・感想の切っ掛け
ご感想とご推薦ありがとうございます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
そのように評価していただけると、本当にありがたく嬉しい限りです。
自分はポケモンを一切知らない門外漢ですが、製作がコロリドなんで見てみます。#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/sMlq1cLtC0 pic.twitter.com/ikFArJqOQk
・第一話「手紙」
というわけで、ご推薦のあったポケモンオリジナルアニメ「薄明の翼」の 第1話「手紙」を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
アドレスはこちら。https://t.co/JDLzQpKrO1
自分はポケモンコンテンツに一切アクセスできていない人間で、これがほぼ初接触である。門外漢の勘違いと頓珍漢、沢山あると思いますがご寛恕を。
お話はサラリとした短編群像劇といった風情で、主人公は入院生活に縛られている少年。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
彼を取り巻く「ポケモンのいる暮らし」の精度が高く、チャンプであるダンデさんに率直で熱烈な憧れを抱いている視線が、非常に眩しい。
入院生活を非日常ではなく、日常にするしかない少年の微かな鬱屈。
それをすべて受け止める立場にあるチャンプの、鮮烈な勝利から物語は始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
相変わらずコロリドは美術が抜群に良くて、ポケモンという異物がいるのに明らかに”生活”がある異世界を、情緒とセンスたっぷりに仕上げている。
異質なのに、確かにそこに”ある”感じがよく匂う。
この不思議な実在感が、病に倒れない杖としてポケモンリーグを、チャンプを、彼への憧れとして使っている少年…そう思われるだけの輝きがあるポケモンという存在を、短い時間で上手く際立たせていると感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
病院でコンパニオンアニマル(?)として、当たり前に存在するポケモンたち。
ふらついた少年を素早く支えてくれる大鴉のポケモンの描写と合わせて、人間の大事な部分を背負ってくれる、隣人としてのポケモンの顔が良く見える短編だと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
そんなポケモン文化の代表となる、ローズおじさん。
彼は柔らかな物腰と、弱者への責務をしっかり果たす立派なオトナとして描かれている
ダンデさんに憧れる少年は、病を乗り越えて立派なポケモンマスターに慣れるのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
なれる、と作品に漂う風、ローズおじさんの優しい態度は告げてくる。
第1話として、”子供”を主役にした子の話を持ってくるのは、コンテンツとして誠実だな、と思う。
ポケモンだいすきキッズにとって、多分”それ”は実在以上の質感を伴って”在る”し、ポケモンが好きだということ、ポケモンが自分を好きで支えてくれるという感覚が、彼らの柔らかい情緒に及ぼす影響も大きいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
このWebアニメはそういう責務をしっかり考えたから、最初に”子供とポケモン”を書いた
そういう…児童に向けたコンテンツとしてまず、しっかりしたアニメなのかなという感触を受けた。それはとても偉いし、好みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
優しいローズおじさんがゲームだとラスボスとかだったら、俺マジ泣いちゃうな…子供に優しく、ポケモンに正しい人間でい続けてくれ(いらない心配)
ポケモンが過度に擬人化されず、異質な隣人として不思議な質感、確かな優しさを持って静かに描かれているのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
彼らは彼ら独自の生態とプライドをもって、私達のそばにいてくれる。異質ではあるし、人間と同じコミュニケーションをしない(種もいる)けど、確かにそこにある。
そうやって”私達”に過度に寄せずに、ポケモンを風景に溶け込ませながら存在させる筆は、書き切るのに相当腕がいると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
しかし、しっかりとやってのけている。
病身の子供に支えとなり、夢を与え、生活を支える存在として描かれている。そんな、作品世界の作り方も好きだ。
子供が子供であること、それを支える社会のあり方に脆弱性を持つ身としては、初手でいい感じにえぐられた第一話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
群像劇の主役たちがどんな存在で、その世界がどういうものかは知らないが、知らないなりにしっかり面白い。そういうパワーが有る。
リザードン(コレはなんとなく知っている)の鉄腕で倒れた自分のポケモンに、トレーナーが駆け寄る仕草が良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
彼女は多分、とてもポケモンを大事にしている。ゲームの駒以上の感情を抱いて、一緒に旅をし強くなってきた仲間として。
それはもしかしたら、ポケモンを遊ぶプレイヤーが彼らに抱く感慨と、似通った感情なのかもしれないなと、僕は勝手に想像する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
僕はTRPGという遊びをするので、仮想のキャラクターに対する思い入れは、ある程度エミュレートできる。ゲームという体験に、強い価値を置いてもいる。
もちろんそれらの体験はゲームメディアによって、個別の作品によって大きく違うのだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
仮想のはずの存在が身を乗り出してきて、とても丁寧な心を引き出し、思いを支えてくれるという事は、体感として判る。
そして敗残兵にトレーナーがかける手付きは、それを大事にしていた
それがゲームを遊ばない外野の勝手な妄想なのか、『これぞ…』とクリティカルで細やかな演出なのかを、判断する権利は僕にはないのだけれども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
そういうところに目を向けたアニメだと、コレは見ていていい気持ちになるな、と思った。
次回を素早く見よう。
・第ニ話「修行」
ポケモン オリジナルアニメ「薄明の翼」 第2話「修行」を見る。https://t.co/See5dWMkMb
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
前回チャンプに敗北したサイトウトレーナーが、不屈の闘志を大自然にぶつけ、迷いつつ仲間に支えられ新たな光を見つける物語であった。
筋肉三兄弟の優しきタフガイっぷりに、涙を絞られた。
褐色で筋肉でキタエリ、サイトウトレーナーは属性だけで”無敵”であるが、彼女が主役となるドラマもまた良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
病院を舞台にしたアーバンな雰囲気の第一話から、ウィルダネスが踊る修行の第二話へ。短編ごとの雰囲気切り替えが非常に良い。
”冒険”というのはポケモンに置いてとても大事なものなのだろうな、と勝手に推測しているのだろうけども、短い時間でその醍醐味を伝えるべく、最初に砂嵐で覆っている所が、なかなか巧妙な演出プランである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
見えなかった世界は、足を付け仲間とともに見据えた時、グッと力強く広がる。ワクワクする。
良いタイミングで踊る劇伴と合わせて、シンプルに心を揺らしてくる絵作りである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
加えて、限られた秒数を有効に使う情報量の圧縮、その差し出し方も良い。
パワー三兄弟末っ子が、肋の浮いたボディでサイトウを気遣い、エナジーバーを差し出すシーンが、ひっそり、しかし的確に差し込まれている。
あれで人語を喋らぬ彼ら、筋肉質が目立つ怪物が、”仁”を理解する隣人だと伝わってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
マジで気の優しい力持ちたちによええからよ。
サイトウと対等以上に、良い作画で組手するのも良かった。彼女は格闘家なので、手合わせの相手に選ぶということは、心が通じている、ということだ。
トレーナーにもそれぞれキャラがあり、自分なりの世界があるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
パワー三兄弟(正式名称知りませんで、本当に申し訳ありません)はそんなサイトウの世界に入り、共有し、対等に拳を交え一緒に強くなっていく相手として選ばれ、選んでいる。
心の繋がりが、種族の壁を超えていく。
そらアンタ、大好物ってもんでね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
美しい大自然の中、汗を流し必死に鍛錬するサイトウと仲間の姿は美しかった。やっぱ、努力を圧縮してみせるモンタージュ演出に弱い。
しかし焦りは暴走を生み、彼女は闇に捕らわれていく…んだが、その闇が見せる光もある。
”薄明”がタイトルに入るとおり、このアニメは思いの外思弁的で薄暗い気配を漂わせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
第1話も病魔との闘いが前提にある話だったし、今回も敗北の苦しさ、それを受け止めきれない弱さが描かれる。
そしてその陰りは、洞窟の中の宝石、壁の向こうの光を強調するためのキャンバスとしても使われる。
三男坊(勝手に命名)が差し出した命の糧に反射した光に、脱出するべき未来を見出したサイトウを、崩落が襲う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
しかし頼れる仲間はその巨体を活かし、彼女が危機と敗北に飲み込まれないよう、シッカリと支えてくれる。
その絆こそが光なのだ。
いやー…泣いちゃったな。寡黙で優しいタフガイ共じゃん
タイトルもう一つの”翼”もいい仕事をしていて、第1話でもいい仕事をしていたポケモンタクシーは、人間らしい”仁”を見落とさず、しっかり届けてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
特別な絆を結んだポケモンだけでなく、社会を同じくする人間もまた、柔らかな思いやりで繋がれる世界なのだ。
そういう暖かな光と、遮る陰り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
このバランスを群像の中でどう見せていくかが、この短編連作一つの柱なのかなー、と思ったりもした。
二作を見る限り、絵の作り方、簡勁な話作り、見据えているテーマの純粋さ…全体的な仕上がりの良さが、シャープに話を磨いていると思った。いいアニメだなこれ。
・第三話『相棒』
ポケモンオリジナルアニメ「薄明の翼」 第3話「相棒」を見る。https://t.co/GZ1hybeiyl
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
チャンプ・ダンデの弟として、ウールーと進むホップ少年。憧れが眩しすぎるあまり、相棒を真っ直ぐ見れない視線が生んだすれ違いと、それが思い出させてくれた絆。
いやー…なんでだろ、異常に泣けるな薄明の翼
とりあえず声を大にして言いたいのは、ウールーたちにはたくさん美味しい草をはんで、日々幸せにフワフワと暮らしていただきたい、ということですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
ホントポケモンが個別の意思を持った動物として、社会の中人の間で一緒に暮らしている描写は、割と『アニメの中の動物』として僕の理想。
お話としてはガッチンガッチンに純愛で、判っていたはずのたった一人の相棒から、うっかり目線を憧れに向けて比べた結果、傷つきやすいウールーは離れていき、その寂しさが絆の意味を教える…という…本当に…ベタで美しい話で…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
ホップ少年が人間に大事なものを、ちゃんと掴み直せる子で良かった。
ここまで人間サイドを主軸に回してきたお話が、ウールー視線で進んでいく転調がタイミングも描き方も良く、連作の見せ方として見事だなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
皆勤賞のポケタクおじさんとアーマーガー以外は、色んな場所、色んな人、色んなポケモンを描くこの話。魅せ方も毎回違う味に、軽妙に工夫されている。
さすがコマーシャルフィルムを多数手がけてるコロリド、短い尺の中でどれだけ印象的に、鮮烈に話を転がしていくかのノウハウ蓄積が凄いな、と感心するが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
これは短い話単品の起伏と同時に、それを繋いだシリーズとしての変奏、通奏でも同じであろう。
光と翼。それは毎回、顔を出す。
第1話からずっと、チャンプ・ダンデは陰りのない太陽として描かれている。その輝きは少年の憧れとなり、あるいはライバルに敗北と奮起を与える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
光が強いほど、影も濃い。そしてその陰りは個人ごと、物語ごとに違う。
ホップ少年の場合は、兄貴への憧れとそれ故の比較、である。
リザードンになろうとしてなれないウールーの、コミカルな努力が泣けて仕方なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
ウールーはホップが大好きだから、ホップの望むウールーになりたがる。
でもそんな事はできない。ウールーはウールーで、ホップも本当はそれがとても大事なことを、ウールーがウールーだから大好きなことを知ってる
それはとてもシンプルで自明で、でもふとしたことで忘れてしまう真理だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
それを取りこぼしてすれ違った二人は、孤独の中で愛される喜びを、一緒にいる強さを思い出し、駆け出していく。
ウールー農場にいるガタイ系の兄さんが、ウールーにホント優しくてありがたかった。優しいタフガイなんだよなぁ…
ウールーはホップ少年が、憧れのリザードンしか見てねぇと思い込んでしまって逃げ出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
しかしウールーの知らない所で、少年は必死に駆けずり回って相棒を探し、他でもないウールーが大好きな自分を思い出していく。
その叫びが空に届き、約束のミサンガが切れて奇跡が生まれる。純愛である。
ウールーがいるべき場所に戻る時に、ガタイのアンちゃんとタクシーおじさんという、人間の真心がリレーされているのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
強すぎる光に少し戸惑っても、周りにいる誰かが助けてくれる。翼を貸して、駆け出す力をくれる。
そういうモチーフは、連作の中で必ず顔を出す。”仁”の話なんや…。
僕は創作にけっこう頑是ない、ピュアな志向を持っているので、この短さでシンプルにいい話を、かなり品のいい陰りを彫り込みつつ作るこのお話は、相当肌にあっていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
やっぱねぇ…皆幸せであり、幸せであってほしいわけです。無条件の幸福ではなく、的確な陰影があるとなおよし。
愛と友情の奇跡を取り戻した二人は、チャンプに憧れ、二人三脚で突き進んでいくのでしょう。奇跡の舞台になった花畑と夕日が、ぶっちぎりでキレイなのも最高だったなー…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
相棒がいるありがたさ、それを見失い取り戻す幸福。シンプルながら、すっと胸に入るいいお話でした。
・第四話『夕波』
ポケモンオリジナルアニメ「薄明の翼」 第四話「夕波」を見る。https://t.co/iaHvIjhjsu
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
モデルとジムリーダーを兼業するルリナの、迷いと原点。水に戯れ、波に踊る自由な翼を取り戻して、自分らしく高みへ。
成人女性のキャリアメイク要素も含んだ、テンポの良い流水の物語。
毎回色んな角度でポケモン世界を見せてくれるのが、このアニメの魅力であるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
今回は興行としての明暗と、巫女としてのポケモントレーナーが見れて面白かった。ルリナさんの立ち回りが、超自然(彼女の場合は”水”のエレメント)と感応する異能を孕んでおり、神的領域に繋がりうる存在なのだと感じた
彼女は連敗に悩み、ローズおじさんに圧力をかけられ、キャリアに悩んでいる。いい友達はいるが、結局未来は自分で付か負ければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
しかし悩んではいてもカメラを向けられればバチッとキメて、モデルの仕事を文句なくこなす実力も持っている。
悩み、憧れるだけの幼年期を終えているわけだ。
しかしそうなる前には、未来にたどり着くためのスターティングポイントがあり、彼女の場合それは、傷ついた神魚とのふれあいであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
ここで不格好な魚を思いやり、約束を交わす優しさがある所が、このアニメらしいなぁ、と思う。未来に羽ばたく翼とはつまり、人とポケモン、人と夢との絆なのだ。
水に愛された女は誰よりも先に神の覚醒に気づき、人魚のように湖に飛び込み、靭やかに踊る。そこに呼吸は必要ない。自然と呼応する巫女は、自然によっては傷つけられないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
彼女はミロカロスの背に乗ることで水の中を飛翔し、悩める未来を切り開く翼を手に入れる…あるいは、思い出す。
それは彼女自身がかつて差し出した、頑是ない優しさが時を超えて戻ってきた、ということでもある。そういう善い因果が、ポケモン世界を満たしているのだと何度も語る作品でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
水のルシッドな表現力は流石の一言で、颯爽と水を渡る爽快感、涼やかな清廉、しっかりと伝わってきた。
湖の中がただ美しいだけでなく、多様な生命が豊富に踊るいのちの場であると描かれているのが、リッチで良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
水上(人間の領分)からは定かに見えないとしても、水底にはポケモン独自の生態系、神秘と生命が宿っている。ルリナさんは水の巫女として、そこに分け入る特権を持つ。
そうして手に入れた水からの翼が、モデルとしての成功を呼び込み、ジムリーダーとして戦い直す活力を与える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
明暗が揺れ動くポケモンタクシーを降りて、宣戦布告をぶちかます時、一挙手一投足がしっかりキマって、理想的なモデルの立ち居になっているのはとても良かった。
カメラがあろうとなかろうと、重心を高く保ち美しくあれる。それがルリナさんの才覚なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
ここら辺、きっちり作画で説得力出してるのは正しいクオリティの使い方だよなぁ…短いだけに、シーン構成に油断がない。
印象的なシーンを短く繋ぐ作りだから、ヌケた場面あると即瓦解するだろうからなぁ
モデルと水、スタイリッシュでなめらかに動き続ける要素を上手く組み合わせ、アニメーションにまとめた一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
第2話のサイトウさんもそうだけど、キャラクターの属性をドラマと作画に焼き付けて、シャープに突き刺すための工夫が強力かつ的確だな…どう視聴者を殺すか、よく考えてる。
人間の領域に密接したポケモンを三話見せた所で、そこから少し離れた超自然領域から飛び出し、人との約束を翼に変える”神”としてのポケモン、巫女としてのトレーナーを見せたのも、連作として良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
次はどんな人間とポケモンが見れるか。テンポ良いからサクサク食べれちゃうな…。
あとローズおじさんが魚眼レンズで歪んで捉えられ、ヤダ味のある大人として描写されたのが不安でしょうがねぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月4日
ボーイから受け取った想いを机に置き去りに、日々の仕事に埋めてしまっている描写からも、装いどおりの善良じゃないのは判る…判るんだが!
いい大人のフリしてるなら、本気でやりきって!
・第五話「秘書」
ポケモンオリジナルアニメ「薄明の翼」 第5話「秘書」を見る。https://t.co/ABxjvsPjBC
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
ローズおじさんの秘書として、色々取り仕切ってるオリーヴさんが主役のエピソード。副社長として秒単位で仕事しまくる完璧な彼女の、孤独とゆらぎを切り取ったお話。
僕はこのアニメを入り口に”ポケモン”を覗き込んでいる、かなりレアケースな視聴者…だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
大抵の人はゲームを終えて、その体験とキャライメージを短編アニメーションで補強するように、このアニメを見るだろう。ある意味、ゲームの答え合わせ、というか。
僕はゲームのオリーヴさんも、彼女唯一の救済者であるローズおじさんも知らないので、何もかもがあやふやな推測になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
そんな、何もかも足りない逆接の視聴体験も個人的には面白く、楽しく見させてもらっている。
そういう視点から見るオリーヴさんは…なんだか不安定に見えた。
モッサリした研究者から、完璧なバリキャリへ。経済的にも社会的にも成功し、しかし彼女にはこれまでの物語で描かれたような、隣人としてのポケモンが描かれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
タクシー運転手の不用意な発言に、研究者意識バリバリで論を重ねたように、彼女にとってポケモンはまだ、研究の対象なのかもしれない。
彼女が過去何を調べていたかは僕には分からないけども、それを投げうってでも隣りにいたいほど、ローズは大きな存在なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
様々な人に求められ、色んな仕事をこなす忙しい日々で、彼女は人間にもポケモンにも心を許さず、最後にタクシーで駆けつけてくれるローズだけが救いとして描かれている。
これは人とポケモン、人と人の繋がりを光、あるいは翼として描き続けてきたシリーズの基調から、かなり外れる描写だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
少年に夢を、トレーナーに誇りを与えるリーグ運営が(ローズ含め)そういう書かれ方をすると、門外漢なりに裏を勘ぐりたくもなる。”なんか”あるよなぁ、コレ。
まぁそこの答え合わせが出来ないのも、ゲームをやってない立場の寂しさではあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
同時に少年から託され、ローズは置き去りにしてしまっている憧れをしっかり届けようとする情もまた、オリーヴさんには描かれている。
彼女は何を取りこぼし、何をつかもうとしているのだろうか?
ここまでの物語が分からないなり、順接であぶり出してきた真っ直ぐな視線が、このお話ではかなり錯綜しているように感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
それが…”敵”を書くからの屈折なのか、オリーヴさんというキャラクター独特の色彩なのか。
ここは本編を抑えていないと判別しきれないポイントっぽい。
僕がローズおじさんと、彼の側近たるオリーヴさんの書き方を気にかけるのは、やっぱり第1話がいい仕上がりだったからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
病院に縛り付けた少年に、生きる意欲を、輝く夢を見せるポケモンリーグ。それを背負う大人としての責務を、彼らは果たしてくれる存在に見えた。
でも話数が重なる事、強い光の生み出す陰りが二人を包んで、オリーヴさんが主役になる今回、その影は凄く濃かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
やっぱり、心を預けれるパートナーとしてポケモンが顔を見せないことが、子供らの夢を受け取るに足りる資質の欠如を想起させ、僕を不安にする。
あの手紙は絶対ないがしろにしてはいけないものだと判っているから、オリーヴさんは忙しい日々の中で、それを掘り当てて手に取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
でもその仕草が己の影を全て振り払うほど強いものとしては、このお話書かれていない。そこには、ローズに繋がった奇妙な鎖が、チャラリと音を立てている。
僕が感じ取ったそんな予感が、本編でどういう結実を見せているのか。それを後追いで確認するにしても、とりあえずあと二編の物語を見終わってからにしよう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
知らない、という状態は存外、希少で貴重なのだと、この素晴らしい仕上がりの短編集を見ながら、僕は思い出しているところだ。
・第六話『月夜』
ポケモンオリジナルアニメ 「薄明の翼」 第六話「月夜」を見る。https://t.co/z8ljOpqan3
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
終わりを前に、第1話の続編といった風情の作品。素直になれないまま別れようとしている少年と、亡霊を友とする内気な少年。
二人が仕掛けた、月夜の素敵ないたずらとは…。
ハイダメーーーーーーー!!! って感じだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
出来が悪いとかそういう話ではなく、死が匂う病院に優しい亡霊たちが集い、生者が再び出会うための確かな約束を手助けをするお話が、俺の弱いところをボッコンボッコン殴り倒してきてダメでした。
やっぱポケモン、全自動で健気で寡黙属性付くのズルい
ここで第1話の”続き”をやって、病に縛られた子供たちはちゃんと外に出ていって、夢を叶えられるんだと話を膨らませてくれたのも非常にグッド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
儚い夢として”続き”を書かないことだって出来たけど、手紙はチャンプに届くし、退院はする。ポケモンはそういう話をやるのだ。
つええぜ…。
今回のトレーナーは内気・美少年・広橋涼という”無敵”なオニオンくん。俺くらいになると、仮面被ってても”視える”んだよなぁ麗しのかんばせが…(妄想)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
墓場で亡霊と暮らすゴッスな雰囲気と、トミー少年の願いをしっかり手にとって、不思議ないたずらで奇跡を呼び込む純朴っぷりにKOでした。
第3話のホップ少年のように、大事なものをちょっと間違えてしまったトミー少年。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
でも勇気を出して、微かな誤ちをそのままにせず正しにいくのも、そうやって友情を取り戻す行為が、シャイなオニオンくんと新しい友情を築くのも、超正統派ジュブナイルをど真ん中にブチ込む、パワフルなブロウでした。
僕は半分くらい、このお話を現在の妖精譚として見ているきらいがあるのですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
光の中、人間の側で色々助けてくれるポケモンをたくさん描いた後、夜の優しい光の中、ちょっと不気味で、でも優しい影の住人が見れたのは、凄く良かったです。
ゴーストテイルは、子供とかつて子供だった存在、みんな好き
トミー少年が震える胸の内を、ジョン少年への想いを言葉にしてる時、心配そうに見守ってる亡霊たちの可愛げよ…。仮面で自分を守るオニオン少年にも寄り添ってくれてるし、あったけぇ奴らだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
やっぱ、亡霊と夜というテーマ設定が良いですよね。第1話から漂う”死”の気配を、爽やかに拡大する。
少年たちは病院から出て、対等に思いっきりぶつかり合う未来を掴むだろう。夢のポケモントレーナーとして、大事な相棒を隣において。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
それは死の国から遠ざかっていく動きなんだが、その背中を押してくれるのは静かな月の光、優しい夜の住人たちなんだよね…ナイトテイルとしてキレイな構造。
色々あったけど、願いを込めた手紙のチャンプ・ダンデの元に届いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
太陽のように遠く強く、様々な人を照らしてきた男は、ここまで描かれたような陰りをその身に備えているのか。
最終話を見る。緩やかに、しかしたしかに繋がった物語が最後に何を書くか、楽しみだ。
・第七話『翼』
※訂正
あ、第7話の感想でジョンとトミーが混ざってる部分があるな……後追いですが訂正します。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
※本論
ポケモンオリジナルアニメ 「薄明の翼」 第7話「翼」を見る。https://t.co/aI7SegAW3v
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
物語の始まりを告げたトミーが、憧れたるダンデとともに飛び、対等のライバルとなる未来、ポケモンバトルのスペクタクルに流れた涙を拭いて、未来に踏み出していくお話。
シリーズの締めに相応しい、強い物語
最終話にふさわしく、第2話のウィルダネス、第5話で見せたアーバンな組織としてのポケモンリーグ、第1話と第6話の子供の憧れと、ここまでの要素をしっかり拾い上げ、更に発展させた作り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
集大成をどう作るか、よく考えしっかり仕上げたエピソードであった。
描かれてみて気づいたのだが、おそらくポケモンの大本命であろう”ポケモンバトル”が、この作品最終話までほぼない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
あるのは様々な生活と、それに寄り添う色んなポケモンたちだ。戦うだけではなく、エンタメしたり産業に関わったり、彼らは色んな場所を生きている。
しかしチャンプ・ダンデが堂々大舞台で見せたバトルは、圧倒的なスペクタクルに満ちて力強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
ジョンが流す涙がすっと胸に入ってくる力強さが、割れる大地と飛び交う炎にしっかり宿っていた。
仕上がりの良いアクションに、こういう強い意味合いを与えられる構成は見事だ。
僕はここまで描かれた、ポケモンのいる生活の描画がすごく好きで、異世界の解像度としても一つのファンタジーとしても、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
何しろRPGとしてのポケモンを経由していないので、彼らが戦う存在であるということが、あんまり骨身にしみてない。一生農場で草食ってて欲しい気持ちがある。
しかしそれでも、ポケモンは非日常へ飛び込むための”翼”であり、トレーナーはその力を何倍にも引き出せるヒーローだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
アーマーガーに一声かけるだけで、その可能性を引き出すダンデの描写一つで、そういう凄みはよく判る。”器”の書き方が凄く良かった。
同時にダンデ青年はなかなか読みきれない人で、ジョンが初めて彼を見た時、なぜ『笑ってないよね?』と言ったのかは、今でも分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
アレだけのショウを堂々やってのける彼は、何を思ってポケモンボールを握り、戦場に身を置くのか。
それが分かりきらない所が、良かったなと思う。
ショウ・エンタテインメントに必要なスケール感、ゴージャスな興奮がシッカリ立ち上がり、興行・産業としての凄みがスタジアムに満ちていたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
それはローズさんが(陰りを背負いつつ)しっかり果たす、目を開けてみる夢を売る商売、憧れの光を見せる生業だ。
ダンデは沢山のスポンサーをマントに背負って、そこで堂々チャンピオンをやりきる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
子供と対等の目線で、本気のライバルとして誰もナメずに、”ポケモンバトル”の理想形を体現する。
その勇姿が新たな少年を、ポケモンとその世界に夢中にさせていく。
それは第1話でファン代表として描かれた(だろう)ジョンの結末であり、そうしてポケモンというコンテンツを子供に届ける大人たちの、あるべき理想形なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
現在の妖精譚、英雄物語の主人公として、子供に見せるべきをどう作るか。
決死に考えられているなと感じる最終話だった。
全話皆勤賞のタクシーおじさんが、自分の商売道具を預けてまで少年とチャンプの晴れ舞台を間に合わせる、優しい人だったのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
彼はポケモンバトルをしない。でもその翼は、色んな可能性を高く舞わせてきた。
そういう”ポケモン”もあると見せれたのは、とても良い。
見終わってみると7話、様々な舞台とキャラクター、テーマをバラエティ豊かに見せつつ、連作としての一貫性がしっかりあるいいアニメだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
自分たちが何を作り、どのように見せて誰に届けるか。
鮮明に意識しながら、画面の情報量を徹底的に上げてクオリティを極め、しっかり作った印象を受けた。
コロリドはもともとCM製作に強いスタジオなので、短い尺に簡勁に意味を通し、印象を差し込むテクニックが山盛り蓄積されているのだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
『ポケモンってこういうものです』というメッセージを、僕は結構強く受け取れた気がしている。何しろゲーム本編をやってないので、勘違いかもしれないけど
自分が感じ取ったものの答え合わせが出来ないというのは、文脈を共有せず作品だけを素直に食べる時に、なかなか難しいポイントだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
このアニメ、多分チラッと写っただけのキャラクターやシーンにも、濃厚に意味が込められている作品だ。ファンサービスと謎掛けに満ちた、奥行きのあるお話。
そこを完全に読み切れなくても、圧縮された各話ごとのドラマ、計算されたその連動がしっかり胸に届いて、力強い情動を呼び覚ますよう作り込まれている所が、妥協がなくて良いのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
まぁ、ファンの方のようには見れない。それは当然で、最初から判っていたことだ。
印象と妄想でしかない僕の感想が、ポケモンを知り愛されている方々からどう評価されるかは、さっぱり分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
そこはどうでもいいといえば、どうでもいい。僕はリクエストを受けて、巨大な世界に通じる扉を軽くノックした、門外漢に過ぎないからだ。
その気楽さに身を預けつつも、やはり単品の仕上がり、連作としての強度は相当なものがあって、しっかり作られ面白いアニメだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
背動で情感を掻き立てるタイミング、劇伴の入れ方、レンズ効果の使い方…強い演出に振り回されず、的確に使う目の良さが目立ちました。ビシバシ刺さる使い方。
ポケモンを動物として妖精として、色んな生態と能力を持つ隣人として世界にしっかり埋め込み生かしていたのも、動物ドキュメンタリーとして非常に良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
皆可愛らしく、必死に生きていて、寡黙で健気で素晴らしかったです。
良い奴らばっかだよ…一生幸福に、草食ったり空飛んだりしてね
リクエストをくださった方が、僕が「薄明の翼」を見て読み解き、感想を書く行為に何を求めていたか、はっきりと掴みきってないから、そこを満たせたかどうか自信はないけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月5日
良いアニメーションを見れて、とても面白かったです。
短くて見応え充分なので、皆さんにもおすすめです!