アイドリッシュセブン Second BEAT!を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
道化の仮面を投げ捨て、記者会見の場に降り立ったナギ。亡霊が街を闊歩し、気まぐれな世論がアイドルたちを翻弄する中、TRIGGERの新曲が風向きを変えていく。
栄光か、破滅か。
未来を示す羅針盤を読みきれないまま、また一つの”家”が嵐に飛び込む…。
そんな感じのアイドル VS 世論! デッカクなるたび波紋も増えるよ! な、アニナナ二期第12話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
形のない風評に踊らされ、気まぐれに顔を変える大衆と、アイドルはどう向き合うべきか。
二期らしい情報戦が展開し、いつもとは別角度から人間のカルマが暴れていた。
普段は顔と感情の見える人間模様を、どっしり腰を落とし鮮烈に描くアニナナ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
今回切り取られるのは、無責任にピーチクパーチクさえずるマスコミ、それに踊らされる愚かな衆生の群像である。
吠えても暖簾に腕押し、牙を剥いたと思えばすぐ流されて、こちらを支持してくる。
そういうおぞましい怪物こそが、アイドルを支持する(あるいは殺す)最大の母胎であり、アイナナもそういうモノと戦う時期に来たのだなぁ、と思い知らされた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
大衆の軽薄さ、それを操り操られるメディアの無責任に、かなり時間使って向き合うのはアニナナらしい。
真心込めていい曲歌えば、全てがいい方向に転がる…という夢物語はやらないけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
誠を込めて精一杯、自分を愛してくれる存在に向き合うことでしか、最終的に世界は変わらない。
だからこそ苦しみ、だからこそ輝く者たちの物語が、この波紋を越えてどこに行き着くか。相変わらず面白い。
というわけで、ナギの記者会見から開始だよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
プレス席が暗黒大魔界のように暗いッ! 人間の悪意を塗り固めたような色だぁ…。
対してナギの座る場所は、光りに包まれて白い。白も黒に塗り替わるあやふやな世界に、言葉で挑む勝負の舞台。
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ナギはいつもの戯けた調子を引っ込め、シリアスで整った言葉遣いでもって、あやふやな闇に切り込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
一織が解説するように、その立ち回りはうまい。
自分が世間にどう見られ、クズどもが自分達のパブリックイメージをどう齧ってくるか、よく知っている闘い方である。
そうならざるを得ない立場に彼はいた、ということであるし、その過去が窮地を救いもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
他の連中が基本、超絶純情アイドルちゃんなので、こういう腹芸が出来るキャラ、他にいないしな…こういう意外な一面を見せても『まぁナギだし』で収まるの、やっぱ鬼札感強い。
そんなナギが、エレガンスとユーモアの奥に燃やしているものを、環はしっかり見据えてビビる。直感力あるねぇキミ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
笑ってない瞳の奥に、隠す怒りの炎。憶測と悪意に汚された、春樹との関係。そういう真意に気づかないまま、薄暗いプレス席はだんだん光に飲まれていく。
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ナギが持つメディア浸透力を、闇を染める白として演出するここら辺の表現はとても面白いが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
簡単にこちらになびくなら、それは簡単に揺らぐ、ということでもある。
プレス席の闇の向こう側には、ひどく不安定で無責任な、顔の見えない大衆がいる。カメラは、その使い魔だ。
それをどうなだめ、すかし、手懐けるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
自分達の気持ちや苦しみに、しっかり向き合って答えを出せば問題を突破できていた時代が、終わろうとしている感じもある。
アイドルがデカくなるというのは、そういうあやふやなものと向き合うこと。かつて、百ちゃんも言ってたね。
優秀な広報担当を舳先に立たせて、アイナナはそこを上手く泳げそう…と思った瞬間ッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
投げられるスプレー缶、すげー衣装着込んだ不審者、発せられる”衛兵ッ!”の声。
無形の呪いを操る魔術師も、闇の中には蠢いている。
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相手も敏腕演出家、良いタイミングでモブを仲間に付け、”ゼロの真意”なるものを操るすべは巧みだ。その頬骨…オメーやっぱり…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
的確な演出に操作され、人々の熱狂はアイドルが舞台に上がることを阻む。先週のステージで、希望の象徴だった風船が儚く空に舞う。
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ナギといいうさぎのキグルミといい、今回は体を張って誰かをかばう描写が多めである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
何もかもがあやふやで、簡単に風向きを変える世界の中で、どんな風に大事なものを守れば良いのか。
芝居や演出も大事だが、最終的には吹きすさぶ風に身一つ、嵐に飛び込む覚悟が大事になる。
味方サイドはそうやって、飛沫の飛ぶ場所に身を晒す覚悟がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
煙幕と仮面に身を閉ざして、世論を裏から操る魔術師は、そういう部分小狡い。
あくまで安全圏を確保して、自分に棘が刺さらないよう、賢く立ち回ってる感じ。
愚直と狡猾、どっちが良いのかは、小鳥遊と八乙女比べても難しい問題ね…。
正体の掴めない”遠さ”は様々な場所で暴れていて、Re:valeの楽屋にも悪意が届く。百…その空元気やめろッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
衣装をまとって街を闊歩しだした、ゼロの亡霊。そこに実体があるかないかは、もはや問題ではない。
演出次第で、世界は黒にも白にも染まるのだ。
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おそらく”チーム・ゼロ”時代に培っただろう、マスを操る技術と世界認識をフル動員して、存在しないゼロを代弁する九条の魔法。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
そこに見え隠れする妄執の濃さは、顔が見えなくとも感じ取ることが出来る。
つーか全方面にやりすぎなんだよなぁアイツ…どんだけ過去が大事なんだ。
ゼロが消えることで神話は終わり、傷ついたり笑ったりしながら進んでいく、アイドル≒人間の新時代が時を刻みだした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
九条はそんな、神話の終わりを認めたくないのかもしれない。社会的ネクロフィリアなんだよなぁ…。
ここら辺、楽の”今、ここ、俺”重点主義と面白い対比。
『あんなのゼロじゃないッ!』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
光のゼロガチ勢がわんわん泣く中、顔のない影を刺し貫く妙策はまだ見えない。
でもまぁ、三月の直感は正しいよ、おそらく。
ゼロが話の真ん中に入ってきたことで、三月のキャラ性であるアイドル愛が、具体性を帯びてきたのは面白いなぁ。
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ここでも姉鷺さんが体を張って、愛するTRIGGERを波風から護っているけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
TRIGGERは三者三様の言葉とスタイルで、デカすぎる主語の代弁者たろうとするマスコミに対して、『今、ここにいる自分を見ろ』というメッセージを送る。
時は動いている。ゼロだけが、アイドルじゃない。
現役世代のそんな叫びは、強すぎる光に焼かれた黒の魔術師に、果たして届くのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
どっちにしても彼らは表現者で、結局は歌うこと、踊ることで己を証明するしかない。
逆巻く嵐に負けず、アカペラでも人を魅了する最高のアクト。それが、TRIGGERの武器だ。
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まさかの真ん中スタッフロール、TRIGGER新曲堂々披露。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
度肝を抜かれつつ、しかし”正解”としか言いようのない一撃が力強く入る。
モノトーンのアカペラが、タイトルコールと同時に色とメロディを手に入れ、グッと艶めく演出が素晴らしい。
先週空に舞った虹色の風船と、今週踊る三色の花びら。競演…。
このど真ん中の爆弾を起点に、状況は動いていく。動くように、色んな人が策略知略を織り交ぜていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
芸事の話なので、外野の雑音を吹き飛ばす強いアクトが決め手になるのは、凄く良いと思う。
大胆不敵、堂々無窮。曲もパフォーマンスも、凄くTRIGGERらしいし。天だけは”王冠”付けてるのねぇ…。
というわけで…アイドリッシュセブンの中央演算処理装置、動くッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
『はぁ~~~天兄かっこよ~~~~~』と蕩けてるセンターをどかして、汚い大人の欲望読み切り、一発カマすぜ頭脳派アイドル。もう、ヤクタタズとは言わせない…ッ!
頑張れ、ロボ人間。
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一期はさんざん煮え湯を飲まされた、八乙女の社会的影響力。ここで味方になるとホンマ頼もしいのは、非常に面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
嘘もほんとに塗り替わるえげつなさは、八乙女パパなりの生存戦略だったのかもしれない。ドス汚れることで守りたいもの、掴みたいものがあった…のか? …紡のママン?
親世代のクッッッソめんどくさい愛憎が見え隠れしつつ、掟破りの共同戦線で潮目が変わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
マネジ連合も気合十分、可愛い可愛いアイドルちゃんを守護(まも)ると息巻くぞッ!
今週可愛い紡ちゃんいっぱい見れて、非常にハッピーでした。(唐突な萌え語り)
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一織の計算力は一期だとあんま良い結果を引っ張ってこなかった印象があるが、二期はセンター交代に印象操作、いい仕事している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
情熱だけで乗り切れない、あやふやで厳しい世間の風。
それと向き合う身の丈を手に入れて初めて、一織の資質が状況と噛み合った…って感じかな。
逆に言うと、気持ちだけでどうにかなる時代はとっくに終わってる、という話でもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
モニター越しに垂れ流される印象に、くるくると踊る大衆。その間に揉まれる、『アイナナが本当に好き』な人たち。顔の良いオタク達…お前らが”翼”だッ!!
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今回はTV画面の出番が多い回で、主役に対する向かい風も追い風も、液晶製の呪い孔から染み出してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
その向こう側に描かれるのは、風向き次第でどうにでも意見を変える、圧倒的多数。
それを掴まなければ、”アイドル”はやれない。
『なんとなく、好き』
そういう雰囲気を食って、偶像はデカくなる。
不定形の泥めいた世論の、不気味な熱の無さを今回のエピソードは切り取る。コンサート会場に満ちた熱心だけが、アイドルの糧ではないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
”家”の外側に広がる不気味な”空気”に、かなりの注目を浴びせているのは、やっぱアイナナらしい味わいだなぁ、と思う。これ操るのが、黒の魔術師は上手いワケ。
敵も味方も、あやふやな風に魔法をかけ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
ガールハントは一時休止、大事なのはイメージ! プンプン紡ちゃんKawaii!!
でもそういう嘘だけが、綺麗な夢の糧ではない。先週確認した、僕らのリスタート・ポイント。
とても素直で、嘘のない思いが虹を描く場所。
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それがあるから、嵐の中にも飛び込める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
それがあるから、胸の中の呪いが街を彷徨う。
多分なぁ…ゼロと春樹と九条が肩汲んで、アイドルど真ん中走ってた時って、スゲーキラキラだったんだろうね。
だからそれが終わったと認められなくて、九条は自分の中のゼロを代弁する。世論を操り染め上げる。
時よ止まれ、お前は美しい。そう呟く魔術師は、あんま美しくない。人間の業とズルさに塗れて、仮面で覆い隠す表情は見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
その歪んだ影は、今アイドルのど真ん中で奮戦してる連中の鏡なのだろう。胸を焦がす思い出は、時に最大の呪いへと相転移するのだ。怖いねぇ…。
Re:valeやTRIGGERやアイナナが”今”見ている、闇の中の光。ファンとの繋がり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
ゼロの隣で魔法を演出してた九条は、その輝きをもう忘れてしまったのだろうか? 彼の瞳にあるのは、不在なるゼロの虚空だけなんだろうか?
そこら辺気になるわな…攫ってきた子供達の使い道と合わせてねッ!!
風が唸る中、妙に距離がある社長と事務員。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
机、柱、神棚、キャビネット。幾重にも走った垂直のラインが、万理が抱え込んだモノの重さ、素直に預けられない屈折を物語る。
ここの演出で、大体”決まり”かなー、とは感じた。”一人目のRe:vale”、か…。
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裏方に引いて、もう手が届かないもの。今まさに輝く者たちを、後ろから支え見守る視線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
万理の中で、多分過去は呪いになってない。彼は多分まだ千が好きで、自分の消えた虚空を必死に埋めてくれた百のことも、好きなんだと思う。
それでも、百の喉は詰まる。人生、なかなかままならない。
クソ魔術師の呪いも含め、拗れに拗れたアイドルてっぺん事情。ここに万理が踏み込んで状況が動くのか、当事者がどーにかするのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
複雑に揺れるお互いの思いが、重心点を見つけられないまま。
また一つ、”家”から呪いが染み出す。そーいやキミも、親と違う名字を背負うか…
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ヤマちゃんところの家庭事情も、四葉の爆弾も、そういやなんにも解決してねぇな…という所で、次回に続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
マージで情動の地雷原、アイドルのカンボジアよ。
あと次回予告どうなってんのマジっ!
たった二秒でこっちの情緒をズタズタに出来る、プロの犯行を思い知らされましたよ。エグいなぁ…。
嘘、嘘、嘘。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
空っぽなゼロの”真意”が、魔術師のタクトで街に踊り、アイドルは対抗するべくイメージ戦術を練る。
偶像達が何を食ってデカくなるか、良く見える回だったと思います。
社会…というか非常に日本的な”世間”をずっしり描いてて、独特で面白かった。あー、湿度高い…。
そんな顔のない世界に波紋を投げかけて、自分の欲しい物を引き寄せる闘い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
その中心にあるのは、嘘とは程遠いむき出しの感情で、だからこそ”アイドル”は強く、恐ろしい。
怪物の潜む魔海を、船は征く。足元には因縁の岩が隠れ、牙を突き刺す瞬間を待ちわびている。アイドリッシュ海洋ホラーッ!
二階堂と千葉、四葉と九条、百と千と万。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月7日
どの地雷が炸裂してもおかしくない状況ですが、さてどう転がっていくか。次回が大変楽しみです。
…ここで”世間”の空疎と怖さを描いたってことは、最後はそれを動かすほどの巨大な”俺たち”で〆る…んだろうなぁ。対置の上手い作品だわ。