ご注文はうさぎですか? BLOOMを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
シャロと千夜、幼馴染な二人に同時に飛び込んだ、生徒会長選挙への推薦。
学園の女王ともなれば、共に過ごす時間も減っていく。それでも、冠を欲するのか。
本当に欲しい王冠は、どこにあるのか。
迷子の兎は、未来へ跳ねていく。
そんな感じの、選ばないことを選んでいくごちうさ三期第九話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
ここまで”変わる”事を掘り下げてきたBLOOMであるが、今回は過去の思い出を取り返し、”変わらない”ことを決断するエピソードである。
同時に未来を装うリゼを通じて、相変わらずの変化も書いてる話かな。
思い出は常に未来の中にあり、過去はいつでも再獲得されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
時の流れに晒され、何もかもが変化していく中で変わらないもの、変えたくないもの、変えたくないものを見据える。
そういうことも、変わるのと同じくらい大事なのではないか。前に前に進んでいた視線が、少し後ろを見る回。
ある意味現状維持の停滞、あるいは後ろ向きの逆行とも取れる話なんだが、未来ベクトルの物語を積んできた三期だからこそ、自分の意志で足を止めることが時に意味を成すと、上手く刻めた感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
自分を構成する大事な思い出に立ち戻り、取り戻すことで見えるものもある。今回はそんな話。
というわけで、宇治松千夜を支配するインファンテリズムから開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
手を引いて、王様のように宣言して。
シャロに対し”上”を取れたこの時代の記憶が、弱々生物の根幹となっているのがよく判る。時は流れとるんやぞッ!
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千夜には麗しき幼年期をあまりに大事に抱え込みすぎて、必然的な変化に対応しきれずバッキリ行きそうな怖さが、個人的に付きまとう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
三期は特に、他の連中がガンガン前に進む。ので、”過去”に足を置きがちな彼女の危うさが、目に飛び込んでくるのかもしれない。
とは言うものの、あまりにも美しい朝日に誓った思いが、悪いもののはずもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
大事なのは思い出のホコリをどう払って、生物として変化を続ける時間に適応させるか、という話であろう。
自立して前に進んでいるように見えるシャロも、同じ足場を共有すればこそ、飛躍も出来るのだ。
そんな思い出を後景に控えさせて、千夜はなんか変な手の形で会長選挙推薦を受ける。何そのお手々…可愛いね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
あくまで立候補ではなく推薦、というのがキモで、トンチキなクラスメイトに望まれたから、千夜は選挙に打って出るのだ。
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望まれている自分となりたい自分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
その線引が曖昧で、求められる形に自分を変えられるのは、優しいからか自分がないからか。
彫り込んでいくとかなり暗いものが噴出しそうなネタであるが、相変わらず異常なテンションのクラスメートに囲まれ、状況は結構穏やかに進む。
公務を背負えば、みんなでいられる時間は減る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
そんな現実を、やっぱりシャロは千夜に先んじて認識している。
それでも”公”を背負うか、”私”を優先するか。
シャロが相談したいのはそのジレンマであって、スピーチ原稿ではない気がする。
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千夜は同じ状況でありながら、シャロが見据えているものがまだ見えていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
アバンで示された、幼く金色な時代。先に行き、手を引いて進めた時代が変わっている残酷に、シャロだけが取り残されている。
そう見ることも出来る、柔らかながら鋭いシーンだと思う。
千夜とシャロのギャップは、いつか決定的な歪みになる気もするし、木組の街はそういう冷たい現実感を排斥する感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
千夜が成熟するか、シャロがテンポを落とすか。あるいは、手を繋ぎ直すか。
上手く回転速度を調整して、二人で踊れるような奇跡が多分、やってくる。今回もその一つかもしれない
そこら辺はBパートでやるとして、前半はリゼの進学準備である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
大人っぽく、女らしく。
今まで掴めなかったものに、ちょっと背伸びして指を伸ばす。硬直するシャロの反応が、リゼガチ勢としての”本気”をよく教える。お前ホントにしぇんぱい好きな…。
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多分シャロは、千夜相手にこういう強張りを見せることはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
高校に進学して新しく出会った先輩と、ずっと一緒の幼馴染。関係も反応も当然違くて、両方に意味がある。
会長推挙のジレンマを、一番に相談したかったのは千夜。一番安らげる場所だから、一番脆いものを預けられる。そういう感じ。
一方仲良し姉妹は、再会なった素敵な友達にテンション上がっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
やっぱなー…メインカメラがフォーカスしてない時に、さり気なく差し込まれるココチノ隣り合わせ描写の破壊力がヤバい。構えずナチュラルに、掴み取った幸福と堪能してる感じが良い
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成り行きでついた嘘は雪玉のように転がり、チマメはテンパりバレエ拳法が炸裂する。しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
イヤマフ可愛いねぇマメちゃん…お勉強頑張ってるねぇ…(児童を見守る妖怪のうめき声)
そこで一笑い貰ってたら、急にチノちゃんのリゼ慕いがぶん殴ってきた
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先週見せたような密接した距離で時間を共有して、リゼはチノちゃんが笑えるようになる手助けを、沢山している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
服と髪型を変えて、大学という新たな社会に飛び立つ準備をする中で、そんな時間も減っていってしまう。
そこにワガママ言うわけじゃないが、それでも寂しい。
多分”ロゼ”だからこそ聞けた、チノちゃんの想い。あの子寂しがり屋なくせに、強がりで恥ずかしがり屋だから…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
それをリゼが受け止められただけでも、この珍騒動に価値はあった…気がする。
普段と違う道からしか、見えないものがある。
千夜とシャロの回り道にも、通じる部分か。
そして唐突に抜かれる銃! 受け流すタカヒロ! バレる正体ッ! 三期のタカヒロ推し有り難いッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
変わろうとした貴方も、ありのままの貴方も、両方素敵。
これを打算と計算抜きで言えるのが、保登心愛という女(ひと)です。
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まぁド天然だからこそ、ミエミエの変装も見抜けずガチで勘違いしてたわけだが。そういう純真が、僕は好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
二つ並んだ、いつもの衣装と新しい装い。
その両方が間違いなく良いものだと確認し…またココアさんが悪ふざけして説教されてる…。
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むしろ砂かぶりでプンスカお姉さんぶるチノちゃんを堪能するために、わざとやってんじゃねぇか疑惑まで持ち上がるオチで、Aパートは終了である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
変わること・変わらないこと…というより、過去から未来に繋がっていく連続性、変化も不変も引っくるめた肯定のエピソードな印象ね。
そんなテーマを引き継いで、会長推挙騒動がBパートを転がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
あんこ ON チノヘッドがマジで可愛い。
あんよ・シッポ・お尻のラインが、ぽってり丸くて良いんだよなぁあんこ…。ティッピーより生兎力が高くて好き。(アニメの中の動物好きマン)
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ドタバタ騒がしい騒動の中で、シャロがふと見据えた思い出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
あの時欲しかった王冠って、こういうモノなのかな。
自分が選んだもの、選んで手放したものは、幼馴染とズレてしまったのかな。
こういう内心は、視線の芝居に託されて語られはしない。存外、演出暗号の濃いアニメなのだ。
シャロは千夜に相談を持ちかけられないまま、自分の足でジレンマを背負い切り、自分で決断する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
その姿を見るまで、王冠が戻ってくるまで、千夜は自分が何を掴み、それで塞がれるモノが見えていない。王冠見つけるのもシャロだしね。
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気づけば幼馴染を置き去りに、自分の世界を切り開いていってしまうシャロ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
それは甘兎庵というホームを持たず、色々厳しい状況に自力で対処するしかない環境が育んだものなのかもしれない。
それでも、帰るべき場所はいつでも一つ。おもちゃの王冠を、本物と思えたあの幼い日々。
三期得意の美術力が、二人を支える思い出を激烈に描き倒す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
”そこ”への想いが自分だけの宝物だと、当選記念のパーティーに一瞬傷ついて、それでも親友の飛躍に微笑む。
ここら辺の芝居、シャロの内面が異常な精度で切り抜かれ、凄まじい”殺気”だった。
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同じ状況に千夜が置かれたら、もっと膝からガクー行ってると思うわけです。アイツ弱いから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
しかしシャロはショックを受けてなお、顔を作って親友を寿ぐ。
そういうことも、世界にはあると既に認識してて、自分をそっちにアジャストする靭やかさを備えている。タフな…タフであろうとしてる女だ。
しかし一瞬幻視した”遠さ”は思い込みで、千夜は会長推挙を手放して、シャロとの過去に戻ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
私も、その黄金が大事だったの。
差し伸べられた千夜の手を、笑いながらシャロは取る。
手放して、掴む。その連続体としての青春に、彼女たちはいる。
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幼い頃に交わした、この街を、私達の家を守り続ける約束。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
それが自分たち最高のキラキラなのだと、再確認するこの歩みは、もしかしたら二人を縛る鎖になるのかもしれない。
不確かに揺れる魂を、繋ぎ止める楔になってくれるかもしれない。
不断の変化に晒されながら、”戻る”ことをあえて選ぶ今回は、シリーズ全体としては結構な変化球で、同時に必要な話数だとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
ここにアンカーを打ち込んだからこそ、多分二人は別の場所、別の形での変化を受け止める靭やかさを確保できる。
そういう場所があればこそ、変わることも飲み込める。
そういう話を一個入れた…そのキャンバスとして、強すぎる過去に常に縛られている二人を選んだのは、僕は凄い正着だと思うのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
変わることへの不安と期待、死という最大の変化の残酷も刻んできたこの話が、また一つ鮮明な色彩を手に入れた感じがする。結構大事な話かなー、と思う。
個人的には、僕が幻視した…だからこそ二人に惹かれた、成熟と世界認識の差を刻みつけながら話が進んだのが、とても嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
やっぱ千夜シャロって、作品で一番歪だと思う。主に千夜の、自覚なき脆さと停滞・逆行傾向が。
思い出の景色のまま、強い女王を演じることが千夜の柱なんだろうなぁ…。
そういう過去の共犯者として、シャロを無自覚に引きずり込んでいるズルさと、置き去りにされたと傷ついてなお微笑みの仮面を被る脆さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
明るく楽しいメロディラインの底を、結構薄暗い通奏低音が支える。三期らしい調性がよく響いていたのも、非常に良かったです。クラいよなー…そこが良い。
いつもの制服と、背伸びした特別。二つの”リゼ”をクローゼットに護ったAパートも、非常に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月5日
選ぶことの尊さ、選ばないことの意味。一話にしっかり並べてまとめる構成力は、あんま言われないけど凄いと思うよ。
やっぱ三期、軽やかに魅せてなお溢れる”力み”が良いんだよな…次回も楽しみ。