GREAT PRETENDERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
恨み、怒り、刃を突き立てる。
そんな日々に別れを告げて、世界を股にかけた魔法の旅へ。
騙し、笑い、恋をする。
クソ悪党が、そんな幸せに生きられるはずもない。
そんな予感にうち震え、これを最後と打った博打。
それが破滅に終わることを、僕らはもう知っている。
という感じの、長いおとぎ話中編、グレプリ第19話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
ローランが金髪クソ野郎に落ちる前。
旧世代のコンフィデンスマン同盟の輝ける日々と、焼け付くような恋…迫りくる破滅のエピソードである。
オズがとっ捕まって真人くんが大変なことになる未来から話を見ているので、全てがフラグに見える…
今回と次回の過去話それ自体よりも、それをエダマメがどう受け取り、そこに旧世代がどう反応するかが、やっぱ気にはなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
どんだけ悲惨な過去を垂れ流しにされても、枝村少年とお母さんがあまりにも辛い時を過ごして、すっかり歪んじゃった…上で、なんとか真正に生きようとしてるのは事実で。
その真心と哀しみを弄んだ…ように見えるローランとオズも、彼らなりに出会いがあり、想いがあり、別れがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
今まで隠れていたバックボーンを見せて、ローランの謎を紐解いていく過去編は、人非人とお人好しが存外、近い場所にいると見せる足場にもなろう。
どう受け止めどう転がるにしても、まぁドヒドい破滅まで回想を進めてくれないとなんとも言えないわけだが…ローランの過去は、こっちの想定以上にキラキラだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
恨みの刃を突き刺して、思わず逃げた闇の中。流された先では、刺したはずの女が赤ワイン飲んでた。
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悪党しか狙わない、凄腕孤高の詐欺師集団。過剰に回る弁舌と、人生ナメた余裕の態度で受け流す、犯罪稼業の大先輩。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
ドロシーのキャラ、彼女との出会いは、意識して第一章でのエダマメと似通ってる。
皆ルーキー時代があり、騙されてハメられて、人生を知っていく。
銭を稼ぐだけで終わらず、心に溜まった歪みを抜く。刃をその身に受けて、人生を明るく照らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
金髪クソ野郎が時折見せた、メンターとしての顔はドロシー譲りなのかもしれない。
そう言い切ってしまうには、あの男の立ち回り、悪魔めいた好奇心が勝ちすぎてるけど。
というより、悪魔めいた好奇に活きるしかないほど、ここで手に入れたもの、後に失われるものがデカい、ていう話かもしれんけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
エダマメも、お母さんとの人生、父との思い出を潰されて捻くれた。ここら辺もまた、師弟で共通なのかもしれない。
ワインと金と楽しい仲間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
巴里の灯のように輝くものは沢山ある。だからナイフなんか捨てて、言葉一つで世界を騙そう。
ドロシーは巧みな弁舌で、ローランを麗しき悪の道へと誘う。青年もそれに微笑む。
若シウォン、結構好きだな…。
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かくして始まった、世界を股にかけた大暴れ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
ブラジル、イタリア、そしてアメリカ。
三章立ての大成功を駆け足で追いかける構成は、圧縮されたここまでの物語の類似ともいえる。旧世代も、エダマメたちと同じようにスリルとサクセスを泳ぎ、絆を深めた。
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ブラジルでは危なっかしい初仕事をなんとか渡りきり、イタリアでは人種偏見を煽ってハメる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
ここまでの物語で輝いた要素を、早回しのモンタージュにキラリ、埋め込む話運びは結構好き。エダマメ一行に持ってる好感度が、旧世代にスライドするような仕組みやね。
大掛かりに状況を作って、相手の欲望を操作してハメる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
過去(ドロシーたちには未来)で特徴的だったローランのやり口も、褐色の女師匠から学び取ったことがよく判る。
…となると、散々振り回されたエダマメがローラン式に、今の状況作ってハメててもおかしくはない。
問題は、誰をハメてるか、だが
銭に踊って危機一髪。吊られた綱が、絞首刑の名残にも見える。スリルに踊ってたら、命がいくつあっても足りない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
ドピンクの愛の部屋で、交わした約束。
俺たちは、この崖っぷちから降りる。大事なものを守るために。
…そこから降り損なった未来を、僕は知ってるが。
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ドロシーとのベッドシーンは、このアニメらしい過剰さ、悪趣味、純情、儚さが上手く入り混じり、とてもロマンティックだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
悪党騙して金を取る。それが天分と危うく飛ぶ少女を、どうにか地上に繋ぎ止めたかった。
”まとも”になりたかった。
その思いは、かつてのローランと今のエダマメを繋げる…
のか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
こんな長話されても、エダマメ(と、彼の”今”に興味がある僕)にはやっぱ他人事な部分があって、『は? 知らねぇし! ハメたこと謝れし! お前は母さんの墓前で死ねし!!』ってキレても、まぁ理解るんだよね。
エダマメくん根っこが善良なので、今までと同じように心を寄せそうでもあるが。
ともあれ、雪景色に輝くオーロラが、家なしドロシーが求めた”お家”を約束する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
ここの”オズの魔法使い”ネタの料理の仕方は、すごく好き。生き間違えきった薄汚い詐欺師が、唯一用意できた本物の魔法が、このエメラルドの都ってワケね。
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まぁ、その夢も香港で無残に飛び散るんですけどねッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
凄い勢いで死亡フラグを建造しながら、最後のパーッとデカいこと! 行くぞ香港ハメるぞヤクザ!!
敵の懐に入り込み、ヨゴレた人買いのフリをして、善業を為す。ブローカーを装い、王族で釣る。
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失敗に終わった(風味に、現状演出されてる)VS朱雀と同じ調子で、アジアでのビジネスは進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
ここも、過去と現在をシンクロさせる重ね合わせであろう。あえて同じ調子をリピートさせることで、『手札読まれてない? 大丈夫?』という不安を煽りもするか。
この『今までと同じじゃん! 読めたわヨユー!』って感覚は、あからさまに釣り札ではあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
その奥にもう二、三枚展開を隠してあるのが、コンゲームものではある。そんな大逆転をどんだけ気持ちよくぶっ込めるか、期待を裏切らず予想を外すかが、腕の見せ所。
気持ちのいい嘘に踊らせるには、印象を操作しなきゃいけない。ここは創作も詐欺も同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
操り、読ませ、ひっくり返す。まさかの展開があたかも必然であるような、意外性と納得の同居。
そこの焦点は、四章だとやっぱ、エダマメの墜ち方、戻り方かなぁ…なに考えてんだろうなぁ…。
それは未来の話として、赤く色づく京都鹿苑寺。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
未来の劉暁が読んでいたのも三島由紀夫”金閣寺”だったなぁ、などと思いつつ。決戦の舞台は日本である。
グレプリ特有の色彩が、最高に活きた1カットだな…気づけば見慣れたけども、やっぱフレッシュだわ。
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”金閣寺”がそうであるように、この過去話も業と破滅の物語だ。現在進行系のエダマメの物語も、そう終わるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
そこに、このおとぎ話がどう重なってくるのか。
人間らしく思いをつなぐロクでなしの歩みは、ここまで見てきた物語と、おそらく意図的に重なっている。
『クズの目にも涙』で、過ちは許されていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月23日
待ち受ける破滅は、ローランをどう歪めたのか。
未来に続く物語を、語りきらなければ今は始まらない。
さて次回、何が見れるか。とても楽しみです。
旧世代がエダマメ一行とどっか似てて、ぜんぜん違う味付け結構好きだな。個性と連動を感じる。