ノー・ガンズ・ライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
少女は願う。全ての破滅を。
それを叶えるべく、彼女の銃は願いを捨てる。
男はためらう。兵器でしかない自分を、何処に解き放つかを。
それを後押しするべく、少年は対等に向き合う。
誰かの願いを心に込めて、続けてきた”処理屋”稼業。
最後の依頼人は十三、お前自身だ
そんな感じの超！ GSU大決戦なノー・ガンズ・ライフ、最終話一個前。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
無力に打ちのめされたり、他人の正義に乗っかったり、それを便利に使ったり、守りたいものを喪ったり。
ここまでの色んなお話があってこそ、鉄朗が再び引き金を引く今回が、到達点に見える。
そういう長丁場の蓄積を、たっぷり堪能できるエピソードでした。あー…このアニメ見てきてよかったなぁ、と、凄く思った。いいアニメだった…（一話早い総評）。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
やっぱふりだしに戻りつつも、今までの道のりがその意味を完全に変えてしまってるという”青い鳥”な話は、最高に収まりがいい。
最初の事件ではただの犠牲者で、ヒーローたる十三に願いを込めるだけの存在だった鉄朗。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
彼は他でもない十三に手を引かれ、背中を追いかけ、言葉に鍛えられることで、”処理屋”の仮面に隠してきた本音を引き出す、対等な仲間になれた。
喉に埋め込まれたハルモニエも、自由を奪う兵器ではなく。
親愛なる仲間の背中を押す力へと、覚醒させ使いこなすようになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
そんなガキの成長を受けて、十三も戦後ずっと背負ってきた重荷と向き合い、真実の自分を見つめる覚悟を決める。それが、かつての自分と似過ぎているセヴンと対峙する足場にもなる。
抗うにはあまりにも重たい、べリューレンの支配する街。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
そこで起きる事件のすべてが、この二人が立ち上がり立ち向かう決戦のために必要だったんだと、じんわり思わせてくれる最終決戦。
スゴークいいです。セブンとペッパーも主役のシャドウとして申し分ないし、クローネンも最高の助演男優だし。
それぞれの生き様が錯綜する物語も、そろそろ終わりますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
自分たちが何を描いてきたか、しっかりまとまるラストエピソードになったのはとてもいいと思います。
なんか凄い充実感と感謝がある…後一話残ってるのに。
ともあれ、ありがとうノー・ガンズ・ライフ…。
物語は十三の過去を覗き見た鉄朗が、後ろに立つハンズではなく正面から向き合う仲間としての資質を、微笑みとともに差し出すところから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
鉄朗はん…独善と無力にまみれたクソガキだったのに、立派になりはって…。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/cWsibh9dAK
十三の中にハンズの記憶、戦争の傷はあまりに深く刻み込まれていて、鉄朗にはそれを消すことは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
しかしそこから新しく始めることは出来るはずだ。鉄朗自身が、十三に助けられたこと、信じてもらったことで、自分の物語を始めたように。
僕らは2クール、それを見守ってきたのだ。
”処理屋”として誰かの願いを受け取り、街の掟に従わぬヒーローであることで、十三はその空疎を隠してきた。彼に守られた人は、皆その虚しさを知らなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
”処理屋”に助けられ、憧れ、追いつこうと血を流した鉄朗少年だけが、そこに追いつけた。
十三はようやく、自分を預けれる仲間を見つけた。
それはトゥエルブの手を騙し討してしまった時から、ずっと求めていたものだったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
自分が間違えきっていることを思い知らなければ、そしてその時誰かが手を差し伸べてくれなければ、どん底からは這い上がれない。
第一話、鉄朗に差し出した手は、十三自身が欲しかったものだったのだ。
それを鉄朗が差し出せるのは、十三がヒーローだったからこそだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
虚しさを隠すための仮面だったとしても、命よりも大事なものを譲らず、誰かの願いを叶え続ける生き方は、確かに正義だった。色んな人を救ってきた。
その行いが、十三自身を助けもするのだ。
ここらへんをグッと際立たせるためにも、ここまで徹底して”手”にこだわった演出が続いてきたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
アバンで差し出される鉄朗の”手”は、お話の到達点として分厚い説得力がある。
それは、頭を優しく撫でたり、意思を拳で貫いたり、誰かを支えたり…色んな表情のある”手”が描けてたからだろう。
ふたりの旅路が一つのゴールに辿り着く中、色んな人が激闘を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
善人も悪人も、色んな人が住む”街”の話なので、クライマックスに色んな人の顔が見えるのはやっぱ良いわな。上田燿司の怪演と、すっかり善人な刑事さんが印象的。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/8zl7pxLKri
功木と雌雄を決するチャンスを逃したクローネンだが、主役がぶっ倒れている間の場繋ぎ役としてはかなり理想的な立ち回りをして、とってもいい感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
主人公を（雑に）カバーし、悪役に問いかけ、状況を整理する。いい仕事するなぁ、このPC3…。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/4frEfr3QVu
ペッパーが衝動のままに引き起こした闘争は衆目を集め、保身に駆られた企業の犬は切り捨てを決意する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
あくまで自分は、ペッパーの銃。
そう意思を固めてるセヴンの献身を、ペッパーが受け止めれてないのが物悲しい。
純愛だよなーマジ…三瓶由布子のイノセントな演技が、非常に良い。
『考えてみりゃこの極悪コンビ、パルフェとドリームだな…”コーポレイトプリキュア”じゃん！』などと、どうでもいいことを考えたりもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
企業お抱えの”処理屋”として、殺し殺されに身を置いたペッパーはすっかり壊れちまって、空疎を埋める意地を十三に求めた。
しかし彼女の欲しいものはずっと目の前にあって、差し出されていて、でも近すぎて見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
自分の願いと向き合うのを止めているのは、十三と同じなんだよな…ここも、ペッパー＆セブンが主役のシャドウとして、良く出来てるところだ。
鉄朗は十三の青い鳥を差し出せたけど、セブンは出来ない。
彼はあくまで道具的存在…意志も運命も全てハンズに捧げることが、彼の在り方だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
恐怖の瞳で、自分を見上げる群衆。企業の道具として働き続けた結果、自分を見つつ見てくれない、当然の視線。
それを薙ぎ払えと、ペッパーは命ずる。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/rHbANrLl4z
そこで頼れるのがセブンだけな時点で、本当に自分を見てくれる人が誰かのか、ペッパーも判っているわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
判っていたとしても、向き合わなければ願いはその手に掴めない。
十三と鉄朗がようやくたどり着いた場所は、二人にはまだ遠いのだ…切ない。
かつての十三のように、セブンも破滅の機会になってしまう…と思った瞬間！ 異常な煮えっぷりで射出される対物強弓！！ 誰だオメー！！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
主を傷つけられ暴走するセブンに、クローネンも間に合わない。ナイス負けロール！
そこで満を持しての、ヒーロ参上ですよ…
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/lmqOWoSbSz
彼のハンズが最後に残した言葉の意味を、鉄朗がハルモニエを使って教えてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
だから、ペッパーの捨て鉢な破滅願望に踊るセブンとは、違う決意でその凶行を止める。かつての自分と向き合い、乗り越えていく。
これが十三一人では出来なかった所が、また良いんだよね…。
願いを弾丸と込めて叶える”処理屋”は、自分自身の願いを自分に込めて、自分の手で撃つことから逃げていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
しかし道具的存在である自分を真実認め、道具的存在でしかなかった自分を乗り越えるためには、対等な誰かの手を借りて、己を奮い立たせる必要がある。
何度でも言うけど、それが十三自身が助けた一人のガキだってのが、そこに至るまでの道が全部必要だったと思わせてくれて素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
パズルのピースが、この最終盤でピタリピタリとハマっていく感じ。これこそクライマックス、って感じだよなぁ…。
異形の豪腕を引っさげ、復活の”処理屋”はもう一人のGSUと対峙する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
お前の本当の願いは、この虐殺にあるのか。
その問いかけは揺るぎなく、セブンを射抜く。
ペッパーの銃であることが、自分の願い。道具であることが、自分の望み。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/uYovJOfdRu
そこに嘘はない。マジ純愛…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
だが真実それを貫くのなら、刻まれた力を無軌道に振り回すことでも、盲目な武器で有り続けるのでもなく、どれだけ踏みにじられても捨てられない意志を支える、対等の仲間になる必要があるのではないか。
十三の復活宣言は、そんなところも狙い撃ちしてくる。
十三の背中を押したのは鉄朗なんだけども、その背筋は自分の言葉、”処理屋”として生きてきた日々にも支えられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
ヒーロぶって、誰かの願いで誤魔化してきたのも、悪くはなかった。だから、それを裏切れない。
そんな思いが、十三の拳に力を宿す。
自暴自棄な願いだけを残してペッパーが気絶したことで、セブンは武器であることに迷い始めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
フードが外れていること、激闘がその衣装を剥がすことが、彼が機械で居続けられない状況を、上手く暴いている。
ここらへんは、前回の過去回想における十三と同じやね。
かつての自分を乗り越えるため、同じ過ちを犯させないため。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
暴走する愛を真正面から受け止めるのも、”大人”の努めだろう。余波で英雄像がぶっ壊れてるが、まぁしょうがねぇよな！ なーにが終戦記念だ、何も終わってねぇ！！
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/Ut8PWMuR9m
GSU本来の異形を解放した、たった二人の戦争。最後を締めくくるに相応しい大盤振る舞いで、非常にアガる。やっぱ異形腕かっけぇわぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
意志が銃弾となるのなら、それを誰かに預けるよりも、自分で込めて撃つほうが強い。
むき出しの決着は、そんな物語のルールを教えてくる。
セブン自身も、自分の本当の願いに向き合えなかったからこそこの決着だと思う。守りたいのはペッパーの命令ではなくて、ペッパーの命なんだろーがッ！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
でもあえて自由意志を捨て去って、世界から見捨てられたと思い込んでる女の子の全部を叶えてあげようとする献身は、やっぱ綺麗よね…。
そんな激闘に鍛えられ、進化するサイバーウェア・ハルモニエ。べリューレンに巣食う怪物は、それを遠巻きに見守り、神の如き傲慢な決定を下す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
久々登場だけども、やっぱ最高に醜悪だなぁ”ヴルツェル”。汚れきった街の神として、いいデザインしてるよ。
©カラスマタスク/集英社・NGL PROJECT pic.twitter.com/98Y88om40N
という感じの、クライマックス超加速でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
今までの物語にどういう意味があって、それが主役たちを何処に押し上げたのか。
最後の壁となる強敵たちは、何に迷い、何を突破するべきなのか。
しっかりと見える掛け合い、演出、バトルで、非常に良かったです。
何しろ連載中のお話なので、色々ネタも残ってたりしますけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月18日
しかし”処理屋”と少年が出会い、走り抜けた高みがどんなものか、出会ったことにどんな意味があったのかは、これ以上ないほど鮮烈に、的確に、巧妙に描けてると思います。
後は最後を〆るだけ。次回最終回、とても楽しみです。
