イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 20/08/10 TNM『彼方からの誘拐者(アブダクション・フロム・アウタースペース)』

今日はトーキョー・ナイトメア新サプリ、付属二本目のシナリオを遊びました。ステージ制導入!

シナリオタイトル:彼方からの誘拐者(アブダクション・フロム・アウタースペース) システム:トーキョー・ナイトメア RL:コバヤシ

シェンツさん:黒牟直人:32歳男性:フェイト◎カタナ●チャクラ 目の前の一切に動じない、乾いた狂気に生きる探偵。元々は法の番人だったが、法で守りきれないモノを取り戻すために一切を捨てた。クラヴマガの達人。
新米さん:”サイレンヘッド”鳴無鳴;22歳女性:イヌ◎マヤカシ●カリスマ サイキック適性があったばっかりに、警察機構のゴミ捨て場に島流しにされた新米警官。サイレンの幻聴で他者の精神を壊す異能を持つが、魂の根っこに猟犬を飼っている。
二次元さん:ナイレア:500歳女性:イヌ◎エトランゼ●カブトワリ 銀河のエリートコースをひた走る、異星の超選良警官。出世コースに乗っかってやってきた地球で、超文明人ゆえのヤダ味を痛感し、少し地球文明保護に前のめりに。
朝間忍さん:赤井秋長:31歳男性:イヌ◎カゲ●カタナ 東北で害獣駆除に勤しんでいた、平和な公務員。飼っていた相手が実はエトランゼだったのが運の尽きで、贖罪代わりに現地協力者に仕立て上げられた。柔和な雰囲気の奥に、静かなる修羅を宿す。

こんな感じのメンバーが、宇宙真実が秘められた”エイリアン・トーキョー”を揺るがす大事件に挑みました。いやー……面白かった!
TRPGはコミュニケーションのゲームであり、如何に『伝えるか』ってのが大事だと思うのですが、エイリアン真実を知っている側と知らない側が混じり合うこのステージでは、如何に『伝えないか』ということ、そして如何に『知るか』ということ……適切なディスコミュニケーションが重要になってきます。
己のスタイルを揺るがす驚愕の事実を前に、地球人はどう対応するのか。そんな真実を知り、圧倒的な文明アドバンテージがあるエトランゼは、その力をブン回す悪徳宇宙人をどう受け止めるのか。
PLがそれぞれの立場、それぞれのキャストを通じて、ステージに埋め込まれた物語の種、自分が存在する仮想現実にしっかりと向き合って、面白いロールを積み上げてくれたセッションとなりました。やっぱ目の前のシナリオに対し、真摯に真剣に向き合ってくれることが、楽しいゲーム体験を生み出す大事なファクターだなぁ。

トーキョー・ナイトメアは現実世界と地続きのダスクエイジを遊ぶゲームで、つまりオフィシャルからの世界観提示は『現実と同じなんで宜しく』で、サラッと流されがちな傾向がありました。仮想を共有して『わたし達の物語』を遊ぶゲームであるTRPG(つうか、僕らの環境)において、このフリーハンドな姿勢は、「どういうゲームを遊ぶのか』というイメージの共有を難しくして、中々厄介なものでした。
今回ステージ制度が導入され、『どういうゲームを遊ぶのか』というオフィシャルからの提示が鮮明になったことで、共通認識を作りやすくなり、ゲームの目鼻がクッキリしてきた感じがあります。
様々なマイナスナンバーが追加され、『裏社会のプロをやるゲーム』としては味が濃すぎる素材が増えてきたダスクエイジ。そのアクの強いネタを生かして、より面白いゲームを遊ぶにはどうしたら良いのか、ステージ制の導入でハッキリしたと思いました。
エトランゼは異質すぎてNOVAでも扱いにくいスタイルだったわけですが、世界観まるごと1スタイルに特化することで、それが活かせる舞台がしっかり足場を得た感じもあります。実際、『どう楽しむか』が共有されているので、そこまで迷いがなかった。

それを実働させるガイドラインになる付属シナリオが、ステージの面白さをぐっと引き出す良い仕上がりだったのは、とてもいいと思います。ステージの特色を生かしているだけでなく、悪役の悪辣さがかなりのモンで、PLのモチベがガガッと跳ねるのがいいシナリオだと思いました。マージでろくでもなく、そのろくでもなさに納得できるのが良い。
遊んでみると、TNMのステージ制は明瞭・簡便・高表現力のとても良いギミックで、色々使い倒したくなりました。既存ステージで遊んでみたくもなるし、ステージを自作してみたくもなる。全員共通スタイルで導入する系のシナリオは、格段にやりやすくなったんじゃないかなぁ……。ガンガンやりたいね。

というわけで、とても楽しいセッションでした。同卓していただいた方ありがとうございました。