D4DJ First Mixを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
幼い日の出会いと傷が、尊大で臆病な大鳴門むにを作った。
再会した光に、怯えながら飛び込む時。
私だけの輝きを、繋いだ手から受け取った時。
少女は世界で唯一無二の”VJ-Only”へと生まれ変わり、世界を塗り替えていく。
そこに、新しい音が待っているから。
そんな感じのD4DJ第四話、待ちに待ったむにちゃん回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
…ありがとう、今はそれしか言えない…。
キャラデザと設定見たときから”強い”と思ってたむにちゃんですが、りんく由来の自尊心と独占欲、臆病な気質と輝きにときめく心…欲しかったものが全部来ました。ありがたい…。
見る前はりんくとの関係性を濃くやると期待し、それは十分以上に叶えられたのですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
”VJ Only”という名前、新しいウサミミを付けて未知の領域に飛び込んでいくことの意味が、むにちゃんの怯えがちな心と一緒にしっかり描かれていて、非常にヒップホップ的だと思いました。
惨めで弱い自分を変えたい。別の自分になりたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そんな願望を背負い、”本名”とは違う名前、違うキャラクターで舞台に立つ。嘘なんだけど、嘘だからこそ開けてくる地平。
そういうモノを、このアニメが扱うDJ文化は持ってし、むにちゃんの物語はそれを濃く出したと思います。
ここで変身願望を拾ってくるあたり、やっぱ女児アニ文法がこのアニメの背景にはあるなー、と個人的に思うところですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
どっしり腰を据えて、後に”Happy Around”になる連中が友誼を結び、フッドになっていく過程を追いかける筆も、BPMが落ち着いてていい。
最近はえーからな、束モノアニメのペース…
むにちゃんのクリエイティビティが乗っかるデジタル画材、VJとして華を添えたステージの表現力も繊細かつパワフルで、そこのリアリティで妥協しないことが、作品全体の肌理を整えてる感じがします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
夢満載のお話運びと、細部に拘る表現力の同居が、とても独特のグリップを作品に与えている感じ。
というわけで、開幕メガむにちゃんでご挨拶。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
あんだけブリブリの外見しておいて、むにちゃんは傷つくのが怖く褒められるのが好き。かなり”陰”の気質を持ってます。
そんな人格の根っこを、無自覚に作った天性の”陽”、愛本りんく…罪な女だ。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/8ck1p2EzO4
りんくが褒めてくれたから、むにちゃんはアイデンティティを”絵”に置いて、深夜も頑張っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
りんくが褒めてくれたから、少しでも自分を傷つけるような意見はミュートしてしまう。
”愛本りんく”へのデカい感情が、すでにチラチラ見えている出だしです。
マージデカい、固定資産税がかかるレベル。
むにちゃんがりんくを探し求め、ためらい怯える様子は先週から継続して、じっくりと切り取られていきます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
こういう繊細な震えをちゃんと見せてくれると、キャラが好きになれるので僕は嬉しいです。
大好きなりんくが褒められてると嬉しいけど、その輪の中に入れない
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/c5dWQadl8z
そこには”私だけの、唯一無二の”りんくでいてほしいという、独占欲が微かに滲みます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
八年間の離別を、幼いままただ描くということが出来なくなってる変化を確かめるのが怖い、という感情もあるかな…?
顔を見に行くにも、いちいち言い訳しないといけない、複雑な自意識。
そういうのが一切ないりんくの真秀クラ訪問と、結局背中を向け窓に自意識を反射してしまうむにちゃんの対比が、なかなか面白いシーンだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
離れている間に、りんくは自分の知らない面白いこと、新しい友達と別の世界を作っている。
そこに入っていける資格が、勇気が自分にあるのか、ないのか
確かめないと納得できないし、でも確かめるのは怖い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そんな乙女心一切感知せず! とばかりに、りんくは真秀とイチャコライチャコラ、存分に青春&友情する。
前回の初舞台を経て、距離が自然に縮まってる描写…なんだけど、エピソードの主軸はむにちゃんにある。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/ERiAEcBS7t
なので、りんくの隣とヴィジュアルデザイン、むにちゃんのアイデンティティを2つも揺らす振る舞いは、ちょっと無神経に感じられる(よう、丁寧に演出されてる)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
見つけられたくないと猫を被り、やり過ごそうと身を縮めているんだけども、話が”美”になると黙ってられない。猫を置き去りに、身を乗り出す
僕ここのシーンが、凄く好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
りんくと離れている八年の間に、むにちゃんにも唯一無二、譲れないものが出来た。
絵筆を握って、可愛く相手に届くものを作るクリエイティビティ。それを揺らされると、ずーっと悩んで止まっていた足が、思わず前に出ちゃう。
そういうこだわりが、”VJ Only”としてユニットに居場所を見出す道にも繋がってるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
りんくと同じくらい”美”に対しても強い気持ちを持っていることが、思わぬ出会いと衝突を生み、むにちゃんと仲間の運命を変えていく。
熱と勢いのある、喫茶店”バイナル”の出会いです。ヒップホップな店名だ…。
自分のデザインに出会い頭、中指突きつけてきたふわふわ女。真秀ちゃんは”人格”があるので、苛立ちつつ『幼馴染なんだ…でも、りんくの”今”はアタシだから…』とかは言わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
つーかそこでバチバチする類の作品なのか読みきれねぇ…期待はあります! 大です!
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/5ceIzu4pp5
前回はトキメキに向かって真っすぐ突っ込み続けるりんくを、真秀が抑える形で話が進んだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
今回は当然の反発で突っかかってくる真秀を、幼馴染補正を活かしてりんくが間に立つ形。
人間関係がぶつかって整っていく歩みを、結構丁寧多彩に追いかけてるところが、この作品の好きポイントであります。
むにちゃんのビジュアル批評は非常に的確で、フライヤーが果たすべき役割、伝えるべきメッセージをしっかり押さえている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
ユニットの知名度を上げる”広告”としての役割を、ここで強調してるの面白いなぁ、と思う。パフォーマンスの外側も引っくるめて、ユニット活動自己実現なのだ。
臆病なくせに挑発とたらしこみには乗っちゃう、チョロいむにちゃん。りんくのお願いに『しかたないなぁ』とうなずいたことが、彼女の運命を変える。天も泣くのを止め、光が差し込んでくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
腕組み警戒してた真秀が、ブツを見せられてガード解く流れが好き。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/4HYGxndRXX
冷静に考えてみるとむにちゃんのブッコミマジ無礼で、真秀の警戒は当然なんですよ。りんくみたいに幼馴染資産があるわけじゃないし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
でも、実際に目の前に出てきたものを素直に受け止めて、むにちゃんの腕を認めることが出来る。
一話二話で見せられた誠実な部分が、ここでも顔を出す。
突然の衝突に構えて、実態を見て構えを解いて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
こういう心の機微を、賑やかなドラマの中でちゃんと見せてくれることが、キャラクターが書き割りではなく作品世界に確かに立ってる感覚を強めてくれる。
キャラが関係を作っていく場面の”粒”が、華やかながら立ってる感じがしますね。
かくしてヴィジュアル担当として、幼馴染と知らない女に挟まれることになったむにちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
ため息まじりに頑張る視線の先に、やっぱりあるぞりんくの貝!
真夜中シコシコ頑張る所も、その足場が友情で支えられてる所も、距離ある風味の真秀と同じなんだよなぁ…。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/ueK39J5Cna
前回までもそうですが、キラキラ輝きに向かって突っ走ってるように見えて、地道に努力を積んでる描写に尺使ってるのは良いと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
こういうの見せられると、やっぱ応援したくなるしね。キャラを好きになってもらえるよう、色々工夫して魅せてくれてるのは有り難い。
つーかりんく…お前ホント…。
というわけで、出来上がった広告。しかし魂が常時5速に入っている女は、それだけじゃ満足しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
『むに…VJやれッ!』
無茶振りにもほどがある爆弾を真秀は止めるが、りんくの激推でむにちゃん陥落。ちょ…チョロい…(りんく限定)。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/KHKH20PYjY
りんくはとにかく情動で動く女で、常識とか暗い見通しとかで足を止めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
やりたいと思ったらやるし、他人も巻き込む。それがエンジンになって、ユニットはどんどん加速し、結束も強くなっていく。
思いつきがいい方向に転がるのは、センスがいい証拠だ。そこを、真秀が補助してく、と。
とにかくりんくがグイグイ来てるようで、一歩引いたところから真秀が成り行きを喜んでいるのが、結構好きな描写です。噛み合ってきてる感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
三つのバラバラなかばんが置かれてるカットが、三人の距離感、その変化を上手く語ってる。静物の使い方、地味に上手いアニメだよね…。
かくしてむにちゃんデビュー戦、ビジュアル方面を強化した二度目のステージに向けて、皆が走り出す。モンタージュで”努力”見せる演出は、何億回食べても良い…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
廊下のデジタルフライヤーが、ササッと切り替わる近未来感。新しい自分を、ウサミミコラージュして探す。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/qslSygbTsI
真秀が”自分”を反射するのが、セットリストに悩むディスプレイだったり、デジタル技術の見せ方、使い方良いな、と思ったりもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
まぁむにむにむにちゃん&りんくですよ。この距離感と質感を、中盤でぶっ込んでくるんだから困っちゃうよ…ほんと困っちゃう!!(やり場のない叫び)
むにちゃんの臆病で寂しがり屋な気質を知ると、変身アイテムとして”うさぎ”選んだのは納得行くんですよね。魂の波長にあったトーテム、というか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
傷つくことに臆病で、長い耳を伸ばして震えていたけど、思い切ってジャンプすると高く飛べる。
ウサミミはそんな自分になるため、少女が選んだ最強武装。
かくして”VJ Only”に生まれ変わろうとするむにちゃんの足を、過去の傷が強く引っ張る。変わりたいと強く願うのは、変われない自分を知ってるから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
それを『よくあること』と、ため息交じりに飲み込もうとする真秀に愛本りんく、吠えるッ!
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/XfIH7ADEKq
ここまではりんくをむにちゃんの巨大感情がゴロゴロ追いかける形だったんですけど、ここでりんくがむにちゃんを汗まみれで追いかけ、八年間の断絶を自発的に埋めようとするんですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
ふわふわ女のデカい片思いが、実は同じ質量で釣り合ってたと判る流れ。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/b25w454vaI
自分を守るための狭くて暗い場所から、いつでも連れ出してくれる友達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
八年前の奇跡を再演するように、もう一度逃げ出した自分を、もう一度捕まえてくれた。
そんな汗まみれの友情に涙を拭いて、むにちゃんは光の中に飛び出していく。
りんくの衝動主義が、最高の形でむにちゃんを迎えに行った…。
むにちゃんのクローゼットをりんくが再訪した行為は、鉢年前に立ち返ると同時に、それを超えて未来に進んでいく一歩目でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
りんくが褒めてくれたから、むにちゃんはりんくがいない世界で絵を描き続けて、弱い自分を支えてきた。
それでも、傷は癒えずに残響する。思わず逃げ出しもする。
でも、そこから別の場所に行くことが出来る。りんくは今、手を繋げる距離にいるのだから。その先の景色には、一緒に進んでいけるから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そんな変化の象徴が”VJ Only”というステージネームであり、ウサミミ武装なのだ。
マーシャル・マザーズにおけるエミネム、あるいはスリム・シェイディですよ。
戻ってきた二人に真秀は微笑み、むにちゃんは親友を見て、りんくはステージだけを見据える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
ここでりんくが、むにちゃんの方を向かないのが良い。
友情の時間は、これからも続いていくけど。
目の前に広がるのは、真剣勝負のリング。
今は、ただそこだけを見る。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/oZbcMefZh5
そんな親友の強い視線を、むにちゃんも自分のものにしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そんな自分になれるのは、手を繋いでくれる友達がいるから。そうさせてくれる、最高のステージがあるから。
むにちゃんの勇気がりんくとの個人的な関係だけでなく、ステージングからも生み出されているのが凄く良い。
この話は友情と青春の物語であり、濃厚な女女感情質量のアニメなんですが、同時にDJをやる話でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
作中の人物がより善い方向に変わっていく時、主題であるステージが強く関わってて欲しいん。
だから、りんくがパフォーマンスに向ける強くて孤独な視線を、むにちゃんが共有したのは良かった。
お互い強い思いで繋がってるけど、それにより掛かるのではなく、各々の強みを持った孤独な”個”として、真剣に舞台に向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そうして必死に踊ることが、本物の繋がりをもたらし”群”としての強さにも繋がってくる。
その前提として、この舞台袖無言のドラマは力強かった。
つーわけで、ビジュアル方面が超強化された”気分上々↑↑”イクぜー!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
やっぱVJ入ると華やかさが違っていて、むにちゃんの居場所が”ここ”なんだっていう説得力が、しっかりありました。
1エピソードごとに、パフォーマンスの一要素をしっかり掘り下げる構成も良い。
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/qTfG66ipnO
かくして最高のステージを終えて、三角形のハイタッチ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
むにちゃんの唯我独尊ムーブに噛み合わなかった真秀が、ここで手を差し伸べるのはやっぱり良い。
りんくとの仕上がった関係性が支えることで、むにちゃんは新しいマブダチを手に入れたわけですよ。こうして友情は深まり、また広がっていく。
りんくとの過去を取り戻すので終わらず、そこから広がっていく未来、新しい関係性にまで風通し良く視野を広げていたのが、凄く良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
とにかくむにちゃんからりんくへの感情がデカいので、それで閉じることも出来たと思うが。
VJという文化、新しい仲間にしっかり出会わせ、変化を生む。
それは思い出が自分だけの荷物ではなく、りんくもまた汗まみれで追いかけ、抱きしめてくれるだけの熱量を、むにちゃんに持っていたから…黄金としてむにちゃんが護っていたものが嘘ではないと、証明してくれたから進める変化でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
過去と未来が繋がった中間点に、今がある。
そういう話でした。
というわけで、期待に全て答え完全に上回る、素晴らしいエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
いやー…思っていたよりりんくに”仁”があったな…軽いように見えて、縁を忘れない女(ひと)。素晴らしい。
むにちゃんの強気ぶって弱いところ、ツンてしてる風味でゴリゴリにズブズブな所も凄く良い。
新たな仲間を加えて、ユニットがどうなっていくか…真秀との友情をどう作っていくかとかも非常に楽しみですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
次回は四人目のメンバー、黒髪のキーボーディストのお話。
アルゴナビス第1話で見たぞコレっ!(アルゴナビス大好き人間)
©bushiroad All Rights Reserved pic.twitter.com/H0IT6SocKI
彼女も大屋根に自己像を反射してて、青春に思い悩むりんく達の仲間なんだなぁ、って感じですが。鏡面を使って自意識を見せる演出多用するの、僕大好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
アッパーテンションなパーティー文化とは縁遠そうなお嬢様が、どんな経緯でりんくにズブズブになっていくのか。
次回も楽しみです。