かくしごと を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
世にはばかる仕事と自らを虐げてみても、ひょっこり頭をもたげる画業のプライド。
バレたくないけど、後にも引けない。
可久士父さんの奇妙な日曜は、奇妙なスケッチ&デートで過ぎていく。
幸福な日々を箱に詰め、かくしごとは続く。
そんな感じの、父子のハッピーライフコメディ第四話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
仕込んだ複数エンジンが良い感じに起動して、お話とキャラが色んな場所で回り始めた感じ。
ヤバめの漫画家あるあるだったり、ナディラさんとの楽しい日常だったり、可久士の勘違いハーレムだったり、色んな角度から話がブーストされてる印象。
そして土台を支える姫ちゃんとの日常は、相変わらず太くて強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
未来編の透明な切なさと合わせて、色んな方向に暴れる物語をしっかり捕まえて、統一したトーンを生み出してくれる。
霊界の母と交信するような、年に一度のお楽しみ。
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それは時間的断絶に巻き込まれ、鎌倉で薄汚れてしまっている。しかし姫が”18歳の箱”に伸ばす手には、畏れを上回る愛おしさが宿っているように思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
その感情が、何処から来たのか。
現代編は、丁寧に丁寧に答えを積み重ねていく。おバカなズレも楽しみつつ、愛おしく積み重なる日々。
姫ちゃんは一般的なセンスからちょっとズレてるところが可愛くて、そしてそのズレが可久士の心配性で加速して、どんどん大事になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
普通の子供は姓名判断の本読まないと思うが、同時に突拍子もないトンチキをぶっ込んでくるのも”子供”か。
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姫ちゃんとナディラさんが生み出す、父のいない日常。そこは異国情緒漂うオフビートな世界で、独特の面白さがある。ズレたテンポが噛み合ってて、この二人良いよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
巻き込まれた十丸院くんは、すっかりヤバになったけども。
編集部が警戒レベル上げるってことは、改名洗脳は”あるある”なのだろう。
マガジン編集部にカメラが伸びたり、漫画家としての可久士のプライドに触ったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
今回は隠すべき画業がどんな中身してるのか、掘り下げる話だったとも思う。
恥ずべき仕事と自虐しつつ、可久士は漫画に一生懸命で、プライドも高い。唐突に舞い込んだスケッチは、そこをくすぐる。
普通のサラリーマンという仮面を、被りきれない天性の芸事師。書けないと思われるのも癪だが、書けるとバレるのもイヤだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
小市民なジレンマが可久士を揺さぶり、面白みを生む。そしてそのもがきは、いろんな方面に波及していく。
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『カラー、貰ってねぇなぁ…』と、しみじみ慨嘆し絵筆を握る背中に漂う、落ち着いちゃった漫画家の哀愁。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
その苦味をスパイスに、可久士の複雑な恋模様は一方通行でガンガン加速していく。
…未来編の荒廃は、ここら辺の地雷処理をミスった結果なんじゃないかなぁ…。ホント、姫と漫画以外の視力が悪い
しかし女達が可久士に惹かれるのも、何となく分かるのが上手いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
コミカルな勘違いというブースターを差っ引いても、突っつきたくなる隙と可愛げ、不器用さと生真面目が上手く滲んでるからね、可久士父さん。
可愛い男だよ、時々サイコだけど…時々?
先生と交わした、すれ違いの思いやり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
知られちゃいけない遠隔デートは、クラスメイトの目からは頭の壊れた悲劇に見える。
こんな感じで、勘違いが数珠つなぎになってカオスを生む描写も、久米田先生上手いよね。たまに制御不能になるけど。
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奇妙なすれ違いを多分に含みつつ、姫と可久士の動物園は朗らかに進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
トータルで見れば良い日曜日なんだけども、随所にズレたヘンテコが埋まってて、それも込みでなんか良い感じに見える。
そういうパッケージングの巧さ、まとまりの良さが作品の特長かな、と思う。何よりもまず、父子の話なのだ。
最後のオチも、『トラを見てる私達を見てるトラ』という発想力を家族の団らん、作画をごまかすベテランの知恵に続け、『私達を見てる母』へと膨らませていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
とてもキレイな流れだ。
洞窟の中のトラのように、引き出しの奥に仕舞い込んだ美しい思い出。
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それを表立って話すことはなくても、既に去ったものは優しく生者を見守り、その視線に生者も気づいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
この構図はそのまま未来に伸びて、鎌倉に一人取り残された姫と、不在の可久士へと貫通していく。
見えなくても、そこにいる。隠されていても、そこにある。
そういうものを、どう掴むか。
ジリジリと、麻美子声のお母さんの存在感が強まりつつ、穏やかな日々は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
箱の中に箱を入れる”かくしごと”が、作品を支える基本的な構造だとしたら。
箱の中の真実を一個ずつ知っていく”かくしごとの終わり”が、作品を推進していく…のだとは思う。
暴露による作品の加速を、どういう塩梅で進めていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
それと並行して進む穏やかな日々に、どんな面白さを刻むか。増えてきたキャラ、話しが転がる舞台をどう活かすか。
そういう、発展性の面白さも煮出されてきた感じです。
手堅く面白い上に、嬉しい発見が毎回ある。
強いアニメだ。次回も楽しみ。