プリンセスコネクト!Re:Diveを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
街の平和を脅かす、魔獣の脅威を今日も払う。
”美食殿”の愉快な日々は、突如襲いかかった巨大な影に崩されていく。
笑顔を崩さず、誰かのために死地に赴く女と。
何も知らぬまま、運命の渦中に飛び込む男と。
かくして、時の車輪が回る。
そんな感じの最終回直前ッ! すんごい勢いで重たい運命がブン回るエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
まぁ日常の積み重ね、楽しく美しい日々の合間に、色々重たいもんが用意されてるとは見せてきたので、そこまで意外ではない。
…ないのだが、笑顔で過ごしてた連中の曇り顔は、やっぱり心に厳しいな…。
今回のお話が『急なシリアス』にならないのは、記憶を無くしたなりに色々頑張ってきたユウキと、明るさで陰りを覆ってみんなを守ってきたペコリーヌが、ここまでちゃんと積まれたからだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
この二人を尊敬できる人物として、ドタバタギャグに流されすぎず、笑いを冷やすでもないバランスで描く。
これは結構難しいことだと思うが、画面に何を写して何を見せるか、非常に考えて作られた”絵”の力を巧みに生かして、良いポイントを射抜いて進んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
その成果が、ペコリーヌとユウキが運命に対峙する今回、非常に生きたと思う。そのふれあいで救われ、その救済を受け止めきれないキャルちゃん含め
というわけで、出だしはペコリーヌの涙からスタートである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
名前も家族も居場所も奪われ、孤独を笑顔で塗りつぶして進んでいる少女は、自分の部屋だと泣きぬれて目覚める。考えてみれば当然のこの事実が、非常に辛い。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/oLJ2xlLSVh
彼女が言っていた『お腹ペコペコ』のもう一つの意味が判ると、第1話でユウキたちと出会い、皆の笑顔溢れる食卓に”帰って”これたことが、ペコリーヌにとってどれだけ暖かかったかがよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
それでも、他人の前に出るときは笑顔で武装し、明るく振る舞う。強い…とても強い女(ひと)だ…。
『キャルちゃんの孤独はペコ公が埋める…んじゃあペコリーヌの涙は誰が拭うんだよッ!!』って感じだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
腹ペコ能天気騎士が抱えた個人的な傷、重たい冷たさを最終決戦前にちゃんと確認して、彼女もまた一人間だと描いてからクライマックスに入るのは、キャラに対して誠実だなー、と思う。
ユウキくんの目玉焼きズルズル食いに思わず笑顔であるけども、ペコリーヌは楽しい食卓を守るために、冒険者として”公”の役割を果たそうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
これはクソ陛下が乗っ取った王宮が果たさない責務で、未だ王冠をかぶるペコリーヌの本分でもある。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/45hEMNX5Yw
ノブレス・オブリージュを血に刻み込まれた女は、白亜の王宮から追い出されたとしても、民を背負って剣を振るう”高貴”から逃げることが出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
持ち前の真剣な重みを仲間の重責としないために、日々笑顔で過ごしているのかもしれない。
ヤベェな…後二話だってのに、ペコ公ドンドン好きになるな…。
あまりの高難度ミッションに青ざめたドン引き顔を見せるキャルちゃんも、結局ペコ公に絆されて囮役を買って出る。ガキと赤ちゃんにやらせるわけに行かねーもんな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
力の入った罠設置描写が、ミッションにかけるペコリーヌの気合を感じさせ良い。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/8aRTbKOrcF
第9話で『ペコリーヌの力は、かなりの部分武装由来』と描いておいたことが、ここで活きてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
囮を担当するキャルちゃんを守るために、肩当てを渡す。ということは罠からの奇襲が外れて、一撃を貰えばペコリーヌの命が危うい、ということだ。
しかし、そんなことは微塵も感じさせない。
死地に門前して特に感慨なし。”士”が心に筋金を入れている少女は、無事モンスターをぶっ倒す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
美味しいご飯のため、街のみんなのため、力を貸してくれた掛け替えのない仲間を包容する時、心からの笑顔が浮かぶ。
やっぱペコ公は笑ってたほうが良いよなぁ…涙、良くねぇよ!
いつもの猫ツンデレ含めて、明るく楽しく正しい”美食殿”の日々。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
勝利を寿ぐように立ち上る虹の柱と、王宮から放たれた邪悪な仮面。明暗が同居する画面構成が、いつものほのぼの冒険譚の終わりを告げる。極めて鮮烈な対比だ。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/kmtCFP302K
書類仕事が出来るようになったユウキにも、書き間違えに”カタカナ”を混ぜたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
このあと荒れ狂う巨大な運命を、最後の日常描写にズブっと差し込んでいること…その合間に、ペコリーヌと”美食殿”が守るべきものをしっかり見せていることに、安心を覚える。
民に交じり、笑顔を守る。
それこそがペコリーヌが継承し、名前と一緒に奪われた『高貴なものの生き様』なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
陛下が鎮座ましますランドソル王宮が、そういう仕事をしてくれない描写はこれまでも、ひっそり積まれていたので。余計無冠のペコリーヌの奮闘が、尊く映るやな。
自称・姉と自称・妹が見守(ストーク)るクレープ屋に、第一話から行きあっていた縁なども確認しつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
つーかアメス様といい、この世界の超越者記憶を奪われたユウキにデカい感情懐きすぎだよなぁ…。
指で彼の”今”を切り取る仕草に、こもる”情”ね
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/CpwqIvqxFH
ここは終盤、ラビリスタが”美食殿”の窮地を救う展開の土台を作る所でもあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
美味しいものを食べて、みんな笑顔で。
そういう、この作品が大事にしてきたものを決戦前に、ダメ押しで確認しておくシーンでもある。
やっぱ楽しいほうが良いよなぁ、人生…。
こういうホワッとした幸福に、血のように赤い惨劇を対比してみせるのも、この作品の巧さである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
城壁に守られた日常に迫る、黒い破滅。それは遠くない未来、あるいは繰り返された過去に、ユウキの大事なものを奪っていく。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/fXd0OPRdLw
ユウキの記憶がなくなっている理由、巨大な時計が示す転輪の運命がどんなものかは、よく分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
しかしアメス様が、ユウキベイビーのことを常に思っていることは判る。何故思われているか、ユウキが思い出せないとしても。
…もしかすっとユウキくん、相当切ない系の主人公か?
こちとらユウキくんがバブちゃんなりに一歩ずつ、文字覚え剣振って頑張ってきたの見てきちまってるからよ…飯食って仲間のために頑張れる子だって知っちまってるからよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
アメス様が宿命を背負わせつつ、そういう”人間”ユウキを気にかけ、痛みを感じてくれる描写が胸に迫る。
冷たい部屋で目覚めた少年は、未来を変えるために自分に出来ることへ踏み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
先週キャルちゃんを取り巻いていた寒色のライティングが、運命に飲み込まれるペコリーヌやユウキ相手にも冴えているのは、演出の継続性を感じられて良い。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/mYMnMNj9gB
ユウキの真っ直ぐな視線を茶化さず、先輩剣士として真摯に受け止めるペコリーヌも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
主様の頑張りを、スタンプで毎日肯定して、思いを繋げてあげてたコッコロちゃんも。
そんなコロ助の優しさを、見落とさないキャルちゃんも。
みんな善良であったけえ連中で…幸せになってほしいよ。
ブンブン剣振って、モリモリ食って。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
『いつか必ず強くなれる』なんて優しさを、世界は持ち合わせてはくれないことを、このときの一行は知らない。
美しくも冷たい、”公”の機能を果たさない王宮の話を聞く時、ペコリーヌの笑顔はどこかへ消えている
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/eCSGYO324a
あとツンデレは、同族に餌やってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
あなたさ~~~、第2話で餌もらわねぇとかなんとか、悪ぶってましたけども~~~。
やっぱ心の奥底に”ペコキャル”が染み込んじまってるのと、元々そういう子なんだよなぁ…悪の組織今すぐソッコー辞めなッ!!
巨大シャドウが登場してからの大立ち回りは、この作品のスペクタクル力フル回転という感じで、非常にいい感じだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
影に隠れるキャルちゃんと、弱きを背負って立ち向かうペコリーヌ、陰陽の対比が冴えるシーンでもある。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/xrnutZKHm4
やっぱ異世界ファンタジーで大冒険するなら、デカいスケールのアクションも見たい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
そういう要求にちゃんと答えつつ、身近なコメディもやれば人間ドラマも描く贅沢さを、予算と工夫とセンスで加速させていく。
思い返してみても、リッチな作品だと思う。欲しいの全部盛りなんだよなぁ…。
体を張って愛する者の盾となり、剣の責務を果たす。ペコリーヌの無私の闘いは、キャルちゃんに痛みを与えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
ここで序盤の、肩当てを巡るやり取りが生きてくるのは巧いやね。体の傷より、痛いものがあることを知っているのだ。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/e829bt6d3s
ペコリーヌの高貴と、それを飲み込めきれないキャルちゃんの迷妄。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
彼女たちの過去が描かれない以上、それがどこから溢れているかは読みきれない。恐らく育ちが関係してるんだろうけども…ペコ公の生まれは、次回明らかになりそうだな。皇帝の簒奪と一緒に、この世界の成り立ちもか?
ペコリーヌだって涙も流せば、震えもする人間だということは、アバンでしっかり示されている。正義と善のための機械では、けしてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
彼女の行いは、継承された高貴さと、彼女自身の愛と勇気と…奪われたからこそ二度負けたくない決意の産物だ
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/cfT4JsHXNg
でもその正しさと優しさに、『付き合いきれない…』と漏らしてしまうキャルちゃんの弱さも判る。助けた親友にそう言われて、傷ついてしまうペコリーヌの気持ちも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
ハードなアクションブン回しつつ、こういうところの表現を一切抜かないところが、やっぱ凄いと思うのよね。むっちゃペコキャルやで。
ここで剣を持って脅威に立ちふさがるユウキの勇姿が、暗黒の未来…だけでなく、一緒に過ごした黄金の日々で崩れてしまうのも、非常に人間らしい表現だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
プリンセスナイトの力を、背負った巨大な運命を、ユウキはまだ制御しきれない。
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/c7aCuPeZp8
それを色々ネタばらしするのが、ラビリスタの仕事になるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
コッコロちゃんが迷い込んだ白亜の王宮で、ドレスを着込むペコリーヌの過去に、一体何があったのか。
さぁ運命の車輪が回り、巨大な物語が動き出す。…え、最終話!? 二期やらなきゃ”嘘”でしょーがコレッ!!
という感じの、クライマックス直前回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
重たい運命を背負うと匂わされてきた主役二人が、それぞれの闘いに対峙する前の日常。
そこでユウキの成長とペコリーヌの傷をちゃんと描いて、彼等の血潮と体温が暴れるだろう最終決戦へ道を作る、隙のない筆。つえー部分が、最後まで揺るがずつえーアニメ
ともすれば痛みも傷もない正義の装置と見えてしまいそうなペコリーヌが、涙と震えを抑え込みながら闘っている事実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
その善良をキャルちゃんが、どうしても受け止めきれない悲しみ。
そういう物を見せておくことで、次回待つであろう感情大爆発への仕掛けは上々って話よ…。
ユウキの失われた記憶とか、ペコリーヌの奪われた過去とか。(こうして考えると、”喪失”でW主人公は繋がってんのな)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
デカい話がどう転がるかも気になる最終回ですが、やはり”美食殿”の朗らかな日常に帰還し、みんな笑顔で美味しいご飯を食べれるかが、一番の眼目であります。
次回、非常に楽しみです
まぁ次回予告の段階で、蘖の美しい花がコッコロちゃんお手製スタンプを取り囲み、お品書きにも『皆の笑顔を添えて』と描かれているので、希望の未来へレディーゴー! は確定なんだけどな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月24日
詩情でぶん殴る物語打撃筋、やっぱつえーわこのアニメ
© アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会 pic.twitter.com/moDfCTBoMK