BanG Dream! 3rd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
大ガールズバンド時代の覇者を決める、運命の武道館決戦を目前に、少女たちは朗らかに日々を過ごしていた。
闘志を燃やしつつも、音が生まれる瞬間、それを共にする仲間を慈しみ、強敵を敬する。
それぞれのバンドが目指すのは、夢を撃ち抜く瞬間。
その日は、近い
そんな感じの、大団円に向けての地固めであり、ドラマとして一つの答えを刻む回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
一応アニメ一期から見せてもらった視聴者として、作品が己のアイデンティティを静かに、靭やかに刻む瞬間に同行できて、ありがたい限りである。
香澄から始まった物語は、広がって”みんな”の物語になった。
”音楽”が主題のこの物語、主役は当然楽器を弾き、曲を作る。インスピレーションとモチベーションが”歌”になるまでの過程を、カメラは今回丁寧に追う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
それと同時に、楽器を握らないまま音楽に寄り添うことを選んだ明日香の在り方を、非常に丁寧に追いかけてくれたことが、僕にはありがたい。
バンドリが好きになった瞬間は、(他の人も多分同じだと思うけど)沢山あって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
その中の一つに、アニメ一期で声が出なくなった香澄に、一番身近な存在として明日香が静かに寄り添い、その返礼として香澄が口づけを返すシーンがある。
非常にチャーミングなやり取りで、生き生きとして好きな場面だ。
そうやって作品を好きにならせてくれたキャラクターが、どう扱われるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
世界を支配する巨大なルールとしての”音楽”に後押しされて、(例えばMorfonicaのように)彼女もまたステージを目指すのか。
それとも、別の答えを寿ぐのか。そこは、強く気になっていたポイントだ。
あっちゃんはバンドをやらない。楽器を握らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
それもまた正解であることは、例えばメインバンドの一つであるハロハピの”何でもあり”っぷりを見ていれば判ることなのだけども。
鍵盤ではなく筆記具のほうのキーボードを叩いて、音楽の魅力を広く伝えていくあっちゃんの選択は、そこともまた違う。
あっちゃんは(香澄と違って)頭がいい子なので、その資質を活かす形で”音楽ライター”になる道は、適正でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
”みんな”が必ず、同じ形に収まる必要はない。楽器を握らない”音楽”も、世界にはある。
安易に”バンド”一色に染めず、多様性と可能性を見据えた決断を明日香にさせたこと。
それは作品に生きる一個人のプライドを守るだけでなく、より広範なキャパシティを作品に許す描写であったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
次回武道館でのライブが終わった後も、物語は続く。円環のように繰り返しながら、同時に過去と同じではない景色。
それは時間という軸だけでなく、人間という軸にも広がっている。
いろんな奴らがいて、そいつらが繋がって”バンド”になって、それぞれの音楽がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
隣り合い、混ざり合い、なお自分であり続ける人の不可思議は、沢山の笑顔と少しの涙を交えながら、螺旋のように進んでいく。
そういう、バンドリが幾度も描いてきた景色の新しい一枚を、今回見れた。ありがたい。
武道館決戦とRAS大嵐、2つの大ネタが前回落ち着いたので、今回はややゆったりとした進行だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
その分、”バンド”がステージに向かうまでの足取り、そこで生まれるものは丁寧に切り取られたと思う。
次回大暴れするだろう新曲への期待感をバチ上げて、クライマックスを爆発させる下準備にもなるし。
『RASのことじゃよ…色々メチャクチャにかき回しちまったから、たっぷり食べてくれよ…』と言わんばかりに、公式から大量供給される平和で、優しく、安心な描写。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
勝敗にだけ拘る檻からチュチュが解き放たれたことで、『ポピパが好きな朝日六花』も大暴れだ。
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3バンド15人が一堂に会する描写を、このアニメは結構慎重に避けてきて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
それはここでのカタルシスを、より強くするための意識的な”タメ”だったんだろうなぁと、みんな仲良しな多幸感に押し流されながら思った。
可愛いと幸せの圧力で、一気に寄り切る基本的な”パワー”、やっぱ強いよなこのアニメ…。
今回は微笑みの描写が多くて、それがピリピリした季節を乗り越えた実感に繋がっているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
RASが先週まで暴れ狂ってた場所は、Roseliaがバンスト第一章でガチンコぶつかり稽古した場所でもあり。
それを超えたからこそ、”いいライブ”を目指す友希那の笑みも出る。
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友希那が音楽に賭けるものの重さを、一番身近で知るからこそ、ネイルを引っ剥がしピックを握った女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
リサがここで満面の笑みなのは、親友として”Roseliaのベース”として、己を頼りにしてくれるからだろう。
そんな想いを、素直に自分に、他人に託してくれるようになった親友が嬉しいのだ。ええ子や…
もう一つ印象的なのが携帯情報機器の使い方で、明日香が愛するものの良さを世界に発信する武器となり、笑顔を記録する記憶媒介となり、思いをつなげるコミュニケーション・メディアともなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
胸にこみ上げた想いを刻むのも、デジタルなディスプレイだ。
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自身がアプリゲーに基盤を置くからか、バンドリは生活に密接した先端情報技術に結構な目配せをしていて、書き口も温かい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
思いを刻み、伝える媒介もまた時の流れとともに変遷していくが、大事なのはメディアそれ自体ではなく、内側に流れるもの。より善く伝わるなら、新しいものバンバン使おう。
ここら辺の意識が小物の描写に生きていて、シャープで新鮮な描写になっているのは、シーズン通じての強みだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
二期で有咲がメモ取るときも、携帯だったしなぁ…そこら辺の描写をアップデートしてかないと、色々古臭くて若い人に刺さらない仕上がりになんだろうな。https://t.co/JdJAwvWDuJ
有咲がおずおずと提案したフレーズに、おたえがギターで賛意を表明するのは二期11話の”Returns”を踏まえた描写で、少し泣いてしまった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
音に音で応える。フレーズが繋がっていく。
そういう関係性をやり取りしながら、ここまで来たのだ。様々なリフレインが、人生に満ちるhttps://t.co/hgb6cKMYkA
Roseliaの方も”約束”に引き続き、『友希那が曲を作る』という”Roseliaらしさ”を変化させる形で、新曲”39(仮)”を形にしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
ここら辺は第7話”音に残しておきたくて”からのリフレインで、音だけでなく曲という形であの時の感情を刻むことを、紗夜とRoseliaは選んだのだ。
それが”謝意”であるところに、くっそ面倒くさい人格と歩みを抱えた氷川紗夜という人の歩みを感じるし、物語が始まったときより広がった視野、より率直になった人格が滲む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
『ありがとう』と思える誰かを見据え、想いを言葉にする。それは簡単なようで、なかなか難しい。勇気も優しさも賢さもいるのだ
紗夜とRoseliaがたどり着いた、思いの頂き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
武道館でそれがどう炸裂するかは非常に楽しみだ。
こうやって丁寧に、クライマックスが飛翔する足場を整える手際と圧縮率は、バンドリアニメ本当に強いね…。適切な手順を飛ばさず踏んで、想起した盛り上がりをスムーズに食わせる工夫が適切。
そういう”積む”演出の一つに、『メシを食わないチュチュ様』もあるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
今回遂に、チュチュ様がみんなと同じ釜の飯を食いました~~♡☠♡!!
RASとだけ共有していたプライベートスペースを、他人に開け放つという”住”の描写でもあるわな、ここは。
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ワイワイ騒ぎつつ、マッさんがまーたドヤ顔で浅いこと積んだり、何故かポピパRAS合同体力テストが発生したり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
二大健康劣等生が、ヒーヒー言いながら走る姿が異常に可愛くて、三回くらい巻き戻して見た。
つーか中学二年生で高校生を追い抜くパレオも、中二と同レベルの蔵弁慶もヤベーな…。
楽器を持たない音楽者として、インタビューに赴く明日香。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
その背中を、姉が優しく見守っているのが良い。
思えば二期第一話は、あっちゃんの高校入学…それを心から祝福する香澄から始まった。
一応の幕が下りようとしてるこのタイミングで、もう一度その柔らかな視線が描かれる
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香澄がポンコツ情動娘であり、周囲を顧みないパンクスであり、妹を愛し愛される”姉”であるという多面性が、僕は結構好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
バンドリの女の子たちはみんな、そういう奥行きと立体感がある子たちなのだが、香澄のキャラ性を描く上で、『あっちゃんのお姉ちゃん』であることはかなり重要だと思っている
ポピパの明るい中心、物語を駆動させた主人公、才溢れる詩人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
いろんな”戸山香澄”が描かれる今回、妹が選び取った花道を後ろから静かに見守る姿も見れたのは、そんな彼女(達)が好きな自分としてはありがたかった。
あっちゃんに優しいから、香澄をただのパンクスと思わなくて良かった部分あるのよ…
今回は演奏シーンを次回に回し、凄くジワッと奥行きのある描写が重なる回だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
アーパーな元気娘としての顔がよく目立つので、見落としがちな”詩人”としての戸山香澄。その”言葉”に人生を変えられ、かなり本気の信頼を寄せている市ヶ谷有咲も、静かに刻まれていく。
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そこに重ねる形で、姉の誕生日をとびきり可愛くカレンダーに刻んでいる牛込りみの漢泣きも描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
牛込くんも、ふわふわぽややんな印象の奥に妙に硬い”芯”みたいのがあって、それが作曲に向き合う時ガッと全面に出てくるのが好きなのだが。
この涙、それが”歌”に繋がる流れには確かな”芯”があった。
生まれでた新しい曲は、香澄の発想力で”みんな”の曲へと広がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
それが”夢を撃ち抜く瞬間に!”という名前を持つことを、僕らは知っている。既に何回も、EDで聞いて感動しとるからなッ!
二期の”キズナミュージック”といい、劇中でのOP/EDの使い方がウマすぎる。
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あこちゃんの語彙力をスルッとサポートするりんりんとか、一回背中向けたくせに”湊友希那”出てくると乗り気なチュチュ様(保護者二名同伴)とか、みんな可愛くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
余計な一曲を前に、むしろ微笑む友希那の成長も、また眩しい。バンスト一章段階だったら、マジキレ散らかしてたからなおそらく…。
やっぱ”微笑み”は今回すごく大事なキー演出で、チュチュの挑戦を真顔で受け流す友希那も、RASの変化を見守るお妙も、みんな静かに笑っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
そういう幸福にたどり着くまで、まー色んな事があった。鴨川を疾走したり、中学生にマジギレしたり…。
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微笑みに満ちた今回は、そういう荒波をくぐり抜けたキャラクター、それに付き合った視聴者へのある種の”ご褒美”でもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
そこに必要な可愛げと多幸感の表出が、マージで上手くて的確だから参っちまうんだよなぁ…。
シンプルに、一瞬一瞬が可愛い。それが”強い”のだ。
ここから繋がる香澄と友希那の対話は、ここまでの”バンドリ”を総括する凄く大事なシーンだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
そこに『記し、伝える』ことで音楽と繋がることを選んだ明日香が、端っことはいえちゃんと存在していることが、僕には嬉しい。正しいことだとも思う。
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音楽は楽しい。みんなといると嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
香澄が炸裂させた胸のドキドキは、バンドリという物語の視点であり、そこから全てが始まった。
しかしそこにあるのは、香澄のコピーでは当然ない。
キャラクターそれぞれの個性、バンドそれぞれの色彩に合わせて、紡がれた沢山の物語。
それは様々な輝きと意味を持った、一個一個の星だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
お互いの引力に引き寄せられて形を変え、また新しい星座を紡いだ結果が、この対話と言える。
そしてやっぱり、香澄がいなければ始まらなかったのだ。
宇宙を生み出したビッグバンのように、戸山香澄の胸から溢れた音楽が、全てを作ったのだ。
そういう”起点”としての戸山香澄のあり方を、色んな意味で香澄と正反対な友希那が認め、問い、答えに微笑むシーンは、一足早い大団円として非常にシャープで、豊かだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
RoseliaはPoppin'Partyのようには弾かないし、戸山香澄は湊友希那ではない。
それでも通じ合い、生まれるものがあるから、二人はそこにいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
そしてその共鳴は、楽器を持たない戸山明日香が隣で聞いても、全く問題はないのだ。アーティストだけの聖域として、閉じられたものではないのだ。
その広範さと多様性が、やっぱりバンドリの強さなのだと思う。
自分たちが何を作ってきて、何に優れてきたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
それを認識しないと良い”まとめ”は出来ないし、良い”まとめ”がないと『はー…いいアニメだった』という満足感もない。
自作に対する批評眼が、製作中健在なのがバンドリの良いところだと思うのね。常時自己スキャンして、物語に反映してる印象。
すべての始まり…”イニシャル”な存在として、物語を始動させた主役。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
彼女は全ての中心に立ち、明日香はその輝きを前に微笑む。あっちゃんは本当にお姉ちゃん好きねぇ…。
ここで一回”みんな”に視野を広げた後、姉妹二人だけのクローズアップに”寄せる”所が凄いよね…。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/MFigLRGmVY
香澄が中心になって広がった、少女たちのビッグバン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
その一番最初、輝けるキラキラドキドキがどこにあったかといえばと、妹と一緒に見上げた美しい夜空だ。
そういう個人的な、非常に密接し凝集したものが、音楽に乗って広がり、色んなものを生み出した。
そして歌は終わりを超えて、まだまだ続く。
次回の最終回も、まだまだ永遠の途中で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
見上げた夜空、舞い散る雪の先にある、熱く輝く舞台も終わりではなく、ずっとずっと広がって、もっともっと親しく温かいものへとたどり着く旅路の、ほんの一シーンなのでしょう。
でも、だからこそ、それは特別に美しい。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/fjzWs1dzZT
そういうものが、武道館でぶつかる3バンドの勇姿から見れると思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
そういう期待感でパンパンになるのに十分な、いい最終回前でした。
『最終跳躍前の”助走”はよぉ…こうやるんだ!』と言わんばかりの、素晴らしいリフレインと豊穣。適切な批評眼と、それをアニメーとさせる技量。
『あー…俺、このアニメ好きで良かったな…』と、つくづく思わされる、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月16日
あっちゃんが何処にたどり着いて、何処へ向かっていくのか。かなりの時間を使ってちゃんと答えてくれたのも最高でした。ほんまええ子やで…。
次回、最終回。
素晴らしいものになるでしょう。楽しみです