ノー・ガンズ・ライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
小さな事件から飛び出した、世界を揺るがすパンドラの箱。
拡張体の危険性を証明するデータを起爆剤に、反拡張者団体”スピッツベルゲン”が凶悪な牙を剥き出しにする。
攫われた鉄郎、兄の影を踏むメアリー。
くすぶる十三の意志(トリガー)は、一体誰に向けられるのか。
そんな感じの半年(+三ヶ月)ぶり! 分割二クールのハードボイルド・サイバーパンク第13話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
まぁモロに続きなので、話としても雰囲気としても大きく変わったところはなし。
相変わらず薄汚く極渋で、ジリジリとヒリつく暴力と抑圧、それに反抗する意志の混じり合った匂いが心地いい。
話としてはローサの小さな事件を解決したことで、拡張体という文化概念全体を揺るがす爆弾に火がついて、色んな連中が首を突っ込んできた、という流れ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
コルトにクソをなすりつけたスピッツベルゲンが本格的に向こうに回り、”解体者”ヴィクターとメアリの因縁も絡まりだした。ヒリヒリしてきたぜ…。
いろんな事件を経験した鉄郎が、自分の足で立ち始めたところで、ちょっと影が薄かったメアリの血縁が敵に回る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
十三にフォーカスしていた話がちょっと幅広い群像を切り取りだして、なかなか面白い構図になってきた。
正直”健気なヒロイン”以上の物語が欲しかったので、兄貴が敵なのは良いわな。
久方の再会となったけども、巨大な勢力が圧力かけまくる展開と、薄汚れた”街”の空気をたっぷり肺に吸い込むことで、話の流儀を上手く思い出せた感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
”街”全体ひっくるめて、フューチャーレトロなデザインがいい作品よね、やっぱ。この再生機とか最高。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/yQ2oPSrsvI
そっから飛び出したのは、べリューレンと行政の共犯を揺るがす災厄の種。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
まーメガアームド斎時定大先生の大暴れを見てると、拡張技術が安全安心とは言えねぇわなぁ…となると、十三もヤベーんだろうな。
体に埋め込んだ機械が、魂を侵食し人を人でなしに変える。
サイバーパンクの根本文法が、巨大企業による”公”の隠蔽、それに反発するネオ・ラッダイトと結びついて、大きくうねり始めた感じだ。うーむ、クラシック!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
外付けされた力を、どう制御するか。
”舵取り”を語源とするサイバネティクスと倫理が、奇妙に混じり合う空間にお話は踏み込みつつある。
鉄郎はハルモニアという力で他者を蹂躙して、自分の正義を為そうと焦る。それをメアリに体で止められて、借り物ではない生身でクリスを助けに行って捕まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
結果としては身の丈相応の失敗だけども、止まった鉄郎も止めたメアリも、その意味は多分大きい。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/jCRUGCDGRE
なんの力もない犠牲者として十三に助けられ、しかし助けられるばかりでは満足できず正義と力を求め、未だ迷いの只中。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
一期真ん中辺りから、鉄郎は正統派主人公としてなかなか美味しい歩き方で、見ているのが楽しい。
十三が一回物語を終えた(そして忘れた)キャラなので、白紙を歩くのは彼の仕事だね
スピッツベルゲンという異質な組織に捉えられ、触れ合うことで見えるものもまたあるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
それはコルトの時のようにシビアな通過儀礼になるだろうけど、鉄郎に世界の真実を教え、何かを成し遂げる決意を分厚くすると思う。
ここら辺、複数主人公の話が回ってきたな、という印象。非常にグッド。
んで、メアリも自分が主役の話を歩き始めたよ、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
白兎ならぬ不気味な手に導かれて、変わり果てた兄と対峙するメアリ。
ヴィクターはフランケンシュタイン博士であると同時に、彼が生み出した怪物のモチーフでもある…のかな? メアリはモロにシェリーだわな。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/b6wzeSHN7j
仁術としての拡張医療を教えてくれた兄が、今は反拡張者団体で”解体者”をやっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
明るく健気なメアリも、そら曇る案件である。
しかし言われるまま背中を向けて、真実を諦めるってわけにもいかない。
やっぱ物語に深く食い込ませるなら、敵が言うべきは『この件から手を引け』だよなぁ…。
過去でも現在でも、色んな人を食い殺してきた拡張者の真実。父を飲み込まれ、自身も権力の椅子を追われたオリビエは、正義の刃が腐敗を切り落とす希望を捨ててはいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
しかし十三も、抱え込んだ爆弾を誰かに預けてハイおしまい、とはいかない。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/7WJc6JB0cB
受話器を落とし、メアリの憂鬱にも背中を向ける十三の、点かないタバコ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
露骨いけ好かない公安の男が、真実を明け渡せと迫るけども、公権の圧力は壁を超えない。
鉄郎を奪われ、どこへ行くべきか。白紙の記憶と過剰な正義を抱え込んだ男は、静かに沸点へ近づいていく。
ミリミリと内圧を高めて、反逆への力をタメている十三を『点かないタバコ』で魅せる演出は良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
決意が固まるまでは、安易に動き出さない。しかし放たれれば、銃弾は何があろうと突き進む。
これまでも僕をワクワクさせてくれた、煤けたヒロイズムの気配
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/LdYrMr6l0z
十三は”侠”の人なので、自分が抱え込んだ爆弾に鉄郎とクリスが巻き込まれたのを、自分で許せないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
しかし公安やスピッツベルゲン、べリューレンといった巨大な勢力に膝を屈するのも気に食わない。
進むにしてもも引くにしてもも、闘争と傷を避け得ないジレンマ。それが、マッチを湿気させる。
ここでタメたパワーがどう爆発するかは楽しみだ。同時進行する鉄郎の歩みも、新しい景色を見せてくれそうだし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
スピッツベルゲンのアジトで、不敵に嗤う白髪の少年。
ヴィクターといい、新キャラがいい具合に話を盛り上げてくれる予感…ッ!
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/NN7ZFWW6mx
十三のように鬼の背中を見せられなくても、鉄郎は自分の足で立ち、背中に何かを背負えるようになってきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
久々の再開で、少年主人公が今まで積み重ねてきたもの、それが切り開くものをエピソードの中で確認できるのは、やっぱり良い。
俺が哲郎とこのアニメが好きだってこと、思い出せて良かった
つーわけで、デカい災厄の蓋が開く話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月10日
『十三、鉄郎、メアリ、三者三様の状況とモチベーションで話に入っていくよ』と上手く伝えてくれて、今後何が見られるか楽しみになった。”手”の正体が話の鍵…かなぁ?
相変わらずで、もっと楽しくなりそう。
とても良い再開でした。次回も楽しみ。