A3! SEASON SPRING & SUMMERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
不和、衝突、怯懦…様々な波乱を乗り越え、たどり着いた夏組旗揚げ公演”Water me!”初日。
舞台へのトラウマに震えるリーダーを、”役者”に成長した仲間が支える。一度きりだからこその歓喜が、水のように心に染み渡る。
さぁ、初めて知る充実の、その先へ。
そんな感じの夏組集大成ッ! アドリブ祭りだよ全員集合ッ!! な最終回である。いや、10月から秋組やんだけどさ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
春組公演の第六話と同じく、波乱は事前に終わらせておいて、ある意味人間卒業試験みたいな、余裕と充実を見せるエピソードとなった。
役者としてコメディを演じる彼等の、背後に広がるリアル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
形になっていない出だし含め、そういうものを共有してきたからこそ、胸に湧き上がる感慨も大きい。
板の上で舞台が踊る奇跡が、どのように生まれたのか。それを知らないからこそ、生まれる喜びと価値も含めて。
六話という(恐らく)短い話数にギュッと濃縮された、カンパニー形成までのドラマを締めくくるのに相応しい、良い公演であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
天馬のクエストが”ライブとしての演劇”にあるので、台本にないアドリブを多めにして、自在に変化する面白さを強調していく運びが良かった。
というわけで、散々だったゲネプロをいずみちゃんの人間力、カンパニーの団結力で乗り越え挑む初日。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
物語が始まった時のギスギスが嘘のように、お互いを尊敬し高め合う、いい仲間が目の前にはいる。
ここに至るまで、まぁ色々あったなぁ…。
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感謝と弱さを素直に態度で示し、自分を過剰に鎧わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
天馬はリーダーになることで、そういう強さを手に入れたのだと思う。
その人間的な成長が融和を促進し、団員のレベルアップに繋がり、夏組全体がよりデカく、強くなれた。
カリスマが引っ張るスタイルは、春組とは大きく違う。
そういう集団としての差異、溢れる個性を日常でも、芝居でも活かしながら話を転がしていけたのは、人数が多い物語を生き生き回す、大事なエンジンだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
天馬には天馬のリーダーシップがあり、しかしそれは、既に自分の物語を成功させた咲也との交流、生まれる敬意あってこそなのだ。
三角が『一番大事』と差し出した三角定規を、同じように大事なものとして扱っている敬意と優しさが、僕には眩しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
世の中は『そんなのくだらねぇ」と受け取ってくれないものが、誰かにとっては宝かもしれない。だから、跳ね除けず受け止めてあげることは、本当に大事だ。
かくして始まった公演は、緊張を孕みつつも脂が乗って熱い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
かつて『コメディの空気、舞台の間合いじゃない』と指摘された演技は、弾むような面白さをまとって活きが良い。
ここら辺の芝居の変化を、伝わるように演出できてるのは強いわな。
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役柄を演じる中で、通じる心。汗水たらし衝突しながら芝居を一緒に作ってきたからこそ、言葉にしなくても判るもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
最後の最後で、そういう濃厚なコミュニケーションを見せてきたことが、なかなかグッと胸に迫る。あの凸凹不器用軍団が、こういう思いを繋げるほどに…。
そのやり取り一つに、どんな思い出が反射しているのか。彼等が何を共有して、心を重ねているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
それが思い出せる程度には、このアニメはしっかり彼等の時間を切り取ってきた。
鮮烈に感情を刻み込み、変化する関係性を活写してきた。
それが出来れば、物語は面白くなるのだ。
そういう積み重ねの結果を描きつつ、新たな変化、新たな事件を刻むのも、また面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
緊張に飲まれてトンだ天馬を、椋が見事に演じきる。クールなシンドバッドが、プライベートの彼と全然違うところが、鍛えた逞しさを感じさせていい。
王子様、なれたじゃないの。
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実力におごり、俺様と思い上がっていた天馬が素直に、共演者をリスペクトする。一人ひとりに礼を言い、謝罪もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
そういうシーンが多いのも、最後をまとめる大事なピースであろう。金銀財宝よりももっと大事なものを、我らがリーダーはカンパニーに飛び込むことで、手に入れたのだ。
”Water me!”は億万長者を夢見ていたアリババが、最後の願いをシェヘラザードのため、自分の恋のために使うオチで終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
有名俳優としての名声よりも、自分を前にすすめる”何か”を求めて扉を叩いた天馬。仲間たちも、芝居に何かを感じて集まった。
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話としては”青い鳥”めいた『本当に欲しいものはお家にあった』という、行きて帰りし物語だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
そんないい喜劇を演じる役者たちが、”役”を外して…あるいは”役”に挑めばこそ手に入れられた宝も、たぶん最初から彼等の中にあった。
でも、集い出会い挑まなければ、その価値はわからない。
そこに行けば何かが手に入るという、強い希望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
それを呼び覚ましてくれる力が、春組の公演にはあった。
だから集まった夏組の公演も、新たな誰かに届いて、新たな物語を動かしていくのだろう。
この連鎖は、春夏秋冬各組が連なりながら進んでいく物語形態特有の面白さだと思う。
仲間に支えられつつ初日を終えた天馬に、もう”眼”は突き刺さらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
一回きりの”Live”に完璧を求め震えていた心は、最高を達成して塗り替えられる。
あの春組千秋楽で感じた、何かが変わる予感。それは叶ったのだ。やっぱ天馬の人格的成長が、夏組の軸だったなぁ…。
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最初が最悪なのは大事で、マイナスが大きいほどプラスになった時の伸びしろは大きく見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
しかし最悪なだけでなく、どこかに真摯さとチャーミングがないと、成長のドラマを見守ろうとは思えない。
天馬は鋭い観察眼、良い舞台を求める熱意が最初からあって、そこが足場になって見られた。
いい資質をもっていても、それを発揮する場、何が良いのか見つける視座がないと、それは活きない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
ここら辺は三角とかにも通じる書き方で、”いい役者”に貪欲ないづみちゃんはとにかく、カンパニーの面々が開花するように、水を与える。
その上で出過ぎない。肩を並べ表舞台に立つ道は、役者のものだ。
前回あれだけクリティカルな言葉を送ったいづみちゃんが、『監督の仕事はここまで』とばかり、ずっと黙っている所にプライドを感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
それは黒子としての自分の誇りだけでなく、表に立つ役者を一本立ちさせ、背筋を伸ばして舞台の楽しさを教えていく喜びでもある。
こうしてActにAddictしていく連中が、新しい可能性も広げていく。なるほどなー…この紫髪のトッポいボーヤが、秋組ってことだな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
スポットライトは砂漠の太陽のように、千秋楽の舞台を焼く。役者になった自分の姿を、傷を含んだ過去に見せられるかも、最後の試練だ。
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ここで私服の春組がやってきて、後輩に陣中見舞いをするのは良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
既に物語を一度終えたものから、今正に物語を終えようとするものへ。”五人”をワンユニットにしてくり返される、季節ごと個別のドラマ。それは別れつつ、大事なもので繋がっている。
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それがMANKAIシアターという”場”であり、演劇という”表現”なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
演目も座組も、それぞれの個性も生み出されるドラマも違う。でも、人と人がぶつかり合って、剥き出しの自分を見つけて、より良い芝居を生み出すのは同じだ。
劇場という揺りかご、演劇という子守唄を共有する、不確定な子供たち。
それぞれカンパニーの形を見つけて、座長としての引っ張り方を捕まえて、まだまだショウは続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
でも、たどり着いたものに感謝と、過去の無礼に謝罪を。天馬はん…立派になりはって…。
天馬は夏組に入ることで、明け透けな言葉遣いを”率直”という美徳に変えたんやね…
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幼いところから才能に満ちて、だからこそ孤独だった天馬。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
彼が堂々『友達って言ってくれて、嬉しかった』と、自分を鎧うことなく思いを告げて、己の過ちを取り戻せる相手。
彼等を”役者”にしたのも、天馬の技量とリーダーシップであって。夏組の爽やかで平等な風が、舞台裏に満ちている。
それが後押しとなって、千秋楽はアドリブ多めの大暴れ、満座爆笑の良い芝居に仕上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
初日でアドリブに助けられた天馬が、幸の緊張をアドリブで解すところ…それを幸が巧く掴んで飛ぶところが、一座の成長を感じさせてよかった。鹿島さんも喜んでる!
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素直になれない小悪魔ボーイが、”役”を借りて座長に届けた『ありがとう』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
それは役者個人の思いであり、嘘が生み出した真、真が輝かす嘘の幸福な共犯なのだろう。
そういう、境界線をとろかしてしまう魔法を時折、ステージは放つ。異性装を旨とする幸がこの仕事をするのは、ちょっと面白い。
ステージの魔法は客席へしっかり届いて、過去を書き直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
新しく挑んだ場所で、新しい自分を見せる。幸と椋が果たした自己証明は、もっと高く跳ぶための足場になっていくだろう。
団員全員の自己実現が、ステージに集約されてるのは強いところ。
天馬も父母に己を証明し、微笑んで天の高さを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
彼がMANKAIカンパニーに飛び込んで、”Live”のトラウマを越えて行きたかったのも、父母に並び立てる自分になりたかった気持ちが、結構あるのだろう。
離れているようでいて、繋がっている。それを確認する千秋楽でもある。
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んでまぁ、文句なしのソールドアウトなわけだがどうだヤクザ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
ベラベラ今後の舞台と経営にアドバイスしてるコイツ、もう悪役として仕事してないっすね! ただの優しいチャンニーじゃねえか!!
はいコバヤシ、ただの演劇バカの優しいチャンニー好きです…。
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物語始まった時は舞台を成功させなければいけない外圧として、しっかり機能してた左京さんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
演劇とMANKAIカンパニーが好きで好きでしょうがねぇ魂が、春夏一緒に過ごすうちに滲んでしまっている。
だから、団員に誘うのは正着だと思う。もう少し、劇団の”外”やって欲しかった気持ちもあるが…
そこも引っくるめて、次は秋の物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
眉間にトーン張って、デッカク”!?”貼り付けてそうなヤンキー共が、バチバチ火花を散らす夜が一体、どんな風に”演劇”に繋がっていくのか。
新たな物語の予感を最後において、春と夏の物語は幕である。
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『…武内くんに沢城千春? ♪デーデッデーデレデレデデッデデーデー(ウォーオウォーオオオオー)♪じゃん!!』とかなったけども。コバヤシさんは”Caligula”って作品が大好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
ヤクザにヤンキー、秋組はラフな連中が肩を並べるカンパニーになってくのかなー…どんなドラマが転がるか楽しみだ。
とまぁ、それは先の話として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
A3! SEASON SPRING & SUMMER、無事閉幕であります。
うむ…面白かったよ!!
スケジュールは乱れに乱れ、作画にもヘニャりが見えたけども、六話の尺をどう使い、群像をどう描いていくかのヴィジョンは明瞭かつ鮮明で、とても良く届きました。
顔の良い男たちが寄り集まって、舞台を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
その過程で各々の人格が試されたり、意外な一面が見えたり、弱さが強さだと判ったり、色んなドラマがありました。
稽古場で荒れ狂うそういう風を、全て集めて舞台を加速させる。起承転結の盛り上げづくりが、精緻かつ誠実でした。
乙女ゲー特有の顔面満点人格零点人間が寄り集まって、役者になりカンパニーになっていく相互作用。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
そのダイナミズムが毎回楽しかったし、彼等がどんな世界にいるのか、どんな世界にたどり着けたのか”劇的”に魅せる勝負どころの演出も、非常に上手かったです。
顔の良さに甘えない、演出の骨の強さね。
六話という(恐らく)短めの尺しか各組に与えられなかったことが、逆にバラバラの個人がカンパニーになっていく様子、それぞれの個性が集団に反映されていく様子を、ギュッと濃縮して伝えられたのかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
夏組で咲也が見せた仕事ぶりも、成し遂げた成長と続いていく連鎖を感じさせ、とても良かった。
なによりも、主人公の骨が太かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
人生経験の豊富さ、敗北からすらも教訓を学ぶ人格を生かして、役者の弱い体幹を支え、鍛え、導く。
でも上からではなく、敗北を知っているからこそ同じ目線で、個人の顔を見て手を差し伸べる優しさもある。
彼女が物語をリードすることに、納得と信頼がある。
そういう主役が監督として、作品の大黒柱になってくれたのは素晴らしかったです。彼女に”舞台”へのリスペクトがあったことが、物語に気品を与えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
あんまりに人間力が高すぎるので、もういづみちゃんにしか”恋”出来ない連中が量産されてる感じだけども、恋愛ゲーでもあるのでこれで良いのだ!
キャラとしてはみんな好きだけど…至、天馬、三角、左京が特に好きかな~基本黄色系だなコバヤシくんッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
春の咲也が人格満点演劇零点なキャラで、夏の天馬が人格0店演劇満点っていうリーダーの対比は、凄く良かった。
お互いそればっかりじゃないってのが、進行に合わせて判っていく意外性含めて。
イケメンたちの人間ドラマに注力しつつも、”演じる”とはどういうことなのか、”成長”とはどういうことなのか、大きいものを俯瞰で見る視線がしっかりとあって、キャラの物語と絡み合って表現されていたのも、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
これは”演劇”をテーマに、私生活を描く物語だからこその強み。
虚実は背中合わせに見えて、その実お互いが影響し合い、どちらも本気でやらなければ輝かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
MAINAKカンパニーのみんなが走り抜けたドラマは、そのまま彼等を切り取るこのアニメにも言えることなんだと思います。
色々大変な状況で、それでも出来る限り最高の嘘を付く。
それは価値のあることです。
様々に困難な時勢ですが、10月にSEASON AUTUMN & WINTERを放送していただけるということで、非常に楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月23日
それまでは、この豊かな閉幕に立ち会えた幸福を噛み締めながら、楽しみに待ちたいと思います。
お疲れさまでした、ありがとうございました。
とても楽しかったです! それじゃ、また!