ご注文はうさぎですか? BLOOMを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
そろそろ卒業後の進路を考え始めたチマメ隊は、リゼ達の通う女学校へ見学に向かう。
にぎやかで楽しい騒動の中で、見つける出会いの意味。
飛び込んでみて初めて、見えてくるもの。
時は流れ、少女は未来を思う。
私は、どこへ進むべきでしょうか?
そんな感じのチノと高校前編ッ! な第三話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
砂糖細工のように甘くて軽いお話の中に、どっしりした芯を埋め込んであるのが好きなこの作品。
やっぱ三期は”時と決断”が一つの軸なんかなー、という印象が強くなるエピソードだった。
見知らぬ場所に飛び込み、見知らぬ服を着て、胸を躍らせる。
そんな経験が、思いもしなかった道を開いていくことを、チノちゃんは既に知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
ココアさんと過ごす日常は、ヘンテコな自称・お姉ちゃんと出逢ったから生まれたのだ。
最初はプンスカ反発してた”ごきげんよう”学校に、マヤが惹かれていくように、出会い選ぶことで世界は色を変えていく。
そんな少女の変化を、微細な感情の触れ合いを追いかけながら描くエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
アップテンポな笑いの端っこで、凄く細かく視線を追いかけ切り取ってるのが、このお話らしいな、と思う。
特にチノちゃんがお澄まし人形顔の奥で、自分の気持ち、友達の表情を追う視線が繊細だ。
お話はいつもの朝、近づいてくる未来の描写から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
いつものように過剰なテンションで”妹”とはしゃぐココアさんに、呆れた風味で甘えてるチノちゃん。
ホントクールよそおいつつ、ココアさんとの日々が拠り所なんだな…。
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ココアさんがチノ愛をダダ漏れにするたびに、チノちゃんは凄くホッとしたあと、義務のように『しょうがないなぁ…』という顔を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
その逆転した(疑似)姉妹関係が、彼女たちが出会いから選び取った宿木であり、気持ちが落ち着くゴルディロックス距離なのだ。だから、チノちゃんは日々を演じる。
しかし時間の流れは緩やかな変化を生み、チノちゃんは否応なく中学を卒業していく。小学校じゃないよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
その先にある色んな道の中から、チノちゃんはたった一つを選ばなければいけない。
選んだからと言って消えるものはないけど、それでも選び取ることには、いつでも不安が付きまとう。
『いつものやり取り』を終え一人になった後、見上げる夏雲。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
美術に気合い入り過ぎで毎回ビビるけども、大きすぎて漠然と…しかし美しいものを前にチノちゃんの瞳は震える。
それは恐れと期待が同比率で混交した、透明な視線だ。
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このアバンはラストとの呼応もあって、真っ直ぐにチノちゃんの思春期を切り取ってきて、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
時間を止めた永遠の幸福の中にいるようでいて、木組みの街の時間は確かに流れている。
何かが変わり、何かを選び取らなければいけない宿命は、必ずしも恐怖だけを生み出すわけではない。
そのことを愛のゼロ距離で教えてもらっているチノちゃんは、選ぶこと、別れること、また特別に近づくことに、形にならない期待を抱いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
プラスティックな萌え記号の局地でありながら、こういう瑞々しい視線、独り思い悩む尊厳が刻まれているのは、やっぱ良いなと思う。
次回描かれるだろう学園祭と合わせて、チノちゃんが未来を決めるだろうこの前後編。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
ココアさんがチノちゃんに寄り添いつつ、あくまでチノちゃん独自の世界が描かれ、彼女が一人で色々考える所が、僕は好きだ。
チノちゃんも自分の目で見て決める難しさ、尊さに向き合う季節にいる。
でもそうして選び取れること…選び取らなかったモノとも繋がっていると、多分チノちゃんが思えることは、ココアさん達が彼女の日常に、楽しく寄り添った結果生まれた強さであろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
そういう孤独と連帯を切り取る形になるのは、なかなかいい話運びかなー、と思うのだ。
さて、場面変わってチマメの中学。”ごきげんよう”な雰囲気に適正と憧れを持つ親友が、勝手にどっかに行ってしまう寂しさを、マヤは表には出さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
いつもの強がり元気ガールを維持したまま、ひっそりと一緒に行く流れを引き寄せる。
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そんな親友の震えと脆さを、チノちゃんは何気ない日常と流さず、しっかり目を向けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
ここの視線の芝居は凄く良くて、メグの強気な仮面と繊細な内面、思いの外繊細なチノちゃんの配慮がしっかり切り取られていた。
こういう描写があると、『優しい子達だなぁ…』とめっちゃホッコリする。
何しろ天下の”ごちうさ”なので、萌え造形の極みみたいな記号の集合体ではあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
このお話の少女たちはそこで終わらず、一人間としての繊細な震えと配慮を抱え、また共鳴もさせている。
これがプラスティックで安楽な定形と、上手く噛み合って提供される所に、悪魔的な巧さを感じたりもするが。
一方姉たちも学園祭に向け、妙な気合を出したりブルブル震えたり。秘宝館に一票はいる女子校、マジこええな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
シャロ相手にはマウント取りまくりな千夜が、あまりに弱い生き物過ぎてひとしきり笑う。
それでも”上”は取っていたい…涙ぐましいプライド
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まぁシャロも、自分画関与しない幼馴染の社会性を突きつけられて、プクーってしてんだから似た者同士ではあるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
普段は『いつもの仲間』の密接な距離感を描いてるお話し、学校に焦点がよることで思わぬ広がりと変化を見せるのは、なかなか面白い。
まぁ密着するところはネトネトにゼロ距離戦闘なんだけどね。マージでこの距離感は”!?”ってなったもんな
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
そんな間合いで”髪”許しておいて、『しょうがないココアさんです』みたいな顔しても通らんよ、シャロちゃん…。ズブズブやないかい…。
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まぁこの間合は塩対応にもめげず愛をぶん回したココアさんの戦利品であり、出会いが生んだ変化の一つでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
こういう幸福が、はたして進路を選んだ先にもあるのか。
チノちゃんは”姉”に抱きしめられ、友と隣り合いながら、自分なり考えていくことになる。
そんなわけで、やってきましたごきげんよう学校。美術の質はマジで極まってって、フラゴナールやブーシェの絵に迷い込んだみてぇだ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
ブルマン先生に延々振り回されてる編集者さんの講演を聞き、語られる変化に目を開く。
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生真面目にメモを取っているメグと、(このときは)親友に付いていきたいだけのマヤ、講演を自分の体験に照らして考えるチノちゃんと、チマメ個別の反応が面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
ここから”学校”を体験する中で、マヤの態度が変わっていくのがダイナミックな回である。マージで甘えん坊だよなマヤ…。
夢見がちでしょうがないな~、と”上”を取ってる相手が、自分の道を定めてしまう寂しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
ここに向き合わないと、黒髪の弱い生き物みたいになるから要注意だぞマヤッ!
迷子になったのは誰なのか。不思議な学校体験は続く。
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おもしろ保護者に勘違いで保護され、見まねみようでお嬢様。見知らぬ制服に袖を通して、上がる体温高鳴る鼓動。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
お人形さんみたいなチノちゃんのお顔が喜びに綻んでいるシーンが今回多くて、僕はホッコリした。
三期始まってから『コバヤシくんチノちゃん好きすぎない?』って、自分で思うこと多いな…
こっからのごきげんよう漫才はシャロのマネっ子なちび二人とか、地頭の良さと度胸をぶん回すマヤとか、謎のブルマリゼとか、面白いところ沢山あってよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
上級生のお姉さんたちが、ちび二人に甘い所最高に良い。あとデコチノ。
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見知らぬ人たちに思い切って踏み込み、優しく柔らかく接してもらうことで、マヤは思い込みを解いて”ごきげんよう”も悪くないと実感していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
柔らかなコメディの中にそういう体温の変化がちゃんと刻まれているのが、今回とても良かったと思う。楽しさの中から、どんどん学びな…。
マヤがどんどん前に出て自分の目で、肌で真実を見ていくの、好奇心が成績に繋がって推薦もらえる裏打ちにもなってて、結構好きな描写。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
移り気で気まぐれだけど、頭はむっちゃ切れるんだろうな…。
ここら辺、メグとは真逆で面白い。どっしり着実に一歩ずつ、自分の”好き”を引き寄せるタイプ。
そんなこんなで騒がしい日々は過ぎ、優しいすれ違いも無事解消。一人ブルマのリゼ、絵面として異常に面白いな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
触れ合う中で見つけた思い。出会いが生んだ変化。
マヤが学校見学で掴んだ輝きを、親友たちはちょっと茶化して、心から喜ぶ。
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ほんまチマメは頑是なく徹底的に仲良しで、俺の(沢山ある)脆弱性をガスガス穿ってきて困っちゃうけど。一生仲良くしててくれや…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
でもマヤが”ごきげんよう”に道を定めたってことは、ココアと同じ学校に進むなら道は分かれる、ってことだわな。
なるほどね…”効い”てきたな、激エモEDがよ…。
そんな未来を知ってか知らずか、学校潜入庶民班。”ごきげんよう”学校、部外者にダダ甘だな…セキュリティ大丈夫なの?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
大好きな人を堂々褒める。応用に、その好意を受け取る。
そんな空気に微笑む親友の横で、チノちゃんは自分の未来を見上げる。
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その澄んだ瞳が見つめるものが、何も間違っていないと答えるように出てくるサブタイトルが、少女たちの冒険を祝福しているようで、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
マジでこの美しい木組みの街で、皆健やかに育っていって欲しいからよ…あらゆるものをEXPに変えて、人間をレベルアップさせていって欲しいからよ…。
というわけで、”妹”達の未来探訪前編でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
おっとりしつつも着実に、自分の望む未来を引き寄せるメグ。
それに不安を感じつつ、飛び込んだ先で瑞々しい可能性に飛び込むマヤ。
彼女たちに包まれながら、自分だけの明日に目を向けるチノ。
チマメ隊それぞれの表情が、とても靭やかに書かれていた。
甘く柔らかく少女時代を煮込みながらも、最後の”芯”が確かに残っている煮込み加減の絶妙を、堪能できる回だったかな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
なんだかんだジュブナイルの切れ味、人間心理の不思議な美しさをしっかり切り取ってくる所が、このお話の好きなポイントなんだろうなぁ…。
チノちゃんの澄んだ瞳が見据える、無限の未来。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
その決め手になるだろう学園祭への積み上げもちゃんとやって、準備は万端である。
選ばないだろう道も明るく楽しく価値のあるものだと、今回書いたのマジデカいな…作品世界の横幅と公平性が、上手く担保された感じある。
楽しい文化祭に免れたチノちゃんに、ココアさんがとびきりデカい”愛”を叩きつけるエピソードになりそうで、次回も楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
やっぱあの女(ひと)、愛を前に退かない照れないためらわない所が、人間として強い部分だと思う。人間に期待できる最高レベルのバカさがある。