社会と噛み合う方法を探す歩みが、確かに見える話だった
ヒープリはど真ん中の友情と青春、教訓性の強い直球のいい話が非常に強くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
目の前の興味にまっしぐらになりすぎて、色んなものを置き去りにしてしまう。悩んでいても、簡単には変わらない己の特質を、強く悔やむひなたの姿。
それを受け入れ、行動のポジティブな側面を見落とさない仲間たち。
『かくあるべし』で思考を止めるのではなく、個人個人の顔をしっかり見て、そこに込められた思いを受け止める柔軟なスタイルが、オシャレに夢中な若人の背中に滲んでいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
こんだけ明るくポップな話をやりつつ、その”底”がカッチリ硬いのは、ヒープリらしいところだと思う。
お話はすっかり”マブ”のオーラを出しつつある、三人組+アニマルズから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
TicktockっぽいSNSで、流行にしっかり乗るひなたの軽薄さに、眉をひそめるちゆが面白い。
やっぱり、まだまだ波長が合いきらないところはある。それでも友達なのだ。
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この段階では、『まーたろくでもないこと思いついたな…』って表情してるちゆに目が行って、ダチに笑顔の写真をプレゼントしようと思いついたひなたの優しさには、ちょっと気づけなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
思い返すと今回、説明のない何気ない行動が、ひなたの特質と想いを深く反射しているシーンが多かったと思う。
目の前の状況にこだわりすぎて、浅はかに思えるような行動をとってしまう。アニマルズがバレるのも気にせず、猫ちゃん空中浮遊を全世界に公開するところからも、そんな性質は見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
しかし彼女は、周囲を見ないわけでも、『自分だけが良ければ良い』と考えているわけではない。
つうか無茶苦茶優しくて明るくて、持ち前の元気さで皆に楽しくなって欲しいと思ってる子で。サービス精神が旺盛なんだよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
『病気大変だったね…』っていう重い空気を、『んじゃあアタシが最高のハッピーを届ければいいじゃん!』って自発的に跳ね返せるの、本当に偉いと思うよ…。
ひなたのサービス精神は、エンジェルフォト撮影会で爆裂する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
テンションアゲアゲ、どんどんサービス。”オシャレ”という自分の強みを、新しく出来た友達に分け与えて、楽しい時間をどんどん作りたい。
その前向きな意欲は、乗り気じゃないちゆもガンガンに巻き込んでいく
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ひなたが自分のオシャレを横に置いて、友達に似合うアイテムをどんどん差し出している姿が、僕にはとても眩しくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
そうやって前に進みすぎて、痛い目見たのも一回二回じゃないんだと思う。
でも、『貴方を笑顔にしたい』って思いは心の深い部分から溢れて、止まらない。
その姿勢に欠陥があるとしても、自分がやりたいことと、誰かの幸福を積極的に結びつけて、どんどん増進しようとする思いと行いは本当に偉いし尊い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
先を見通しきれないマイナスがあるのなら、それと上手く付き合う方法を、ひなたと仲間たちが見つけると良いなと、あまりにも幸福な青春を見て思う。
今回面白いのは、主題である『着飾る』という文化的行動を、”敵”たるビョーゲンズもやってることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
彼らもまた、誰かのためにお洒落をする。顔の見えない怪物ではなく、似通った文化と精神性を共有する鏡の中の他者なのだ。
しかし現状、相容れずに対立している。
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今後話しが転がる中で、ビョーゲンズとの(暴力含めた)コミュニケーションをどう扱っていくかは、なかなか気になるポイントだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
異物として排除すればハイ終了、って話じゃないっぽいオーラは、序盤から漂わせているからなぁ…同時に”生/死”の断絶は非常に重いので、着地点をどう探ってくか楽しみ。
恒例のビーズアクセサリを販促して、BANDAI様のお役になど立ちつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
オシャレ番長のアドバイスは、友達をどんどん笑顔にしていく。そう、オシャレはひなたの得意分野であり”楽しいこと”なはずなのに、助言に徹しているのだ。
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すやすやラテ様がむっちゃ可愛かったり、悪い顔でゴリゴリビーズいじる獣たちが『これでラテ様も喜ぶぜぇ!』って言ってたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
目立っちゃいけない獣たちも、ひなたがセッティングしてくれたハレの日を楽しんでいる。
ギャグなんだが、主のために手作業する童獣たちが健気で、少し泣いてしまった…。
のどかがダウンするまでの楽しい時間は、本当に肩の力が抜けた幸福に満ちていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
こういうなんてこと無い時間の体温を、ヒープリはなかなか上手く描けていると思う。
一緒にいると面白くて、思わず笑顔になっちゃう間柄。ちょっと前まで知らない同士だったのに、そういう繋がり方が生まれてきてる。
出会い、お互いを知り合い、その中で己を知っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
構えない友情が与えてくれるものを凄く色彩豊かに、手触りのある書き方で積み上げてくれるのは、見ている側としても非常にありがたい。
見てて『あ、コイツラには幸せになって欲しいな…』って思える話なの、ほんとに良いことだと思うよ俺は…。
床下のダチ公含めて、笑顔と華やかさに満ちた時間は、のどかの体調不良で水が入る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
目の前の楽しさに夢中になってしまったひなたはそれを見落とし、一歩引いた冷静さに特質があるちゆが、友達を人混みから連れ出す。
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ひなたは自分が”また”見落としたことに、過剰に思えるほどショックを受けて謝る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
それは多分、これまで何度も”自分らしさ”で間違え、誰かを傷つけてきた体験故だと思う。
治したい、でも治らない。一生ついてまわる”らしさ”という呪いを、どう祝福に変えるか。ひなたは強く悩んでいる。
この反省意識が、さらに視野を狭め、ひなたを孤立もさせてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
自分の”らしさ”が生み出したピンチなんだから、自分が解決しなきゃ。責任感があればこそ、ひなたは孤独な闘いに身を投げていく。
やっぱり、ひなたから”周り”は見えているのだ。過剰なほどに。
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今回はカラテの組み立てがなかなか面白く、元気に弾む殺陣が魅力的でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
ひなたは宝石メガビョーゲンの硬さを突破する方法も、意外な身軽さに対応する手段も思いつかない。
ただ、目の前の問題をどうにかしなきゃと、凄く必死に走り回る。問題解決の手段としては、”正しく”ないかもしれない。
でもひなたが一人で思いつくのは、そういう突貫主義しか現状無くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
それでも大事な友だちのために、笑顔を作ってくれる素敵な場所のために、自力でどうにかしたい。
その狭く尖った善意を、僕はちゃんと”見たい”と思う。描いてる以上、作品も””見て”欲しいのだろうし。
一人で突っ走るひなたの”らしさ”は、孤独な窮地を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
そこに駆けつける仲間たち。『気づけなかった』というひなたの負い目を、のどかも同じように重く受け止め、謝罪と共闘に駆けつけてくる所が良い。
”また”の失敗に青ざめる友達の手を、のどかはしっかり掴む。
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身勝手な独走に思えるものに、誰かを幸福にしたい想いがあることを。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
危うい奮戦の奥に、何かを守るための情熱と、体を張って闘う責任感が宿っていることを。
仲間たちはしっかり見て、言葉にして伝えてくれる。『好き』という大事な言葉を、照れずに叫べる強さ…。
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『見る・聞く・伝える』という美質は、のどかが主人公たる資質としてここ迄描かれてきたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
それがちゆにも伝播してきてて、彼女もひなたの闘いをちゃんと見て、その真意を自分が判っていることを伝えていることに、凄く豊かなものを感じる。
個人の善良さは、伝えて、育み、学ぶことが出来るのだ
第5話で予定をすっぽかしたひなたへの、友人の対応を見るだに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
時に損害を生み出すひなた”らしさ”を、周囲の人達は迫害したり糾弾することなく、付き合い方を考えてくれている気配はある。
それでも善良で優しく、賢くもある平光ひなたは、”らしさ”を制御できない自分を責める。
でも、大丈夫。私は貴方の行動の奥にある暖かさをしっかり受け取って、そこから幸福を感じているから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
あなたのことが、好きだから。
そうやって判ってもらうこと、”らしさ”の善き側面を肯定していくことで、なかなか制御が難しい側面もまた、良い噛み合い方を見つけていける。
そのために必要な寛容と愛情、他者の良い所に目が行く知性を、この作品の少女たちは持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
そういう美質の描き方、相互の伝え方が今回はよく見えて、非常に良かった。
なかなか上手くいかねぇなら、歩調と目線を合わせて、じっくりやっていけばいいじゃねぇか。仲間なんだから。
そういう綺麗事を、堂々描写に刻み込んで、ゆっくり積み上げていくのは本当に偉いことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
まぁただの教説番組じゃねぇから、氷属性の暴力もぶっこむがな! お前らもボトルを買って、BANDAI様に貢献すんだよッ!!
こんだけいい話やって、販促忘れないの凄いよね…。
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戦いすんで、ひなたはプリキュアで写真を取ろうとする。そういう危うい浅はかさは、経験を積んでも簡単には消えない。だから、向き合い方をひなた自身も、彼女に近しい人たちも、一個ずつ見つけていく必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
そして抑えられない”らしさ”は、とびきりの思い出だって作ってくれるのだ。
なかなか上手く笑えないちゆちゃんを可愛い神輿に乗せ、すこやか市を激しく練り歩きたい衝動を俺も抑えられないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
つうかヒープリの子供たちは完全ではないが、常により善くなろうと目を開き、足を進めている立派な人たちばかりで、マジで神輿に乗せるしかねぇ。
フォトスタンドに収まった、三人の思い出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
色々あった一日が、のどかに新しい喜びを与えようと走り回った結果だと、のどか自身は一番には気づかない。
ここが良い。そういうところに目端が利くのは、ちゆの領分なのだ。さりげない描写で、キャラがグッと立つ。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/qGfInxWsXi
やっぱねぇ…ここで友達三人が『楽しかったねー』で終わらず、ひなたの暴走の奥にあるものをちゃんと言葉にして、しっかり抱きしめる所が良いと思うわけよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
ひなたは自分の(時に暴走する)善良さを、褒められるのになれていない。それが当たり前だっていう認識が、彼女の照れの裏にはあると思う。
でも、誰かのために走り回って、自分のやりたいことを横に置いて夢中になれるのは、”当然”ではないのだ。当たり前に見えて、とても大事なものなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
それをのどかが見据えているのは、”命”という時に当たり前に思えてしまうものの意味を、病床で考えざるを得なかったからかも知れない。
いつ言えなくなるか判らない日々ならば、『好き』も『ありがとう』も、真っ直ぐ伝えよう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
死を思えばこそ、生の意味を知る。
”Carpe diem”、あるいは”Memento mori”という中世の知恵を、のどかはこの歳で体得してる感じすらあるな…。
いや、大事なことよホント…なかなか実行できないけど。
という感じの、ひなたちゃん奮戦記でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
ほとばしる思いを上手く制御できない少女の、それでも瑞々しく輝く善意。それを見落とさず、生まれた奇跡に感謝を伝えられる仲間たち。
大上段から振りかぶるのではなく、青春の1ページからスッと差し込まれる、美しい人間の理想。
それを作品がしっかり見据え、称揚していくスタンスが力強いエピソードです。こういう真っ向勝負を、明るく楽しく描けるのは強いよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
ひなたが取っ組み合っている”らしさ”の描き方も、紋切り型の情のないものではなく、あるべき理想とままならぬ現実の間にしっかり体温を宿した、優れたものでした
主役の一人に、ままならない生き辛さを背負わせ、それを柔らかく描き続けるのはかなり難しい筆致だと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
でもそれを責任を持ってやりきれる靭やかさを、今回のエピソードからは感じました。
そういう”らしさ”をもった私たちがそこにいるなら、プリキュアは”それ”を描かなきゃいけないのだ。
そういう重く大事なものを背負いつつ、爽やかで明るい青春絵巻として非常にヴィヴィッドだったことが、とても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日
生きた物語の中で、在るべき理想を追う。なかなか難しいことに挑み、また成功している作品だなと感じました。
次回も楽しみです。