体操ザムライを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
嵐の合宿を終え、城太郎は四回転に挑んでいた。
果敢に挑み、それでも掴めない成功のヴィジョン。レオも加えて、新たな可能性を掴み取ろうともがいていた。
一方玲は訪日したキティとともに、夏を満喫していた。
新しい自分、新しい喜び。
親子は飛翔の時を迎えようとしていた。
そんな感じのサマーシーズン到来ッ! 三者三様の”特訓”を描く、体操ザムライ第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
前回リュウに火を付けられた城太郎、キティに出逢った玲、美の呪いに苦しむレオ。
それぞれの人生が交わりつつ、別々の高みを進んでいく群像が、気持ちよく踊る夏であった。
”アスリートの娘”として父を支え、苦しみ、思いを告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
第6話でピークを迎えた…かにみえた玲ちゃんの物語が、新たな出会い、新たな喜びでさらに広がっていく様子を、かなり時間を使って描いてくれたのが嬉しい。
城太郎の娘、知世の代理ではない、”荒垣玲”だけの夢。
競技の頂点を極めて、新たな夢に貪欲に進んでいくキティとの出会いが、広げる少女の世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
それは城太郎が目指す”四回転”と、同じくらい輝いている。父も娘も、それぞれの空に飛ぼうとしている。
では、そこに逃げ込んできた忍者はどうなのか。
彼が舞うべき場所は、どこにあるのか。
やはり後半戦は、ロイヤルの至宝が話の軸になりそうである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
彼が荒垣家にもたらしたもの、手に入れたもの。
暗闇の中、呻くようにパを舞ってしまう身体の疼きと、視線への恐怖に震える心をどう噛み合わせ、魂の戦場へと戻っていくのか。
そのための身悶え…必要不可欠な助走を描く回でもあったかな。
というわけで夏! 新しい友達が来る! 玲ちゃんワクワク! 可愛い! スタート! 可愛い! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ビッグバードも交えた荒垣家の日常は、やはり朗らかで面白い。そこに居場所を見つけた青い目の忍者は、世界最高峰の体操選手より、柔軟性がある。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/HVH5i5cXLU
レオが城太郎に憧れつつ、サムライではなくニンジャになろうとした理由。自分の過去と真実を、ひた隠しにしたい弱さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
荒垣家は、それを問わない。
羽を休めいつか巣立つとしても、家族の一員として受け入れる。
その寛容が、玲ちゃんの寂しさを埋める形で、荒垣家に帰っても来ている。
それで終わるのではなく、体操選手・荒垣城太郎の再起にも手を貸したい。役に立ちたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
幾度も挑み、失敗して掴む新たな世界。
アラガキを開発したときも、同じように落ちて、同じ人が隣りにいてくれた。そこに、レオは入り込めるのか。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/5z7Elt6vVt
レオの例えは超感覚派で、上手く言葉でヒントを出す類のものではない。ここら辺は、指導者はとてもやれない城太郎と、似てる部分がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
多分『体軸の安定を重視して、回転を上げることに意識を持ってかれない方が、結果として回れる』って事を言いたいんだろうな、カザグルマ…。
それはレオが、バレエダンサーとして積み上げた身体の記憶。背中を向けてなお、一人踊らないと休まらない、第二の天性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
それを目撃した城太郎は、何も言わず踊る許可を出す。
八割天然なんだろうけど、どうしようもなく身体が求める感覚に、共鳴もしていよう。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/I0Pxn9macf
城太郎が引退を撤回した『まだやれる』という感覚に、言葉で説明できる理由はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
身体がそう言ったから、思わず動いてしまった。そんな感じだ。
自分の過去をひた隠しにしつつ、それでも踊ってしまうレオもまた、そういうフィジカルな律動に突き動かされている。
城太郎はその叫びに、素直になった。自分の言いだした無茶が、娘に強いていた抑圧にも向き合った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
強敵の厳しいエールを受け、コーチと二人三脚、周りを巻き込みつつ前に進んでいる。
その歩みはぼんやりと身勝手で、真っ直ぐ力強い。
ずっと挑んで、自分に勝ち続ける。死ぬまでやる。
そんなサムライの潔さに対し、バレエ・ニンジャは色んなものから身を隠している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
大事な人に本当の自分も見せれていないし、どうやっても踊りを求める自分にも向き合えていない。
だからこそ、自分を何ら偽らない城太郎の演技に、強く惹かれるのかもしれない。
そんな二人が共に愛する、我らの玲ちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
奇縁で結ばれた友達とともに、ボケボケ親父とじゃ出来ない喜びに、手を引かれて漕ぎ出していく。
ありがとうキティ・チャン…ありがとうブランドショップのお姉さん…ありがとう世界…。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/Je9G1DymJE
着飾り、新しい服に胸を躍らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
それは”アスリートの娘”には不必要で、でも”荒垣玲”には大事なことだった。
キティとの夏休みは、お洒落をするとワクワクする”荒垣玲”と、玲ちゃんを出会わせていく。
そんな自分に、後ろめたさなしに飛び込めるのは、やはり父との関係を一回整理すればこそだろう。
”アスリートの娘”にしかアイデンティティがない、学校で常につまらない顔をしていた玲ちゃんだったら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
少し笑えるようになって、でも自分が抱えた重荷を父に預けられない頃の玲ちゃんだったら。
キティとの素晴らしい時間を、そこから生まれてくる自分を、素直に受け止められなかった気がする。
だからこの尊い描写は、今まで積み上げた少女の一歩一歩、出会いと迷いと決断で変わっていった世界があってこそ、なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ホンマ…玲ちゃんがなんの屈託もなく、同年代の友達と笑えて…ありがとうキティ・チャン…ワールドレベル…。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/zy5wMQKuDr
僕玲ちゃんの同級生ボーイかなり好きなので、彼のツンツンした思春期もむっちゃ可愛くてよかった。まーワールドレベルだわな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
見知らぬ服と笑顔で輝いてる玲ちゃんの一部は、確かに君が作ったんだと、そのうち気づくこともあるのだろうか。
それとも初恋は、儚く消えるだろうか。
ニヤニヤ見守るぜ…
少女二人の交流は人生の化学反応を生み、オババもニッコリであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
レオと城太郎の特訓は、なかなか結実が難しい。
しかし『心から楽しむことが、飛翔を生む』という部分は、みんなに共通してんのよね。
それを封じる鎖は皆それぞれ別だけど、縁が翼にもなろう。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/o7FRN1PLcj
自分の中にある”好き”を問いかけ、解き放つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
キティは貪欲に喜びを求めて、体操で手に入れた高みを軽やかに手放そうとしている。多分、レオが縛り付けられている場所を。
トンチキな同居人の素性を、荒垣家に教えること。それも、キティの物語的な仕事か。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/9HUDFmCcpf
深夜のパを見ても、レオは生粋のバレエダンサーだ。城太郎が、生粋の体操バカであるように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
城太郎は死ぬまで続け、キティは頂点を極めて新しい場所に進んでいく。その両方に価値があるのは、自分の中から湧き上がる思いに、二人共嘘をついていないからだ。
でも、レオはそうじゃない。
彼自身も、踊りたい自分と、踊れない自分の間で苦しんでいる。城太郎は、そんな彼を静かに見守っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
憧れのサムライの家に、身を潜め自分を隠す。
”逃げ”にも思える生活は、しかし確かに、一人の少女の心を救った。”楽しい”と思える未来の、揺籃になった。
玲ちゃんが『映画ごっこ』から、未来の自分を探り当てる歩みは、多分レオや城太郎と共通している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
楽しいという気持ち、真剣に遊び切るスタイル。
それが唯一の価値ではないが、多分とても大事なことが響き合うから、彼らはひとつ屋根の下に集っているのだろう。
だが、レオは遊びきれていない。
一話限り荒垣家の軒を借りたキティは、自由奔放に玲と遊び、最高の笑顔を引き出してくれる。ありがとうキティ・チャン…沢山ご飯お食べ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
友の寝顔に思い出すのは、敬愛する母の主演作。いやー…どうみてもZ級ッスね知世さん…。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/ijLWYQPIg0
しかし死してなおフィルムに残る言葉には、夢を支える強さが宿る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
『傷ついた今こそ、真の強さを育てる時。本物の忍びになるのなら、私とともに立て!』
これは確実に、玲ちゃんがレオの奮起を促すフラグ…トンチキな友達がくれたものに、報いる布石…。
多分ドッパドッパ泣くな…。
お母さんから玲ちゃんへ、そして多分レオナルドへ、本気で演じた嘘っぱちが繋がってくだろう流れは、凄く好きなんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
城太郎の演技がそうであったように、知世さんの芝居も海を越えて、キティの心を動かした。それで繋がった縁が、娘に新しい輝きを教えた。
海も言葉も…死すらも越えて、繋がるものが確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
玲ちゃんの変化を追う筆は、それが体操以外にもある豊かさをしっかり切り取ってくれる。同時に、体操独自の強さ、美しさも教える。
群像劇である強さが更にトルクを増して唸ってる感じで、最近の話運びは大変良い。
かくして迎えた別れの時、少女は決意を拳に込めて、大きな夢を語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
大女優。
そこに”お母さんみたいな”という前置詞がつかないことが、僕は嬉しい。
どんどん、玲ちゃんは玲ちゃんになっていく。極めて眩しい。ありがとうキティ・チャン…ありがとう世界…。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/tzyHmh4TGJ
好きなことを見つけて、拡げていきたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
それは少女だけの特権ではなく、老いぼれたかつての英雄も、逃げ出したステージの星も、人間みな求めていい夢だ。
そこに踏み込む扉は、出会いが開けてくれる。一つの”好き”が、色んなものに繋がっていく。
ならば、城太郎の体操が”好き”だからニンジャになったレオも、誰かの…自分自身の扉を開けれるはずだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
玲ちゃんが今回扉を開けて、なりたい自分を見つける手助けは、キティだけがしたわけじゃない。
一緒に買い物道を歩いて、映画ごっこではしゃいでくれた、君がいればこそ。
玲ちゃんも城太郎も、この巣立ちに微笑める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
四回転への足がかりだって、よく判んねぇ天才言語に共鳴して、城太郎が掴んだものだ。
だから、輝きに飛び込む人たちを見上げて視線をそらすのではなく、君も高く高く飛んで欲しい。
©「体操ザムライ」製作委員会 pic.twitter.com/UuXxh61VGp
そんな気持ちになる、キティ・チャンマジありがとう回でした。マジありがとう…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
やっぱねー…玲ちゃんが色んな笑顔を見せて、どんどん世界が広がり自分を好きになってくれると、もう無条件で嬉しいね。ホンマ優しく強く素晴らしい子だから…マジ幸せになって欲しいから…。
その強い輝きが、”好き”に堂々飛びつけないレオの陰を強調もするけど、でも彼なりにサムライを助けようと踏み込んでもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
それが、幻の四回転に城太郎を近づけてもいる。
玲ちゃんだけでなく、色んな人に彼の”逃げと遊び”は、喜びを生み出している。
しかしその事実に、自分が飛ぶべき真実に、まだ目を背けてもいる。そういう現状が良く見える、夏の一幕でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
だんだん明らかになってきたレオの陰りも弱さもひっくるめで、俺コイツのこと好きだからよ…最高のグランジュッテ、キメて欲しい。
特訓と発見の夏を超えて、まだ物語は続く。次回も楽しみ