ノー・ガンズ・ライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
理想論を、絵空事にはしない。
己の流血を厭うことなく踏み出した鉄郎の意志は、老人の妄執を超えていく。
だが、それは闘争の終わりを意味しない。影から躍り出るベリューレンの刺客たちが、渇望と暴力を踊る。
その灯火に引き寄せられ、また修羅が一人…。
そんな感じの闘争続行、ノー・ガンズ・ライフ第21話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
鉄郎が暴力と意志でウォシャウスキーを上回り、スピッツベルゲン話も一段落…かと思ったら、ゾロゾロベリューレンの長い手が伸びてきてバトルボーナス継続ッ! である。
いやー…安息は遠いねぇ…。
己の体を貫かれようとも、止まらぬ意志。鉄郎は拳で暴虐を殴り倒し、自分の進むべき道を切り開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
腕の中で褪めていく命を忘れず、理想のための犠牲を当然と見ない。コルトのエピソードと滲む血が、坊やの言葉に
重さを与えている。
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傷口を押さえながら前に進む鉄郎は、理想に燃えたウォシャウスキーがいつしか諦め、見落とし、停滞してしまった場所を乗り越えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
老人と少年のその距離差こそが、変化が腐敗だけではなく、是正や成長という形を取りうる希望なのだろう。
俺は、アンタみたいに腐らない。
そう宣言する”背中”を見せて、鉄郎は揺らぐ体を拡張体で抑え込んで前に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
そのメカニカルな軋みが、ウォシャウスキーが憎んだ拡張技術のあり方を思い直させる。
十三のデカい”背中”を見続けた少年が、今度は背中を見せる側に回るのは、ちとグッと来る積み重ねだ。
しかし変化の兆しは残酷に摘み取られ、ウォシャウスキーは死ぬ。鉄郎が人殺しにならないことで守ろうとした希望は、企業が振り回す冷たい暴力に閉ざされていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
鉄郎がどれだけ不屈でも、巨大なシステムはその尊厳を歯牙にもかけず、ハードコアな試練で叩き潰しに来るわけだ。
そんな現実をひと足お先、自分の足と意地で進んできた十三は、功刀さんの秘密に頬など染めつつ、変化する状況に翻弄される。スピッツベルゲンの武装、あんだけの質量を抑え込めるんだから優秀だなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
テロリズムは口に糊するためのビジネスと、修羅が嘯く。
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※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
×功刀さんの秘密 ○島津さんの秘密
あるべき拡張技術を取り戻そうと、ウォシャウスキーが始めたスピッツベルゲンは、弱いものの痛みを感じ取れない巨大組織…ベリューレンと同じ怪物になってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
その中枢に金の毒が回り、老人は首を落とされる。
全てはビジネス、理想が入り込む隙間はどこにもない。
さあ、第二ラウンド開始だ。
VSウォシャウスキーは歪んでしまった理想と向き合うことになるけど、べリューレンの殺し屋との闘いは理想のなさ、鏡合わせの虚無との対峙だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
ハンズであるペッパーの言いなりに、都合のいい暴力装置に成り果てているセブン。
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お互いの背骨を開け、怪物としての本領をむき出しに潰し合うGSU達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
十三はハンズに捨てられたからこそ、自分の生き方を自分で選び、銃弾の向かう先に責任を背負った。
セブンは会社とハンズ、両方に責任を預け、ただの武器である生き方を続けている。
鉄郎とウォシャウスキーが、理想の過去と未来を照らし合う合わせ鏡であったように、二体のGSUはそれぞれを鏡に、意志と責任の在り処を問う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
誰かに引き金を預ける銃頭が向こうにいるからこそ、十三がなぜただの武器でいないのか、色濃く描かれるのだ。
話の足場が、鉄郎から十三に移った感じはあるね
ウォシャウスキーの腐敗した理想を、ハルモニエ(という物理に伴う、誰かを操る責任)を制御した鉄郎が、血を流しながら乗り越えたように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
セブンとの闘いは、十三がどう生きてきて、どこに向かうかを証明する試金石だ。
それはシビアで、傷も沢山つく。この街では、そういう性能試験しかないのだ。
超人外達の限界バトルに背を向けて、あくまでビジネスに徹する功刀。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
そこに身を寄せる法の番人…かつての同門。
闇にギラリと輝く瞳には、同じ場所で”武”を収め道を違えた悪漢への、譲れぬ熱が燃えている。
クローネン…相変わらず秒で煮える男だ。
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十三がセブンを相手に、自分が手に入れたものと喪ったものを図っていくように、クローネンもまた功刀を相手取ることで、己を証明していくのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
激しいバトルがそういう、アイデンティティの活写に繋がっているのは良いことだ。そのために、同型・同門の闘いが続くわけよね。
というわけで、一難去ってまた一難、バトルは続くよどこまでも、という回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
ウォシャウスキーという自分のシャドウを、一足先に乗り越えた鉄郎は意識を手放し、十三とクローネンがそれぞれの影に向き合う構図。
対手も、スピッツベルゲンからべリューレンへと移り変わる。
それは主役だけでなく、歪みを焼き付けられた敵役の陰影も深く掘り下げていくのかなー、と思います。ヴィクターやウォシャウスキーが、メアリや鉄郎を掘り下げつつ、良い自己主張してたようにね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月3日
激化する闘争の中で、問われる存在証明。
クライマックスに何が見れるか、次回も楽しみ。