A3! SEASON AUTUMN & WINTERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
メンバーも揃い、活動を始める冬組。
GOD座のレミが仕掛けてきたタイマンACTを、受けるべきか否か。消去法でリーダーとなった紬は、決断を下せない。
それは過去の傷が生み出す、抜け出せない檻。
繰り返す一人芝居の先に、答えはあるのか。
そんな感じのアーバンファンタジック青春物語、A3冬組第二回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
春夏秋、3つの物語を繋いできたカンパニー。
その最後にどんなネタを持ってくるかと思っていたが、まさかSF(すこしふしぎ)テイストとは…正直、全然読めなかった。まぁトンチキ人間多い劇団だけどさ。
ここまでかなり直球に”演劇”に、それが必要とする人の成長に向き合ってきた作品が、最後に見せた変化球。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
正直戸惑いがないわけじゃないが、ここまで三回、良いところに落としてくれた信頼もあるので、あんま心配はしてない。
ファンタジックな道具立てで、どんなものを書くか。
『前と同じことをしない』というのも、春夏秋冬のオムニバスで進むA3の基本哲学だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
春組、夏組が苦闘した、ド素人や大根役者の覚醒。
それを外して、新しい角度から物語を覗き込むことで描けるものはなにか。変わらず作品を支えるものはなにか。
それを探りながら、物語を浴びたい気持ちだ。
というわけで、お話は紬と丞の黄金時代から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
この時代は真っ直ぐ繋がり合えた二人の視線は、現在徹底的にすれ違い続ける。
紬は弱々しく目線をそらすし、丞は頑なに過去を責め動かない。そのズレを強調するための、ゼロ地点の描写。
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ここで演じられているのは人形を使ったエチュードで、それは多分、人形が引き起こしたループの暗喩なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
運命に導かれて同じ舞台に立ったのに、かつてと同じ関係にはなれない。未だ明かされぬ失敗を経て、交わらなくなった二人の視線。
それを直行させて、もう一度息のあったエチュードを。
戻る、繰り返す、出る。変わらないまま、変わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
おそらくそういう運動が、丞と紬を真ん中に置く物語に置いては大事なのだと思う。
今までは芝居が上達したり、真っ直ぐ現実世界でぶつかり合って磨かれた関係性が、今回は不思議な舞台立てで演じられることになる。
その独自性…わざわざもう一つのルールを作品に持ち込まないと生まれないものが、二人のキャラクター、共有する過去にどう絡んでくるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
二人が仲違いすることになった原点がまだ伏せ札なので、まだまだ判別はしきれない。ただ、冬組のテイストが今までとかなり違うことは判る。
ここまで一人芝居は、役者のレベルを判断し、組が何を乗り越えていくかを示す大事な指標だった。冬組のメンバーは、そこは軽やかに乗り越えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
スラスラ芝居が出来ること。台本に感情を込めて読めること。
そこは、冬の課題ではないのだろう。
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ならどこが課題かといえば…やはり”向き合えなさ”なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
大人だからこその、妙に冷えた余所余所しさ。自分が確立されているからこその、それを護るためのぎこちなさ。
リーダー決定も消去法で、上げた手は伸び切らない。不満で紬を押しのけ、丞がリーダーになろうともしない。
何もかもが生煮えで、上手く繋がらない感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
丞が前に出ないのは、おそらく紬に強い期待を懐き、裏切られてなお諦めきれないからだと思う。
『お前は、もっとやれるはずだ』
秋組では十座が万里を”見ない”ことが、作品の牽引力であったが。
今回は過剰に見る…からこそ、見れてないことが足場になる。
怒りや苛立ち以外で、丞の視線が紬に向く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
あるいは消去法以外で、紬の腕が真っすぐ伸びる。
人生経験に屈折した思いが、真っ直ぐ自分と世界を捉えるまでの物語…かつて繋がっていたものを繋ぎ直す物語が、冬組の柱…かなぁ?
まだ読み切れないわ。二話だから当然だけど。
そんな状況でも、なんとなく上手くやれるのが”大人”というもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
四期二十人、カンパニーも大所帯になり、それぞれの繋がりが生まれてきた。この段階では軽いクスグリ程度に考えてたんだが、劇団七不思議、まさか前面に躍り出てくるとは…。
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この団らんでも、同じテーブルに付きつつ丞と紬の視線は直行しない。離れた位置に座り、隣り合いつつ相手を見ないよう、視線を逃している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
お話が本格的に発火する前段階だが、ここら辺の制御は徹底している。
だから僕も、『ここが軸なのだろうな』と読むのだ。
そしてもう一本の軸、GOD座とのタイマンACTだッ! やっぱレニさん、テンションがホビーアニメ方向にぶっ飛んでない??
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
ヤクザの因縁付けに『絶対見なきゃ!』てなる天鵞絨街の民度、相当ヤバい気がするけどどうなんでしょうか…。
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『選ぶ・進む』てのは紬の中心課題で、一千万が乗っかったタイマンACTは、そのための(文字通りの)舞台装置なんだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
彼が堂々、座長として役者として人間として『俺は俺だ!』と言えない弱腰の原因。
それは丞が彼を認めなくなった理由と、同じなのだろう。
歴代座長から投げかけられる、重い責任。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
”逃げ”の選択肢として引き受けた紬は、そこに確固たる決意を示せない。
芝居から、過去から…その結節点である丞から逃げるのを辞めるために、オーディションに進んだはずなのに。
そんな彼の弱気を、時の檻が捉えていく。
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二段ベッドのズレた視界、灰色に冷たい朝。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
起点となる”一回目の十二日”は、ひどく客観的に二人を切り取る。
同じ部屋にいても、しっかり向き合えない。苛立った態度で、過去と自分をしっかり見ることから、丞も逃げている感じだ。
同時に、丞が結構”悪くない”人なのだということも、よく見えてくる。まぁそうじゃなきゃ、GOD座トップから降りはしないわな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
寝っぱなしの密に口当たりの良いマシュマロを与えるだけでなく、肩を掴んで立たせる。そういう事をするのは、現状丞だけだ。
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紬以外には、丞はちゃんと向き合える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
取り繕った滑らかさだけじゃなく、熱い思いを真っ直ぐ出せる。
でも紬相手には、立ち位置露骨に90°、直行するにしても胸ぐらつかみで、どうにもズレていく。情熱の行きどころが、上手く見つけられない。
後ろに引きすぎる紬と、前に出過ぎる丞…て形か。
この二人の適正距離を、どう見つけ直すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
そのためのキーアイテムが、ブッサイクな縫いぐるみである。
もう一度、可愛いの可愛くないの言い合える関係を取り戻すために、行くぜ時の檻ッ! 繰り返すぜ過去ッ!
”二回目”は、二人の朝を切り取るアングルが違う。
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時間の異常を共有することで、二人は同じものを見る、対等な横並びに位置できる。相手の顔を、ようやく見れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
そんな未来を示唆しつつも、永遠の”12日”の異常性に世界は暗い。
七転び八起きの三角だるまが、過去の傷を越えて関係が修復される結末を、静かに暗示する…のか?
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不気味な人形は、何も答えない。なかなか不思議な味わいで、冬組の第二話は終わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
相変わらずド正面から向き合いはしないんだけど、距離は近づき角度は正常化されつつある。
この異常事態に”二人”で取り込まれたのが、関係改善の鍵なんだろうな。
というわけで、舞台を飛び出した不思議なストーリーが、素直になれない二人を取り込んでいくエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
繰り返しつつも、ズレて変化した関係性。
それを繰り返す時とその突破で描く…ていう狙いは判るんだが、正直どう活きるか読みきれない。
ただ後ろに引きすぎる紬と前に出過ぎる丞の現状はよく描かれてて、ファンタジックな道具立てを活かす、骨の太い下準備が進んでる…という印象だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
ここで整えたものをどう爆発させて、時の檻を越えていくか。そこに、残り三人のキャラクターがどう絡んでくるか。
そこを楽しみに待ちつつ、今はあからさまクレイジーにハネた、GOD座主催を反芻する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
『ヤクザが身内になったからって、そんなに張り切らんでも…』とツッコミたくなる、異常なはしゃぎっぷりだった。
面白いなぁあの人。一人だけ、キッズアニメの文法で動いてんだよなぁ…。
四季をめぐる物語。それを収める”冬”に、あえての変拍子を取り込んできたことがどう活きるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
個人的には、そこにも注目しながら見ていこうと思います。
暴投か、必然か。毎回のことだが、最後まで見なきゃ判らんのだ。そしてここまで三回、このアニメは”真ん中”に入れてきた。
次回も楽しみです。