魔王城でおやすみ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
魔王城の安眠モンスター、スヤリス姫も木の又から生まれたわけではない。
母との思い出に揺られつつ、魔王と言葉をかわす。
そんな心あたたまる一幕が、果たして一瞬の夢と終わるのか?
答えは大破壊洗濯機と、毛糸の動物園だけが知っている…。
そんな感じの、ファンタジック・ディスコミュニケーション・コメディ、怒涛の第6話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
相変わらずコミュニケーションの難しい、魔王城の常識を裏側から殴りつけてばかりいる姫様…であるが、今回は姫様サイドから対話を持ちかけてくるお話。
まぁやっぱり、意思疎通は致命的にズレるんだけどさ。
殺し奪って勝手気まま、生粋のモンスターだと思っていた姫様にも子供時代があり、母がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
魔王にも父がいて、計画的に勇者を成長させて、何かを成し遂げようとしている。
人間と怪物、それぞれの事情はしかし上手く混ざらず、そして楽しく隣り合うことはできている。
そんな現状を、普段とはちょっと違う角度から照らす話だったかなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
姫様に『ぱんつ見せるのは良くない!』とする、年頃真っ当の意識があることも判ったしね。
ナレーション担当のお母さん、アンタがもうちょい”人間”を教えておいてくれれば、姫様もあるいは…。
それはさておき、今回は選択と洗濯、ダジャレから開始である。エピソード頭に置かれる勇者の苦難が、一切本編に関係なく実りもないところに、なかなかの苦労を感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
いつもの朗らか十傑集会議を、裏切るように洗濯に励む姫様。
©熊之股鍵次・小学館/魔王城睡眠促進委員会 pic.twitter.com/xGWNvebh7M
大人たちの『そんなわけないだろ~』を片っ端から踏み倒して、姫様はやりたい放題し放題、殺すは爆発させるわの大暴れである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
魔王様が勇者を語る様子は骨肉の殺し合い…というよりはゲーム感覚、仕事ノリで、やっぱこの話の勇者/魔王システムにはなんかあんだな、と思わされる。
まぁそういう事情も一切関係なく、姫様は創意工夫で洗濯の全行程を完遂し、魔王城の新兵器はスクラップと化すわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
傍若無人唯我独尊、いつもどおりの姫様を最初のエピソードで書いたのは、この後の変化を際立たせる構成…か?
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秋風にスカートの下もスースーし始め、あったか安眠を求め毛糸パンツをDIYしだす姫様。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
幼い日の思い出が、『あんまパンツとか人前で言うな!』とか釘を差したので、言葉に頼らず意志を伝えようとする姫様…え、姫様がコミュニケーションを!?
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なかなか驚くべき変化だが、やっぱり意思疎通は上手く行かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
ハンドサインもモールス信号も絵文字も誤解を生み、魔王軍は加速する混乱に飲み込まれて、モンスター同士ですら混乱が広がっていく。
知ろうとするほどに遠ざかり、喋るほどに意味が壊れていく。まこと、コミュニケーションは難しい。
そのズレにこそこのお話の…というか”笑い”の根っこがあるから、まぁそういうモンである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
同時にこのお話は姫様可愛いほっこりコメディの側面も持つので、ズレたなりになんかいい感じに状況は転がり、笑える感じでオチは付く。
ディスコミュニケーションが致命打にならない、優しいドタバタ世界。
なので魔王城の厳戒態勢は勘違いで終わり、姫様は念願の毛糸動物園を手に入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
”チラ”どころじゃないダイレクトをぶっ込んでも、エロさより微笑ましさが勝つのは作品の味わいであろうか。つーか姫様、恥じらい的なものも持ってんのね…。
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パンツ丸出しをタブーとしたり、それでも怪物と交流しようとしたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
今回かすかに香る姫様の人間性は、どうやら母親との繋がりの中で育まれたらしい。
ここで印象づけた彼女のオリジンは、次なる物語で意外な接触を生むことにも繋がる。
それはつまり、魔王もまた”父上”の子供であり、誰かに寝かしつけられた体験を持つ、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
まぁ小さなモンスターだった姫様に比べ、魔王様は人間味溢れる苦労人なわけだが、うめき声に交じる慕情に絆されて、姫様は檻を越え手を差し伸べる。
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それは今までと同じく、極めて大間違いの大暴投なのだが、しかしなにかこー…今までと違った、何かが確かに繋がる感覚のある触れ合いでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
やっぱ自分にしか及ばなかった”安眠”への想像力を、魔王様に伸ばしてるのが大事なのかしら…イマジネーションが、エゴを絆に変えていくわけよ。
そういう”普通”の話運びが、シニカルにひっくり返されるのもこのお話だとは思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
ともあれ、姫様は魔王に手を差し伸べ、頭をなでて自分も眠る。母に抱かれる幼子から、誰かを慈しむ存在へ…ていうには、ちとトンチキだけども。
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この共鳴をきっかけに何かが変わっていくのか、はたまたまた断絶が広がっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
思い返すと、なんだかんだジワジワと色んなものを積んだ結果、姫様からコミュニケーションを持ちかけ(そして失敗し)、パンツ丸出しを恥じらいだり、母安眠の秘密を思い出したり、微かな成長も生まれてる。
そんな魔王城の日々から、取り残されて振り出しに戻る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
徹底して勇者一行は不憫だ。
与えられた”姫様”は殺人機械の偽物で、それすらも邂逅出来ないんだもんなぁ…このまま、空回りの奮戦を続ける形か。哀れな…。
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今までの交流不能モンスターっぷりから、少し位相が変化するお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
同じことを繰り返してるようで、やっぱちょっとずつ何かが積み重なり、しかし根本的な所がズレている物語だな、と思います。
楽しいディスコミュニケーションを描く筆が、じわじわしみじみと面白い。
今まで好き勝手絶頂な姫様に。振り回されるだけだった魔王城の面々。そんな一方通行の関係性が、今回のお話を起点に変わっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月12日
僕は安定の繰り返しネタと同じくらい、そこからの逸脱をこのお話し、楽しんでいるので、次回以降どう展開していくかも楽しみですね。