BanG Dream! 3rd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
『アンタだけいてもしょうがない』
RASリーダー、チュチュの言葉がパレオに突き刺さる。
バラバラになっていくバンド、離れていく心を繋ぐために、六花が走る、マスキングが吠える。
そしてレイヤが踏み込んだ一歩とは!
一体、どうなってしまうのか!!
そら鳰原さんのところまでチュチュ様がたどり着いて、心が通い合いイイ感じのBGMで魂の抱擁カマしてHappy End…に決まっとろーが!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
そんな感じの、ガチンコバンドリ塾である。”ガチンコ”もう二十年前ってマジ!?
おっさんの述懐はさておき、RASの崩壊と再生が色んな角度で積み上がるエピソードだ。
三期のRASは六花加入の迷いと突破、加入後のハイクオリティ攻勢で一旦上げ調子にして、チュチュの勝負主義とメンバーのズレ、空回りと擦過傷で下げ調子に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
そして前回大爆発と、負の人間関係ドミノを倒していった。
今回は一回ドミノを倒したからこそ生まれた更地に、正のドミノを作る準備になる。
あるいは、一個ずつドミノタイルを立てる行為自体が、誰かの思いに支えられ、決意を込めて踏み込むポジティブな行動である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
それを積み重ねることで、RASは『チュチュだけの最強のバンド』から『メンバー全員のバンド、世界で唯一の居場所』になっていく。
そのためには過ちも、過ちに見えるものの中にある真実や正しさも、しっかり照らす必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
衝突や逃避やすれ違いといった、ネガティブな行動もまた、より善くなっていくための必然として描かれているので、自分はそこまで辛くなかった。
…嘘辛い。早く超仲良くなって欲しいよ~。
この”仲良く”というのも、バンドごと人間ごとに色んな現れがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
ポピパのように明るく楽しく、友達の延長線上でバンドやる方向性もあるし、Roseliaのように音楽一直線の歩みを友情で支える道もある。
そしてRASのように、実力者だからこそ音でぶつかり支え合うスタイルもある。
どれも正解で、間違いなんてものはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
そして完成し安定したように見えるものも、生きている以上揺らぐ。それは一期のおたえを見ていれば判ることだ。
その一個ずつを飲み込み、乗り越えることで見えるもの、手に入るものがある。それは別の時間、別の相手との試練に悩む仲間に、手渡すことが出来る
RASという今ものがたりの渦中にあるバンドと、ポピパという既にある程度の物語を終えたバンド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
その垣根を超えて交流されるものが、バンド内部でしか…あるいはバンドを同じくしていても繋がれないものへ、踏み出す大事なきっかけになる。
今回は、そういう描写が非常に多い。Continuesを感じる。
さてお話は、怒りの大脱出をカマすマスキングから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
遠く離れていく背中に、『どうなってまうんや…』とつぶやく六花。気持ちは視聴者も同じである。
自分が作った物語的状況で、視聴者が起こすだろう反応。これをキャラに覆い焼きして。物語に引き込むレトリックが鮮明だ
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六花一人では、バラバラになったRASは繋ぎ止めれない。RASだけでは、RASの問題は解決できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
同時にバンドの問題は、最終的にはバンドが解決するしか無い。
Roselia…というか友希那さんの一見クールな対応は、作品世界のルールを最初に示している。
優しい優しいあこちゃんが心を痛めても、他人は話を聞き、見守るくらいしか出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
でもその思いやりがなければ、状況は決定的に悪化していく。
RoseliaがRASを、湊友希那がチュチュを、個人的に救い得ないことは、第7話で明示されている。それは”バンド”の問題なのだ。
しかし踏み込まないことを選んだ友希那さんが冷たいとか、そういう話ではない。まぁメガトン級の口下手ではあるんだけどさ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
特定のスタイルを選び取り、それに惹かれ合った唯一の仲間。混ざり合い、影響し合うことはあっても、決定的な部分を譲れないからこそ生まれた繋がり。
友希那は”Roselia”であることに強い意志とビジョンを持っているし、だからこそチュチュの誘いを蹴った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
私だけの音楽が欲しい。演奏しないからこそ、最高のメンバーで世界と闘いたい。
チュチュの願いは、湊友希那が叶えるものではない。
”RASの湊友希那”あるいは”Roseliaのチュチュ”はありえない。
そういう壁があるからこそ、バンドのプライドとアイデンティティは保たれる。その分別には、強い意味がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
友希那はそう考えて、あえて踏み込まない選択を選んだんだと思う。
バンスト一章ならまだしも、今の湊友希那は世界の広さ、バンド以外の価値を認めた上で、一意専心を選んでるからねぇ…。
さて、Roseliaは問題解決のテーブルから降りる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
チュチュ様は”チュチュ”というキャラクターを維持する猫耳ヘッドフォンを外し、六花は道を探して迷う。
ここでトスを上げるのが、ポピパの”星”たるボーカル・戸山香澄である。散々泣いて迷ったからこそ、見える未来。
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一個上の友達として、バンド活動の先輩として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
香澄はミッシェルあんパンと一緒に、自分の経験を手渡していく。
ぶつかっても、涙しても、”バンド”が大好きなら絶対大丈夫。ポピパも、辛いこと苦しいこといっぱいあって、六花の好きな『楽しいポピパさん』なのだ。
自分の夢だけ見て全力疾走してたパンクスが、こうして誰かの暗闇に星を掲げ、導きとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
物語の蓄積が感慨深い。そういう存在に、香澄もなっちまったんだよなぁ…。
六花は香澄の前向きな視線を受け取ることで、瞳を開けて”RASのギター”たる自分を思い出す。
それは”自分がギターであるRAS”がどういうバンドなのか、思い出す行為でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
圧倒的な技量と熱意を持った”個”が、お互いの本気で鎬を削る。ハンパな相手じゃ潰れちまう音も、アイツラが相手なら…。
遠慮なし、容赦なし。それが気持ちいいから、三期第三話のサブタイは『帰らん!』なのだ。
物分りよく黙ってるんじゃなくて、思いをぶつけ届ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
駆け出していく六花の勇姿を、香澄は眩しそうに見つける。
そこにたっぷりの愛情と、少しの寂しさが滲んでいるのが良い。いつも走っていた時代は、身の丈と心が立派になるにつれ、だんだん遠くなるのだ。
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六花はマスキングの私的領域…『ごきげんよう』で呼び合う超お嬢様学校へ迷わず突入する。後輩ちゃん達がちんちくりんで可愛いねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
どう考えても色恋沙汰のヤバ発言を、口を封じて一笑い。ラブコメの空気を上手く使って、重さを抜く運びがありがたい。
今のRASじゃ、絶対に掴めない夢の舞台。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
武道館を前に、制服の二人はお互いを語り合う。
熱い思いが攻撃性として発露してしまうマスキングを、六花は落ち着かせ、方向づけていく。序盤で引っ張られる側だった六花が、今度は引っ張る逆転は見てて気持ちがいい。
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縁石に腰を下ろした距離感が、六花の止められない思い出ジリっ、ジリっと詰まって炸裂する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
日常の微笑ましい一コマ、二人が”バンド”になっていく過程として活用されていた『お嬢のまかない』を、思いを届ける武器として使い直す。
やっぱこういう、細かい表現の圧縮率がこのアニメ高いわな。
バンド存亡の危機に、熱いラーメンがどうのこうの急に言い出すズレ方。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
それが”朝日六花”なのだとずっと積み重ねてきたから、ここの歩み寄りに嘘がないと感じられる。
本気になるほどなんかボケて、飾らぬ方言剥き出しになっていく女。それがRASのギターだ。
立ち止まらず、駆け抜けていく。『疾走こそがマスキングの生き様』と伝えるように、六花が差し出したヘルメットをマスキングは受け取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
バイクっていうフェティッシュを、マスキングの描写は非常に爽やかに、パワフルに生かしていると思う。速いだけでなく、『二人で乗れる』のが大事よね。
そして香澄→六花→マスキングと繋がった思いのリレーと並走して、もう一つのラインが繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
ガラス越しの視線を、たえちゃんの私的領域に向けつつも、そこに踏み込まない(踏み込めない)レイヤの過剰な成熟(つまりは未熟)
その足踏みへ、おたえは強く踏み込む。
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ここでおたえがレイヤの起爆剤になるのは、二期を回収する展開で非常に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
”RASのHANAZONO”にはなれなかったけど。
私は結局、ポピパのギターだけど。
友達だから、助けになりたい。助けてくれたから、答えたい。
そういう素朴な善良さを、花園たえは持っている。優しい子だよ…。
レイヤの悩みを受け取った時、ぽけーっと空を見上げたおたえの心にあったのは、やっぱり”ポピパのボーカル”だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
香澄と出会い、何が生まれたのか。何をしてくれたのか。
燦然と輝く星に導かれてきたのは、六花だけではないわけだ。
苦しいことも溢れる涙も、全てに意味があった。
そう思える場所へ、必ずあなたも、あなたのバンドもたどり着ける。だって、私達は星の向こうへ、一緒にたどり着けたから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
そういうエールが、トンチキなおたえ語と星のキャンディには詰まっている。レイヤも、その真意を受け取る。一瞬掴みかね、ぽけけーってするのが可愛い。
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かくして踏み込んだ先で、問題は(まだ)解決しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
自動扉前のやり取りは、RASメンそれぞれの性格と資質が見えて興味深い。
マスキングはとにかく真っ向勝負、レイヤは環境を生かして回り込む知恵がある。
チュチュが自閉しようとしても、外部のコンシェルジュは扉を開ける権限を持つ。
ここでレイヤが、鎧塚さんという裏口を見つけなければ、チュチュ様は飢えていた。パレオ抜きでは生命維持すら危うくなる、脆い生物なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
…つうか、主人と従者ごっこを続ける中で、人間の一番大事なものを鳰原れおなにあずけちまってる、ってことなんだよなぁ…ズブズブのズブじゃん!(知ってた)
他人の頭を押さえつけて、自分のスタイルで押し通る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
チュチュのスタイルが暴走して、色々ややこしいことになっとるわけだが。
そうやってひた走った道は、運命のバンドメンバーにも、その他色んな人にも繋がってしまっている。門は完全に閉ざされていない。
しかしチュチュ様は、自分を守る壁を高く設定しすぎて、周囲も自分もよく見えなくなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
一回目のアタックで、その壁を崩すことは未だ出来ない。パレオのいないステージは、形だけ成立する。
黒髪の”鳰原れおな”は、遠く鴨川で己のいないバンドを見据える。
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どうにもクリティカルな場所に届ききれない、私達のバンド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
マスキングは不器用な情熱を叩きつけ、チュチュは壁の向こうに閉じこもる。そのどん詰まりを見据えて、レイヤの視線が鋭さを増す。
おたえのあめちゃんが、踏み込む勇気の特効薬だと判る演出が良い。
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ボーカルは星。おたえの謎掛けを、このときレイヤは考えていたんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
自分は戸山香澄のように、情熱で皆を導くスタイルは出来ない。湊友希那のように、圧倒的なヴィジョンでバンドを作り上げもしない。
ボーカルであっても、リーダーではない。センターでもない特殊な立ち位置。
そこに甘んじていたから、私達のバンドは崩れかけている。マスキングの不器用さも、ロックの及び腰も、チュチュの壁を乗り越えられないなら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
私が変わるしかない。
そのためのロケット燃料を、たえちゃんは託してくれた。
レイも絶対、誰かの星になれるよ。
そういうエールを。
それが鴨川まで突き抜けるロケットになるまでには、チュチュの壁の向こう側を描く必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
ようやく見えた、渇望の根源は挫折の痛み。
形だけを与えられる愛情をぶち抜いて、自分を認めさせる意志が、RASを求めた。
んもー! 完全にネグレクトじゃん最悪なんだがっ!!
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バックボーンが判ることで、チュチュの音楽的審美眼の鋭さ、求める水準の高さにも納得がいった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
最もシビアな場所で掌が傷だらけになるほど努力してきた経験は、学生レベルの自己満足を許さない。
やるのなら、世界を貫くほどの音楽を。それに答えてくれる仲間を、本気で探し求めていた。
形だけしか見てくれない両親への、反抗心と愛着。音楽以外の道で闘うことも、本物の愛を諦めることもチュチュには出来なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
今までの迷走に得心が行くと同時に、非常に辛い描写だった。
そら、勝ちたいと思うわな。勝って自分を、”チュチュのバンド”を認めさせたい。
クラシックに打ち込んだ”玉出ちゆ”が勝てなかった過去を、猫耳ヘッドフォンと”チュチュ”というキャラクターで乗り越えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
他のバンドが基本、制服を衣装に着替えることで自己を探す道なのに対し、RASはキャラクターを背負うことで現実の被膜を突破していく。
バンドネームが軒並み『覆うもの』なのも、真綿のような愛で窒息死しかかってる現状を、仲間に刻んだものなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
突破しきれていない自分を認めた上で、それを超えていく。そのために、特別な名前と装いが必要だった。
”チュチュ”は、闘いのための名前だったのだ。
そうすることでしか戦えない玉出ちゆの小さな身の丈と、立ち竦まずネコ科の猛獣になろうとした背伸びが痛ましく、愛おしくて辛かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
いまチュチュは、ヘッドフォンをつけていない。己の求めた愛を掴めず、勝つことも出来なかった過去に戻りかけ、シェルターに閉じこもっている。
そこに踏み込むことでしか、私達のバンドは進めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
星のエールを受け取って、レイヤが鏡の前に立つ。
ここでプロデューサーとしてのチュチュの仕事に、ちゃんと敬愛を見せてくれたことが本当に嬉しかった。
鏡の壁はチュチュとの距離を遮るだけでなく、自分を反射もするのだ。
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過去形のように語る。『終わりにする』という言葉に、強く反応する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
チュチュはRASを終わりにしたくはない。でも、そうするために鏡の壁の外側に出ていく勇気が、自分では生み出せない。
なら、物分りの良い”大人”の顔を投げ捨てて、想いを言葉にする新しい自分を掴む。
ここも他のバンドとは転倒している所で、少女たちがバンド活動を通じて世界を知り、己を知って”大人”になっていくのに対して、レイヤは過剰な成熟を振り千切って、感情の赴くままぶつかる強さ…”子供っぽさ”を獲得していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
成熟と未熟は簡単に分割できるものでなく、時に境界を超え混ざり合うのだ。
状況を冷静に、穏やかに受け止めていけるレイヤの資質は、例えばおたえの悩みを前にしたときのように、彼女の美質だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
でもそれは鎖にもなって、自分を縛っていた。
誰かに求められるまま輝くのではなく、時には己の望みを強く輝かせ、誰かを導く身勝手な星になることも、ボーカルの強さだ。
レイヤはおたえがあめちゃんに込めたエール(それはおたえが、香澄からかつて受け取ったものでもある)を燃料に、壁を明けて等身大のチュチュを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
ビジネスに長けたプロデューサーでも、強気なバンドリーダーでもない、13歳の一人の少女。
その手のひらを掴み、手繰り寄せる
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ここで強引に扉を開けるのではなく、チュチュが扉を開けるまで待ってくれる所が、レイヤの成熟…その善き側面だなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
自分は自分、他人は他人。そういう世界の真理を、同年代の子達よりひと足早く、プロの世界で学んできているのだ。
でも今必要なのは、そこから半歩踏み込むこと。
パレオを傷つけたチュチュのエゴに怒りつつ、”私達のバンド”を取り戻すために、マスキングと六花を追う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
先行する情熱に解決を任すのではなく、全員で未来を掴む。
それが、和奏レイの求める未来だ。恐らくチュチュが心の何処かで求め、たどり着けなかった未来でもあろう。
自分をぐいっと引っ張ってくれる掌から伝わるのは、形だけの愛ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
本気で実力を認め、情け容赦なくブツカリあえる間柄だからこそ、過ちを正し一緒に走る。
チュチュがそういう関係を求めていたからこそ、RASのサウンド、バンドのスタイルもバチバチだったのだろう。音に戻ってきた感じがある。
同時に親にされたようにしか他人に接せられない、子供の限界点と切なさ、危うさが滲んでもいて、やっぱり俺はチュチュを嫌いになれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
それしか知らないから、勝負にこだわった。手に取れる結果で、己を証明したかった。
でも、そのままじゃない。誰かと触れ合い混ざり合うことで、変化は生まれる
レイヤの踏み込みは、その証明でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日
”たえちゃん”は今でも、とても大事だ。でも今は、自分のバンドのために、繋いだ小さな手のひらのために。
ここでレイヤの根本にあったおたえをブッちぎるのも、それを見ておたえが満足そうなのも、最高に風通し良いんだよな…。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/XMcTJ9uNW4
特別な誰かを選んだから、絆が消えるわけじゃない。思い出も、胸から溢れる温かいものも、嘘になるわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
レイヤはチュチュを選び、おたえはポピパを選んだ。
結果だけ見れば断絶にも見えるものが、その実非常に強い繋がりと、それに支えられた輝く未来を照らしている。とても豊かな書き方だ。
一方、青春の方向音痴どもは富士山を睨んでいた。目的地、千葉なのに…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
しかし夕日は強く輝き、RASの未来を照らしている。
壁は開き、差し出された手をボーカルは強く掴んだ。
これからやってくる夜に、星は必ず光り輝く。
チュチュパレ大勝利の未来が、来週全てを焼け野原に変える!
そういう確信の矢を、明日へと解き放つエピソードでした。いやー…丁寧に地固めするねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
おたえとレイヤの関係性に一つの決着を付けつつ、成熟を飛び越えて未熟に燃え盛る話運びが、非常に良かったです。
ムッツリ顔で黙って言うこと聞いてれば、”大人”になれるわけじゃないのさ。
愛情と豊かさで飾った、首を締め付ける愛。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
チュチュの過去はほんとキツくて、同時に納得もいって、かなり情緒をグチャグチャにされた。
自分にも他人にも、”出来る”の水準が高いのはクラシック由来、と。音が出た、曲が弾けたで満足できる青春バンド物語は、最初から遠いわけね。
そこで『普通の女の子』になれない才気が、ある意味チュチュの不幸であり、大きな壁だったわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
レイヤが鏡に己を写し、強く踏み込み手を握ったことで、13歳の少女もようやく大切なものを裸眼で見れた感じもある。
チュチュ様…アンタはパレオにズブズブのズブなんだよッ!!
百人中百人が『知ってた』と言うだろう結論に向けて、RASは鴨川まで突っ走る。受け取ったエールを、青春のロケットに積み込んで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
その熱量は、黒髪の少女に届くのか。パレオのいないRASなどありえないと、壁をぶち抜き”バンド”になれるのか。
極音速まで加速した物語の、決着は近い。次回も楽しみ
追記 『人は断絶に包囲されているが、そこから学び、また繋がることは出来る。より善くなっていくことが出来る』という信念を、あらゆるストーリーの中で何度も何度も言い続けているのは、ガルパのとても良い所。
バンドリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
レイヤは”大人”の仮面を投げ捨て、チュチュの領域にズケズケ踏み込む無遠慮で状況を突破していく。
でも同時に、人がどうあるべきか、想いをどう伝えるべきかチュチュに的確に教え、彼女の手を取って導いてもいる。
”大人”でなくなることで、”大人”の責務を最善に果たす。
そうすることで、13歳の少女でしか無いチュチュが自分では抱えきれない弱さに、ぶっとい芯棒を入れて支えてやることも出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
『ガキがヘロヘロに腹空かしてるなら、温もりで満たしてやるのが年上の責務だろーが!』っていう、責任論の最上の形にもちゃんと答えててとても良い。
んで、レイヤは『年上だからチュチュに教えなきゃ』みてぇなスケベは考えてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
むしろ対等の仲間、自分が守られる立場だったからこそ、生まれてしまった歪みを思いっきり爆破して、突破力に変えていこうとする。
ここも”年齢”ってパラメーターで仲間を見ねぇ、レイヤの美質が出てて良い。
でも御簾の奥で弱ってるお姫様ちゃんを、発破かけつつちゃんと守んなきゃ、傷つかない場所へと引っ張り上げなきゃって博愛もあんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
正しさと優しさ、強さと勝手さのバランスがススっと取れてしまう所が、レイヤのキャラクターだなぁ、と思う。
事象の視力が鋭く、物分りが異常に良い。
追記 過ち傷つけることも、選択を伴う人の尊厳であるのならば、狭小な『正しさ』の暴力ですべて誤りと切り捨てず、むしろ実際にある”それ”の上に新たにより善い、連続性のある自己と関係を作っていって欲しいと僕は創作(の延長線上にある現実)に常に望んでいるし、多分このアニメはそれに答えてくれる。
バンドリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
まぁチュチュの話なんスけど。
庇護され全てを肯定される存在を”子供”とするのなら、母親の残酷な全行程はチュチュをそこに閉じ込め窒息させていく。
しかし彼女の才覚は、飛び級とプロデューサーとしての社会参加を一足飛びに可能にする、鮮烈で過剰なものだ。
実年齢(と身長)を飛び越えた”大人扱い”を可能(あるいは必要)とするチュチュを、一番身近な人が”子供”に閉じ込める。一番認めて欲しい人に一番認めて欲しい手段で正統に判断されない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
このジレンマがRASを結成させ、自分がなれなかった(と考えてる)本物のプレイヤーを集めさせたのなら。
RASメンバーは母の愛で砕かれてしまった『こうなりたいチュチュ』の可能性であり、それを集めて束ねる行動はチュチュ決死の自我再構築だったのだろう、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
それを評価する基準が『客観的な数』でしかないのも、主観的な愛で全肯定されすぎた反発が裏にあったのだろうし。
やっぱ別ジャンルではなく”音楽”に踏ん張りどころを定めたのは、母へのコンプレックスがどんだけ太いか見せつけられてる感じで辛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
世界的演奏家の音をずっと聞いてきて、チュチュの世界は相当音楽に染まっている。そういう生得的狭さと同時に、憎悪と裏腹の期待と愛情がその選択には滲む。
好きだから、音楽で認めさせたかった。嫌いだから、音楽で勝ちたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
相反する嵐の只中で、『私の音楽』と思える他人を見つけ、手をつかめたのは幸運であり、必死なことだったのだろう。
レイヤもマスキングも、13歳の決死はしっかり届き、受け止めている。
ただプレイヤーを超えた個人として、ステージで相手を見る体験は(その豊かな技量故に)彼女らと遠くて、それが今回の衝突を生んでもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
ここら辺、個人と個人の繋がりからプレイヤーになっていった他バンドと真逆で、やっぱりRASはここまでの”バンドリ”のカウンターなのだな、と思う。
メンバーを集め、曲を作り、舞台を整える仕事は、届かなかった自己実現を母の檻から出て果たす個人的な闘いであり、同時に自分ではない他者に自分にはないかがやきを求めた、救済の懇願でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
そうやって、自分をフロントから遠ざけたチュチュの孤闘を、レイヤがちゃんと肯定したのは嬉しい
その上で、たった一人クローゼットに閉じこもっていては突破できなかった、全肯定だけではなく否定からの新生も含めた関係性へ、レイヤも一緒に踏み出していくのは、より善いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
母の呪いで製造された今までのチュチュは、形だけ好物を用意し、支配的にメンバーを縛るやり方から飛び出せなかった
しかしそういう高圧的な態度の反対側で、何処かへ突破し真実の自分を暴いていく道を望んだからこそ、彼女のバンドは”翠簾を上げる”という名前を持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
他のメンバーもまた、それぞれの御簾を抱えている。チュチュの音と渇望が、確かにそれを跳ね上げたからこそ、皆バンドになったのだ。
RASの引力はチュチュから始まっている。彼女が極を作り、コンセプトを整え、メンバーを集めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
それは他人を道具にするように見えて、メンバーやファンはそれぞれの意志で、”何か”を突破できる可能性を見つけて、ついていくことに決めたのだ。
変革の兆しは、チュチュのあがきの中に既にあった
そのことを、この騒動で相当傷ついてる13歳にメンバーはちゃんと伝えてあげてほしいし、伝えてくれるだろうと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
チュチュの全てが、間違っていたわけではけしてない。もし誤りがあるのなら、それは私達で治していける。
檻を飛び出して、変わっていける。世界を変えられる。
そういう確信を、RASのリーダーに与えて話が収まってほしいな、と思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日
こういう展開になる布石はあらゆる所に置かれているので、まぁ心配はしてねぇのだが。
”勝ち”つう結果自体はもう九分九厘確定してて、あとはどう描くか。そこが全部だし、まぁ大丈夫でしょう。