かぐや様は告らせたい?〜天才たちの恋愛頭脳戦〜を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
今日も今日とて、秀知院学園生徒会は平和であった。
買い物行ったり、誕生日プレゼント渡すか渡さないかで悶たり、久々に恋愛頭脳戦してみたり。
その裏側で、四宮かぐやは”わたしたち”と語らう。
彼女を縛る”家”の枷は、なかなかに重い。
そんな感じの、アーパー高校生のハッピーライフ第二話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
『今週も皆可愛く、幸せそうでとても良かった…』とだけ書いておきゃ、それ以上はいらない気もするアニメだけども。
結構毎回手を変え品を変え、ガハハと楽しめるよう組み上げてもくれているので感想書く。
今週はかぐや様にフォーカスを寄せた話で、まぁお可愛い十割、シリアス二割くらいのてんこ盛りであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
基本ノンキにやってんだけども、かぐや周辺の重たさだけは結構シビア&ディープで、それが良い感じに安定感を出す”重し”になってる気もする。
久々に恋愛頭脳戦もやったしね。
なんで頭脳戦出来なくなってきてるかって、無駄な考えを巡らしたりもしたが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
最初は『頭脳派気取りのバカが、どーでもいいことで引っ掛け合う』つう構図が面白かったんだけども、キャラを彫り込むうちに、『嘘とか引っ掛けとかあんまやらねぇなコイツラ…善良で素直だな…』となったからではないか。
そしてその素直さ可愛さが、作品の大きな魅力となった関係上、駆け引きシーンよりポヤポヤモヤモヤしてるシーンが多めになったのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
そんな事考えたけども、久々に氷の頭脳戦を展開されると『お、良い感じに強がってるな…こういう部分も可愛いな…』と、完全にアバタもエクボだった。
キャラクターを好きになり、彼らの生活が展開される作品世界を好きになってしまうと、基本どんな描写も魅力を強めるものになってしまうわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
そういう前のめりの腕力が、作品全体を駆動させ、同時に時折意外な表情も見せ、安心と驚きを供給もしてくれる。
作品として、なかなか良い状態なのだと思う
みんなで服を買いに行く、明るく楽しい学園生活。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
その奥にギラリとどす黒いものが見え隠れするのも、このお話の魅力で。
藤原妹が、姉にも劣らぬなかなかの天然畜生で笑ってしまった。小澤さんの声、クレイジーガール映えるなぁ…。
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サイコサスペンス調の強い演出は出るものの、それはあくまで味付けであって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
ちょっと遠間から見直してみると、ちょいヤバな部分も含めて普通の少女たちが、恋のお悩みにモジモジ悶え、兄に怒り、その姿に思い人を見たりしているだけだ。
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当たり前の普通っぽさは親しみやすさを生み出し、しかし強くてキレのある表現力は、それを退屈にはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
矢継ぎ早のハイテンション、時折溢れる人格の泥。畜生共はほのぼのやり取りの合間に邪悪を投げつけ、ニヤケ顔で挑発を叩き込む。
その過剰な表現力が、非常に良いスパイスになってる。
コロコロ表情が変わる面白さ、テンポの良さも堪能できるしね。全体的にペース早めテンション高めで、立ち止まらず場面が流れるリズムが元気だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
これ作るのは画面のクオリティとかタイミングの取り方とか、色々大変だと思うけどサラッとやってて。
その計算された自然さも、アニメとしての強さだろう。
そしてホッコリと、みんな仲良しで終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
圭ちゃんがクール顔の裏で、むっちゃかぐや様狙ってるのが良いんだよな…。あと藤原妹の冷たい視線な…。
忙しく感情の起伏を追いかけ、明暗を行き来しつつも、最後は良い所で必ず収めるのは素晴らしい。
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…んだけども、第2エピはちょっと不穏な話でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
まぁ基本はアホバカ小娘がモジモジする、いつものかぐや様なんだけども。
脳内法定に分裂した”わたしたち”が、ちょっと洒落にならない影を伸ばしてるかなー、と思ったりする。
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四宮という家名を背負い、『かくあるべし』という圧力を内面化してきた氷の女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
好きになる男も家に決められ、冷徹に計算高く生き延びる。
そういう氷のかぐやを、会長との出会いは変えた。すっかり恋に恋する、脳髄ピンク色娘である。素晴らしい。
しかしそれは、氷の仮面に閉じ込めた素直でバカな自分がリバイバルした結果でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
心の柔らかな部分がまだ死にきってなくて、子供な自分が何処かにいる。会長を好きになったのは、そういう自分を開放してくれるから、ってのもあると思う。
氷とアホは対立しつつ、根っこの部分では同じだ。
なぜなら、”家”という檻を内面化した自分も、そこから解き放たれやりたいことをする自分も、全て”わたしたち”だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
ここで氷の女王を乗り越えるべき過ちと描かず、”家”の圧力と責任感も四宮かぐやの一部だと見せたのは、良いことだと思う。どういう形であれ、それは彼女を形作る一部だ。
愛に爆走し、幼い純情を炸裂させることも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
氷の女王に戻り、計算高く他人を利用することも。
どっちにも転べないジレンマを、裁判長である子供のかぐやは放り投げる。選ぶべきなのは、四宮かぐや自身なのだ。
この運びは、己を縛るトリレンマに、賢いかぐやが自覚的であることも示す。
たとえ困難があっても、必ず選ばなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
家の事情を切り離した、生徒会というモラトリアムが魅力的だからこそ、脳内法定に取り残されるかぐやの現状認識は影が濃く、印象に残る。
心の何処かで、彼女は幸福な日々をある種のご褒美…いつか奪われる夢と思ってる感じがある。切ない。
そういう切なさに、一番身近で接しているからこそ、ハーサカは可愛い妹分の健気な努力を抱きしめ、頭を撫でてやるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
すっかりアホになったが、押し殺していた”己”を貫く恋の闘いから、今のかぐやは逃げていない。
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それは優秀な早坂が支えることは出来ても、変わってあげることは出来ない闘争だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
出来ることなら、勝って欲しい。家名の重さに潰されず、”四宮かぐや”でい続けて欲しい。
友人として近侍として、かぐやの闘いを見守る優しさも見えて、とても良かった。
非常に幸福な思い出となった、17歳の誕生日。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
かぐや様は複雑怪奇な”わたしたち”として、そして会長に恋するたった一人の”わたし”として、小さな一歩を踏み出す。
ちょっと素直になって、ケーキ渡しただけだ。大した決断じゃない。
そういうシニカルは、適切で過剰なロマンティックで押し流される。
かぐや様が『勝とう』と頭脳戦を仕掛けるのも、『四宮の女として、かくあるべし』という圧力が背景にあるのだろう。それが、少女を分割し苦しめもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
多様な自分を抱え込んだまま、どうするべきか悩み、それでも決断し行動していく。
なんだかんだ、正統ジュブナイルな物語でもあるのだ。
そして、アホどものスリリングな頭脳バトルでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
久々の恋愛頭脳戦は、なかなかピリッとした味わいで良かった。
恋すればこそ負けたくない、言うよりも言わせたい。
バカな矜持と笑わば笑え。素直になれない人の業が。また愛おしい。
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お互いの攻め手を逆手に取って、グイグイ追い詰め追い詰め返すせめぎあいも面白かったし、無邪気に利用されまくる藤原書記も可愛かった。ドアップ泣き顔に込められた、一瞬の”気合”ね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
画面の作りがアバンギャルドなのが、良いスパイスなんだな
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会長が恋に惚気けるだけじゃなくて、石上くんのプレゼントもしっかり喜んでる所も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
歯に衣着せぬ事も言うけど、それも仲良ければこそ。
やっぱ生徒会が敬愛で繋がっていて、お互い大事にし合ってるところが凄く良い。
仲良しだよなぁコイツラ…今後もますます仲良くなってほしい。
そんなホッコリ気分で楽しく見れる、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
全体的にバカ達が仲良く楽しく、賑やかに生きている様子を楽しめてありがたいわけだが。
その合間に、かぐやが抱え込む重責を見せたり、それを支える早坂の献身を書いたり、ただの幸福一本調子にはしない。
けっこう色んな事をやってる作品で、アニメとしての演出も色んな手を尽くし、単調さを意識して排除している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
この工夫をテンションの高さ、テンポの良さできっちり包んで、コメディとしてほんわか日常ものとして素直に消化できるようスキ無くパッケージされているのが、やっぱ強いと感じた。
その自然さはキャラの強さと、それを活かす魅せ方のあわせ技だと思う。よく仕上がったコメディだよなぁ…感心する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月20日
次回はどんな工夫が見れるか。そしてその土台の上で、キャラクターがどう可愛く踊るか。
毎回色んな角度で楽しませてくれて、ありがたい限りですね。